サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【Biz韓国】[K-POP:不思議の国のアイドル] BTSグラミー賞の不発原因をKPOPから探す

 [K-POP:不思議の国のアイドル] BTSグラミー賞の不発原因をKPOPから探す

LAエンタの関係者ら、「アイドル育成システム」の現地化の可能性に懐疑的···「奴隷訓練」批判、過度な側面も存在

https://www.bizhankook.com/bk/article/28229

HYBEの「赤字」事業とされるHYBEアメリカ。 HYBEが1兆ウォンをかけて買収したが、これまで特別な成果を出すことができなかった。 そんなHYBEアメリカが出した野心作が現地ガールズグループのKATSEYEだ。 昨年、HYBEはオーディション番組「ザ・デビュー:ドリームアカデミー」を通じてグループを結成し、6月28日にデビューさせた。 現地業界関係者A氏は「HYBEがKATSEYE製作に莫大なお金を注ぎ込み、広報ラインナップを全て新しく構築したほど死活をかけたという話が広がっている」と話した。

 

HYBEの初の現地化ガールグループであるだけに、キャッツアイの成功可否によって「アイドル育成システム」輸出の未来がかかっていると言っても過言ではない。 米ロサンゼルス現地の業界関係者らは、現状をどのように評価しているのだろうか。

 

#現地マネジメント「KPOPは金になる」

JYPエンターテインメントは米アルバム会社のリパブリックレコードと、HYBEはゲフィンレコードと協業し、現地ガールズグループを作った。 米国現地のレコード会社はなぜ韓国のエンタメ会社と協業するのか。 LAで韓国アーティストを代理する匿名の現地エージェンシーの関係者Bさんは「KPOPはお金になる。 米国のレコード会社もこれをよく知っている」と話す。

彼は、KPOPの育成システムとファンダムが持つ長所を米国のレコード会社が認知していると話す。 B氏は「米レコード社はトレーニングシステムは備えていない。 才能のある人を偶然発見し、デビューさせる方式だ。 才能が十分ならば「私たちが助けてあげる」と言って導いてくれる役割だけをする。 彼らに演技と歌を教えたりはしない」と説明した。

 

このようにして発掘されたアーティストは、自分の音楽スタイルを自ら作っていく。

「米国のアーティストたちは作られることが好きではない。 彼らは自分の歌を作ることに集中する。 それで生じる問題もある。 マネジメントがアルバム発売のためにダンス動画をTikTokに上げろと言ったりすればアーティストは「やりたくない」と言いだろう。彼らはこのような部分に自尊心があり、このために多くのアーティストが自分のマネジメントと葛藤がある状態だ」

一方、韓国のKPOPは違う。 KPOPは巨大な「ファンダム」があり、アルバムを積極的に消費する」 「韓国のファンダムはとても大きく、ファンは結果物があまり良くなくても消費する傾向がある。 西洋アーティストのファンは、歌が良くなければ無理に再生数を上げたり、ビルボード1位を作ろうとはしない。 一方、KPOPファンは曲が出る前に全て予約注文をする」

 

B氏はこの視点が西洋のアーティストとは違ってKPOPがお金を稼ぐことができる理由だと話す。 「このような構造によってKPOPファンダムで莫大な収益が出てくる。 そのため、西洋のアーティストもますますこのようなマーケティングを真似している。 フォトカードを買い、グッズを買うことは、Z世代の文化になっている。 応援棒、ブレスレットを作る西洋のアーティストもできた」

 

アーティストを育成する韓国エンターテインメントと、マーケティングだけを行う米国マネジメントは、収益分配方式も異なるしかない。 B氏は、「米国のレコード会社がアーティストにお金をより少なく与える方法を見つけた」とも話す。 「米国のアーティストはもっと高いお金をもらうしかない。 米国はアルバムを購入しなくても曲を購入する場合が多く、ツアーやブランド広告を通じてお金を稼ぐ。 このように上げた収益はマネジメントに行く仕組みではない。 マネジメントやエージェントは、アーティスト収益の10〜15%程度の手数料だけを受け取る。 アーティストが中心で、お金を直接受け取る。 エージェントは、アーティストに仕事を探してきた時だけ、お金を受け取ることができる」

 

アーティストが所属事務所に従属している韓国は、収益構造が正反対だ。

「一方、韓国ではアーティストたちがマネジメント会社の社員として働き、会社がお金を受け取った後、そのお金をメンバーたちに一部分けてくれる。 それで一人で仕事をする時よりお金をはるかに少なく受け取ることになる構造だ」

 

昨年8月、「ザ·デビュー:ドリームアカデミー」の記者懇談会に登場したプロジェクト関係者たち。 左からトム・マーチ(President)、イン・ジョンヒョン(Head of Creative Production)、ウンベルト・リオン(Creative Director)、ミトラ・ダラブ(President)、ソン・ソンドク(Executive Creator)、司会者。


#米国人は果たして「韓国式訓練」に耐えられるのか

B氏はKATSEYEなどグローバルガールグループの課題は「KPOPというラベルを取ること」と話す。 「アメリカ人はアジア人ならみんな同じカテゴリーに入れる傾向がある。 米国人はすべてをKPOPの中に入れて、発展を防ごうとする。 KPOPの範疇の中にいると、さらに成長しにくい。 BTSグラミー賞を受賞できなかった理由でもある。 むしろ障壁になるのだ。KATSEYEが単純に西洋バージョンのKPOPになってはならない理由だ。 もちろん憂慮もある。 東洋に比べて西洋人はグループとして活動せず、本人のアイデンティティを探したがっている傾向がより強いと思う。 そのような部分でグループの未来が心配ではある」

KPOPアイドルについてはどう思うだろうか。 彼は幼い子供たちが活動することには否定的だ。 「あまりにも幼い年齢で始まるアイドルを見るのは明らかに気まずい。14歳くらいでデビューする未成年者が多く、彼らのファンは主に年配の男性たちだ。 本当におかしい。 経験を持って感情を込めて曲を書く方法を学ばなければならない時期にブランド広報活動をしている」

ただ、アイドル育成システムに対する米国の批判は行き過ぎだと言う。

「欧米ではアイドル育成システムを『奴隷制度』と批判しているが、実は欧米でもスポーツ選手に同じことをさせている。 この二つが根本的にどのような点が違うのかは分からない。 ただ、音楽家たちにこのようなシステムを適用しなかっただけだ。 むしろ、米国人は生まれてから歌が上手でなければスターになる方法がない。 このような側面では『専門的に学んで作られることの何が悪いのか?』いう質問ができる。 むしろ学ぶ機会があるという点で韓国のシステムは良いと思う。 ただ、アイドルが自ら曲を書き、歴史を学び、本人のスタイルを見つけられる教育が必要だと思う」

 

一方、KPOPアイドルが好きで韓国文化に関心が高い米ドキュメンタリー作家のヘザー・コックス氏は、「KPOPの育成システムを米国で運用するのは難しいだろう」と話す。 ヘザー氏は「韓国系アメリカ人なら分からないが、アメリカ人は身体的要求に応じる準備ができていない。 アメリカ人は権威に立ち向かうことに慣れていて、そのような訓練に耐える忍耐力がないと思っている。 お金が保障されるとしてもだ」と話す。

 

ヘザー氏は、韓国では身体と精神健康に関する問題を過度に見過ごされていると言う。

「昨年KCON LAを見に行ったが、アイドルが思ったよりはるかに痩せていて小さかった。 年齢も若すぎて栄養状態が心配だった。 KPOPアイドルは1日に16時間ずつトレーニングしたり、ひどいダイエットをしている」

幼い年でデビューする文化にも批判的だ。

「18歳未満の子供たちが露出のある服を着て、大衆は彼らを性的対象と見ている。 KPOPは幼い年でも性的な歌詞を歌い、(ここに)多くの米国人は不便を感じるだろう。 韓国のシステムは多少強圧的で、アメリカ人はそのような部分において声を上げる場合が多いため、ここで運用するのは難しいと思う」と話した。

 

#学者が見るKPOP現地化の未来

イ・ヘジン教授はUSC(サザン·カリフォルニア大学、University of Southern California)で米国で初めて「K-POP」を正式科目として開設した韓国人学者だ。 USCのイ・ヘジン教授は、米国の音楽産業はこれ以上「新人開発」をしないと話す。

