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サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【Idology訳】アイドル × hiphop ① アイドルがヒップホップをする理由

idology訳 K-hiphop BIGBANG SMTM ヨジャG block.B B.A.P 防弾少年団

【Idology訳】アイドル x hiphop ① アイドルがヒップホップをする理由

http://idology.kr/1150

by キム ヨウンデ

2014/08/12


 昨年、ロサンゼルスで開かれたKCON 2013でG-DRAGONがMissy Elliottとともに、自分の新曲「닐리리야」(ニリリヤ)を一緒にパフォーマンスしていた場面を興味深く覚えている。そして、不意にソテジと子供たちの「하여가」のミュージックビデオを思い出した。誰でもない本場のアフリカンアメリカン達のリスペクトを精一杯受けつつhiphopダンス対決をするという、当時としてはファンタジーに違いなかった希望を投影させたミュージックビデオだったが、いつのまにかそのダンサーの一人はアイドル王国の経営者になり、彼らが作った「アイドル」と彼の世代にとっての「アイドル」との間のコラボを成功させた。再びhiphopを媒介として。 20年ぶりのことである。


⚪︎アイドル '0世代'からG-DRAGONまで

 ソテジと子供たちやDEUXをはじめ、90年代初頭のアイドル0世代(?)のその後をじっと思い出してみる。当時としては不慣れなアイドルフォーマットでhiphop-R&Bの間を行き来するパン-ブラックミュージック的マインドで新しい道を提示した1TYM、またはその布石だったJINUSEAN、ギャングスタのマインドを学校の中に持ち込んだH.O.Tやウェッサイの精神をダンス歌謡のど真ん中にまっすぐにうち立てたユ・スンジュンまで。アイドルにとってヒップホップとは、初期から最も魅力的な引用と探求の対象だったわけだ。 2000年代初頭のアンダーグラウンドヒップホップの胎動、牛追いバラードとソロダンスアイドルたちの勢力拡大の後水面下で沈潜していた奇妙な関係は、しかし、BIGBANGのデビューとともに再び新たな転機を迎える。

 1TYMとJINUSEANの遺産の上にグループのアイデンティティを作った彼らは、音楽的にはエレクトロやヒップホップの境界を適当に行き来しながらも、イメージとファッションにおいてはヒップホップの要素をほとんど強迫的に標榜していた。さらにリーダーのG-DRAGONがヒップホップを本領と掲げ、本格的に「アーティスト」を標榜したのち(ロッカーに変身したHOTのムン・ヒジュンのように、ジャンルミュージックはアイドルがミュージシャン的アイデンティティを「誇示」するのに最も有用な枠組みである)わずか2枚のアルバムだけで大衆と評壇双方から合格点を得たことは意外な展開であった。 (Beenzino、Huckleberry Pなど、そうそうたる若手を抜いてブラックミュージックウェブマガジン<Rhythmer>で"今年のシングル"を受賞した当時は少なくない論争を呼び起こしたりもした)アイドルプロダクションにおいてBIGBANGそしてGDの成功は重要な認識の転換をもたらしてきた。まるでEDMがアイドル音楽においてそれなりの公式に変形導入されたかのように、ヒップホップはアイドルグループの主力ジャンル、コンセプト、あるいはイメージやファッションの最も重要な部分として新たにその可能性が打診され始めたのだ。 BAP・blockB・防弾少年団など、温度差はあるがとにかくヒップホップを自ら要望したアイドルグループの本格的な登場、本格的には標榜していないながらもヒップホップの要素を部分的に取り入れたEXO・BEASTなどのボーイズグループ、さらにヒップホップガールズグループの相次ぐ登場まで。その流れを興味深く許容しようが気に入らないと思おうが、すでに一定の方向性は設定されたわけである。
 アイドルとヒップホップの関係を考えている間に、筆者が最近関心を持って読んだ2つの記事をしばし考察してみたい。ひとつはマガジンizeでキムホンヒョン、DEEPFLOなどが一緒に作成したアイドルラッパーたちの鑑定書だが、一般的に評価の対象とされないアイドルラッパーを切り離し彼らの長所と短所をフィルターなしに指摘していた点は逆転の発想だと言えよう。 (「ZICOからヨン・ジュンヒョンまでーラップするアイドル 」ize 2014年2月)もうひとつはウェブマガジンRhythmerのコラムで、アイドルがヒップホップを標榜することにより生じたいくつかのネガティブな側面をジャンルの音楽メディア特有の観点から皮肉っていた。 (「ヒップホップとアイドルのきまずい同居同楽(落)」Rhythmer 2013年7月)この記事を読みながら、私は当然だが先送りしてきた一つの疑問を改めて思い出すしかなかった。アイドルにとってヒップホップとはどんな意味があるのか?ヒップホップを利用して彼らは何を(不完全ながらも)達成しようとしているのか?なぜ彼らは(矛盾的にも)ヒップホップに集中するのか。この記事はこのような質問に関連してアイドルのヒップホップへの探求という現象をトレンド追従、イメージの構築、リアリティの探求というキーワードを介してアクセスしてみようと思う。

