サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】「プロデュース101」以降の世界

【ize訳】「プロデュース101」以降の世界

 

2017.6.21
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017062100247294243&pDepth1=i2401

 

アイドルグループにはセンターが必要だ。ただし、その意味はMnet「プロデュース101」のセンターとは異なる。 「プロデュース101」のように、ボーカルやラップのようなポジションでも一度決めたら変更できないということもない。チームのコンセプトや曲の雰囲気の中で中心を保持するメンバーを意味する概念であるだけで、曲に応じてセンターが変わることもある。ファンも好きなグループのセンターが誰なのかわからない場合が多い。ところが「プロデュース101」は、センターというポジションを出演者の中でアイドルグループとしてデビューするメンバーを選ぶ視聴者投票1位の報酬へと変えた。一般的なアイドルグループにおけるセンターは、コンテンツを制作するために必要な要素を説明する概念である。しかし、「プロデュース101」でのセンターはショーの楽しさを引き上げるためのアイテムであった。出演者たちがセンターをめぐって繰り広げる競争は「プロデュース101」のキャラクターとストーリーを作成するために重要な役割をはたした。去る16日、「プロデュース101」シーズン2の最終回で1位を発表した瞬間の緊張感が高まった理由の一つは、1位がセンターになるからだった。

 

これまで韓国のアイドルグループは歌、パフォーマンス、ミュージックビデオを通じてグループの魅力を説明してきた。一方、「プロデュース101」を通じてデビューしたシーズン1のガールグループI.O.I、もうすぐデビューするボーイズグループWanna OneはTV番組を通じて誕生した。両チームのファンは「プロデュース101」を通じて発見されたメンバーのキャラクターとストーリーに魅了され、彼らを「1PICK」としながら、愛着はさらに強くなった。ファンドムの求心点がグループではなく、ファンそれぞれの「1PICK」のメンバーが中心にならざるを得ない。投票を通じてメンバー構成をしたため、グループ全体への好感はオプションにすぎない。センターは、このようなチームのアイデンティティを象徴する。投票1位によってセンターにされたメンバーがそのようなステージでも中心に立っているのは、ただポジション配置の問題ではない。 「プロデュース101」とファンの間での最も重要な契約だ。 「プロデュース101」に最も大きな影響を与えたと言っても過言ではないグループ、AKB48でのセンターの意味が非常に重要であるのと同様である。

 

故に、両方のグループのファンドムのコンテンツを判断するための最も重要な基準も違ってくる。彼らにとってコンテンツの中で最も重要なの事は、好きなメンバーをいかに魅力的に見えるようにするかだ。ファンドムの外側の大衆を満足させる完成度ももちろん重要である。グループ全体の人気が上がるほど、メンバー1人1人の地位も高くなる。しかし、それよりも好きなメンバーが、コンテンツの中で占める位置と地位が最も重要なのである。 I.O.Iのアイデンティティはどのようなコンセプトの曲を発表するかではなく、センターソミがどの段階でもセンターにいることにあった。投票の過程でシーズン1よりもはるかに熱狂的な雰囲気を見せてくれたWannaOneのファンドムはさらにそうだ。このグループの熱心なファンドムは、好きなメンバーのためにお金を集めて地下鉄、カフェの振動ブザー、バス広告などをした。グループよりメンバー優先なのは当然の感情である。

 

アイドルグループは、特に男性アイドルグループの市場においては、グループの特定のメンバーにグループ以上に集中するいわゆる「個人ファン」は、すでにファンドムの構成要素の一つとして定着したと言っても過言ではない。 SMエンターテイメント(以下SM)のNCTのように、国と年齢などに応じてメンバー構成を異にするチームも出てきた。このような流れの中で、「プロデュース101」は「個人ファン」がチームの中核となる構造として設計された。特定のメンバーに熱心な性向のファンが、「プロデュース101」の中で誰かのファンになることがあるということは十分に推測可能である。ここに「プロデュース101」を通じてアイドルに再び、または初めて関心を持つようになった人々の関心が更に加わる。彼らはセンターを一つのポジションとして受け入れ、グループの前に特定のメンバーが好きだということを当たり前の事として考える可能性が高い。 「プロデュース101」は、既存のアイドル市場に含まれていたいくつかの消費者を分離し、新たな消費者がアイドルに興味を持つようにした。その過程でセンターをはじめとするアイドルグループのコンテンツの基準は、既存のアイドルグループと「プロデュース101」を通じてデビューしたグループの間で、それぞれ別の意味で使われる。 SMに代表される大手芸能事務所、防弾少年団を介してYouTube時代のスタイルで西欧市場まで攻略したBigHitエンターテインメントに続き、Mnetに代表されるCJ系列の大衆文化関連会社のような大企業がアイドル市場のもう一つの勢力であり、基準とされる可能性があるという意味だ。これが市場を崩すのか、むしろ拡大するのかはまだ分からない。それはWannaOneのコンテンツと運営方式に基づいて変わるだろう。ただし、アイドル市場が過去に戻ることができないのは明らかである。

 

文 カンミョンソク
校正 キムヨンジン