サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

2016 輝け!DJ泡沫(誰)が選ぶKドル日本オリジナル曲大賞

iKONレコ大最優秀新人賞受賞おめでとう。BIGBANGのMY HEAVEN以来7年ぶりらしいです。


さて2016もいよいよ終わりですが、今年度の個人的ベストを発表されるブログも多いのだろうか?という事で、このブログでも今年の個人的ベストを発表してみたいと思います。


普通にベストを考えてみたところいっぱいありすぎて決まらなかった&あまりにも忌み嫌われがちな日本曲が不憫という気持ちから、いっそ今年は日本オリジナル曲から好きだった曲を選んでみました。誰得なんだこれ。
 
・2016年1月〜2016年12月の間に日本で発売された日本オリジナル曲
・後に韓国語バージョンがリリースされたものも含む
・シングル曲、アルバム収録曲は問わない


ベスト1以外は順不同になっております。

(公式動画がない曲は公式じゃないやつ貼ってしまっていますがご容赦ください)
 


JUST GO / iKON

作曲:B.I. ・Uk Jin Kang・Seung Chuhan 作詞:B.I. ・Ken Kato 「WELCOME BACK - COMPLETE EDITION 」収録
 
DISCOGRAPHY|iKON OFFICIAL WEBSITE


日本版アルバム「WELCOME BACK」のコンプリートバージョン(YGの日本アルバムにしかない概念...)のみに収録されているB.I.作曲のR&Bソングです。アルバムには韓国語バージョンも収録されていて日本オリジナルと呼べるか微妙ですが、韓国ではまだリリースされてないので日本オリジナルとしておきます。 この曲最大の特長と良いところは、ラッパーのBOBBYがラップをしていなくてボーカルをとっている事とユニョンの声質がはっきりわかるくらいにきちんとした長いパートがあることです! (正直この歌で初めてユニョンってこういう声なんだというのがわかりました笑)

BOBBY本人はラップだけではなく普通に歌もやりたいそうですが(WINで披露していたソロ曲probably perfectではラップしてませんでしたし)SMTMでのイメージとYGのヒップホップ系グループというイメージが強すぎて逆になかなか本国ではリリースするのは冒険なのかもしれません。韓国内では特に新人はどうしてもラッパーはラップパートのみ、特に歌のうまいリードボーカルが歌配分が多めになる傾向があるので、全てのパート配分をなるべく均等にしたがる日本曲ならではの事ではないかと思います。本国曲ではどうしてもジナンとのジュネの声が目立ちますが、この曲では割と抑えてるように聴こえるのも珍しいと思います。 iKONはどうしてもヒップホップ系のイメージが強いですが、個人的にはB.I.の作る曲に関してはCLIMAXやEMPTYのようなメロウでR&B寄りの曲の方が本質に近いのかもと思っていたりします。


COMING OVER/EXO

作曲:Andreas Oberg・Sean Alexander・Darren Smith・Drew Ryan Scott

作詞:Amon Hayashi for Digz Inc.
日本セカンドシングル「Coming Over」収録

 

 

EXOの曲だとディスコっぽい曲が好みのものが多いので、LOVE ME LIGHT〜LUCKY ONEからの流れを組むこの曲かなり好きです。LUCKY ONEはLDN NOISEが制作したからかハウスっぽさが強めですがこちらはギターサウンドが強くて印象に残ってかっこいいです。こういう楽器のサウンドが強い曲はTVとか動画で見るよりもライブで見ると何倍も良くて盛り上がりますよね。ロックの強い国ならではかもしれませんが、日本オリジナル曲はそういう「動画よりも生のライブに強い」曲が多い気がします。 前にインタビューを訳したアンドレアス・オベルグ氏が作曲に参加しています。 (ギターもオベルグ氏)

ちなみにこれのジャケ写と3代目JSBの宣材と並べて遠くから見ると一瞬どっちがどっちかわからない。

 