「現在、アメリカ市場は新しいアーティストを発掘し、歌を作るよりは、すでにSNSを通じて有名になった人と契約する傾向にある。 ところが、韓国がこのすべてのことをしてくれるのだ。 米国のレコード会社の立場ではお金を少なく使ったのにアーティストが発掘されており、ファンダムまで装着されているわけだ。 このため、米国のレコード会社はKPOPがお金になるという認識がある」

 

米レコード会社がアイドル育成システムを独自に運営する可能性はないだろうか。

「一つのシステムで完全に定着し、ノウハウができれば独自にすることもできる。 しかし、現在の状況であえて投資をして研究をし、人を雇用する必要はない。 すでにすべてが整っている会社(韓国エンター)とパートナーシップを結んで簡単にやろうとするだろう。リスクの少ない方向だ」

 

イ・ヘジン教授はLAに韓国のエンター社が集まる原因の一つとして人種を挙げる。 「LAの特性上、韓国系アメリカ人、アジア系アメリカ人、ヒスパニックなどが多く、彼らはKPOPに多くの関心を持っている。 彼らは自らをKPOPスターに投影させる傾向もある。 人種的な部分も無視できない」と話す。

イ教授は「韓国系やアジア系ではない白人、ヨーロッパ人はKPOPアイドルになれるとは思わないだろう。 人種的な部分も確かにある。 VCHA・KATSEYEなど現地化ガールズグループが出てきたが、まだ実験的だ。 「韓国式練習生」システムが適用された状態だと見ることは難しい。 生半可な状態だ。 特に欧米はアーティストの自律性と創意性を重視する。 育成され加工された人をアーティストと見ることができるかという疑問もあるだろう。 そのため、このシステムをすべて適用することはできないだろう」と指摘した。

 

KPOP育成システムを米国に定着させるために直面する課題は何か。 イ教授は、法的な問題とビジネスモデルの限界を語る。

「米国で法的に練習生制度を作るのは難しいだろう。 おそらく、今は練習生という名称なしにアーティストとして契約したのではないかと予想する。 米国は特に未成年者と関連する部分が厳しい」

 

米国でKPOPは確かに人気があるが、「大衆的」なのかは疑問だ。

「韓国に対する全般的な認知度が高まったのは事実だ。 KPOPという用語に馴染みがなかったり、KPOPが何なのかを説明する必要はない。 ただ、米国でも「主流」という概念が消えつつある。 昔はメロンで1位になれば全国民が歌を知ったが、今は違う。 米国も同じだ。 米国のZ世代の間でKPOPは確かに人気だが、BTSの歌よりPSYの江南スタイルを知っている(アメリカの)大衆の方が多い。 学生自ら「KPOPを卒業する年齢になった」と言うほど消費する年齢帯が限られている」

 

KPOPのファンダムがこれ以上韓国を基盤としなくなる場合に生じる新しい問題もある。 韓国はアイドルにとって「道徳的基準」が厳しいが、米国は「政治的正しさに対する要求」がある。 「米国のKPOPファンは、自らを特に進歩的だと思っている。 上の世代と違って本人たちはアジア文化のKPOPが好きな米国人だからだ。 KPOPが好きだと公開的に話すことが「カミングアウト」することと似ていると見る米国の人種差別的視線も内在した。 そのため、ファンはより進歩的で、KPOPアイドルにも進歩的な声を求める」

 

彼は、「韓国芸能事務所のグローバルガールズグループの成功はまだ未知数だ」と話す。 「HYBEの場合、KATSEYEをKPOPグループとは言わない。 グローバルガールズグループと称する。 核心は、KPOPのシステムを利用してグローバルなガールズグループを作るということだ。 Kを外すのが目標だ。 今のところどうなるか速断するのは難しい。 大衆文化を予想することほど難しいことはないからだ。 おそらく関係者たちは、どのようにマーケティングを成功させるか悩んでいるのだろう」

 


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だいぶ前に訳していたけどアップをサボっていたのですが、タイムリーな内容かと思ってあげました。

韓国アイドルの育成方式は欧米圏ではアスリートのそれ、というのはその通りかもとおもいました。スポーツなら記録や勝敗が結果としてすぐ目に見えるのである程度の期間ストイックに管理するのはアリかもしれませんが、アイドルというエンタメは即結果が出るとも限らず、むしろ売れたら売れるだけ注目度が上がって要求されることが多くなるというのがとても特殊で過酷かも。

しかしそのストイックさゆえに熱狂的に支持される部分もあるという、なかなかギルティなビジネスに成長したように思います。


タイトルから本文まで、韓国のこの手の記事で齟齬を感じるのが、韓国ではアイドルを「歌手」と分類するのでアメリカの「歌手」と比較することになるんだと思うんですが、実際はKPOPの「アイドル」は「アーティスト」ではあるけど専門の歌手というよりは「エンターティナー」と「セレブリティ」を掛け合わせた存在であり、それゆえに巨大なファンダムがついて本文にあるような「ビッグビジネス」になれるわけですよね。

アメリカのアーティストでも、元々大きな「ファンダム」がついてていわゆる「アイドル的な人気」があるファンダムタイプのアーティストは同時にセレブ扱いでもあり、「人格・キャラクター・生活」を売り物にしている部分もあります。

BTSがグラミーを取れないのはKPOPの枠に押し込められているから」というフレーズが出てきますが、これは音楽ジャンルの話ではなく、KPOPアイドルがアイドル的なビジネス=ファンダムに対してメンバー個人を好きになるようにして、それ原動力にしたビジネスをする限りは特殊ジャンルというラベルを剥がすことはできないと思います。

実際、例えば欧米圏で大人気だったボーイバンド=アイドルであるバックストリートボーイズは、グラミー賞にBIG4と言われる本賞部門含めて4回以上ノミネートされていますが、1回も受賞していません。つまり、BTSに限らず「アイドル」のビジネススタイルのアーティストはグラミー賞を受賞しにくいということで、それは韓国だろうがアメリカだろうがイギリスだろうが関係ないんじゃないでしょうか。韓国の「ポップスとKPOPの違い」についての記事ってそこが曖昧なものが多く、「アイドル」の定義が曖昧というか、「アイドル」というものについて音楽ジャンルの程度の考えしか持ってないのが一般的なのかなと思います。

(事務所側はアメリカでもオタクを増やす方向性とってるので流石にその辺りの違いはわかっていると思いますが)

アイドルという存在そのものについてもっと突き詰めて考えないと永遠に正解に辿り着けない気がするし永遠にちょっとズレた話することになる気がする。

KPOPがアイドルで、アイドル商売をメインでやってる限りはグラミー賞のような「アーティストというより作品が業界人によって審査される」種類のアワードでは受賞に至るまではポップスとみなされるた文化的な評価を受けることがまだ難しいんだろうと思います。「売上枚数」のような数字がメインのBBMAやAAAではそのまま評価されていますし。

まああとB氏のコメントとしてある「14歳くらいでデビューする未成年者が多く、彼らのファンは主に年配の男性たちだ。 本当におかしい。」っていうのは事実とは少し異なりますね。これに当てはまるグループって実際は1個くらいしかないので。練習生は低年齢化していて未成年で練習生になるケースは増えていますが、全員未成年みたいなグループは今でも滅多になく、だからこそたまに出ると差別化できているということだと思います。

未成年メンバーがグループにいることは珍しくないですが、「上は成人から10代後半が多く、1〜2人未成年がいる」というのが一般的なパターンだと思います。韓国の場合は若いグループは初期の現場に実際行くようなコアファンダムは未成年者が多いですし。女子グループは大衆的に注目されるケースが多いのでいわううるおじさんもファンを明言しやすい部分はあると思いますが、実際若いメンバーが多いグループ場合は活発にファン活動したり現場に足繁く通う層は中高生からせいぜい大学生くらいがメインでしょう。B氏も業界の人なのに結構イメージで喋ってる感が...アメリカでもファンダム型アーティストのファン同士チャート合戦はつい最近もありましたし。

(ちょっと前に韓国で若いメンバーが多いアイドルファンのサイン会におじさんがきているとネットで叩かれた人も、後ろ姿で批判されてましたが、同じ現場にいた人たちが彼は実際は「おじさん」ではなく若い学生だと言ってました)

【Biz韓国】[K-POP:不思議の国のアイドル] 練習生になるための練習「アイドル塾」の実態

[K-POP:不思議の国のアイドル] 練習生になるための練習「アイドル塾」の実態

ダンス、歌、体型管理まで厳しく体系的な過程運営···自主ショーケースを通じて練習生供給の役割

https://www.bizhankook.com/bk/article/28153

 

