サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【TopDaily訳】韓国ゲーム「チャイナリスク」兎死狗烹か

【TopDaily訳】韓国ゲーム「チャイナリスク」兎死狗烹かかhttp://www.topdaily.kr/news/articleView.html?idxno=80419

トップデイリー:シン·ジンソプ記者


「シャイニングニキ」韓国サービス終了はコンテンツではなく政治によって決まった。韓中間の変化したゲームパワーをうかがわせる出来事だ。

韓国のゲーム界が「チャイナリスク」で苦しんでいる。 技術力と資本を蓄積した中国が韓国の首輪を握って揺さぶっている格好だ。


新作モバイルゲーム「シャイニングニキ」は発売8日で韓国でのサービスを終了すると発表した。 韓服は中国の「漢服」から由来したものだという中国ユーザーの抗議が殺到すると、韓国のサーバーを閉鎖した。 前例のないことだ。


情況が怪しい。 ペーパーゲームズは韓国でかなりヒットした。 女性向けゲーム「ニキシリーズ」で、韓国にも多くのファンがいる。 昨年は韓国支社を設立し、意欲的な姿を見せた。 ペーパーゲームズコリアは問題となった服装をゲーム内から削除し、韓国のユーザーたちをなだめようとした。 ところが同日夕方、サービス終了に突然旋回した。 最初のお知らせには韓国のユーザーに対する「韓国運営チーム」の感謝と謝罪の気持ちが込められていた。 文章はすぐに修正された。 初めて目にするGM(ジェネラル・マネージャー)が「갑툭튀(突然登場)」し、翻訳機を使ったように中途半端な韓国語で中国を侮辱するアカウントは容認できないと伝えた。


韓服が中国文明から来ており、古代朝鮮の始祖が中国人の「箕子」であるという青年連盟中央委員会の文章までリンクした。 該当団体は、中国共産党傘下団体で青年思想指導事業を行う宣伝組織だ。 これにより、ペーパーゲームズの韓国支社は設立1年目で事実上廃業手続きを踏むことになった。 今後の韓国事業は極めて不透明になった。 経営陣としては甘受し難い判断だ。 ゲーム会社自体の意志ではなく、より巨大な上位の力が働いたことがわかる。

 

■  韜光養晦で暴れすぎた中国

中国では「漢服運動」が激しい。 チーパオ(旗袍:いわゆるチャイナドレス)の代わりに、漢服が中国を代表する服装として浮上している。 韓服は明の服飾の影響を受けており、朝鮮族は55の中国少数民族の一つであることから、韓服も中国の文化だという論理だ。

中国のIT企業は、韓国をコピーして吸収し、成長してきた。 00年代までも中国の行商人たちは、韓国ゲームを一つパブリッシング(流通)するために必死だった。 劣悪なインフラと資本、ウェブゲーム以上は考えられないほどの技術力というのが中国ゲームのイメージだった。 中国は甘く、明白な「乙」だった。 ネオウィズ、ウィメイド、スマイルゲート、ネクソンなど韓国のゲーム会社がこの過程で中国と手を組んだ。 しばらくの間、中国は韓国の良きパートナーのように見えた。 中国は限られた国内需要を打開できる検証済みの市場だった。

 

しかし、わずか10年で状況は大きく変化した。 モバイル中心に市場が再編されると、中国は足指の爪を突き出し始めた。 韓国の開発者を上回る金を払って開発力を蓄積し、ITインフラは成長し、14億人口の強力な内需市場が作動し始めた。 韓中のコンテンツ権力関係には破裂音が聞こえ始めた。


多くの行商人の中で最も大きく成長したのがテンセントだ。 SayClubを模倣した「QQメッセンジャー」で市場を掌握していった。「ダンジョン&ファイター」と「クロスファイア」を通じて蓄積した資本でライオットゲームズ、スーパーセル、エピックゲームズ、アクティビジョンリザード(全てアメリカの会社)など有数の会社の株式を買い入れ始めた。韓国のゲーム会社もテンセントの投資を受けて成長した。 カカオゲームズ、ネットマーブル、KRAFTON、4:33など、国内の有名ゲーム会社のうちテンセントの持分がないところはなかなか見つからないほどだ。 韓国ゲームの対中依存度は次第に高まっている。 企画段階から中国市場を念頭に置いて開発したゲームが増えた。 ややこしくて難しい北米は自然と順位が後回しになった。 自然と中国は韓国ゲーム界が回るための十分条件となった。

 