愛をちょうだい/AOA
作曲:HAN SEUNG HOON, 作詞:HAN SEUNG HOON・LEE SANG HO,・OHRN ANDREAS,・WAHLE CHRIS ・HASEGAWA・anan
日本4thシングル「愛をちょうだい」収録

 


 
個人的に今年いちばん「な、なんだこれは...!!」と衝撃を受けたコラボです。以前INFINITEの日本アルバムにベッキー♪♯が参加した時もなんだこれは!!と思いましたがそれに近い。 作曲はFTからSF9までFNCアーティストほぼ全員の本国アルバムに関わってるハンスンフン氏(FNCの社長の弟さん=副社長なのかな?)なんですが、TMRが濃すぎてfeat.AOAみたいに気がしないでもなく。改めてT.M.Revolutionのつょさを目の当たりにしました。しかしこれ、めちゃくちゃ疾走感があって単純にライブできいたらかなり盛り上がりそう。

 

余談ですが日本のアーティストとのコラボ、KPOPファン的にはなんでするんだよ〜って思いがちなんですが(急にファンタジー感薄れるし)基本的に日本で出すものって「元からいる日本のファン向け」ってわけではなくてもっと広い「日本の新たなリスナー向け」って考えると、コラボしたアーティストきっかけで聴く人がいたり番組やラジオで流れたりもするだろうからしない理由もないなとも思います。 (SMだって昔はV6とかモエヤンとコラボした曲出してたし...安室奈美恵とアフタースクールとか...)


まあKPOPファンとしてはKPOPが好きなわけなので、「もっとKPOPっぽい良さを万人に知らしめるような曲で活動してくれ」と思うんですが、TVも地上波はあまり出られない状況ではKPOPぽさに惹きつけられる層はSNSとか動画掘ったりとかでもうとっくにファンになってる感じもします。



君のせいで/SHINee
作詞:いしわたり淳治

作曲:CHRIS MEYER・FUNK UCHINO・TOSHIYA HOSOKAWA
日本13thシングル「君のせいで」収録
 


最初聴いた時はなんだか懐かしい感じだけど結構好きくらいだったんですが、後でなんとなく90年代のJPOPミリオンヒットメドレーを聴いていた時にふと思いました。この曲は90年代JPOP回帰の曲なのでは...?と。聴き直してみると、特にビーイング系やZOO、ドリカムの「決戦は金曜日」が出た90年代前半の音楽を彷彿とさせる曲とアレンジのように聴こえました。 この後韓国でカムバした1of1はニュージャックスイングで90年代回帰と謳っていて結構モロにアメリカのNJSっぽかったですが、「君のせいで」はAaron HallやNEW EDITIONの「If it isn't love」なんかにもっとJPOPというか歌謡曲っぽい要素を足した感じ。ニュージャックスイングがアメリカで登場したのが80年代後半でこの影響を受けたJPOPが90年代前半にはたくさん出ており、まさにZOOとかSPEEDとかDA PUMPとかはJ-NJSと呼ばれたりもしてたみたいだし。それを考えると、やはりこの曲はSHINeeなりのJ-NJS的回帰の曲なのかなと思いました。そういえば上下ウォッシュデニムの衣装も90年代っぽいです。 あと全然関係ないんですが、SUPERCARが好きだったのでいしわたり氏が絡んでる曲が気になってしまいます。


KPOPのアーティストがJPOPをやる事についてはなんでわざわざっていう批判もありますけど、個人的にはKPOPって欧米音楽だけでなく絶対にJPOPの影響も受けてきたと思っているので(勿論JPOPもユーロミュージックの影響を受けてますが。餅ゴリ社長なども中学生の時に海賊盤のテープで初めてMyRevolutionを聴いて衝撃を受けて以来小室哲哉に影響を受けたと言ってますし)本国ではあんなに欧米っぽい曲やるんだから日本で活動するなら別にJPOPをやってもいいのでは?という考えに最近シフトしてきていまして。洋楽もJPOPも好きで聴いてきたので、むしろJPOPだけ特別にナメてんじゃねーぞ!?という気持ちが年々強くなっております。


