サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【質問箱お返事】韓国でのJPOPについての記事におけるコメントについて

韓国で最近JPOPが流行っていて背景に現大統領の日韓歩み寄りの動きも関係してると書かれていて違和感があります。

韓国でユン大統領は若い世代から全然人気ないですし、ユンが歩み寄ってもこっちは姿勢を崩さない、反発するという感情を持つ人は多いです。いまだに日本製品避けている人もいます。

遠慮なく日本好きを発信できるって、隠れキリシタンか?バカにされている気持ちだし、誤解を招く表現と思います。

もちろん政治も関係はあると思います。ムードとして。でも日本も政治にかかわらずオタクにささえられてK-POPが伸びてきたように、韓国内でもJ-POPのオタクがずっと一定数いて、人気焼肉屋のオーナーがキリンジ好きでカリンジって名前のカレー屋出したり、シティポップブーム、シブヤ系音楽の再熱、アニメや映画の主題歌、サブスク解禁、Y2k復古、最近のSLAMDUNKブーム、コロナでの旅行欲アップからの旅行解禁ムード、いろんな要因があって全部つながっていて、不買運動が盛んだった期間も含めて少しずつリスナーが拡大してきたように感じています。

J-POPの渡韓も、上の世代は韓国は金にならないと来韓公演無視してきたけどずっと韓国に来てくれていたバンドやアーティストいますし、坂本龍一もそうですし、そういう人たちの地道な努力は語らず、韓国内の政治のせいのようにとれる発言を日本人がするのが気になります。

最近のimase
とか日本の若いアーティストは韓国カルチャーに興味あるから韓国公演が実現しやすくなったっていう日本側の事情もあると思うんですが、泡沫さんはどう思いますか?

イライラして勝手に長く意見をぶつける内容になってしまってすみません。聞いてもらいたかっただけなのかもしれません。長い文章失礼しました。
 
2023/05/08 10:45:05

https://odaibako.net/detail/request/0c0e2df3-6d38-4403-87b8-dffdad96d765?card

 

これは私が訳したハンギョレの記事のコメントに関してですよね。でも、「韓国で最近JPOPが流行っていて背景に現大統領の日韓歩み寄りの動きも関係してる」とは書いてないですね。

 

「政権が変わった影響があるのでは」というコメントは、訳した記事のような内容が報道されるようになったという「報道のされ方」についてであって、実際の韓国内での日本のカルチャーの受容にされ方や浸透度などについてのことではないです。「韓国の政権交代以降、特に若年層の間で「日本ブーム」とも呼ばれるような日本のカルチャー消費が表立ってきており」であって、あくまで「表立っている=公に目につくようになってきている」事に対してです。
再度確認してみてください。
【ハンギョレ記事訳】お、これってヒップだね? TikTok世代が魅了されたJPOPが来る - サンダーエイジ

 

勿論、政権に関わらず昔からずっと日本の音楽やカルチャーが好きという人たちが一定数いるのは元々二次オタなのもあり体感していますし、韓国内の雰囲気がどうであれ(ノージャパンの時期でも)個人的にはそういう事柄を好んで取り上げてきたと思います。ある程度の期間ツイッターとか見てくれている方なら知ってくれていると思います。多分。

 

ただ、この記事に関しては投稿内容に書かれているような「文化の話」というより、「トレンドの話」についてだと思います。やはり日本からというか、日本に暮している私個人から見るとやはり韓国は日本よりも、「トレンド(流行)」に関しては政治的な雰囲気が結構影響しているように見えます。特定のカルチャーが好きな人たちの「好き」の気持ちが政治的な雰囲気で変わる事はないんじゃないかと思いますし、そういう層は社会政治状況に関わらず文化的な活動はしてきたと思いますが、実際はカルチャーをトレンドとしてしか消費しない人たちの方が圧倒的に多く、そういう人たちが「大多数の社会的な雰囲気」を形成しているのも現実ですよね。それは韓国も日本も同じだろうと思います。