そうしているうちに版号(パンホ)が上がった。 2016年のTHAAD配備に触発された中国の限韓令の一環だった。 一時的な拘束だと思ったが、実際はそうではなかった。 北米圏のゲーム会社には外資版の門戸が開かれたが、韓国のゲーム会社には門戸を出さない。 今になって考えれば、THAADは単なる名分に過ぎなかったという疑念をぬぐい切れない。 自分を隠して力をつけるという「韜光養晦」から中華中心に回帰する「崛起」への転換を知らせる事件だった。 胡錦涛の時代が終わり、習近平の国が開かれたが、韓国ゲーム界は中国が永遠なパートナーになれると楽観した。

 

■毒になった投資、二者択一を迫られる韓国

中国は米国中心の国際秩序に反旗を翻し、紛争の中心に立った。 韓国ゲーム界はいつの間にか中国の好戦的民族主義に同調しなければならないという圧迫を受けることになった。

 

PUBG(韓国のゲーム会社KRAFTONのゲーム「PLAYERSUNKNOWN BATTLE GROUND」)の「バトルグラウンドモバイル」は開発段階からテンセントと協調した。 数百人の開発力を前面に押し出したテンセントのおかげで、わずか数ヵ月で「バトルグラウンド」のモバイルバージョンが完成した。 版号発給には失敗したが、運営の妙を生かして中国市場に進出したという。 中国でサービス中の「和平精英」が名前だけを変えた「バトルグラウンドモバイル」ということを否定する人は珍しい。

 

ブーメランが帰ってきた。 中国とインド間の軍事紛争のため、「バトルグラウンドモバイル」はインド市場から追い出された。 インド政府がPUBGの親会社のKRAFTONを汎中国企業と判断したのだ。 テンセントとの関係を否定しようとするKRAFTONの姿は、まるで横にいるユダのようだった。 しかし10%を超えるテンセントのKRAFTONの持分やKRAFTON登記役員である馬暁偉・テンセント副社長の存在は否定できない烙印だった。

 

中国との葛藤以後、インドの選手たちは「南アジアバトルグラウンドモバイルeスポーツ」大会に出場停止になった。 インドのプロチームが激しく抗議したが、PUBGは何も言わなかった。 選手出場停止はインド政府を極度に刺激する行動に映りかねず、サービス再開に役立つはずがないのにも関わらずだ。この大会はパブジとテンセントの共同主催だった。本紙の質問にもPUBGは特に立場がないと答えた。まるで足を得る代価として魔女に声を捧げた人魚姫のようだ。

 

世界3大市場の一つであるインドで、「バトルグラウンドモバイル」のユーザーは3300万人以上とされている。 インド版削除後、現地のユーザーたちは韓国版やベトナム版を通じて迂回してバグモバイルに接続しているという。 しかし、アクセス遮断は時間の問題と見られる。 PUBGとしては未来市場のインドと、現在の「金づる」である中国との二者択一を強いられたも同然だ。 年内にもテンセントが開発したバトルロイヤルゲーム「コールオブデューティ:モバイル」が中国で発売される。 PUBGの収益下落は予定されているが、これを打開する方法が見えない。     

 

「ダンジョン&ファイターモバイル」の中国発売遅延も同じ文脈から読む事ができる。 今年8月に発売されるはずだったゲームは、11月まで発売が未定のままだ。 ネクソンの公式の立場は「ゲーム内の過没入防止システムのアップグレード」というが、これを信じる業界人はほとんどいない。 果たして10年前なら、テンセントと中国が「ダンジョン&ファイターモバイル」の発売を阻止できただろうか。 中国政府はテンセントを育成するために「ダンジョン&ファイター」が必要だった。 テンセントはもう十分大きくなった。 「ダンジョン&ファイター」はテンセントにとって必要条件にはなりえるが、十分条件にはならない。「法に従ったゲーム」も、もはや中国政府の影響から自由ではない。 「ダンジョン&ファイター」モバイル事態は、韓国ゲーム会社に対する中国政府の警告状のように見える。 「ダンジョン&ファイター」も足止めされているのに、一体どの韓国ゲームが共産党の顔色を伺わずに済むというのだろうか。

 

テンセントは「公然と投資だけで制作には関わっていない」と主張した。 中国の影響を恐れるゲーム会社に握らせた安全ピンだった。 永遠なものはないということだけが永遠だ。 世界的に反中感情が激しくなればなるほど、チャイナリスクは大きくなっていく。 世界のユーザーは中国と関連がないことを明確にせよという十字架を踏むよう求める。 ゲーム会社はある瞬間、中国を否定することが不可能な現実に向き合うようになる。

 