 

キーワード1:トレンド追従

 アイドルが模索するヒップホップというスタイルは、そのジャンルの音楽である以前にそれ自体で一つのがっちりした最新のトレンドの一つにすぎないという解釈は、最も表層的でありながら最も実質的である。すべてのトレンド受け入れ、アイドルという器の中に入れて出すK-POPのアイドル製作方式において、ヒップホップも例外であるはずはない。簡単に言うと、彼らが取り入れているのは「ヒップホップ」というよりはヒップホップが象徴する「流行」であるということである。最近のアイドルの音楽ジャンルはトラップやエレクトロ など、すでに米国のポップス市場で普及しているグローバルな普遍性を獲得しているジャンルで、その導入自体が「ヒップホップ」という音楽や文化を直接引用する意味をにおわせることには有効である。 R&B - ヒップホップ - エレクトロが絶妙な役割分担でポップシーンを分けてきたのは、少なくとも過去10年近くアメリカのメジャーミュージックシーンでは一貫性のある流れであった。そういう意味では、アイドルがヒップホップをする事は予想できた自然な結果であると言えよう。


キーワード2:イメージの構築

 同時に、ヒップホップ(rapあるいはB-boyingなどの個々の要素を含む)は、アイドルのイメージ構築において一丁前の差別化戦略となる。ヒップホップはソフトなイメージのアイドルを「戦士」にしてくれる最も簡単なアイテムであり、(HOTのデビュー曲が強烈なヒップホップのリズムを借用した「戦士の末裔」であったことを覚えているだろうか?)ロックやバラード調の「歌謡」とそれらを区別するための若くて洗練されたイメージの表象であるわけだ。ここで重要なのは借用されているヒップホップという音楽と文化に込められたリアリティの意味である。ヒップホップという「トレンド」は大衆音楽であるアイドルジャンルにとっては一時的であり避けられない選択なのかもしれないが、このチョイスにおいては少なくとも、ヒップホップのリアリティという枠組みの中で具体的に方向性が決定されるべきである。大げさに言うなら、アイドルにとってヒップホップアーティスト的なリアリティはいわゆる「ヒップホップコスプレ」において最も重要で必要十分な条件だということだ。


キーワード3:真正性(リアリティと真実味)の探求

 

