[안혜리의 직격인터뷰]베스트셀러 알고리즘? “25세 신진의 1위는 철저한 기획” | 중앙일보
【中央日報】ベストセラーのアルゴリズム? 「25歳新人の1位は徹底した企画から」
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アン・ヘリ記者 2026.09.17 15:30
先月10日、ソウル上岩のビッグフィッシュ出版社でイ・ギョンヒ代表に会った。 起業後はずっと週7日勤務をしてきたが、今年に入ってようやく週6日だけ働くようになったという彼女は、「なぜ」という質問のたびに「やらない理由がないから」と答えた。 キム・ジョンホ記者
8日午後、ソウルの教保文庫光化門店の鍾路ゲート側にあるベストセラー売り場の前に、しばらく立っていた。 総合1位の座にあった韓国小説が、初めて目にする見知らぬ本だったからだ。 スマホで検索したアラジンやイエス24のランキングでも、やはり1位と2位だった。 いつからかベストセラーランキングはしばしば「いったいどんな本なのか?という疑問を呼び起こすミステリーであることが多かった。 しかし、今回のようにまったく解釈不能な感じは初めてだった。 有名作家の新作でもなく、人気アイドルや有名インフルエンサーの推薦や映画化・ドラマ化とも無関係で、むしろ多数の新聞の書評に一行も掲載されない、完全な無名の本だったからだ。 しかも、何十年も本を扱ってきた出版担当と文学担当の記者に聞いてみたところ、「それって何の本なの?」と逆に質問が返ってきた。
「3週間で2億ウォンを貯めて1万部
小説も作家ではなく企画中心
海外向けカスタム出版で億ウォン規模の前金」
'「大衆の選択・承認がより重要」
"14日、教保文庫光化門店のベストセラー売り場で、出版3週目の『韓国史異常現象研究院』が2位にランクインした。 大々的なマーケティングを展開しているチョ・ジョンレや東野圭吾の新作よりも高い順位だ"
混乱が収まる間もなく、なんと170万部も売れた超大型ベストセラー『言語の温度』を書いたイ・ギジュの2024年の続編が1600部余りの買い占めニュースに続き、韓国最大の単行本出版社である文学トンネの創業者、カン・テヒョン(69)会長がIP(知的財産権)産業への地形変化に直面し、文学トンネを売却するという知らせまで飛び込んできた。
韓国の出版界で一体何が起きているのだろうか。 ソウル国際ブックフェアには15万~16万人が押し寄せ、コンビニのオープンランを呼んだミヌム社のパン(※訳注:老舗文学出版社ミヌム社が大手コンビニGS25とコラボして出したパン。パッケージにミヌム社の文学全集のカバーデザインが使われランダムでブックマーカーが封入されている)は10日で35万個売れるというテキストヒップ時代に、肝心の出版界は初版1000部すら売り切るのが難しいという深刻な不況に見舞われている。この皮肉をどう解釈すべきだろうか。
答えを求めて、ジャンル作品としては異例の2週連続で教保文庫総合ベストセラー1位(3週目は2位)に輝いた『韓国史異常現象研究院』(以下『異常現象』)を手がけたビッグフィッシュ(文学ブランドはDIVE)のイ・ギョンヒ(44)代表に、ソウル上岩の彼女のオフィスで会った。 ビッグフィッシュは、ウィズダムハウス出身の中堅編集者5人(現在は3人)が2021年に共同創業した会社で、社員10人が年間30冊ほどの多作をこなし、既成出版界とは異なるさまざまな試みを行っていた。 その結果の一つが、2001年生まれの無名作家の初作品で生み出した教保総合1位だった。 2時間以上話を聞いてみると、スターとして育てるイメージを先に決めてキャスティングし、その後ファンダムと海外市場を攻略する企画力とデータに基づくマーケティングで利益を上げるK-POP事務所と似ていた。 日本から伝わってきた「ナポリタン怪談」ジャンル(※状況を教えず、手がかりや報告書を与えて読者自身が埋めていく形式。訳注:日本では「意味怖」と言われる事が多い)である『異常現象』を媒介に、2026年現在の韓国出版界について語った。
(以下、一問一答。 アン・ヘリ論説委員)
ー刊行と同時に売上ランキングの総合1位に入った。 どのような経緯で可能になったのか。
「教保文庫と独占的にブックファンディングを行った。 ジャンル作品に強いアラジンも考慮したが、教保文庫は実店舗もあるので、ひとまずベストセラーランキングに入れば、もっと多く売れるだろうと考えた。 それが的中した。