 猛暑が疲れ知らずに猛威を振るった8月の日曜日の午後、ソウル江南区論峴洞に位置するあるKPOP学院前の大通り沿いに自動車が続々と到着した。 まだ公共交通機関に一人で乗るのが難しい小学生の子供を乗せた親の車だ。 ソウルだけでなく、様々な全国各地から週末の授業を受けるためにここを訪れてくる。 江原道華川・慶尚北道蔚山から来る車もある。 わずか10分の距離に位置した私教育1番街大峙洞の学習塾街の姿と大きく変わらない。 ただ、違いがあるとすれば、ここに来る子供たちは有名大学に入学するのではなく、有名芸能事務所に入ることを目標にKPOPダンスと歌を学ぶという点だ。


 子供の手を握って塾の中まで到着した両親はボーカル・振付トレーニングの先生と挨拶をして子供を入れた。 あらかじめ来て待機していた同じクラスの保護者と、練習室の外で「アイドル」と関連した情報を共有しながら座っている。 インスタ、TikTokなどのSNSを活用して子供たちのチャレンジ映像を撮った話が主な話のネタだった。


#練習生を目指す小学生のための厳しいトレーニングコース

 5坪余りのボーカル練習室、小学生と見られる女子生徒4人がトレーナーの近くに座ってKPOPの曲を歌っていた。 幼い顔とは違って、真剣な表情で授業を受けている。 平均年齢は11歳、小学校5年生だった。 ここに通う院生のほとんどが小学生で、一番幼い年齢は9歳だ。 計30人がトレーニングを受けている。

 

 生徒たちが歌を一節ごとにリレーで歌うと、トレーナーがすぐにフィードバックを与える方式で授業が行われた。 一曲ごとに数十回ずつ繰り返しながらボーカルトレーニングが続く。 塾の代表でボーカルの先生は、子供たちの発声から口の形まで細かくチェックして教育した。 課題をしなかった生徒たちは、きっぱりと問題点を指摘される。

 「音を外すのはいいけど、音程が悪いのは歌をあまり聴いていないから。 あなただけ口パク録音をすることもできるんだよ。サビがこの曲で重要な部分だから、チームのためにもっと責任感を持たなきゃいけないよ。練習映像を必ず送るのを忘れないでね」


 アイドル練習生を長く準備した経験があるここインプルーブアビリティ(Improve Ability)学院代表は、特に生徒たちに厳しい方だ。 デビューできなければ、人生の進路が狂うことをあまりにもよく知っているからだ。

 「練習生になったとしても、いつでも辞めさせることができます。高校まで準備した後、一般の大学には行くのが大変です。 実用音楽・舞踊も実技で押されるしかありません」


 ボーカルの授業を終えた生徒たちはしばらく休憩後、隣の部屋に移って次の授業を準備する。左、右、左、右、左、右、右、左、右 。ダンストレーナーの大きな音に合わせて生徒たちが動線を合わせている。 鏡のある練習室には有名ガールズグループの曲が大きく流れている。 4人の生徒はトレーナーの号令に合わせて手足を伸ばし、カル群舞を踊っている。 アイソレーション、ワッキングなど多様なダンス動作が休む暇もなく繰り広げられる。

 

 トレーナーは鋭い目つきで子供たちの踊りを眺めて怒鳴りつけた。 「どうか教えた通りにして」「もう一度」という言葉が数えきれないほど叫ばれている状況で、単純動作が絶えず繰り返される。 この区間のダンスを覚える程度に練習は25分間行われた。 難しいダンスの動作は1時間かけて覚えなければならない時もある。 次のパートで難しい部分が出てくると、トレーナーが直接振り付けを見せながら指導する。 子供たちの額にはいつの間にか汗がにじんでいた。 トレーナーは、「動作が難しくても、大変でもやり遂げなければならない」と励ます。 公演で実力を見せてこそ、練習生になれるからだ。 水を飲む時間もなく45分が過ぎた。

 

実際、現役アイドルと練習生を長く教えたというここのダンストレーナーは「芸能事務所に入るためには毒気を見せなければなりません。 生徒たちは年が若いのでダンスを習うことを一種の遊びだと思っていますが、鏡を見る時、笑顔が出てはいけません。 ここで学んでいる生徒たちが競争する対象はすでに練習生になっている同年代たちです。 いつでも辞めさせられる厳しい現実の中で、動作一つ一つ、完成度に心血を注いでこそ生き残ることができます」と語った。

 

#ショーケースを通じて芸能事務所に抜擢···月末評価で厳しいフィードバック

 反復された練習と指摘にも子供たちは熱中していた。 10月に企画会社の関係者の前でショーケースを行うからだ。 今回の公演は、KPOPスクールや生徒、保護者など、皆にとって非常に重要なイベントだ。 ここで目立つ子供たちは芸能事務所に直行することができる。 塾の立場からしても、生徒たちを有名な芸能事務所に送ったという実績を残すことができる。 親たちはこのような実績が多く蓄積される塾であればあるほど、さらに信頼して子供を任せる。

 

ショーケースを準備する生徒たちは現在「公演クラス」で汗を流している。

  「公演クラスは一番人気のあるクラスです。 3ヶ月の授業で80万ウォンくらいです。 ヘア、メイク、服、プロフィールまですべて含まれています。 保護者の口コミで公演クラスに対する問い合わせが一番多いです」

実際の公演クラス以外の正規クラスはダンス・ボーカル授業各4回で、受講費は各45万ウォン水準だ。


学院の代表は、「今回のショーケースは芸能事務所70社ほどが注視している」とし、「ソウル麻浦区合井洞に大きな公演場を貸りて行う予定だ」と話した。 前回のショーケースを成功裏に終えた生徒たちは、芸能事務所の1次オーディションに全員合格した。 最終合格後、芸能事務所の練習生として入った生徒も3人いる。一般的に芸能事務所の練習生オーディションは最大4次まで行われる。 これに対する口コミが広がり、多くの芸能事務所があらかじめ連絡してくると耳打ちした。 「5〜6年生の子達が一番好まれます。通常は原石の子供たちを先に確保したがります」

 

院生たちは、芸能事務所のようにここでも月末評価を受ける。 毎月最後の土曜日に開かれ、ボーカル・ダンストレーナーと事務所関係者たちが実力を評価する。芸能事務所とトレーナーたちは評価書を親に渡す。 ビズ韓国が入手した月末評価を見ると、生徒の基礎テクニック、体型などが細かく評価されている。

 

子どもたちは「どの芸能事務所に行きたいか」という質問に、SM、YG、JYP、HYBEなどの大手会社に行きたいと口をそろえて答えた。 親も同様だった。 すでに多くの子どもたちは、ここが初めての塾ではなかった。 平日にも学校が終わってアイドル塾に通っている。 京畿道・始興から院生と一緒に来た保護者のキム・ジソクさん(仮名)は、「塾ごとに公開オーディションを開催するので、関心を傾けるしかありません。 子どもが大好きなことなので、平日も通わせてあげたい気持ちだけです」

【Biz韓国訳】「ある日アイドルが消えた」彼らの生存期

K-POP:不思議の国のアイドル] 「ある日アイドルが消えた」彼らの生存期

ひとつでも当たれば「超大当たり」社債まで使って駆け込み···「本人の運命を左右する契約書にアイドル自身の要求は反映できない」2024.08.06(火) 11:14:41

https://www.bizhankook.com/bk/article/28053


【Biz韓国】KPOPは大韓民国最高の輸出品となった。 しかし、華やかさの裏には陰も深い。 KPOPの象徴であるアイドルは、早い年齢で抜擢され、厳しい練習生時代を経る。 その過程で労働権と人権は無視されるのが常だ。 デビューすらできなかった無数の練習生たちはどうなるのだろうか。 ビズ韓国は「K-POP:不思議の国のアイドル」シリーズを通じてK-POPが成長する間に無視した問題点を指摘し、多角的に代案を見てみようと思う。 K-POPを作る人たちが健康になってこそ、K-POPを楽しむ人たちももっと幸せになれると信じている。​


K-POPは今『金鉱掘り』に血眼になっています」 中小企画会社の代表の言葉だ。 「1チームだけ成功しても大ヒットでもなく、超大当たりだからです。 個人で借金をしてアイドル事業をやっている人も多いです」


KPOP産業の規模が大きくなると「アイドル製作」に飛び込む事業家が急増した。 実際、毎年産業の規模が大きくなり、従事者が増えている。 韓国コンテンツ振興院が発表した2023大衆文化芸術産業実態調査結果報告書によると、2022年大衆文化芸術産業全体の売上規模は11兆4362億ウォンだ。 このうち企画業は6兆8137億ウォンで2020年対比52.2%増加し、製作業は4兆6225億ウォンで2020年対比36.6%増加した。 企画業に従事する全体所属職員もやはり1万9008人で、2020年対比8%ほど増加した。

 

このように作られたアイドルが毎年数十チームデビューし、静かに消えていく。 名前を一度聞いたことがあるというだけでも「成功したアイドル」と評価される理由だ。 ビジネスマンはお金をかけ、アイドルは人生をかける。 人生をかけた挑戦から押し出されたアイドルはどうなるだろうか?