 アメリカのヒップホップ史において真正性=リアリティは、地域、民族、産業、男性性などさまざまな要素から構成されるが、その中でも最も核心的に議論されてきたのはまさにメッセージの信憑性、簡単に言うとそのメッセージを「誰が」作ったのか、そしてそのメッセージが「リアルなのか」という問題である。これは工場で作られている商品に近いK-POPアイドルの音楽とその本質から相反する部分でしかなく、これこそまさに矛盾というべきだが、ヒップホップアイドルのリアリティというものが模索されている。考えてみれば、一般的にルックスやダンスなどの要素に加えてアイドルたちが自身を差別化できる最も効果的な手段は、まさに楽器の演奏能力や作曲能力であった。アイドルラッパーの存在はグループにヒップホップというジャンルが内包する自由なイメージや妥協しない態度、そしてミュージシャンとしての能力を付与してくれ、自作歌詞でライムするラッパーはそれ自身がミュージシャンであり作詞家であること。この点でまさに彼らは「操り人形」ではなく、能動的に自分の音楽を悩んで参加する積極的な「ミュージシャン」の存在という、実質的なあるいは虚像的なイメージを与える。単に著作権としての意味を超えて自分で歌詞を作りながらこれらの音楽を「所有」しているのだと言うことができ、そのアーティスト独自の「表現」あるいは「メッセージ」に共感する(あるいは共感したい)ファンたちには彼らを好きになる、あるいは認めなければならないもう一つの理由を作ることになるのだ。ヒップホップアイドルの元祖であるYGがさらにTVのオーディションでもヒップホップスピリットを強調すること、そして社内(in-house)メンバーである1TYM、BIGBANG、そしてデビューを控えたWINNERなどに至るまで、自分たちのアイドルを「プロデューシング」が可能なrapperとして育成していることも、このような欲望ないしは強迫の表出ではないだろうか?
この真正性というキーワードの活用は、一方的に韓国ヒップホップシーン特にアンダーグラウンドとの連携を意図的に強調することによってお得意の効果を得る。block.BのZICOやB.A.Pのバンヨングク、防弾少年団のラップモンスターなどがあからさまに、あるいは匂わせつつアンダーグラウンドの「キャリア」を打ち出しているのは、いくらアイドルグループであっても「リアル=real」であることを証明しなければならないヒップホップの特色を意識しているのだというポーズである。特に、本格的なヒップホップとアイドル音楽の間に大きなギャップを感じていない低年齢層やライトなファンたちに対しては、その効果が極大化される傾向がある。最近YGがヒップホップコンペティションであるSHOW ME THE MONEYに練習生であるB.I.とBobbyを出演させたことも、アイドルの限界をヒップホップの真正性で越えようとする行動であり、すなわち別の意味での「検証」の関門を通過して「リアル」であることを証明するための努力、あるいは多分意識的にその辺りの境界をぼかそうと努めていると言えるのではないだろうか。

 


⚪︎ヒップホップ系ガールズグループについて

 

ボーイズグループとは異なり、ガールズグループの音楽でのヒップホップは攻撃性とswagという「attitude」の側面においてより限定的な借用が行われる。男性中心的な音楽としてアイデンティティを付与されたジャンルにおいては、支配的な男性性に対抗したり女性としての主体性を示すためにヒップホップを持って来ること。これはアメリカでも根深いアプローチである。ヒップホップはガールズグループにとってはビジュアルという側面では可愛さやセクシーさと区別される第3の魅力のための画期的なジャンルであり、音楽的な面ではエレクトロやEDMを解放するための布石となる。胸が高鳴るようなリズムにギラギラしたヒップホップファッション、日焼けした肌、刺激的な目つきと挑発的な歩き方は、2NE1からGP BASIC、D-UNIT、WA$$UPまで続くガールズヒップホップグループのスタイルである。断定するにはまだ早いが、過去にはTLCなどの若々しさとバッドガール的イメージを借用し演出したDIVAやBABYVOX、SWEETYなどはイメージや態度の領域であったが、今は「肉体」の領域に移っているのも興味深い部分である。最近登場したヒップホップアイドルガールズグループWA$$UPのメンバーたちがまるでアフロアメリカンを連想させる屈曲な体つきを自らセールスポイントとして強調していることは注目すべき点である。さらに、可愛さとセクシーという、素材は異なりつつも女性性のファンタジーをコインの両面のように運用するアイドルプロダクションで、人種的含意が多分にあるTwerkingの領域を触れているのは偶然ではないのではないだろうか。

(SMTMの予選でアメリカのイースアンダーグラウンドラップの伝説ウータンクランの「Wu-Tang Clan Aint Nuthing Ta Fxxx Wit」を(下手に)歌った女性が、突然脈絡もなくニューオリンズtwerkingを披露したのは、まさにK-POPのアイドル音楽に根づいている脱文脈性、無国籍性あるいは「根源のなさ」がどこまで浸透しているのかを示した呆れた例ではないか!)


