サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

2016 GAONチャートを振り返る②[本命の音源チャート編]

[CD音盤チャート編]

 http://nenuphar.hatenablog.com/entry/2017/02/22/135725


次は本丸の音源ランキングです。
すでにCDショップというものがほぼ絶滅した韓国ですので(シンナラ店舗がなくなった衝撃は個人的に結構大きかった)音源売り上げが真の国内での「音楽が売れた」というバロメーターと言っても過言ではないでしょう。CDとかもはやグッズ扱い。
ストリーミングに関しては深夜寝てる間にノンストップでエンドレスで回すというオタクの回数上げ手法が定着してたり無料券とか色々と雑な要素が入ってきますので、ここではダウンロード販売数ランキングだけ載せておきます。

*10位まではすべての順位を載せましたが、11位以下はアイドル関係の曲と三大事務所の曲、話題になったり何かの目安になりそうな曲だけ載せておきます。OSTが多かったというのとヨボセヨおじさんことイムチャンジョンの偉大さは記しておきます。

 

黒文字→男性グループorソロ・ユニット
赤文字→女性グループorソロ・ユニット
青文字→男女混成デュエット・グループなど

タイトル紫文字→TVなどの企画モノ・OST
(これは後で訂正追加します)

△2014デビュー

○2015デビュー
☆2016デビュー


1. 時を越えて(Rough) /GFRIEND 190万3126 ○
2. CHEER UP/TWICE 183万9566 ○
3. どこにも(어디 에도) /M.C the Max
4. この愛(이 사랑)太陽の末裔OST Davichi
5. あなたを愛していない(널 사랑하지않아) Urban Zakapa
6. You are my everything 太陽の末裔OSTGUMMY
7. 君は俺 俺は君(너는 나 나는 너) /ZICO(Block.B)
8. 忘れないで(잊 어버리지만) feat.テヨンfrom少女時代 / CRUSH
9. ALWAYS 太陽の末裔OSTユンミレ
10. 넌 is 뭔들(you are the best)/MAMAMOO

 

音源では女子グループとヒットドラマのOST強し!という感じですね。
特に「太陽の末裔」はドラマの大ヒットもありほぼ全曲入ってるのではという勢いでした。
他はバラードグループの雄M.C the MaxやCRUSH・ZICO・Urban Zakapaが食い込んでるところを見ると、ジャンル的にhiphopR&Bが優勢なのは変わらないようです。関係ないけどM.C the Maxは昔XのYOSHIKIプロデュースで曲を出していたなあ。INFINITEにも曲提供してたり。


12. 空を見上げて/ウンジ(Apink)
13. Dream / スジ(missA)&ベッキョン(EXO)

音盤では目立っていなかったウンジソロですが、実は女性アイドルソロ単独曲ではいちばん売れていました。
ベッキョン&スジデュエットも
随分売れていたイメージですが、2016はわりとロングヒットの曲が目立ったので結果的に10位以内には入らなかったようです。ベッキョンはここまま絶対売れそうな女性歌手とデュエット専になって行くんです...?('ㅅ')

 

15. この物語の結末をまた書いてみようとして / ハンドングン△

 

この曲は2014年にリリースされたハンドングンのデビュー曲なのですが、超逆走でEXOと争って音楽番組で1位までになった凄い曲です。元々は「偉大な誕生」というオーディション番組でデビューしたハンドングンですが、この曲のリリース当時はパッとしなかったものの、2016年に「覆面歌王」と「デュエット歌謡祭」に出たことで突然2年越しで大ブレイクしました。所属事務所のPledisも(たぶん)びっくり。

 

16. Rain / テヨン(少女時代)
17. OOH-AHH 하게(2015.10リリース) / TWICE

 

テヨンのRainもかなり売れた気がしてましたが(実際売れたんですが)ウンジの方が上でした。問題の(?)SM STATIONからリリースされた中ではいちばんヒットした曲ですね。
そして前年の10月にリリースしたTWICEのデビュー曲がまだこの順位に。

 

20. ため息 / イハイ

 

ジョンヒョン作の曲ですね。音楽番組1位はとらなかったものの堅実に売れています。

(※記事を読んでくださった方が2回一位をとっているはずと教えてくださったので確認したところ、Mカと人気歌謡で1位をとっていました。すみません!)