契約期間7年を満たすことができずに消えたアイドル、Chloris出身のホ・ミジン氏に会って裏話を聞いた。


#Chlorisはなぜ消えたのか

「ある日突然消えたグループ」ガールグループのChlorisファンだったスヨンはこのように回想した。

「海外のファンが多く、新しいメンバーを迎え入れた後、カムバックを準備していたので期待していました。 ところが、急に活動を終了すると告知されたので、本当に戸惑いました」

 

2020年に解散したガールズグループ、Chloris。国内よりトルコと中国を中心に有名になり、ファンの期待が高かったグループだ。Chlorisはなぜ解体されたのだろうか? メンバーだったミジンは当時のことをこう語る。

「再デビューレベルでメンバーを整備し、アルバムも本当に一生懸命準備しました。 ファンたちも、私たちも期待が大きかった状況でした。 録音も全部終わった状況でした。 突然、一部のメンバーが脱退の意思を明らかにし、すべてが決まった後、会社からグループの解散を通告されました」


#私は完全に「乙」だった

演技を専攻したミジンは、アイドルオーディションを提案された。 オーディションのために生まれて初めて踊ってみた。 2017年、そんな風にミジンはアイドル「練習生」になった。 所属事務所の職員は5人ほど。 ボーカルレッスンを除いては、皆が自主的に練習した。 半年も経たないうちに、4人組ガールズグループとしてデビューする幸運を得た。

 「会社が小さいので、私たちが直接しなければならないことが多かったです。 特に初期にはファンクラブの管理とマーケティングも私たちがしました」

 

スケジュールの大部分は「イベント」で満たされた。 2年間でリリースしたアルバムは1枚だけ。 「日程の90%ほどをイベントで満たしていました。 10%はラジオや放送、インタビューなどでしたね。 人手がないために運転が下手な職員が運転をしたり、食事を全くできずに一日中イベントをする場合もありました。 ダイエットで元気もなかったし、月経のときはめまいがしました。 それでもイベントをする時が一番楽しかったです。 ファンの皆さんにも会えますし」

 

そんな中、絶好のチャンスが訪れた。 トルコでChlorisの曲が爆発的な反応を得るようになったのだ。 「トルコの有名コミュニティで私たちの映像と写真が広がり、以後SNSを通じて多くの連絡を受けました。 インスタグラムのDMが夜明けにも絶えず来るほどでした」


国内より海外で先に注目されたが、現地での活動はできなかった。 トルコには行かない方がいいと会社で判断したからだ。

「招待もたくさん受けたけど、結局会社の言うとおりに従うしかなかったんです。 最初はとても悔しかったです」


2年間、数多くのイベントに通ったが、精算を受けたことはなかった。 精算書も要請した後、しばらく経ってから受け取ることができた。 「領収書や契約書はなく、A4用紙に数字だけで費用が書いてありました。 イベントに本当にたくさん行ったんですが、イベントの収入が何十万ウォン水準と書かれていました。 当然、すべてが赤字にならざるを得ませんでした」


結局、2020年にChlorisは突然解体された。 一部のメンバーを迎え入れ、カムバックを準備している状況だった。 ミジンは解散の理由もまともに聞くことができなかった。 小さな所属事務所なのでメンバーが実務を並行するしかない状況だったが、意思決定過程では全面的に「乙」だった。 残っている契約期間も「甲」には考慮事項ではなかった。

「非常に漠然としていました。 それでも諦めたくなかったので、メンバーのお姉さんと一緒に所属事務所を探してみました。 当時、複数の所属事務所からオファーがあり、そのうちの一つで再開することになりました」


 ミジンはデビュー組にすぐ合流したが、1年に満たないまま所属事務所を離れなければならなかった。 「トレーニングは非常に体系的に行われました。 デビュープロジェクトチームでしたが、デビュー日が決まっているわけではありませんでした。 雰囲気が妙でした。 練習生も多く、プロジェクトも進んでいるのに契約と違ってデビューさせてくれないような雰囲気でした。 結局、メンバーのお姉さんと一緒にグループを出て、ガールズグループのデビューも霧散しました」


#非自発的引退、その後···

2021年。 アイドルを辞めたミジンの年齢は27歳だった。 通販会社からカフェ運営まで、ミジンは初めてお金を稼げる仕事をした。

 

 アイドル生活で学んだことは「契約書」をよく見ること。契約書1枚が運命を左右するという事実を身にしみて経験した。 「デビューを目前にして契約書を『検討』するのは難しいですね。 修正要請をしても会社が受け入れてくれないですし。 とりあえず、仕事をしたい気持ちでサインをすることが多いです。 ところが、そのサインひとつがすべてを左右します。 契約に引っかかって練習生だけ長くして辞めた人も多いです」


ミジンはこの時の経験を生かして保険のコンサルタントになった。

  「世の中の事情を知らない学生の時の骨身にしみた経験を通じて、今は徹底的に契約内容を調べます。 アイドル時代の経験のおかげで学習できたと思います」

 

 ミジンはここに来るまで最も難しかった要素に「経歴断絶」を挙げた。

  「アイドル生活が他の仕事をする時に経歴になるわけではないじゃないですか。 現実的にアイドルとして成功するのは本当に簡単ではありません。 単に実力があるからといってできるわけでもありません。 周りのアイドルを辞めた友達はほとんど自営業をします。 私も経歴に限界がなかったら専門職に挑戦したと思います。 経歴断絶のアーティストのための対策があってほしいという願いがあります」

【Biz韓国訳】 「アイドルも労働組合が必要だ」TEEN TOPミンスの直言

[K-POP:不思議の国のアイドル]「アイドルも労働組合が必要だ」TEEN TOPミンスの直言

 

13年間の活動の末に残ったのは不眠症「精神的圧迫を解消する窓口が必要、業界問題について話すことができなければ」

2024.07.25(木) 15:11:03  

https://www.bizhankook.com/bk/article/27991

 

きらきら光る舞台の上のアイドル。 このように頂上にいた人気アイドルの「死亡」の知らせを聞くのはいつも荒唐無稽だが、今更ではない。 多くの「若い」KPOPスターたちが世を去った。 その度に芸能事務所のシステムが俎上に載せられる。 幼い年から厳しい統制の中で生活しているため、精神的圧迫が激しいという批判だ。 ボーイズグループ「TEEN TOP」の元メンバーだったパン・ミンス作家に会って、アイドルを辞めた理由を尋ねた。

 

2010年にTEEN TOPとしてデビューしたCAPは、2023年に突然グループを脱退した。 4月19日、ビズ韓国がTEEN TOPの元メンバーだったパン・ミンス作家に会って、これまでの話を聞いた。 写真=パク・ジョンフン記者

 

#「アイドル」でさえなかったら...