余談ですが(2回目)CDジャケのデザインについて、韓国だとそもそものファンしか買わないからジャケに写真が何もない小洒落たデザインとかでもいいんでしょうけど、じゃあ逆に日本で自分がまだよく知らない海外のアイドルのCD買おうかなっていう時に素敵デザインでもジャケットにメンバーの写真が全く載ってないCD買うのか?って言われると微妙...だってブックレット見ながらメンバーの顔と名前とか覚えたいですし。デザイン重視のCD出せるのはその国ですでにお茶の間レベルで顔が売れてる人の特権なのかもしれない(写真使ってもおしゃれになるのが一番いいんですけど...) そういう意味でこのCDジャケットはSHINeeいないから珍しいと思ったんですけど、次に出た「Winter Wonderland」は遠目で見たらセクゾかな?というようなど直球アイドルジャケ写に戻っていたのでやっぱりそういう事なのかな...とちょっと思いました。

 


MY ZONE / Block.b

作詞:AKLO・ZICO 作曲:ZICO・Dirty Orange・Mitsu.J
日本1stアルバム「MY ZONE」収録

 


 
この曲はZICOが制作に参加しているのでワサングチァングしてるブロビっぽさは失わず、LDH系の作曲家さんと共作してる事で本国とは違う味も出ているという自作系ドルにとっては理想に近い形かも。個人的に何と言ってもリリックがリアルな日本のラッパーとの共作というのが大きいと思います。しかもみんな知ってるような大物AKLO! LINE動画でも言っていましたが、日韓のラッパー同士の共作でもあるという。

 

曲自体も音が少なめというか、ブロビのアップテンポな曲にしては楽器とボーカルだけが目立つ割とシンプルなアレンジでちょっと目新しい感じがしました。

 


Moonlight Swing / ジョンヒョン from CNBLUE
作詞:LEE JONG HYUN,miwa* 作曲:Josef Melin,Christofer Erixon
日本1stアルバム「SPARKLING NIGHT」収録

 


CNBLUEのギター担当のジョンヒョンのソロアルバムのタイトル曲です。 CNの音楽からはだいぶ離れたスイングジャズ調の曲なんですが、ジョンヒョンの甘いボーカルの雰囲気にはあっている思います。CNはヨンファとジョンヒョンのツインボーカル(ジョンシンがラップをやったりもしますが)とはいえヨンファがメインのため本国の活動ではジョンヒョンの声はあまり目立ちませんが、個人的にはジョンヒョンの声の方が好みなので、色々なタイプのボーカルが聴けるのがよかったです。CNのライブに行った感じでは日本のファン層は割と大人な感じですし、大人っぽいイメージでもいいのかも(ファンドムでの評判とか全然知らないで言ってますけども)


ちなみに本人がこれを選んだ理由は「自分には絶対かけない曲だと思ったから」だそうで、これまた音楽ジャンルの広い日本リリースだからこそできた冒険なのかなとも思います。韓国の音楽業界はクォリティの高いアーティストは凝縮されてるとは思いますが、音楽のジャンルは今でも割と狭くて流行ジャンルに柔軟性はあまりない感じはします。チャートインするのがアイドルかヒップホップかR&Bボーカルかバラード、あとはOSTとかTVでの企画ものという感じで、これは10年くらいジャンル的にあまり大きな変動はない感じがします。だから一回ハマると追いかけやすいのですが。 その点では日本はKPOPというジャンルが数年で定着したように、音楽シーンの形成にすごく柔軟性があって受け入れる器やリスナーが多いように感じます。チャートにアイドルが多いのは同じですが、ロックもKPOPもヒップホップもアニソンもありますし、アイドルがヒップホップやロックだけでなくテクノやメタルをやったりもするわけで。

(逆に玉石混交の選択肢が多すぎて、その中から自分に合うクオリティと嗜好の音楽を探し出すのが大変なのかもしれません...)
 