韓国大衆音楽の中でのヒップホップは、他のどんなジャンルの音楽に比べても常に激しい「誤用/misappropriation」ないしは「誤訳/ mistranslation」の対象だった。そして、ヒップホップアイドルは、大衆音楽の最新トレンドを背景にローカルや文化的背景という「シーン」が先行していないジャンル音楽の罠の上で、音楽や文化のすべての面を付属品のように活用するアイドルプロダクションの徹底した分業と脱文脈性を両翼にして浮上した。ヒップホップには必須の真正性の基準を変形させて導入することで、矛盾すらも以前の世代のアイドルとは差別化されたイメージを構築し、一方では、ジャンルの音楽との境界をぼやけさせながらヒップホップの栄養をアイドルに吸わせつづけている。これがアイドル業界のやり方なのか?それとも韓国ヒップホップにおける内在的システムの限界なのか?それともその両方をつなぐ架け橋として、K-POPだけが持つ新しいモデルになりうるだろうか?確かなのは、この方向性が一貫性のある流れであり、最終的にはその未来はローカルシーン、よく「グクヒプ」といわれる韓国ヒップホップの原動力から再び予測してみなければならないという事である。そしてこれは他のジャンルと同様、ポップスの本場の流行あるいは世界的な傾向と分けて判断することはできないだろう。ヒップホップが大衆音楽界のメジャージャンルであり続ける中、韓国ヒップホップの成長とともにその中の欲望が多様化しているし、アイドル産業がヒップホップを活用した差別化メカニズムを継続的に作動させる限り、これらのややぎこちないが興味深い同行は続くことは明らかである。


attitude = 振る舞い方。

국힙グクヒプ=「韓国ヒップホップ」の略語。韓国産ラップを主にUS圏のヒップホップと差別化したい時に使われる。
(한국韓国+힙합ヒップホップ)

twerking = 腰を低く落とし激しく振るダンスの振付の一種。元はアフリカンアメリカンの文化発祥だが、近年VMAでマイリーサイラスがパフォーマンスに取り入れた事で良くも悪くも注目され、USでは一時すごいブームになったらしい。KPOPのヨジャダンスでもよく見るやつです。ミンジがよくやってるイメージが。

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Idologyのアイドルとhiphop大特集!ちょっと前のですがこれはここ数年の流れを考える上で面白いやつだと思ったので訳してみました。韓国のhiphopの歴史とはまた違うアイドルの歴史の中でのhiphop的なものの歴史だったので。
(文中に登場したRhythmerとizeマガジンの記事に関しては別途訳します→訳しました)
WINNERがデビューする前でライターの方はてっきりhiphop系のグループだと思って書かれたようなのでちょっとズレてるところはありますが、ここ数年のアイドルグループのヒップホップ系グループに関する総括みたいにはなっているかと。
ガールズグループに関する記述を読んで、本格的hiphop女子グループでは成功してると言えるのは今のところ2NE1だけじゃね?と思ったり…ラッパーが肝という事とセクシーさの扱い方、hiphopを女性が「リアル」にやる事を考えると女性支持を受けたほうがいいという両立の難しさがあるのかな…つえにも女性ファンの方が多いgirl crushグループですし。
でもそろそろ次世代Gが出てきてもいい気が。YGが次に出すという噂の女性グループに期待がかかりますが、ゴリゴリのhiphop系じゃない可能性も十分ありそうではある。

G-Dragon x Missy Elliot "Niliria"
http://youtu.be/8VjE4RHZAaI

ソテジヮアイドゥル 「하여가」MV
http://youtu.be/L-AxO7EPU8c

 

 

 

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