最近「リーグ・オブ・レジェンド」で浮上したセラフィン事態がそうだ。 セラフィンは、中国人アイドルがコンセプトのキャラクターだ。 セラフィンは韓国人キャラクターのアーリ(九尾の狐=クミホのキャラクターでK/DAのリーダー)を押しのけて仮想のKPOPグループK/DAのセンターの座を占めた。 ライオットゲームズはセラフィンは正式メンバーになったわけではないと鎮火に乗り出したが、ユーザーたちは依然として疑いの目で見ている。

 

来年の「ロールドカップ(League Of Legend=LOLのワールドカップ)」」決勝戦は、今年と同じく中国で開催される予定だ。 大陸を交互に渡って行ってきたこれまでのロールドカップ開催地選定の基調とは異なる。 本来2021のロールドカップは北米で行われる予定だったが、COVID19感染症のため日程が「偶然」に変更された。

中国はロールドカップが中国で開催されるべき「偶然の」理由を提供した。 昨年、中国のeスポーツ市場の規模は1000億元を超えており、今年、中国のeスポーツ利用者は4億人を突破する見通しだ。 中国政府の政策的支援を受け、世界のeスポーツの中心は次第に中国へと移りつつある。 数万人を収容できる競技場が整然と立ち並んでおり、eスポーツ大会をサポートする中国内のロール関係者が存在する。 時にはニンジンはムチに劣らず政治的だ。

 

■全世界を揺るがす「原神インパクト」、韓国の脱中国を模索

例外が繰り返されれば、「日常」という名で呼ばれる。 中国ゲームの空襲という言葉はもう古い。 技術力、開発力、事業性などほぼすべての分野で、中国ゲームは韓国ゲームを追い越したというのが大方の見方だ。韓国はもはや復興ではなく生存を模索しなければならない状況に直面した。

今年8月に発売されたmiHoYoの「原神project」は衝撃的だった。 ソ連の宇宙飛行士ガガーリンを見守っていた米国の心情がこのようなものだったのだろうか。 韓国がこれまで何度も叩いても崩れなかったグローバル市場を、業力8年目のゲーム会社がワンビルドで攻略することに成功した。 「チャンスム(中国版ゼルダ)」という国内批判は通用しなかった。 市場調査機関のセンサータワーによると、原神プロジェクトは発売から1ヵ月で2億5000万ドル(約2800億ウォン)を稼いだ。 エピックゲームズの「FORTNITE」(2500万ドル)はもちろん、「リネージュ2:レボリューション」「リネージュM」などの発売初月の記録を上回った。 中国が後押ししたという言い訳も通じない。 原信売上の66.5%は中国以外の地域で発生し、日本で5900万ドル(24%)、米国で4500万ドル(18.3%)稼いだ。

 

中国ゲームはすでに韓国市場に食い込んでいる。 6日基準でGoogleプレイ売上10位のうち、「奇跡の剣」「ライズ・オブ・キングダムズ」「ミューアークエンジェル」「原神project」「S.O.S:ステート・オブ・サバイバル」の5社が中国産だ。 韓国のゲームはMMORPGジャンル以外では売上げ首位圏に入れないで久しい。 MMORPGまでもが、韓国のIP(知的財産権)を借りて中国が開発するゲームが増えている。 中国で飼育し、韓国に輸入して6カ月後に屠畜した「韓牛」に違いない。 今年最高の韓国ゲームを選ぶという「2020ゲーム大賞」のボリュームと深さは目を見張るほどだ。 「原神」と「AFKアリーナ」を除いて今年の韓国ゲーム市場を論じることはできるのか。


たくらみに自分から乗ったのだ。中国がうつぶせになって力をつけている間、韓国は酔っていた。 中堅会社は成功の可否を判断することができない自社開発作より、中国メーカーの肩代わりに余念がなかった。 開発組織を縮小し、事業部は増やし、有名芸能人で不足するゲーム性を「穴埋め」した。中国ゲームの単価が上昇すると、採算の取れないゲーム会社はすぐに減少した。 大手企業は確率型アイテムで、足りない需要を極端に奇形的に増やした。 ユーザーたち、特に未来の顧客である10代から20代前半の民心が離れた。 チャンスを生かせなかった。 中国から流れ出た資本を開発力に転換することに失敗した。 今ちょうどその運を預けたばかりのコンソールでは収益を担保できない。 口ではゼルダと言いながらも、煮込むのは牛骨モバイルだった。

(訳注:牛骨は何度も煮て汁を出すことができるため、隠語で牛骨(サゴル)は繰り返し何度も発売されるものにつける単語。繰り返しバージョン違いや焼き直しで出されるモバゲーのことと思われる)

 

