サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】NCTの世界

【ize訳】NCTの世界

 

2018.03.22
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2018032122447227853


NCT 2018」、あえて説明するならば「NCT」というブランドと「2018」という特定の年度を合わせた名前が初めて目についたのは、「NCT 2018 Yearbook」が登場した1月末だ。 2つの映像は、NCTの個別活動の単位に関係なく18人全体のメンバーを紹介した事がすべてだ。 「Yearbook」という形態は、1年間あるいは一定の期間内に現れた事柄や成果を記録又は記念する事が目的ではないのだろうかと少々不思議に思ったりもする。 もちろん、カムバックを控えて出たティーザーを目にすればあまりにも心配する必要はない。 「Yearbook」の数日後、18人全員が登場するライブストリーミング、「ウェルカムNCT 2018」を行った。それと同時に「NCT 2018」というプロジェクトが公開された。NCT U、NCT 127、NCT Dreamがすべて参加して、同じ名前のアルバムにつながっていく。

 

このぐらいになると、もっと気になる事がある。SMエンターテインメントが最初に提示したように、NCTは最初から固定的なメンバー構成に縛られず、音楽と活動地域などで多様な組みあわせが可能な一種のブランドに近い。 実際に、「Yearbook」を通じて3人の新しいメンバーを紹介している。 「新しいメンバー」という概念がこのように何の抵抗もなく受け入れられるようにしたというだけでも、芸能産業でも珍しいことだ。 昨年すでに「NCT 2018」に参加している3つのグループが皆それぞれの活動を行っており、ブランドの概念は機能しているように見えり。ユニットと歌によってメンバーは自由に変わり、SMエンターテインメントNCTという正体が残った。 そのおかげで、少なくともNCTという「テクノロジー」を開発した目的の一部、あるいは絶対に避けたかったアイドル業界のメンバー問題はある程度解消したと見てもいいくらいだ。

 

同一のブランドを共有する多数のグループがひとつのプロジェクトに集中する事ももちろん可能だ。 大衆文化において「スーパーグループ」あるいは「合体」のストーリーはいつでももっともらしい。 NCTの世界観を披露するという「NCTmentary」はその過程を無理なく提示するための概念設定である。 この映像シリーズは「夢を共有する」というテーマのいくつかの言語に始まり、すぐに続いて「NCTは接近性と拡張性に重点を置くグループであり、グループのメンバーの制限がなく、多様な組み合わせが可能である」と説明する。 そしてレム睡眠に対する描写が続く。 この映像は「世界観」を強調するという面で印象的だ。

 

まず、グループの出発点となる「産業的概念」、一般企業なら製品あるいはブランドのコンセプトと言ってもいい内容がそのまま「世界観」の柱になる。 会社あるいは企画の存在感を薄くさせて一連のストーリーとキャラクターを付与することが世界観を付与する作業だとしたら、もうその必要はないとでも言うようだ。 もしくは、我々の時代の世界観自体がビジネスの為であるということなのか。もちろん、映像シリーズ全体を合わせた概念は「夢を共有する」あるいは「夢にコネクトする」というものに近い。 異なるグループのように見えるが、各グループが夢でつながるという構造設計が目的とみられる。 しかし、実際に登場する話は「夢を持った少年たち」だ。 過去のアイドルの世界観における困難の一つは、もっともらしい物語とキャラクターを最終的には音楽とステージに連結させることだ。 今回はそのような複雑な過程を取り上げ、デビューの夢と家族とファンに対する愛を音楽とステージに関連付けている。 Mnet「プロデュース101」はただのTVショーであったり、期限つきグループ2個を作っただけで終わったわけではない。 「歌手になりたい」または「舞台に立ちたい」という切実さが、アイドルの情緒的な背景だけではなくコンテンツ自体を作った。「類似恋愛」の感情はファンタジーではなく、現実の舞台で完成される。

 

だから、この世界観は音楽に影響を及ぼさない。 誰が選ばれるかはわからないが、とにかくグループがデビューするTVショーと同じことだ。 TVショーが競争構図の中で自然に獲得した「夢見る少年/少女像」を、また別に説明しなければならないことを除けば。「NCT 2018」という名の下で、「BOSS」「Baby Don't Stop」「Go」「Touch」につながる活動が、昨年に見たものと何か殊更変わった部分があるだろうか。 この美麗なトラックとパフォーマンスが、惜しくも大衆的な波及力を発揮しないというもどかしさも含めて。 SMエンターテイメントが一時そうだったように産業と芸術が調和する優雅さを発揮することに対して、世の中がとても厳しいようだ。


文 ソソンドク(音楽コラムニスト)
校正 キムヨンジン

【MKニュース訳】「防弾」の力!BigHit(大ヒット)、SM・JYP・YGを抜いた

【MKニュース訳】「防弾」の力!大ヒット、SM・JYP・YGを抜いた

 

2018.03.22
http://m.mk.co.kr/news/headline/2018/185776

 

