サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】SMは宗教になるか?

【ize訳】SMは宗教になるか?
2016.02.03

 

http://m.ize.co.kr/view.html?no=2016013119037244580

 

空と砂漠だけがあるところに白い服を着た子供が黒い服の女性に出会う。 子供は女性に青、黄、赤のクレヨンをもらうと絵を描いて、蛇に会う。 話のどこにも国籍についたヒントはなく、キャラクターと関連された小品は基本的な色だけで構成された。 まるでどこかの宗教の神話のように、単純で象徴的なものだけで構成された話。この27日、SMエンターテインメント(以下、SM)の総括プロデューサーイ・スマンがデビューを発表した新人のボーイズグループNCT(Neo Culture Technology)の誕生を知らせた「The Origin」の内容だ。 そしてこれはSMの新しい「起源」のようにも見える。

 

EXOメンバーであったルハンの脱退当時izeで言及したように、SMはますますメンバー数の多いグループを構成し、脱退によるリスクを減らしていった。 メンバーが5人だったH.O.T.とは違い9人の少女時代、10人を超えるスーパージュニアやEXOはメンバーが脱退しても致命的な打撃は受けなかった。 東方神起とf(x)が5人から2人と4人になった後もカムバックに成功したように、リスク管理能力も良くなった。 そしてイ・スマンプロデューサーはNCTが「新しいメンバーの迎え入れが自由で制限のない新しい概念のグループ」と「世界都市をベースにしたそれぞれのチームが順次デビュー」すると話した。 メンバーが脱退しても新しいメンバーの迎え入れが難しくなく、同じ曲とパフォーマンスを他国の他のメンバーたちが同様に消化していく。 ゆえに「The Origin」と「Synchronization of your dreams」は一つのグループの始まりを知らせるティーザー映像ではなく、各国のNCTが共有する「誕生説話」だ。 誰がメンバーになっても彼らはSMが作ったストーリーであり、コンセプトの一部だ。


日本のガールズグループAKB48もNCTのように一つのチーム名のもと、地域ごとに異なるメンバーらが活動する。 しかし、SMは「The Origin」と「Synchronization of your dreams」を通じてNCTのストーリーのキャラクターと現実のメンバーを分離した。 これはAKB48よりむしろMARVELスタジオのスーパーヒーロー映画を連想させる。 俳優が誰でもスパイダーマンシリーズは継続させることができる。 SMももはやNCTのストーリーを、どの国の誰でも続けさせることができる。 同時にこれは新しい宗教組織の誕生のように見える。 一つの話、一つの歌、一つのパフォーマンスが国ごとに異なるメンバーと言語で売られる。 「The Origin」がSMの新しい経典なら、NCTは国ごとにそれを布教する支部のようなものだ。


イ・スマンプロデューサーがNCTと一緒に発表した事業計画によると、ファンたちはSMの独自のSNS('Vyrl')とインターネット個人放送(MCN)を通じてSM所属の芸能人の近況を知ることができる。 また、好きなアイドルを通じて接するようになったSMスタイルの新曲を毎週聴けるし、(「Station」)、SMの歌をモバイルに取り込む(「Everysing」)のはもちろん、ミュージックビデオを任意で編集(「Everyshot」)し、自分をその映像に出演させることもできる。 自分が好きなアイドルに直接会えなくても他の方式で体験して、歌を歌いながら、仮想ではあるが共演する想像も実現することができる。 宗教が教理を歌と説教や彫像に伝播するように、SMはファンが好きなアイドルのすべてをより簡単に接することができるようにしつつもより強烈な体験へ誘導する。 言語とメッセージに大きく影響を受けないEDMはレーベル(「ScreaM Records」)とフェスティバルなどを基盤にSMの企画を伝播する重要な手段になるだろう。 そしてモバイルゲーム(「Rookies Entertainment」)を通じてファンが自分が好きなSMの練習生をプロデュースするように誘導する。 支持するメンバーが人気を得ればNCTのメンバーになることもある。 ファン(神道)の声援で練習生(下部組織)がNCT(上部組織)の一員になってSMのストーリー(経典)を演技する人物になる過程。SMは彼らの世界の中でファンが望むことを共に実現しようと努力する。 その間のグループのアイデンティティは誰がメンバーになるかではなく、SMのストーリーとコンセプトから始まっている。 SMはコンテンツと収益モデルを結合し、彼らがアイドルの創造主であることを自然にさらけ出させる方式を試みる。

 

当然、SMが本当に宗教になったという意味ではない。 SMがNCTのやり方で今のようにファンの熱狂を導き出せるかどうかはまだ確認できない。 ただ、H.O.T.を通じて10代の少女の熱狂を引き出した時から、SMはいつも幅広い大衆の支持よりもファンダムの熱狂を選択してきた。 これはSMが音楽市場の変化と関係なく彼らだけの市場を作っていく方法であり、EXOはその市場に合わせてグループを企画した。 そしてNCTに至っては、全世界でSMだけの市場を作っていく方法を見つける。 全世界でSMのアイドルに熱狂するファンを探し、彼らにメンバー個々人ではなくSMの企画そのものを好きに作らせる方法。それで、新しい市場を探し、組織のリスクを減らして会社を永続させるように作る方法は結局、「The Origin」のように製作するグループに神話を作ってくれるのだった。 その結果、ファンにまるで宗教を体験するような環境を提示する。 極めて市場論理を反映したような選択が、皮肉な事に最もその反対側にいるような世界と似たようになるという結論。大衆文化はそんな風に資本と結合して21世紀の宗教同然の存在になる。 ゆえにイ・スマンプロデューサーが過去SMを「国家」、ファンを「国民」と宣言したのはもうこれ以上は一つのイベントにしか見えない。 もしかしたら本当に、イ・スマンプロデューサーはソウルにあるSM本社を全世界のすべてのSMファンの聖地にしたいのではないだろうか。


文|カンミョンソク
校正|キムヨンジン