サンダーエイジ

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【ize訳】アイドルリアリティショー④ <EXO'Sショータイム>から<WINNER TV>まで、アイドルリアリティ評価

アイドルリアリティショー ④<EXO'Sショータイム>から<WINNER TV>まで、アイドルリアリティ評価

2013.12.17
 
「アイドル界の内情を見せる」「新人歌手がデビューを準備する過程を描く」アイドルリアリティの企画意図は普通このようなものだが、プログラムがこの目的だけを見せてくれるものではない。アイドルリアリティはアイドルが舞台と違った魅力でファンとコミュニケーションを図り、熾烈な競争の中で生き残るために必ず得るべき必須アイテムのように考慮される。すでに人気を博したグループからデビューもしていない練習生まで、アイドルリアリティの出演者層が広がるのも、このアイテムの効果が明らかであるからだ。そこでizeは異なるコンセプトで放映されている5つのアイドルリアリティがどのようにして、どれだけ適切に威力を発揮しているかを評価した。評価項目は、リアリティの効果に焦点を当てて視聴者に魅力的な発見の入口になってくれる「キャラクター」と、様々な情報を伝達し人物に対する理解度と関心を高めてくれる「餌」、ファンの目を楽しませてくれる「ファンサービス」、各番組の中で強調されるイメージである「僕たちはOOO」4つを用意した。現在のアイドルリアリティがどのくらいアイドルにとって重要であるか、多少は具体的に明らかになるだろう。
 
 
MNET「WINNER TV」ーリアリティはリアリティであることを忘れる
 
コンセプト: 新人グループWINNERがデビューするまでの過程を入れたリアリティショー
 
キャラクター:カメラは手伝うだけ。 リアリティショーの定石に従った初回構成は、メンバーに対して以前のリアリティプログラムである「WIN 」でのイメージとは違ったキャラクターを意外に簡単に抱かせた。 VJらと宿舎に設置されたカメラはBIGBANGの日本ドームツアーオープニングを準備するメンバーの日常を入れるだけだ。 だが、キャリーに「バンブルビー」という名前を付けるソンミンホと空港ファッションにとりわけ気を遣うカンスンユンを自然に捕らえる。 メンバー間の「ケミストリー」もこのような構成中で作られた。 忙しく録音をするボーカルラインとそばでふざけて遊ぶラッパーラインのキャラクターはすでに捕えられた。 ホテルで同室になりぎこちないカンスンユンとナムテヒョンを強調するなど、メンバー同士のキャラクターもさらに発展する可能性があることを予告した。 初回にキャラクターだけでも次を期待するようにさせたので、リアリティーショーの力をそのまま見せたということができる。
 
餌:「WIN 」を見なかった視聴者も簡単に近付くことができる程の基本的で詳細な情報はない。 だが、メンバーが直接プログラムのタイトル曲を作曲するということと、ボーカル・ラッパーラインを概略的に見せて関心を引いた。 ドームツアー舞台で指摘を受けて修正していく姿も今後の成長叙事のためのシグナルで、新人グループに対する好奇心を与えるのには成功したようだ。
 
僕たちは楽しい :「WINNER TV、始まるよ」ソンミンホが慎ましく、だが、自信を持って残したフレーズは「WINNER TV」の情緒を見せる。 緊張感がぐるぐる回るほかはなかったWINと違い、おもしろく遊んでいたずらをするメンバーの姿はデビューを控えた新人の荒っぽさと似合って、見る人も負担なく楽しむことができた。 時々メンバーをからかう字幕もこのような雰囲気を作るのに一助となった。
 
ファンサービス:一回にどれだけ多くのキャプチャーとウムチャル(움짤=動画)ポイントをファンたちに投げかけたことか。カメラはメンバーのパスポート写真はもちろん、ナムテヒョンの裸と妖艶な姿勢、口を開いて寝るメンバー姿まで残して任務を全うした。 カメラの目の前でテレパシーを撃つソンミンホのように、自覚的なファンサービスに忠実なメンバーがいるということもWINNER TVの望ましい要素ということができる。
 
 
MBCエブリワン「EXO'Sショータイム」ー シンプルだが序盤から効果満点
 
コンセプト:視聴者が直接送った気がかりなことをEXOが答えてくれるリアリティショー
 
キャラクター:一言、表情一つ一つにキャラクターがあふれた。ファンが気になる点を尋ね、それに対する答えをEXOが日常的に示す構成は、なにか特別なものでもない。しかし、デビュー2年目で初のリアリティに出演するメンバーに対して気がかりなことがあふれているファンには最も直接的にアピールすることができる構成であった。状況をすべて親切に楽しく説明する字幕は、実際には必須ではない。ファンは分かっていてメンバーを解釈し、それらにキャラクターを付与するからである。 「EXO 24時間、その後?」でもクールにパジョルイムを食べるクリスとトッポッキも子供のように受け入れて食べるタオはもちろん、一人で映画を見てよく遊ぶD.O.など、カメラが彼らの日常を盛るだけでもメンバーたちのキャラクターはファンに強く新たに突き刺さった。最小限の投入で最大の結果を得た成功的な出発と言える。
 