ただの感想ではなく、チェ・インソ(25)作家が2023年10月から2024年9月まで、1020中心の創作プラットフォーム「Postype(訳注:日本でいうPixivのような創作系投稿サイト)」で連載し築いたファンダムが存在しており、何よりも面白かった。 7月末から3週間にわたり、定価2万2000ウォン(割引価格1万9800ウォン)の本に作家の未公開「外伝」・新聞・隊員証をグッズとして同梱したパッケージを2万300ウォンで販売した。 300~500部売れれば成功とされる最近の出版ファンディング市場を考慮し、まずは1000部を目標に設定し、うまくいけば5000部ほど売れるだろうと期待していたが、総額1億9568万9900ウォンを集めた。 予約販売1万部に相当する。 そうして1位になった」
"『韓国史異常現象研究院』は、表紙デザインはもちろん、手書き文字を加えた報告書形式の本文など、独特なデザインで読者の収集欲を刺激した。 推し活のように本を買う20代の読者を狙ったのだ "
「実用書を多く出していたが、小説で1位になった。
起業直前の1年間、サムアンドパーカーズでインプリント(インフラは共有し、編集権は独立して行使する下位ブランド)を1年間行った。 その時、『ドルグート夢百貨店』の原稿を検討した。 ウィズダムハウス時代は小説を担当したことがなく、すぐに売上を出さなければならないというプレッシャーで、別のインプリント(ファクトリーライン)に移った。 100万部小説(※2020年代に入って初の100万部小説)を逃したということだ。 この時から小説に興味が湧いた。 ちょうど韓国文学の輸出が東南アジアを越えて英米圏まで好調になり始めた。 新人作家を発掘して「企画小説」を作ることにした。『異常現象』は、私たちが発表した5作目の小説だ」
作家が先に書いた原稿を受け取るのではない。 代わりに、出版社側が作家に海外市場ではこうしたテーマや素材がよく売れるからそのような要素を取り入れた小説を書いてほしいと提案する。 作家の知名度は重要ではない。『時間が止まった和菓子店、華月堂です』(イ・オンファ)と同じやり方だ。 最初から「海外市場で多く売れるように、こういう要素を入れて作中に使ってほしい」と注文した。 売るために企画した商品だ。 輸出の最前線にいる海外出版エージェンシーに売れるポイントを何度も尋ね、「黒猫」といったような要素を盛り込んだ。 表紙にも小さく猫を描いた。 2024年12月に出版されたが、ちょうどハン・ガン作家のノーベル賞効果もあり、ドイツ・アメリカへの輸出だけで億ウォン規模の前金(かなりの金額だが、イ代表は非公開を望んだ)を受け取った。『ドルグート』(2020)以降に人気を博した『不便なコンビニ』(2021)や『いらっしゃいませ、ヒュナム洞書店です』(2022)のようなヒーリング小説系では、終わりかけの作品同然だったにもかかわらず、好成績を収めた。 韓国では5000部足らずしか売れなかった。 これなら輸出しない理由がない」
"「ドルグート(シリーズ)の作家が誰かご存じですか?」イ・ギョンヒ代表が尋ねた。 100万部を超えて売れた超大型ベストセラーなのに、名前が思い出せなかった。 作家の知名度より出版企画が優先される今どきの出版市場を浮き彫りにする一場面だった。 写真は教保文庫光化門店でプロモーション中の『ドルグート夢百貨店0』"
「それよりも、国内で売れそうにないなら、海外で売れるものに挑戦してみようというアプローチだ。 新しい市場を探すということだ。 私たちは文学出版社ではないので、国内の大物作家を起用することはできない。 作家のキャスティング力なしで競争できる方法が何かを調査した。 よく売れている本が何かを本屋で覗き、海外市場で通用する本の共通点が何かを記事で読みながら勉強し、またエージェンシーに何度も尋ねた。 四半期に一度くらい、私たちより先を行く日本の出版を学んでくる。 このような過程で、エッセイの中にも可能性を見いだした。 参入障壁が低いため誰もが飛び込むが、実際、国内だけを見ればエッセイは簡単ではない。 有名人の著者を立てなければ、どんなにテーマや文章が良くても売れない。 ところが、昨年世界最大の書籍見本市フランクフルト・ブックフェアに合わせて出版された『涙の代わりにラーメン』は、無名作家(ウォンド)でありながら、イギリスの三大出版社であるペンギンランダムハウスのインプリントであるイーバリー(Ebury)にかなり良心的な価格で売れた。 この本もまた、「最近、西洋で食べ物など韓国文化への関心が高いので、こうした内容で書いてほしい」と依頼された企画エッセイだ。今年のフランクフルトでは、キムジャン(訳注:一年分のキムチをまとめて漬ける韓国の習慣)を題材にした母娘のケア物語を上演する。 韓国的な題材の普遍的な物語が通じるだろうと思った。 海外でも子育ては娘の役割なので、ドータートラック(daughter track=娘が親のケアを背負わされる事が多いため、年老いた親の介護を優先するために自主的に仕事を減らしたり退職したりする女性の選択・生き方)という言葉まであるそうだ。 国内では売れないだろうが、海外では確実に売れる。 海外での成果を作った後、国内で出版するつもりだ」