ボーイズグループ防弾少年団を掲げたBigHitエンターテインメント(代表バンシヒョク)が、昨年営業利益でSM・YG・JYPなどのエンターテインメントビッグ3メーカーをこぞって抜いた。 創業12年ぶりに、名実共にエンターテインメント業界の新興強者として浮上したのだ。

 

22日、BigHitは昨年1年間で売上高924億ウォン、営業利益325億ウォンを記録したと金融監督院電子公示システムに発表した。 これでビッグヒットは2017年の年間営業利益基準でSM、YG、JYPなど、従来のエンターテイメント3強を全て引き離した。一週間前にエンタメビッグ3が提出した連結監査報告書によると、昨年の年間営業利益でSMは109億ウォン、YGは252億ウォン、JYPは195億ウォンなどを記録した。BigHitはライバル会社3社より少ない売上高を記録していても、良好な収益性をもとに最高の営業利益を収めたものと分析される。 最も充実しつつ最も重要な営業をしたわけだ。 昨年基準でビックヒットは924億ウォン規模の売上を上げたが、これはSM(3654億ウォン)、YG(3499億ウォン)比4分の1、JYP(1022億ウォン)と比較すれば90%水準に過ぎない。 しかし、BigHitはエンタメ業界では記録的な35%の営業利益率をもとに、ライバル社を打ち負かすことができた。

 

BigHitが名前(ビッグヒット)のように大ヒットを打つことができた秘訣は、全面的に防弾少年団の力にあるというのが業界内外を問わない分析結果だ。

 

2013年にデビューした防弾少年団は、しばらくの間は大手芸能事務所の競争グループたちの影に隠れていたが、昨年国外で人気が急上昇し、国内でも独歩的なグループになった。 特に昨年ビルボードミュージック・アワードでKポップグループ初のソーシャルメディアアーティスト部門を受賞し、アイドルグループの夢である米国の大衆音楽市場に定着することになった。 実際、BigHitは防弾少年団効果に乗って売上高、営業利益、当期純利益を含むすべての部門の実績が前年より3倍近く増えた。

 

資産と資本も612億ウォンおよび405億ウォンとそれぞれ前年比221%、160%づつ増加した。 BigHitは「金融機関からの借入金がなく、堅実な財務構造を示している」と自評した。 上場企業ではないBigHitは、資産が120億ウォンを超える会社は実績を公開しなければならないという株式会社などの外部監査に関する法律(외감法)の規定によって実績が明らかになった。 同日、BigHitは防弾少年団が上げた業績も一緒に発表した。 昨年防弾少年団の「Love Yourself承'Her'」アルバムは149万枚(Gaonチャート2017年公式基準)以上を販売し、国内最高記録を打ち立てた。

 

国内でアルバムが1ヶ月で120万枚以上売れたのも、2001年のgod 4thアルバム以後16年ぶりだ。 さらに、防弾少年団の国内外のファンドムが急激に増加し、ほとんどの分野で発行部数的売り上げが大幅に増加した。 防弾少年団が昨年から進めたワールドツアー(「防弾少年団ライブトリロジーエピソード3:WINGSツアー」)は毎回座席が売り切れ、全体の観客動員55万人を超えた。

 

これにより、BigHitの誘致競争もいっそう激しくなる見通しだ。 先月、SMとJYPはSKテレコムとの年内新規音源プラットフォームのローンチを開始する計画を発表し、パートナーとしてBigHitを含めていた。

 

国内のある企画会社の関係者は「当時はより業界歴が長い企画会社ではなくBigHitと手を握ったことを不思議に思った」「同日発表された実績を通じて、エンターテインメント業界が従来の3強構図を超えて4強に再編されたことを確認することができた」と話した。

 

BigHitのコスダック上場もさらに注目されるようになった。 BigHitは昨年末に上場したいという意向を明らかにしている。 会社は下半期の韓国取引所で上場予備審査を受け、来年初めにも証券市場に入城する日程を推進中だという。

BigHitの関係者は「2017年は防弾少年団の国内外で成功が財務的成果に帰ってきた一年だった」「単純に売上高などの外形だけが成長したのではなく、収益性と売り上げの多角化など、質的成長が伴って鼓舞されたのだと思う」と明らかにした。

[パクチャンヨン記者]


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売上高・純利益・営業利益については昨年の記事訳をご参照ください。

 

 

ちなみに2016と2017の営業利益を比較すると、

SM:207億ウォン→109億ウォン

YG:319億ウォン→252億ウォン

JYP:138億ウォン→195億ウォン

となっております。

 

2017の売上高順では

SM→YG→JYP→BigHit

営業利益の順では

BigHit→YG→JYP→SM

という事でした。 

【ize訳】2017年のウェブコミック産業│②レジンコミックスの疑問

【ize訳】2017年のウェブコミック産業│②レジンコミックスの疑問

 

2017.12.19
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017121908557289052&pDepth1=i2101

 