「ティリリン…·夜明けのかすかな着信音は体を引き立たせるのに十分ではなかった。」

朝起きたミンスはアイドル仲間の訃報を聞いた。 夜明けに留守番電話がかかっていた。 震える手でクリックした。 訃報の主人公だった。 彼はほんの数時間前に自分に電話をかけてきた。 一度も大変だと言ったことのない友達だった。 罪悪感が胸を押さえつけた。

 

「TOP100耳」国民MCユ・ジェソクが選択したグループ。 昨年MBC「遊ぶなら何する」で彼らを訪ねた。 2010年にデビューした「第2世代」アイドルに訪れた珍しい機会だった。 ファンは歓呼し、大衆は彼らの歌を再び聞き始めた。

 

しかし、ミンスは第2の全盛期になるかもしれない機会をあきらめた。 ある人は彼がチームに「灰をまいた」として指差した。 こうして彼は13年間のアイドル生活を終え、店じまいした。

 

今は好きな絵を描いて、「パン・ミンス」として放送をする。 ミンスは、「力仕事がアイドルより好きだ」と言って明るく笑った。 「現職アイドルの友達から時々『ありがとう』という連絡が来ます。 一面識のない子達もですね。 その方たちも知っているんです。 この業界がいかにおかしいかを…」

 

ミンスの表情はさっぱりしていた。 アイドルに未練はない」ときっぱりと線を引いた。 彼に聞いた。 「アイドルじゃなかったら、歌手を続けたでしょうか?」刹那のためらいに瞳が揺れた。 やがて唇が落ちた。 「はい。歌手だったらやめなかったでしょう。 私はラップをするのが今でも好きです」

 

#13年のアイドル生活、不眠症を得た

18歳。絵を愛していたミンスはキャスティングの提案を受けた。 舞台の上の歌手たちは素晴らしかった。

「かっこよく見えて、一度はやってみようと思って挑戦したんです」

 

練習生の期間は短かった。 「ラップ」に才能があった彼は、すぐにデビュー組に合流した。 「所属事務所も小さかったし、資本も足りない状況だったので、急いで準備してデビューしました。 練習生は半年くらいやりました。 半年間、デビュー曲をずっと練習していました」

 

練習生になってからは学校に行けなかった。 ミンスの1日は毎日同じだった。 朝8時に起きて午前10時まで運動をした。 以後夜10時まで練習の繰り返し。 12時間ダンスと歌をした。

「月火水木金土日、まったく同じルーティンで練習しました。 ライブからダンスまで、すべての動作を同じように作りました。 当時は何が大衆に好まれるかわかりませんでした。 それで『すべて』を上手くしなければなりませんでした。 ダンスも一生懸命踊りながら、ライブも完璧にしなければなりません。 そのように半年を過ごしました」

 

19歳。ミンスはCAPという名前でデビューした。 スタートは順調だった。 業界にありふれた「所属事務所との葛藤」もなかった。 ヒット曲もいくつかできた。 グループ名にふさわしく「トップ」アイドルになった。 予期せぬ障害物は他のところにあった。 「収益配分も待遇も良かったです。 それでも限界がありました。 結局自分という人格を消さなければならないことですから。 TEEN TOPのキャップはパン・ミンスではなく「他の人」でした。 私は『演技』しただけです」

 

市場が大きくなりアイドルを「商品化」する方式も多様化した。 フォトカードを売って、「最愛」アイドルとプライベートメッセージをやりとりすることもできる。 数百万ウォンから数千万ウォンをかけると、アイドルと直接会って写真を撮ったり、ビデオ通話をする機会を得る。

 

「私が考えるアイドルとは、夢と希望を与えることです。 舞台を通じて大衆を幸せにしてあげられると思います。 歌うのが好きで、パフォーマンスが好きで始めたのですが、現実のアイドルは私を性商品化する仕事でした。 人間ならできることがアイドルはできないんです。 他の芸能界の職群よりアイドルにとっての特に物差しが厳しいのも、この部分のせいだと思います」

 

#アイドル、団結してこそ生きられる

アイドルには精神的な圧迫と苦痛を解消できる窓口がなかった。 「周りのアイドルを見ると、10人に9人は懐疑心を感じて苦しんでいます。 問題はストレスを受けても表に出ず、隠さなければならないことです。 感情を寝かせていると、良くないことがたくさん起こると感じます」

 

ミンス不眠症になった。 2~3日に一度程度は眠る眠ることができた。 自分の気持ちがどうなのか知りたかった。 一人で心理学を勉強し、軍隊に行って関連単位を取得した。 心の安定を取り戻そうと絶えず努力した。

 

そうして13年を耐えた。

「実はずっと辞めたいと思っていました。 その度にメンバーたちと知人たちが引き止めました。 もう一回だけ、もう一回だけでここまでやって来たんです」


2023年、キャップは再びパン・ミンスになった。 絵が好きだったミンスは作家になった。 絵を教える先生にもなった。 カフェも運営し、たまにはアルバイトで「草取り」作業もする。 時々ユーチューブ放送もする。 アイドルではなく作家として、カフェ社長として、ユーチューバーとして、先生として生きている。

 

CAPだったミンスはもう作家になった。 描きたい絵を描き、展示会も開く。 写真=バン·ミンス作家提供

 

彼はもう「幸せ」だと言う。

「実は悩みが多かったんです。 自分と合わないことだと最初から分かっていたんですけど、20代半ばになるとアイドル以外にできることがあるのかどうかという考えが大きかったんです。 しかし、ストレスに耐えられませんでした。 自分はそれでも絵に才能があって運が良かったのです」

 

彼はアイドル文化が変わらなければならないと話す。

「(アイドルは)ものすごいストレスを受けますね。 これを言わなければ絶対に解くことができないと思います。 会社でも労組を作るじゃないですか。 アイドルも団結しなければなりません。 K-POP業界の問題について語る人も必ずいなければなりません」

 

ミンスは、アイドル産業が消えるよりむしろ大きくならなければならないと信じている。

「国家の競争力が大きくなれば、それだけ文化産業も重要になります。 産業が大きくなるにつれて自浄作用ができると信じています。 国家的にもK-POPに対する投資が必要だと思います。 小さな事務所も結局小商工人なんです。 専属契約書の修正も必要です。 投資費用がもったいなくて人質にしておく場合があります。 一般の会社員たちも私の年俸を高めて経歴を積むために移るじゃないですか。 練習生は1年、専属契約は5年程度に減らさなければならないと思います」

 

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前のヘランもですが、TEEN TOPのようにいわゆる「第二世代」は急速に世界的にKPOPの知名度が上がってビジネス的にも大きくなり始めた時期の割には色々と業界的に未熟な部分も多く、アイドルにかかる負担も大きかった時期かもしれません。

特に「歌手」になりたい子供が音楽を仕事にするには「アイドル」が最短距離というか、よほどでなければそれしか道がないくらいの時期だったのではないかと思います。

今の世代の子たちは最初からアイドルになりたいという子達しかやってないと思うので、CAPの時代とはそのあたりは結構違う認識かもしれません。

 

日本では「アイドル」は歌手というより特殊なエンターティナーという認識が一般的だと思いますが、韓国ではいまだに「歌手」という括りに押しこめられており、技能の面では確かに「アーティスト」と呼ぶべきクオリティが担保されていますが、同時に実際のアイドルのアイデンティティとも言えるファンや大衆に対する「感情労働」もこなすのが当然とされています。

更に韓国では歴史的に歌手に対する偏見が強かったり、芸能人に対する人格行動評価の厳しさや、基本が寮生活でプライベートであるはずの時間も生配信やSNSでのコミュニケーションや報告を24時間365日求められ、監視されている状態と言えます。このビジネス形態にまきこまれているファン自体もそれらが行われる事を無意識のうちに当然のこととして求めてしまっている部分はあると思いますし、その結果「普通の人間ならできることができない」の範囲が日本よりさらにに大きいように思います。

接触イベント」も韓国の方が遥かに濃い1対1でのコミュニケーションが可能なことが多いですし、良くも悪くもトップアイドルでもファンとの関係性が濃厚にならざるを得ないという。

(接触イベントについては日本のアイドルのほうがイメージ強いようですが、実際は20年以上前からCD購入対面対話サイン会は韓国にもあり、活動期間中のKPOPアイドルの重要なビジネス活動です。ファンの「認知」もここでより濃厚にされることが多く、「何万円以上CDを積んだ人たちが直接会話できる」世界で、日本のAKB系の「握手会権利が当たった分のCDだけ購入」よりもエグい世界だと思います...)