作詞にはジョンヒョン本人が参加しています。ジョンヒョンは幼少時日本に住んでいたことがあるそうですが、ZICOもですけどある程度日本語がわかる人の場合どういう感じで制作に参加してるのかちょっと気になります。
 
 
モッポンゴヤ / B1A4

作詞:JINYOUNG,MEG.ME

作曲:JINYOUNG
日本3rdアルバム「3」収録

 

 

B1A4の日本活動が凄いなと思うのが、シングルB面やシングル以外のアルバム収録曲にジニョンの作った曲を日本オリジナルで収録している事です。韓国の活動ではBABY I'm sorry 以降地道にセルフプロデュース曲を増やして現在ではタイトル曲は全て自分たちでやるようになりましたが、これと同じ流れを日本でもやっているという事だと思います。 ファーストアルバムでは日本オリジナルのジニョンの作った曲は一曲でしたが(Beautiful Lie)ポニキャンからの最後のアルバム「3」では「道」の日本語版以外(これもヨジャチングでお馴染みのイキヨンベ作で名曲です)は全てジニョンとCNUが製作に参加、ラップメイキングはBAROです。アルバムにも収録されていますが、イゲムス以降に出た日本オリジナルシングル「白いキセキ」「HAPPY DAYS」もジニョンの作です。セルフプロデュースのアイドルは年々増えていますが、本国と同じような事を日本オリジナル曲でもする事は実際なかなか難しいことなんじゃないかなと思います。そういう点と本人たちのキャラクターもあって「誠実さ」を感じるアルバムでした。


「モッポンゴヤ」はKPOPとかJPOP とかいう枠を超えてジニョンの曲の持つ郷愁とか切なさというのがとても感じられる素敵な曲だと思います。今年からレコード会社がポニーキャニオンからユニバーサルへ移籍したようですが、今後も同じようなリリース方式だったら良いなと思います。

 


それでは2016年の個人的日本オリジナル楽曲ベスト1の発表です!

(淡々ときたので特に盛り上がらない)
 
KINGDOME / B.A.P
作詞:PARK SOO SUK・INWOO・SLEEPY・SHOKO FUJIBAYASHI

作曲:PARK SOO SUK・INWOO・SLEEPY
日本1stアルバム「Best.Absolute.Perfect」収録

 


 
初の日本オリジナル楽曲ですが、これ超かっこいいです。何と言っても日本語の発音がとてもクリアーで良い。特にラップ部分が全部聴き取れる...!! (笑)Kドルで本格的なラップが入ってる曲では現状1番なのでは...? バンヨングクは参加してないのですが、ヨングクが一緒に曲を作ったりしているSLEEPYが参加してます。

(ヨングクがフューチャリングで参加しているGiriboyプロデュースのBODY LOTIONは今年のベスト曲リストに入れたいです)


この曲は製作陣が本国とほぼ同じで本国のカムバに使ってもいいくらいの曲で後に出た本国フルアルバム「Le Noir」にも韓国語ver.が収録されていますが、これを日本オリジナルで出したというのが大きいと思います。同じく日本アルバムに入っていた「BACK IN TIME」もよかったです。これは三浦大知などに曲を書いているUTA氏の作品ですが(防弾少年団のFOR YOUにも参加されてました)B.A.Pっぽい感じがした。といいつつBABYでもなく、すすめられて聴いたLe Noirがあまりにも良くて最近急にB.A.Pを聴き返してるので、B.A.Pっぽさというのが理解できてるのかは謎なんですけど...

 


以上でした。 日本での活動というとどうしてもライブや接触イベントのやり方についての方が言われがちですが、今回個人的に振り返ってみて基本である楽曲の製作のやり方も色々あるんだなと思いました。
 
2016は個人的にはショックデカイすぎ案件が色々起こりましたが、2017年も素敵な曲やパフォーマンスがたくさん楽しめたらいいなと思います。
とりあえず初詣のお賽銭ははずもう...