ーチャットGPTの登場以降、メディア・出版の終焉が懸念されるAIの時代だ。 どう備えればいいのか。
「特別なことはない。 運良く1位になったが、本が売れないのを実感している。 ベストセラーにランクインする部数が徐々に減っている。 100万部はまったくなく、10万部も本当に出てこない。 でも、面白ければ今でも売れる。 そうしてふと、『自分だけが面白いと思うものを作っているのではないか』と反省した。 組織での生活を振り返ると、上の連中が期待せず嫌がるような新しいことをやるときはいつも上手くいった。 私も独立してからは、自分の経験に足を引っ張られることが多かった。 歴史が好きで関連書籍をかなり出してきたけれど、絶対に専門家でなければならないと思っていた。
しかし、最も成功したのは、当時登録者40万人(現在59万人)を抱える非専門家ユーチューバー(ソム作家=イム・ソミ)が書いた本(『最近の大人のための最低限の世界史』)だ。 10代からやってきたが、最近は特にネットコミュニティに頻繁に出入りするようになった。 コメントがたくさん付いている投稿を見ながら、人々が何に興味を持っているのかを探る。『異常現象』はそうして発見した。 あちこちでこの話が広まっていくの追いかけていき、Postypeにたどり着いた。 ちょうどジャンル文学板が大きくなり、輸出もうまくいっている傾向だ。 映像化の版権に関する問い合わせがもう3社から来ている。 もし普通の大手出版社に身を置いていたなら、上司の許可が得られず、そもそも出版できなかっただろう。 見知らぬジャンルであるのに加え、編集期間は倍、制作費は3~4倍もかかったので」
"2023年に自費出版(POD)で初めて刊行された当時高校生だった詩人、チャ・ジョンウンの『トマトカップラーメン』(リカバーバージョン)が、2026年9月現在、ナ・テジュ・ユン・ドンジュン詩人とともにベストセラーランキングに入っている。"
「現在の出版界の主な顧客層は40代女性だが、『異常現象』は売れた4万部のうち、20代女性の割合が圧倒的だ。DCインサイド(DCギャラリー掲示板)のようなコミュニティやX(旧ツイッター)を見ながら、20代の読者について学んでいる。 この子たちは、本も推し活するみたいに好きなようだ。コレクション価値がなければならない。 それがデザインに普段の3倍以上の費用をかけた理由だ。 以前、チャ・ジョンウン詩人の『夏のピーチスパークリング』でも20代の読者と会ったことがある。 (チャ・ジョンウンが)高校時代の2023年に自費出版した『トマトカップラーメン』が同年代に大ヒットしているのを見て、修学能力試験を終えたチャ詩人に手を差し伸べた。 既成の文学編集者なら、詩人として扱うこともなかっただろう。 しかし、期待通りに2万部も売れた。 (※正統派文学出版社である「子音と母音」も最近、チャ詩人の『エアコンが消えた』を出版した)偏見がなかったからこそ可能だったことだ」
ー新進作家・ユーチューバー・自費出版···どうしてそんな選択をしたのか。
「やらない理由はないので、なんでもやってみる。 ベストセラーを出したいからです。 私が難関文系大学出身で、キャンパスのアルバイトから出版を始めたマイナーだから、余計にそう感じるのだろう。 出版業界の主流は、「私(編集者)」と出版界が認める「良書」のベストセラーを求めている。 私は大衆の承認のほうが重要だ。 出版界や報道界は、おそらくこういう本はまったく理解できず本だとも思わないだろう。 私は理解しようとはしない。 人が集まっている現象、市場だけを見る」
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最近日本のメディアで韓国の「テキストヒップ」というトレンドが紹介されたりしていますが、実際それで「本が売れている」「読書が盛ん」というよりは出版不況は変わらずで、ブックフェアのようなイベント体験やSNS、物体としての所有自体が目的だったり「文字周り」のブックイベントやグッズといった「書籍のイメージ周りのトレンド消費」の方が盛んな面が多いのでは、という体感は奇しくも「テキストヒップ」という言い回し自体にもこめられている感じはします。「読書ブーム」ではないわけです。