 

日本のアイドルの場合、大手のアイドルほど(犯罪行為は別ですが)熱愛報道や見た目・ある程度の言動については事務所やアイドルもスルーすることは多く、ファンが騒いだとしてもそれが実際にアイドル側に影響を与えることはあまりないというか。禊後の再スタートもステージ上とファンへの態度である程度許される土壌はまだあるように感じます。これ自体は賛否あるでしょう。ただ、「アイドルへのプレッシャー」とか「人権」という話になるなら、似ているところはあれど多少マシなようにも感じます。

(地下はもっと問題あると思いますが)

 

そんなわけで、KPOPアイドルは技能自体の激しいトレーニングに加えて海外活動による移動やスケジュールのキツさ、大衆やファンダムからのプレッシャー、プライベートのなさや感情労働のキツさ、すこしでもネガティブな部分は表に出すことが許されないキツさ、それらのキツさのベースに結局ファンダムが深く関わっていることの厄介さなど、音楽やダンスが好きとか得意だけではこなすことは到底無理で、相当向いている人が限られそうなとってもキツい職業のように見えます。人気が出ればかなり対価はあれど。

それでもここ10年で大手はかなりマシになったかもしれませんが、中小はあまり変わりないのかなあと昨今の事件を見ても思います。

このインタビューの内容に関しても、コアの部分の問題の根源であろう「ファンダム」には言及できてないんですよね。事務所の待遇は良かったけど、それでも自分を押し殺して別人格になること、性商品化されることがキツかったと言っていて、その直接的な理由って結局はファンですよね。(多分今も彼の画家としての仕事を支えてくれてる人の中にはアイドル時代のファンもいるでしょう)そしてファンがそういうメンタルや行動になるのはKPOP業界のビジネスシステムが根本にあるとは思いますが、そのシステムに対しての責任がファンダムの側に全くのゼロとも言えないような。適度な距離感的な話をしているのはファンダム内ではあまり見たことがありません。

 

 

 

 

 

【Biz韓国訳】 「練習生の80%は無月経」アイドル10年、体が壊れた

[K-POP:不思議の国のアイドル] 「練習生の80%は無月経」アイドル10年、体が壊れた


健康よりダイエット、睡眠より練習が優先のアイドル育成システム「しっかりした体系を整えなければ」

https://www.bizhankook.com/bk/article/27939


アイドルと練習生の健康と安寧は考慮されているのだろうか。 5月31日、ブレイブガールズのメンバーだったノ・ヘラン氏がビズ韓国とインタビューしている。

写真=パク・ジョンフン記者


「女子練習生10人のうち8人は生理がありません」

エンターテインメント新人開発チームの関係者の話だ。 午前5時に起きて午前2時に帰宅する人生。 ダイエットのために1週間水だけ飲む「子供たち」がエンターテイメント王国にはあふれている。


「ほとんど生理がないですね。 育ち盛りに食べずに運動ばかりするからです。 『健康に』ダイエットするシステムはここにありません。 無条件で目標地点に達成するようにさせます。 生理が来ないと子供たちはむしろ喜びます。 楽ですからね。 学校に行かない幼い女の子たちは生理が来ないという事実について大したことではないと思っています。 ここでは性教育をしてくれないんですよ」とこの関係者は伝えた。


「前日より体重が少しでも多く出ると、家に帰ることができませんでした。 目標体重になるまで、従業員の前で罰を受けなければなりませんでした。 この生活が繰り返されたので、少し食べただけでも入院しなければならない状況でした。 腸炎と共に暮らしていました」

7年間練習生だったガウン(仮名)もこのように回想した。


体と心が辛い子供たちがあふれているが、彼らの面倒を見てくれる人はいない。 この王国は学校でも、会社でもないからだ。 エンターテイメント業界は学校ではないので、世話の義務がない。 労働者性が認められない練習生は会社と「雇用」関係でもない。 練習もさせ罰も与えるが、労働法を守らなければならない義務はない。 ガールズグループ「Brave Girls」のメンバーだったノ・ヘランさんに会って、アイドルと練習生生活の一面を聞いた。


#下血が丸三か月···週に一度は救急室

ヘランはヒップホップが好きだった。 「アイドル」という概念も定着していない時期だった。 「BoA」を見ながらダンスと歌をするパフォーマンス歌手の夢を育てた。

運も良かった。 オーディションを何度も受けずに「合格」した。 業界ではかなり待遇が良いという評価が出た会社だった。 他の会社の練習生に羨ましがられた。

 

ヘランの中学卒業写真。 ヘランは15歳の時から練習生生活を始めた。 写真=JainRos提供

 

15歳。放課後は毎日夜明けまで練習した。 徹夜で学校に行くこともよくあった。 練習生ヘランの日課だった。 練習時間を増やそうと会社の近くの考試院に入った。 悪臭のする狭い部屋の一室で夢を育てた。

「練習時間も夢見る時間でした。 未知の世界に向かって走っていく一番楽しかった時間でした」


そうして3年半の時間を過ごした。 19歳、ついに「デビュー」の機会が与えられた。 170センチのヘランは毎日体重に対する圧迫を受けた。 胸の肉もカメラの前では許されなかった。 「ダイエット」が実力を上回った。 スケジュールも大変だった。 忙しい時期には午前7時から明け方5時まで日程があった。 眠ることができる時間はたった2時間だけだった。

 

Brave Girls「最近のあなた」のMVの中のヘランの姿。 写真=JainRos提供

 

体重を量って、ダイエットをして、1日8時間ずつ運動をした。 10日間、食べ物どころか水さえ飲まなかったこともある。 水を飲み込まずに一口飲んだ後に吐き出し、また飲んだ後に吐いた。 そうやって耐えた。

 

結局、体が壊れた。 胃けいれんがひどくなり、週に一度は救急室に運ばれた。 じっとしていても冷や汗が出た。 デビュー後は生理がきちんと来なかった。3ヵ月間、下血が続いたりもした。

 

救急室に行くのがいつの間にか日常になった。 左足首の靭帯が壊れた時。 写真=JainRos提供

 

体調が悪くてもダイエットは続いた。

 

「業界自体がそういう雰囲気なんですよね。 『あなたは体が少しむくんで見えるから、ボリューム感を大きくしてスリムに見えるようにしてみろ』こういう言葉が日常的です。 腸炎になると、痩せるからよかったそうです。ここで流行っているダイエット薬があります。 これを飲むと体から水分が全部抜けます。 でも、絶対に飲むんです。私も自発的に数ヶ月間飲んだことがあります。 まず体重を合わせないといけないから。 これを飲んでてんかん発作を起こした友達もいました」


2012年に活動中に撮影したヘランの姿。 40kg台まで体重を落とした。 写真=JainRos提供


少し食べただけでも喉に炎症ができた。 お粥は一さじも食べられなかった。 弱り目にたたり目で足首の靭帯を痛めた。 それでもイベントには出席しなければならなかった。 怪我をしたまま高いハイヒールを履いて踊り続けると、足首が耐えられなかった。

 

「いくら人と仲が良かったとしても、この生活をしていると関係が壊れます。 ダイエットしなければならないからご飯も食べられないし、外にも出られない。 やりたい歌も歌えないし。 10〜20代前半の子供たちが携帯電話なしで一つの空間で24時間くっついていると考えてみてください。 好きなことをしに来たのに、好きなことをするには遠すぎるんです」


#ソロアーティストとして跳躍···何が違ったのか

そのように辛い7年契約期間が終わった後、ヘランはグループを出た。 生まれて初めて金を稼いだ。チキン屋のマネージャーからブランディング、デパートの販売まで。 ヘランの人生で「違うこと」をする人々に初めて会った。

「最初はとても面白かったです。 それでも(歌手の仕事が)ずっと思い出されました。 私は続けたかったけど辞めることになったケースなのでそうだったのかもしれません」

 

思わず歌手と一番近い接点にある仕事を探し始めた。 演出からミュージックビデオの助監督まで。 結局、ヘランは自分のアルバムを制作することを決心した。 所属事務所がなく、アイドルでなくても「音楽」ができるということを見せたかった。 録音室の貸し出しからスタイリングまで全て「自腹」で払った。

 

ヘランが準備中の「PLAY WITHU」EPソロアルバムの写真。 アルバムのコンセプトから音楽、写真まで全て本人が決めた。 写真=JainRos提供


夢を見るのが怖い自分に

勇気をもって夢を見るあなたへ

もう一歩近づけるように

 

ヘランは自分と同じ夢を見る人たちに言いたいことをアルバムに盛り込んだ。

「このプロジェクトを必ず成功させたいです。 『君が夢を手放した瞬間に夢は終わるのであって、君が手放さなければ夢は終わったわけではない』と言いたかったのです」

 

音楽がしたくてアイドルになったが、以前のヘランはやりたい音楽ができなかった。 ダンスも同じだった。 ヘランの意思は必要なかった。

「アーティストとは言うものの、やらされることばかりしました。 意見が反映されるような状況ではありませんでした。 今はダンスも歌も全て私が決めます。 これで、自分の人生を選んで生きることができるということに精神的な自由を感じています。 毎日患っていた胃腸炎も最近はだいぶよくなりました」

「単に音楽を続けたいだけなのに、アルバムを制作するだけで3年かかりました。 私が一つ一つすべての過程に参加しましたが、思うことが本当に多いです。 この仕事は多くの人々の助けが必要で、大金がかかるハイリスク事業です。 そういう方がいなかったら、アイドルは作れなかったでしょう。 一方ではこのように閉鎖的で圧迫が強いからこそ成果を出したのではないかという気もしました」