餌:メンバーのあまり知られていない情報がステージではなく日常での合間に出てくることにより、既に情報を知っているファンはもちろん、一般的な視聴者もEXOにもっと近づくことができた。マクチャン(マルチョウ。ホルモンの一種)が好きなメンバー、スホが育てる犬の名前なども特別なコーナーではなくメンバーたちの日常から出て自然に伝達された。
 
僕たちはアイドル:いくら弘大でホルモンを食べてもスタイルはあきらめない。遠くからも目をひくようなクリスの帽子と同様、スケジュールが終わったらゆっくりと犬と散歩をしてメンバー達と漢江で自転車に乗るといった和気あいあいとしたメンバーたちの姿は、きれいに描かれた「アイドル」そのものだ。フレンドリーだがファンの幻想を壊すことはない、「計算していないように見せる計算」であるわ けだ。
 
ファンサービス:様々な角度から撮影されたカットと頻繁なクローズアップ、12人のメンバーを均等に入れたカメラは、キャプチャーとウムチャルを準備しているファンの心をよく知っている。特に初回からメンバー全員にウインクをさせてみせ、映画を見てナチョスを食べるD.O.の口元をうつしていることを見れば、ファンがなぜこのリアリティに熱狂していることがわかる。
 
 
TVN 「清潭洞111」 ー 欲は多いが、まだ収穫半ば
 
コンセプト:アイドル界をFNCエンターテイメント(以下FNC)のオフィスライフに示すリアルドラマ
 
キャラクター:FTISLANDとCNBLUEもちろんハン・ソンホ代表まで、FNCのすべてのメンバーさらには会社もキャラクターを得た。これは、「スキャンダルに対応する」のように、毎週新たに決まるテーマにあわせてFNCメンバーの日常を見せる過程で自然に表れている。最初の会議のテーマをどの会社でもあるであろう「甲乙の関係」にしたことも賢い選択だ。デビューして5年ぶりに初めてお金を受けたと代表の前で叫ぶことができる「特別な乙」イホンギと、今は休暇中だがチーム内の実力者であるチョンヨンファにゴマ粒ごとくへつらうイジョンシンの新たな魅力をどこでまた見ることができるだろうか。ただし、練習生たちは基本的な導入だけで良い印象を残すことができないという事は忘れてはならない。まだ整備されていない練習生たちの粗削りさに加えていくつかのキャラクターを示すことができるか配慮していない場合、彼らにはリアリティは抹殺したい過去の映像のひとつになる可能性もある。
 
餌:ヨンファがドラマ主演を務めミンヒョクが野球が好きだというように、既存のファンは覚えるべき情報が歌手たちの日常会話とのフレンドリーな字幕で伝達される。ファンだけでなく、アイドルの世界に興味を持ってプログラムを見た一般大衆にFNCの歌手たちをアピールするのもこのリアリティの重要なポイントである。伝達方式が単純でお決まりな部分もあるが、本来の機能としては十分働いた。
 
僕たちはミュージシャン:代表の車を借りて出かけてしまったホンギのために突風を起こしたFTも、暇さえあれ宿舎でゲームばかりするCNも、オフィスライフという点を活用して練習生指導のエピソードでアーティストの姿を見せてくれる。発声法を直接指導するホンギ、スパルタ式でドラムストロークを教えるカンミンヒョクの上手さにある瞬間ときめくのはもちろん、ミュージシャンとしての姿も見ることができた、
 
ファンサービス:素顔とベッドに横になった姿は公開しない。しかし、フルメイクアップされた歌手と練習生はクローズアップがなくてもキャプチャ本能を刺激する。特に眼だけ動かしながらゲームに集中するジョンヒョンと、クリスタルのせいで照れるミンヒョクのボールタッチCGはファンが即保存あいたくなる。
 