シャイニングニキ事件は偶発的でも突然でもない。 韓国のバラエティー番組、化粧品事業、LCDディスプレー、通信分野ですでに発生していた「兎死狗烹」が、ゲーム界に少し遅れて発生しただけだ。 慎重化思想で武装した中国の青年層は「国強」(愛国消費)を目指し、オンラインでは反中国的なことに容赦ない報復と不買運動を行う紅衛兵に育てられた。 パンダに素手で触ったからといってアイドルグループに石を投げ、朝鮮戦争について語ったからといって退出云々する。  K−コンテンツを育成するという政府は、版号問題についてはまるで幽霊でも見たかのように口をつぐんでいる。

 

光電総局(中国の放送・映画・広告などを管轄する長官級部署)の門戸を開いても解決できる問題ではない。 中華思想こそ最も難しい版号だ。 韓服を韓国のものだと言うゲーム会社が中国に入ることができるだろうか。屈従か自立か、韓国ゲームは岐路に立たされている。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「兎死しして狗(いぬ)烹にらる」:利用価値があるときだけ用いられ、無用になると捨てられてしまうことのたとえ。

 

箕子:中国殷時代の政治家。朝鮮を建国したという「箕子朝鮮説」で知られる(始祖については諸説あり、中国と韓国の歴史学会でそれぞれ見解が異なる部分がある)

 

韜光養晦(とうこうようかい):中国語で「自らの力を隠し蓄える」といった意味の表現。鄧小平が掲げた外交政策のスローガンとして知られる。韜光養晦の語には「韜光養晦、有所作為」と続く。自身の能力は対外的にできるだけ隠しつつ、取るべきものは取る、という方針とされる。(Weblioより)


版号:パンホ=中国当局による外資系出版認可番号/ゲームサービス許可権

http://japan.mk.co.kr/view.php?category=30600004&year=2019&idx=9437


「シャイニングニキ」は日本でも知られている着せ替えゲーム「ミラクルニキ」の続編で、日本ではこれから配信される予定みたいです。ねんどろいども出るし。ユーザーが増えているスマホやオンラインのゲームではやはり中国・韓国が強いですね。

韓服の件はTwitterでも一部話題になってましたが、インドと中国の話は知りませんでした。

ちなみに2018年の韓国ゲーム産業の売上高は約1兆3300億円(14兆2902億ウォン)でKPOPや映画・ドラマなどを含めたコンテンツ輸出額のうち67%以上を占めるそうです。

(参考として、2017年度の日本のゲーム輸出額は1兆7千億円超)

 

韓国アイドル・芸能人でも同じ事が特に最近また目立っているなんですが、そちら関連の記事は「中国でも変わらずドラマやアイドルの人気はあるし、そういう視線は人気の裏返し」みたいな記事の方があったりして...

確かに「人間」がコンテンツだと代替品を作りにくいかもしれませんが、作品性も重視されるコンシューマーゲーム以上にシステムと絵・キャラクターが命のモバゲーやオンラインゲームではそのあたりとってかわられやすいのかもとは思います。日本や韓国の人気イラストレーターと契約したり、「あんさんぶるスターズ!」のHappy Elementsのように本社は中国企業で制作は全て日本の子会社が行なっている人気コンテンツもあり。日本で「荒野行動」や「Identity V(第五人格)」が人気のNet Easeは1ヶ月の売り上げのうち日本が35%をしめた時もあったとか。日本でも「ホロライブ中国」件などありましたし他人事ではないですね。

 

アイドル界隈でもKPOPアイドルが中国内で活動できなくなった間に中国版プデュがブレイクし、KPOPの育成スタイルや制作陣をそのまま参考にしたような中国アイドルがどっと増え、実際に中国内でのKPOP人気を超すファンドム形成&巨額のマネーが動く自体になって来ていますが、中国国内での事はともかくとして、結局はそういう海外コンテンツが流入して来た時でもユーザーが離れない、代替品のないコンテンツを作るしかないのかなとも思います。オタクはどのような手段を使っても手に入れたり見たりするものですし...アニメや漫画などのコンテンツを見ると、技術面に比べるとクリエイション面はコピーやベンチマークできないものだと感じるので。逆に中国アニメの中でも日本でも幅広く支持されている「ロシャオヘイ戦記」みたいな作品はビジュアルだけじゃないその作品にしかないクリエイティビティがあると思いますし、日本製品不買運動の中でも「代替品が他にない」という理由でめちゃ売れたNINTENDO Switchや「あつまれどうぶつの森」、PS5みたいなものもありましたし。

(あつ森は似たような影響で中国ではBANされましたが)