ヘランは自らアルバムを制作し始めた。 写真=JainRos提供


だからといって、今のシステムがそのまま維持されてはならないと思う。 ヘランはアイドル育成システムが公式化されなければならないと話す。

「私が経験した問題は、自分の会社だけの問題ではありませんでした。 むしろ私たちの所属事務所は、業界的には待遇や評判が良い方でした。 問題は、公認されたシステム自体がないことです。 大手芸能事務所でも宿舎に戻らないと罰金1000万ウォンを払わせたり、罰を与えたりするケースがありました。 アイドル生活をする時は『この仕事をしたい』という考えしかなく、すべての否定的な話を遮断しました。 周りが問題提起をしても、私自ら考えを根っこから遮断したのです。 私はこの仕事をしなければなりませんでしたから」

 

本人が感じた問題が解決され、より良いシステムが定着し、より多くの人が健康で幸せに音楽を作って楽しめることを願う。

「それでも希望的なのは、大衆の認識も大きく変わり、業界でも良い方向に先導しようとする人が多くなりました。 アーティストの気持ちを理解し、良い方向に解決していこうとする方々が現業にいるようで感謝しています。 私たちが楽しむ文化がアイドルの古い文化ではなく、精神的自由と創作から来ることを願います」​

 

【Biz韓国訳】[K-POP:不思議の国のアイドル] 「黄金の卵を産むガチョウ」は果たして幸せだったのか

【Biz韓国訳】[K-POP:不思議の国のアイドル] 「黄金の卵を産むガチョウ」は果たして幸せだったのか

華やかな舞台裏、アイドル育成システムの「不都合な真実」を探る

https://www.bizhankook.com/bk/article/27918


【Biz韓国】KPOPは大韓民国最高の輸出品となった。 しかし、華やかさの裏には陰も深い。 KPOPの象徴であるアイドルは早い年齢で抜擢され、厳しい練習生時代を経る。 その過程で労働権と人権は無視されるのが常だ。 デビューすらできなかった無数の練習生たちはどうなるのだろうか。 Biz韓国は「KPOP:不思議の国のアイドル」シリーズを通じてKPOPが成長する間に無視した問題点を指摘し、多角的に代案を見てみようと思う。 KPOPを作る人たちが健康になってこそ、KPOPを楽しむ人たちももっと幸せになれると信じている。

 

2024.07.10(水) 15:52:34

2023年、BLACKPINKが米国カリフォルニアで開かれた北米最大の音楽フェスティバルであるコーチェラ・バレー・ミュージック・アンド・アートフェスティバルの舞台にヘッドライナーとして立った。 コーチェラでは6番目の女性ヘッドライナーであり、アジアのアーティストとしては初めてだ。


「KPOPアイドルはすぐにグローバルデビューする」今では当然になったKPOPの公式だ。 KPOPアイドルの曲がビルボードSpotifyなどグローバル音源チャート順位圏を占めるのは日常になった。 米国最大の音楽フェスティバル「コーチェラ」と「Lollapaloozaシカゴ」のラインナップにKPOPアイドルが毎年名前を連ねる。 KPOPの始まりはコリア、大韓民国だが、全世界の人が楽しむグローバル文化コンテンツになった。


#K-POP、文化になってお金になる

NewJeansハニの「青い珊瑚礁」。 先月から日本と韓国を騒がせたキーワードだ。 NewJeansは6月26~27日、日本の東京ドームでファンミーティングを開いたが、この場でメンバーのハニが日本の国民歌謡と呼ばれる松田聖子の「青い珊瑚礁」を歌って大きな話題になった。

 

ベトナム系オーストラリア人のハニが韓国で育てられてアイドルになり、日本で人気を集めている。 これはKPOPの現在を端的に示す光景だ。 KPOPは多様な形態に分化している。 活動地域も国籍も人種も音楽ジャンルももはや韓国に限らない。 ​

 

「お金」にもなる。 低迷している実物アルバム市場で、KPOPアイドルのアルバムだけはよく売れている。 人気アイドルグループは初動アルバム「100万枚」の販売を簡単に上回る。 韓国レコードコンテンツ協会が運営するサークルチャートによると、アルバム販売量1~400位を合算した2023年1~11月の累積販売量は1億1600万枚に達する。


輸出額も3000億ウォンを突破した。 関税庁によると、2023年1-10月のアルバム輸出額は2億4381万4000ドル(約3183億ウォン)で、前年同期比20.3%増加した。 特に、米国の輸出額は前年同期比67.3%ほど増加した。

 

世界の音楽市場は今や韓国に注目している。 スウェーデンのレコード会社の関係者は「作曲家たちは米国より韓国と協業することを希望する傾向にある。 特に最近、KPOPミュージックを作曲したがるスウェーデンの作曲家が大幅に増えた。 スウェーデンや米国で作業するより、KPOPアルバムに参加する方が収益も良い。 ソングキャンプ(アルバム制作のための大規模な関係者ミーティング)のために韓国に行くケースも珍しくない」と説明した。 米マネジメント関係者も、「KPOPは金になる。 米国のレコード会社もこれをよく知っている」と伝えた。

 

ビジネスモデルも多様化している。 ゲーム、ウェブ小説、ウェブトゥーンはKPOPアイドルのIPを活用する。 ファンプラットフォーム「Weverse」には全世界のポップスターが合流している。 KPOPを中心とした産業の分岐点はますます増える。 仮想(virtual)アイドルもやはりエンター業界で注目する事業だ。

 

KPOPが持つ潜在的なブランド価値は測定するのも難しい。 国内エンター社の代表は「韓国では特に無形の価値を重要視していないようだ。 しかし、半導体など目に見える技術産業より潜在的価値が高い産業がまさに文化産業だ。 英国は「ハリーポッター」、米国には「ハリウッド」がある。 強大国の特徴はまさにこのような文化産業が国家主要経済を構成しているという点だ。 このような部分でKPOPというブランドが持つ潜在的価値は莫大だと思う」と強調した。


これを証明するかのように「エンター産業」に参入する国内企業も増加している。 MLB、Discoveryブランドを運営するファッション企業F&Fは、子会社F&Fエンターテインメントを通じて3月ガールグループUNISをデビューさせた。 ゲーム会社のダブリューゲームズもダブリューシーアンドシー(C&C)を設立し、エンター産業に進出した。


国内だけではない。 エンター各社は輸出を超え、現地でアイドルを作り始めた。 国内最大手の企画会社は、米国に法人を設立し、KPOPアイドル育成システムを稼動した。 HYBEは2021年、ジャスティン・ビーバーのマネージャーとしてよく知られているスクーター・ブラウンの会社イタカホールディングスを買収した。 その後、米レコード会社のGeffinレコードと合同で現地のガールズグループ「KATSEYE」を先月デビューさせた。

 

JYPエンターテインメントも今年1月、米国のレコード会社リパブリックレコードと合作し、米国現地のガールズグループVCHAをデビューさせた。 カカオエンターテインメントとSMエンターテインメントはLAに統合法人を設立し、米国でエンター事業を本格化する計画だ。


6月28日にデビューしたHYBEアメリカ現地ガールズグループ、KATSEYE。HYBEはKATSEYEを皮切りに米国でアイドルを育成する計画だ。


#アメリカでKPOPアイドルを作れるか? 韓国式のシステムが通用するか

しかし、KPOPの規模が大きくなっただけに、雑音も大きくなった。 最近、HYBEで起きた「内紛」はKPOP全体に危機感を呼び起こす。 「2024年はKPOP危機」という言葉が出ている。 世界的に人気を得たBTSとBLACKPINK以後「次の世代」が出てくるのか疑問だ。


韓国式のKPOP育成システムが海外で適用できるかも注目される。 特にヨーロッパと米国はKPOPアイドルの「厳しい」育成方式に批判の見方が強いだけに、韓国式システムを現地化することは欠かせない課題だ。

 

華やかなスポットライトを浴びるアイドルの生活は、多くの部分がまだベールに包まれている。 どのようにトレーニングを受けるのか、契約条件はどうなのか、収益はどのように精算するのかなど、実質的で重要な内容はアイドル自身さえまともに知らない場合も依然として多い。 いわゆる「東方神起」事態以後、アイドルと芸能事務所の関係は本当に変わったのだろうか。 特に、幼い頃から練習生活をしてきたアイドルの身体的、メンタルヘルスは健康なのだろうか。

 