そして、政治的な社会の雰囲気に関しては韓国の人たちの方が遥かに敏感なように見えます。それは政治を気にしているということなのでいい面でもあると思いますが、一方で多分政治的に無関心な人が韓国よりは多そうな日本の方が「政治を気にしないで消費する人が多い」という点では、ある意味で政治に対するカルチャーの強度があると言える部分もあるのではないかと思います。それもいい面良くない面あると思いますが。
日韓の時期が微妙だった時期でも日本では5万人近い東京ドームクラスの公演をしていた韓国のアーティストは何組もいましたし、ノージャパンが知られて日本で一部反発ムードがあった時期でも新大久保は賑わい、BTSは若年から老年層まで知られる存在になりました。韓国でのノージャパンの時に実際にユニクロや日本のビールメーカーが売り上げが下がったというような事は、日本でははっきりとはなかったと思います。メジャーなTV番組の露出では影響があった時期もあるかもしれませんが、日本は色んな分野で「オタク」が多いですし、特定の国のものを拒否や不買するというような動きはトレンド面でもカルチャーでも大々的には起きにくいと思います。一年中そういうことを言っている特定の思想の人たちはいますが。
でも、韓国は政治的な雰囲気は実際数字に出るくらいの消費行動への影響が今でもあって、決して過去の話ではないんだと直近のノージャパン運動の時に実感しました。私の韓国人の知人友人は殆どが日本のカルチャーが好きな人たちですが、そういう人たちの口からは一時期まさに「隠れキリシタン」というワードは出てました。昔のように(といってもそれほど昔でもないですが)制度的に禁止される事はなくても、なんとなく積極的だったりおおっぴらには言いづらいよね、というレベルの話ではありますが。そしてマスコミ報道については言わずもがなだと思います。

 

カルチャーメディアではなくマスコミの記事はまさに「社会的な空気」や「トレンド」を取り上げる事が多いものなので、ニュース記事であるあの記事出た事に対する「こういう日本文化関連の記事を出しやすかったり話しやすい雰囲気が以前よりあるのでは」という話であって、「保守政権になってから親日っぽいから日本の音楽も流行ってるっぽいよ☆」とかいう話ではないですし、そんなことは言ってないです。似た論調の韓国語のツイートや記事は主にSLAM DUNK関連で見かけましたし、それに対する反論も見ましたので、元々日本の音楽やカルチャー好きな韓国の方がそういう指摘にイライラするのはわかる気がします。私も「日本でのKPOPブーム」についての質問や記事を受ける事がありますが、そういう時は「すでにサブカルチャーとしてある程度日本に根づいている」というカルチャー的な話からは切り離してもっと大衆的なトレンドについての話をしています。でも、韓国は左派政権の時は反日ムードが政治的に利用されやすいみたいだから、日本のものを表立って消費しづらくなる時はあったりするのかな?という印象は個人的には正直あります。そういう雰囲気をぶち破るようなトレンドがカルチャーから生まれる事もあるというのも、政権交代直前の時期に起こったポケモンパンブームを見て思いましたし。

 

「最近のimase とか日本の若いアーティストは韓国カルチャーに興味あるから韓国公演が実現しやすくなったっていう日本側の事情もあると思うんですが」
という部分ですが、そういう部分も勿論あると思いますが、メジャー所属の日本のアーティストが海外で公演をするには、アーティスト側がただ行きたいという気持ちだけでは実現するものではなく、(実際、韓国カルチャー好きを公言していて来韓公演をしたがってるけど出来てないアーティストはいるんじゃないかと思います)それこそ韓国内でのチャートインや受賞、映画のヒットなど、ビジネス的にも表立った好意的な反応があったからこそ実現したのではないでしょうか。それと日本ではレコード会社の力が強いので、韓国支社もあるレコード会社所属かどうかなど、そういう会社間の関係性もあるのではないかと思います。記事に出てきた単独来韓公演をした(する)アーティスト達は全員ユニバーサルの所属で、いずれも韓国に支社がありますよね。

(そういえば坂本氏もユニバーサルです)