 
「VIXX TV」ー小雨に服がぬれるように、ファンドムを強固にしてきた強い力
 
コンセプト:毎週火曜日夜9時にVIXXが直接自分たちの最新ニュースを伝える番組
 
キャラクター:ちりも積もれば山となる。 3~4分のVIXX TVを全部集めればメンバーのキャラクターも積もってゆく。 映像に特別なスタイルはなく、デビューの時からメンバーが直接VIXXのニュースを伝える構成で、各メンバーの魅力を一気に見ることはできない。 だが、時には「レオのサッカー教室」、序盤のVIXX TVにあまり出てこなかったメンバーヒョクを紹介する「ヒョクの探求生活」、メインMCではないケンが放送する「ケンTV」等多様な形式が試みられ、退屈することなくメンバーすべてのキャラクターを貯めることができた。 だんだんと放送に慣れていくメンバーを見る醍醐味も無視できないが、'ビクスティービーマンヘラアディダスナイキ’のように伝説の流行語も誕生したのでVIXX TVはファンドムを固めた一番の貢献者といえる。
 
餌:近況を整理して遠慮なく広報する単純なフォーマットだが、意外に興味深いアプローチが可能だ。 ケンが新曲の話をしてヒョクが音源を流し突然ライブを要求されたvol.77も本編ではない「ケンTV」でのことだったので無理がなかった。 落ち着かない進行の中でも"SECRET NIGHT"の作詞、作曲をラビがしたという点は明確に伝えられたので、フォーマット決めていない放送の力を十分に活用したわけだ。
 
僕たちは実力派:デビュー当初にVIXX TVで見せてくれたメンバーの歌唱力は新人だったVIXXに注目を集めさせた。 特にいちコーナーにすぎなかった「レオの音楽都市」はナ・ユングォンの「私だったら」「後ろ姿」等を通してメインボーカルとしてのレオを確実にアピールした。 リアリティーでアイドルの私生活とおもしろく遊ぶ姿を見せることだけでなく、歌手という本来の姿も真剣に強調した例だ。
 
ファンサービス:静かにしていたホンビンが自分に頼ると、ラビはホンビンの頭をなでる。 言葉少ないレオが、負傷後に手紙を残す。 メンバーたちの距離感とファンが感動するソースを与えるが、度を過ぎていない効果もまたこれを適切に強調する。 ただ、ロビクの字幕はある程度自制してもよいだろう。
 
 
「A-JAXの夜間レストラン」ー キャラクターを作っただけでも、立派立派
 
コンセプト:3つのチームに分けて夜食料理対決を繰り広げるプロジェクトで、毎週火曜日夜10時にファンカフェに公開
 
キャラクター:KBS 「ハッピートゥギャザー3」の「夜間売店」をパロディにした「A-JAX夜間レストラン」は、メンバーたちのキャラクターを生んだ。 「A-JAXの古狸育児日記」とは異なり、料理対決という形式が用意される普段から積極的なリーダーヒョンゴンのほか、専門家のように料理にアプローチしながら軽口を叩くユンヨン、ヒョンたちに追い詰められても目が曲がるように笑う「ハム末っ子」ションジンなど、複数のメンバーたちのキャラクターが形成された。料理道具も自主的に準備しプログラム名もボードに手で書かなければならないような劣悪な状況だが、3回のシリーズにおさめた効果としてはなかなかだ。
 
餌:デビュー後1年が過ぎたが、A–JAXに最も必要なのはいまだにメンバーたちの基本的な情報を確実に伝えるものである。 「末っ子ライン」「三色ファッションの哲学を持ったリーダー」のように、料理対決をし自然に繰り返される情報は、メンバーの名前と顔、個性を連結させて見る人がメンバーを長く記憶に留めさせることができる。 そういうわけでMBC「無限挑戦」が字幕スタイルが乱発されたり、ディテール的な要素を評価するのはまだ重要なことではない。
 
僕たちは親しみ:「夜間売店」の枠組みと「無限に挑戦」の字幕など有名芸能プログラムの雰囲気を取り入れた。字幕でも示したとおり、所定の位置でプレーするメンバーを合成して画面を切り替える90年代式の進行が前面に表れている。これは、オフィスの一つと推定されている空間で無条件に熱心に夜食を作るメンバーをいきいきと身近に感じさせてくれる点である。まだ新人のティーを脱ぐことができなかったメンバーたちが魅力を見せるには、悪くないイメージであるようだ。
 
ファンサービス:メンバーたちが魅力を投げ与えているというのに、なぜとらえることができないのだろうか。スンミンがカメラを見て明るく笑う、ユンヨンが意欲的に料理をしてすぐメンタル崩壊に陥るかわいい場面が出てくるも、この瞬間を強調するようなクローズアップや効果がほとんどない。多くの場合に利用されているズームをより賢く使う必要がある。メンバーたちよりメンバーが作った料理「グスンと騙されたところでピザこんにちは」(料理名)と審査員がよりしっかりとしたワンショットを受けるべきではないか。
 
校正 キム・ヨンジン