例えば、大手書籍ECの yes24のYouTubeチャンネルでソウルブックフェアのレポート動画があり、ネットで話題になったものを中心に購入品の話をしているのですが、8割は「グッズ」の話で本の話にしてもブックデザインの話がかなり多いです。あと若者の間でやはりホラージャンルが流行っていることもわかる。
https://youtu.be/u2_U3Jgw3Yg?si=k__YSmK_I2PKCf3j
売るために本周りのグッズを増やしたり装丁に力を入れることは読書の楽しみを支える上でもポジティブなことですし、独立系書店(大手ではない個人経営の小さな書店)が増えたりブック関連イベントなどの新しいカルチャーが芽吹く素敵な機会でもあることは確かだけど、ベースはあくまで「本周りのイメージがトレンド」という消費の仕方が優勢なので、ブックフェアが行列で文学全集モチーフのパンが売り切れでも初版1000部売れるのはかなり難しいみたいな捻れが起きているのかもしれません。元々、韓国の出版周りは本を売るためコミックス書籍に予約特典などグッズをつけたりというのは日本よりも定着している印象ですが。
(とはいえ、今の韓国の学生は日本の学生より平均的に本をたくさん読んでいそうだとは思うけど)
日本でも60〜70年代あたりは特に学生の間で読んでいる本や雑誌をあえてむき身で持つのがイケていた時代があったといいますし、それに近いものもあるのかなと。柄谷行人とか浅田彰とかを実際に意味はわかってないけどイケてる人に見えるために読む、みたいな(世代じゃなさすぎるのでこの当時のリアルはわからないけど、今も多少なりこういうことはあるのではないかと思う。本とか映画などで...)その時は意味がわからなくても、若く興味が旺盛な時期に読んでおくこと自体が後で財産になったりもするので、それもいい経験なのかもしれませんが。
文中で「四半期に一度くらい、私たちより先を行く日本の出版を学んでくる」とありますが、「先を行く」というのは「進んでいる」というよりも単に高齢化や若者の考え方の変化みたいな社会や世代的変化が日本に先に来ていて、○年後の自分たちみたいな感じで見てる面もあるのかな?と。
「作家性を前面に出した本よりも企画もののほうが売れたりする」というのも、日本ではすでに結構前からある気がします。
しかし「海外で売れやすい内容」が「猫が出てくる」「和菓子屋・書店・カフェ」な「ヒーリング小説」というのは、今まさに欧米圏で売れている「日本の小説」特有のジャンルとされているものなんですよね。欧米圏(特にイギリス)で人気の日本の本というと今は大きく分けて「ミステリー・サスペンス(柚木麻子・松本清張・雨穴等等)」「女性作家による文芸(村田沙耶香・川上未映子・川上弘美等)と「ヒーリング系小説(「コーヒーが冷めないうちに」「お探し物は図書室まで」「猫の家」等)の3ジャンルらしいですし。そういえば、日本文学を紹介しているイギリスの出版社がそんなに内容に関係なくても表紙に猫を入れたりするという話を読んだこともあります。
(Surrealism, cafes and lots (and lots) of cats: why Japanese fiction is booming https://www.theguardian.com/books/2024/nov/23/japanese-fiction-britain-translation)
文中に出てきた作家イ・ギジュ氏の買い占め事件とは、作家が出版社と共謀して自分の新刊を大型書店複数店舗で買い占め、ベストセラーランキング上位に入るよう操作したという事件で、韓国では検察に起訴されました。
https://www.hankyung.com/article/2026091075627
元々は170万部のベストセラーを出したこともあるエッセイストで、1600部というのは犯行期間の間の該当書籍「普遍的単語」の販売数の14%にあたる部数とのことなので、この期間だけで買い占めがなくても1万部近くは売れていたということになるのですが、実際にランキング順位が1・2個は上がった計算になるということで起訴にまで至るというのは、「ランキング」や「トレンド」というものに日本以上にリアルが左右されやすい韓国ならではという気もします。
そしてこれって以前から韓国の音楽業界では言われてる手法なんですよね。会社が買い占めてチャート上位に入ることでバイラルを狙うという...一時期問題になりすぎて流石に最近はないですが、「内容には自信があるけど、注目を集めないことには見向きもされない。だからとにかく話題になりさえすれば」的な考え方のベースが近いものを感じます。