 

22. Everytime 太陽の末裔OSTチェン(EXO)&PUNCH

 

元せぶち候補生かつ元1PUNCHのサミュエルくんとチェンのデュエット曲です (※これまた教えてくださった方がいたんですが、OSTで活躍されている女性歌手の方のPUNCHさんという方だそうです!とんでもない間違いをしてしまった〜すみません!ドラマ見ていなかったのでMVも曲もちゃんとチェックしてなかったのですが、最近出たチャニョルとの曲も同じ方でした)

K.Willも14位だし「太陽の末裔」OSTは本当に参加したもの勝ちだったかもしれない。

 

24. D(half moon) / DEAN ○
25. 今日から私たちは(Ma gustas tu) (2015.12リリース)/ GFRIEND
26. Why So Lonely / Wonder Girls
27. あなたとわたし (NAVILLERA) / GFRIEND
28. Boys and Girls(2015.12リリース) / ZICO(Block.B)
29. So So / ペクアヨン
30. 戻ってこないで feat. ヨンジュニョンfrom BEASTHeize

 

この辺の曲までは一気に売れたというより、じわじわ何ヶ月もチャートで見かけた中長期ヒットが多いと思います。ヨジャチングはデビュー曲「ガラス玉」以外全て30位以内に入っていました。

 

32. Day Day (Feat. 박재범) (Prod. by GRAY) / BewhY[SHOW ME THE MONEY5 ]△

 

「無限に挑戦」と並んで曲が売れる番組「SHOW ME THE MONEY」シーズン5でいちばん売れた曲ですね。2016年いちばんのrisingラッパーであり、今年年男の93lineです。

 

33. TT / TWICE

 

長期にじわじわ売れる傾向のTWICEは2ヶ月では大体100万DLくらいでした。

 

36. Whistle / BLACKPINK

 

このあたりが100万DLの境目になります。BLACKPINKは99万DLですね。ちなみに2016デビュー組で100位以内に入っているのはポルパルガンサチュンギ(赤い頬の思春期)(23位「宇宙をあげる」123万7970DL)とBLACKPINK、後で出てくるI.O.Iのみです。

 

41. RE-BYE / 楽童ミュージシャン △
42. Russian Roulette / REDVELVET

 

そろそろお気づきかと思いますが、ここまでの順位でまだ男性アイドルグループの曲は1曲も入っていません。
SMEのグループではREDVELVETが音源DL数がいちばん多かったという事になります。

 

46. Toy / Block.B

ようやくここで初の男性グループのランクインです。つまり2016年にいちばん単独音源が売れた男性アイドルグループはBlock.Bでした。

 

49. Pick Meプロデュース101
50. 自責の念 / パクキョン(Block.B) feat.ユナ(GFRIEND)
51. 沒我愛 / SISTAR
52. 息 / パクヒョシン

 

プロデュース101関連でいちばん売れたのはなんだかんだでPickMeだったようです。
男性アイドルソロでいちばん売れたのは間違いなくジコですが、その次がパッキョンソロなのでブロビは凄いですね。

 

57. 愛だった feat.ルナ from f(x) / ZICO(Block.B)

61. Spring Love / エリックナム&ウェンディ(REDVELVET)
62. I MISS YOU / MAMAMOO
63. とてもとても / I.O.I
64. 同じ場所でプロデュース101
65. If you / Ailee

67. Bye bye my blue / ベクイェリン
68. Monster / EXO
69. エウレカ feat.Zion.T / ZICO(Block.B)

71. I feat. Verbal Jint / テヨン (少女時代)(2015年リリース)

76. Ah-choo / LOVELYZ8

 77. FIRE / 防弾少年団

79. SENTIMENTAL / WINNER △

 

2016のテセドルだった防弾のランクインしている曲がFIREだけで、WINGSの曲がないのがファンドムの複雑さを感じました。(って書いたんですが、計算してみたら防弾の今のDLペースだと2ヶ月で60万DL以上いくのは難しいという事がわかったので単純にリリース時期のせいみたいでした)そしてDL数だけだとWINNERもそんなに変わらないという。本来だったら年末年始の式典や授賞式に呼ばれてしかるべきだったんだろうな..と若干しんみり。

 

87. 23 / IU (2015年10月リリース)
88. 私たち友達でいればよかった / GUMMY (2013年リリース)

 

この曲はGUMMYがYGにいた頃にリリースされた曲ですが、2016にGUMMYが歌うOSTがヒットしたために逆走で売れたようです。

 

90. Decalcomanie / MAMAMOO
91. 人々が動くのが / 楽童ミュージシャン △
92. Playing with fire / BLACKPINK
93. WHY / テヨン(少女時代)
94. Don`t Cry / 町内音楽隊長

町内音楽隊長とは「覆面歌王」で音域の驚異的な広さから一番話題になった人物で、正体はクッカステンのメインボーカルのハヒョヌでした。
コンピレーション音源を聴くと、上はもちろん下の音がしっかり出るのが凄いです。

 

  

97. How can you love me 太陽の末裔OST / XIA(JYJ)
98. Good Luck / AOA
99. 11_11 / テヨン(少女時代)

99位のテヨンで66万8462DLでした。

アイドルソロでいちばん売れたのはジコでいちばん多くランクインしたのもジコとテヨンでしたね。この2人はすでにアイドルペンドムを抜けてそれぞれが個人アーティストとしての人気があるのではないかな。
OSTやデュエットを除いてアイドルソロで100位以内に入っていたのはジコ・ウンジ・テヨン・パッキョンの4人だけでした。IUも入れるか微妙ですが、2016はカムバしてないし「23」は2015の曲だしなぁ。