Biz韓国はこの4ヶ月間、数多くのエンター関係者、練習生、アイドルに会ってKPOP産業の裏の話を聞いた。


ある芸能界の関係者は「アイドル練習生を選ぶ年齢層はもともと幼かったが、最近はもっと幼くなった。 最近は『小学生』を選ぶ傾向にあるという。 ボーダーラインで中学生だ。 システムが高度化し、幼い時に選別してこそうまくトレーニングできるということだ。 『校内暴力』に足を踏み入れる年齢になる前に選ぼうという雰囲気もある」と説明した。

 

ダンススクールの代表は「国内の芸能事務所と合作してオーディションを開いたり、受講生を推薦したりする。 芸能事務所の要求事項は、歌やダンスに才能のある子供を選んでほしいということではない。 残りは自分たちが全部作れるので、顔とフィジカルだけ見てほしいと言われている」と証言した。

 

このように練習生を選んでトレーニングする過程で、数多くの「子供たち」が体と心の健康を失い苦しさを訴える。


労働者でも学生でもない練習生はどんな存在だろうか。 今のようなKPOPアイドルは、韓国ではなく「アメリカ」でも作られるのだろうか。 海外ではKPOPをどんな視線で見つめるのだろうか。 大韓民国のKPOP育成システムは、このまま持続可能なのだろうか。 そうでなければ、我々はどのような代案を模索することができるだろうか。


※次回はBrave Girlsの元メンバー、JainRos(ノ・ヘラン)のインタビューが続きます。

 

<関係者たちの情報提供を待ちます>>

BIZ韓国はKポップとアイドルに関する話題を集中的に報道する予定です。

練習生、アイドル生活を直接経験したり、Kポップ産業に携わっている関係者は情報提供してください。 allhyeon@bizhankook.com​

※本企画は政府広告手数料で造成された言論振興基金の支援を受けました。

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BizHankookのKPOPシリーズの記事が少し前から出ているのですが、ボリュームが多いので今後も自分の興味のある記事を紹介する予定です。

アイドル練習生の予備校みたいになってるのが韓国のダンススクールですが、

 芸能事務所の要求事項は、歌やダンスに才能のある子供を選んでほしいということではない。 残りは自分たちが全部作れるので、顔とフィジカルだけ見てほしいと言われている

と言うのは現実をあらわしてますね。

歌やダンスはトレーニングである程度まで仕上げられるノウハウ(環境と自信)があるので、もはやそこではなくルックスや体型で大前提のふるいおとしがされるようになっているということで。

逆にそこが飛び抜けて良い上にトレーニングについていく根性や才能がある程度以上ある子たちは、トレーニング期間がさほどなくてもデビューできるというケースが増えているようには感じます。

 

【IZE訳】イム・ヨンウンのチケットは手に入れましたか? 出口が見つからない「メビウスの輪」

【IZE訳】イム・ヨンウンのチケットは手に入れましたか? 出口が見つからない「メビウスの輪

https://www.ize.co.kr/news/articleView.html?idxno=60757

ユン・ジュンホ(コラムニスト)

2024.04.11 11:07

 

今回も失敗だった。 歌手イム・ヨンウンのコンサートチケッティングの話だ。 「ピケッティング」(血が飛び散るチケッティング)という表現まで使えるくらいではないか?

 

イム・ヨンウンが5月、ソウル上岩洞ワールドカップ競技場で開催する「IM HERO−THE STADIUM」(アイムヒーロー–ザ・スタジアム)の入場券販売が10日午後8時、インターパークチケットで行われた。 この日は第22代国会議員選挙の日だった。 全国投票率67%で歴代最高値だっただけに熾烈だった選挙に対する関心は、午後6時の投票締め切り後にはイム・ヨンウン公演のチケッティングに集まった。 マスコミは関連記事を出し、インターパークチケットではカウントダウンを始めた。

 

いざ午後8時になると、サーバーが不安定になった。 しばらく画面転換ができずにどもり、待機者数だけで40万人を越えるという画面が現れた。 「海外旅行1位はインターパーク」というフレーズと共に指を一本伸ばしている俳優チョン・ジヒョンのCMを眺めているだけだった。

 

 所属事務所の「ムルコギミュージック」によると、同公演のチケットを手に入れるために殺到したサーバートラフィックだけでも約960万回だった。 インターパークオープン以来の最大記録だという。

 先の数回の報道のように「3分で売り切れ」ではなかった。 順次前売りの機会を与えていたからだ。 待機者数が徐々に減り、午後8時30分を過ぎても「もしかして」という気持ちで待機ウインドウだけを眺めることになった。 そうするうちに8時45分頃「売り切れです」という文句が追加で出た。 その時も待機者は20万人以上残っていた。 虚しさですぐに画面を消すこともできなかったのだ。キャンセルチケットが出るかもしれないという希望で前売りサイトを離れられない人が少なくないようだった。

 

上岩ワールドカップ競技場は6万人を超える観客を集めることができる国内最大規模の競技場だ。 大型スクリーンの設置により、一部の客席席はオープン(販売)しない。 それにしても2回公演、11万人を超える観客を動員するものと予想される。 これは今までにイム・ヨンウンが進行した単一公演場基準、最大規模だ。 そのため、前売り競争もやはり前の公演よりは容易だろうという観測があった。 しかし、これは希望に過ぎなかった。

 

 昨年開かれたイム・ヨンウンのコンサートのソウル公演は6回にわたって行われた。 ソウルオリンピック公園KSPOドームで開催されたが、1回当たり1万5000人を収容できる。 6回で合計9万人を集める公演だった。 この時も前売り待機者数は70万人を超えた。 上岩ワールドカップ競技場の場合、それより収容規模が大きいため待機者の順番は下がったが、チケットを手に入れることができなかった人が多い状況は同じだ。

 

 昨年改正された公演法の効果も大きくはなかった。 この法律は、特定のコマンドを通じて早く前売り購入を成功させるマクロプログラムを利用して公演入場券と観覧券を確保した後、上乗せ金を受け取って再販売する不正販売行為を禁止するものだ。 これに違反した場合、1年以下の懲役または1000万ウォン以下の罰金を科す。 この法案が3月末から発効され、今回のイム・ヨンウンの公演もやはり適用された。

 

だが、このような措置が「マクロプログラムの使用を防ぐ根本的な解決策にはなりえない」と関係者たちは口をそろえる。 マクロプログラムを通じて確保したチケットを転売ことに対する処罰であり、マクロプログラムの使用自体を防ぐわけではないためだ。 自分が公演を見る目的でこのプログラムを通じて票を確保する場合、処罰適用が曖昧だ。

 また、処罰まではいくつかの段階が必要だ。 上乗せ金を受け取ってチケットを売買する事例を探さなければならず、そのような人々の中でもマクロプログラムを使った人を選り分けなければならない。 純粋に個人の力量でチケッティングに成功した場合に、このチケットを定価より高いお金を受け取って販売しようとする時は改正法案を適用するのは難しい。 つまり、摘発から処罰に至る過程が至難の業だ。 そのため、今回もマクロプログラムを動員した人がいる可能性を排除できない。


一方では「抽選制」を代案にしようという意見もある。 過熱競争を防止するためにチケット購買を希望する人たちを対象に無作為抽選を通じてチケットを配分しようという趣旨だ。 実際に国民権益委員会が「国民を考える」アンケート調査を行った結果、「抽選方式が効果があると思うか」という質問に87.84%(2066人)が肯定的に答えた。 日本などいくつかの国でも抽選制を導入しており、「桜エンディング」で有名な歌手チャン・ボムジュンもやはり今年初めに闇チケットが問題になるや前売りされた自身のコンサート座席を全て取り消した後、抽選にするという公示を出した。


しかし、抽選制がすべてではない。 これも公平とは言えないからだ。 KPOPグループSEVENTEENは昨年、公演を開き抽選制を行った。 しかし、客席ごとに価格が異なり、また客席によって舞台への近さが異なる。(注:原文ママだと思うんですがこれだと意味が通じないような...「全部の座席が同じ値段」でなければこの後のような問題は出ないはずなので矛盾した文章になってる気がします) すなわち、同じ値段を払ってもステージに近く配置される観客がいる反面、舞台から遠ざかることもありうる。 座席配置をめぐってまたも問題が生じかねない。


結局、供給と需要の法則を適用する過程で不均衡が発生して生じたことだ。 人気の高い歌手を好きになることが罪なら罪だ。 結局、イム・ヨンウンの公演チケッティング過熱の様相は、今回も適当な答えを見つけることができないメビウスの輪だった。