アイドルグループの音源ランキングを上位から順に抜き出してみます。

 

GFRIEND
TWICE
WONDER GIRLS
BLACKPINK
REDVELVET
Block.B
SISTAR
I.O.I
EXO
LOVELYZ8
防弾少年団
WINNER
AOA

 

100位以内に入ったのが13組、そのうち女子グループが9組で男性グループは4組です。
元々音源は女子グループの方が強い傾向がありますが(おそらく、いわゆるゆるオタが男性グループより多いため)音楽そのものが一般層への商品になっている音源ダウンロードチャートだと男性グループの弱さが目立ちますね。

(BIGBANGだけが毎度例外なんですが、アルバムが年をまたいだので諸々ランクインしてなくてもらうとしたら今年の年末か来年か...)


会社別に見るとランクイン数はYGがAKMU・イハイ・BLACKPINK・WINNERの4組(曲出して活動した人達は全てランクインしてますね)SMがテヨン・REDVELVET・EXOの3組、JYPはTWICE・ペクアヨン・ベクイェリンの3組でした。
SMに関しては音源専門のSM STATIONが始動して50曲近く曲を出しましたが、100位以内に入ったのはテヨンのRainとエリックナム&ウェンディのSpring Loveの2曲だけでした。


音源上位を見て思いましたが、ヨジャチングの売れ方は今までの女子グループが一般的にブレイクする売れ方なのですが、TWICEは音源も売れてるけどフィジカルのCDも売れてるんですね。これはオタクと一般層が両方強くついているという事だと思うのですが、こういう売れ方をしたグループって過去を振り返ると少女時代くらいしか思い当たらなかったりします。

 

そしてチャート上部に入った曲たちを見ていてぼんやり思ったのが、やっぱりオタクでない韓国の人々は、カラオケで気持ちよく歌えたり一緒に歌ったり踊れたりする曲を求めているんじゃないかという事でした。
韓国のアイドル業界はここ数年どんどんパフォーマンスも曲も先鋭化される傾向にあって、特に男性グループは大型化とパフォーマンスに高度なテクニックが必要とされるものが一般的になり、気軽にカラオケやダンスコピーするのがどんどん難しくなっていってるのではないかと思います。それは音楽好きとしてはとてもワクワクして面白く楽しい状況ではありますが、一方で日常的に気楽に聴いて一緒に歌ったり踊ったりできるという親しみやすさからは離れているのは感じており、そんなに細かい事考えて音楽を聞かないという一般層は置いていかれていたのがEXOのウルロン以降の約5年間の状況だったのではないでしょうか。
アイドル自体も一般層が誰でも名前も曲も知ってるというと、2008年デビュー組くらいまでな感じがします。

 

でも、いわゆるKPOPが巷に広がっていった起源と言われている(?)ワンガのTell Meなんかを思い出すと、ブラックミュージック要素バリバリの曲だけどパフォーマンス自体は即宴会芸でできそうだしやったらウケるだろうなっていう、ファン以外が入りこめるシンプルな楽しさがある曲なんですよね。いろんな市井の人々がダンスコピー動画を動画サイトにいっぱいあげてたりして。SorrySorryとかGeeとか、当時はそういう普通の人のすぐ側にあるアイドルの曲が多かったように思いますし、だからこそ世界中に広がっていったんじゃないのかなと思います。

 

そういう歴史があり、その後オタクとそれ以外の世界の乖離が年々広がっている状況で、2015〜2016に現れたのがTWICEで、まさにこの「普通の人がすぐ真似できるし楽しく歌える」っていうのにズバッと当てはまったのではないかと思いました。

(オタクは放っておいても自然に増えていくので...)
KPOPずっと聴いてる玄人の人にはどこがいいのかわからないなどど言われたり一部歌唱クオリティなどをdisられたりするのを見かけたりしがちですが、テクニックとかそういう事じゃないんだよ!メンバーと一緒に歌って踊ったら絶対楽しい曲だしハッピーなダンスじゃないか!!って言いたくなってしまいます。TWICEによって一般層もアイドルの楽しさを思い出したんじゃないかなというか。
例えば私は日本の女子アイドルにはオタク的には全然興味がないんですが、それでもフォーチュンクッキーとかヘビーローテションとかカラオケなんかで踊ったら楽しいし、推しを決めて総選挙を見たりするのってワクワクして好きです。そういう楽しさと同じようなものを感じます。

 

idologyのコラムに「アイドルは誰にでも開いている本のようなものだ」という素敵なフレーズがありましたが、本当に本来アイドルというのはファンやオタクだけのためではなく大衆全てのために存在するものであって、そういうアイドルの存在がTWICEによって大衆の方に返ってきたのかなと思いました。

 

無駄に長くなってしまいまして、今まさにGAONアワード2016見ながら打ってるんですけど、諸々の結果を目にして賞って誰のためのなんなのかね〜などと思いつつ終わります。