この7日、大統領府の国民請願の掲示板に上がった「レジンの税務調査を要求する請願文」は同意人数が5万人を超えた。 ウェブトゥーン(コミック)プラットフォーム、レジンエンターテインメント(以下、レジン)は、いわゆる「遅刻費」(遅滞、償還金)論議に続き同じ作家の作品に対する精算が2年以上行われなかったこと、累積赤字によるウェブ小説サービス終了についてウェブ小説作家達が帳簿の公開を要求するなど、様々な議論を経験している。 国民請願はこれに対する延長線上で、ある作家はSNSに「源泉徴収内訳が出なかった」と明らかにしたりもした。 源泉徴収は所得又は輸入金額を支給する者(源泉徴収義務者)がその金額を支払う際、相手(源泉納税義務者)が納めなければならない税金を国家に代わって徴収して納付する租税徴収方法の一つだ。 (レジン側はこれに対して、同名の人がいて細部の内訳申告する時にミスがあったと弁明した)レジンについてウェブトゥーン作家Aは「作家たちには徹底的に遅滞費の支払いを要求しながらも、ほかでは書類証明を要求したりするなどきちんとした基準がない」と述べ、ウェブトゥーン作家Bは「レジン側では、国内外の精算を透明にしないくせに、作家たちが支払うお金は受け取っていく」という不満を述べた。

 

レジンは18日「レジンコミックス『作家コミュニケーション部署』を新設し、内部システムを補完して作家との疎通強化する」という資料を送ってきた。レジンのイソンオプ理事は「作家コミュニケーション部署は内部から組織を統合して新規人材を採用し、集中的に運営する計画」だとし、「当該部署は作品以外の全般について作家たちの立場を代弁する役割だけでなく、行政と政策補完を主導する専担組織に発展させていく」と話した。 従来のレジンコミックス、ウェブトゥーンチームは作家たちと作品関連コミュニケーションに集中し、新設部署は、契約、精算、運営を含めた作品以外についてのコミュニケーションを担当するという内容だ。 イソンオプ理事は「中国での精算遅延の支給問題やウェブ小説サービス終了など、様々な事案を進めること等において私たちが未熟な部分が多かった。 ご心配おかけして申し訳ない」「依然として足りない点が多いが、今後作家たちの意見を耳を傾け、運営と政策全般について作家たちと協議しながらプラットフォームを補完・発展させていくように努力する」と話した。 レジンの雇用人員は現在100人で、そのうち経歴者の編集PD4人、ジュニア編集PDの4人がレジンコミックスを担当する。 法外に不足した編集部の人員とともに作家たちに対する管理および処遇が問題になると、担当部署を増やすとしたのだ。

 

しかし、担当部署の新設が今まで作家たちが提起してきた疑問を解決できるわけではない。 作家たちはレジンが作家全体に公示として某作家の遅刻の内訳を公開し、遅滞費が必要にならざるを得ない理由を説明するが、遅滞支払いをしなければいけない基準と請求されない基準を明確に提示できなかったと主張する。 また、遅滞、償還金についてどれほど多くの作家たちがどれほど負担しているのかを明らかにすることを要求している。ウェブトゥーン作家Cは「突然マイナスの内訳が出て、元帳簿をくれと言ったら返事がなかった。 数週間待たされてやっと受けとることができたけど、元帳簿に決済取消の内訳が一度出ていたのでなぜかと訊くと答える過程もくるくる変わってやっともらえた」とレジンに対する不信を露にした。 「国内清算の場合、契約に基づいて別の方法で適用される割合分割があり、契約時点に関係なくレジン側できちんとより持っていく」という主張もあった。 「最も大きな問題は、レジンは作家を同業者として扱わない。 作品が面白くないなどのいわゆる「叩きつける」ような言葉もためらわずに言ったり高圧的な態度をとる。 作家たちは個別の作品ごとに作家に合わせて契約ができるべきだが、契約書を修正できるわけではなく無条件にサインをしなければならない」ことを、ただ疎通の問題だけで片付けるのは難しそうだ。

 

これに対してレジンは、現在まで作家達が提起した疑問について具体的に回答することを避けている。 代わりにコミュニケーション部署を作って今後起こり得る問題について積極的に対応したり、時にはこれを作家の感情問題にとみなす立場を表明したりもする。 問題提起をした作家について、「あまりにもたくさん電話をしてくる為正常な対応が不可能で、担当PDが精神的に参ってしまい休職までした」というように。しかし、問題提起をした作家たちはまともな答えを聞くこと自体が難しかったと言う。 作家の同意なしにイベントが催され、CMS(コンテンツ管理システム)を見てはじめてイベントが行われると知るケースもあった。 このため、休載中だった作家がイベントに参加していることもあった。これすらCMSを見た作家は知ることができるが、その都度確認して問い合わせしなければこの内容をまともに知ることは難しい。 このような状況で、特定の作家を取り上げて作家の態度を問題視して非難するのは無理があるように見える。 国民請願以来レジンは解決策を提示したが、作家たちにとって解決された問題は全くなさそうだ。

 

そして新たな問題が生じる。ウェブトゥーン作家C氏はレジンの立場について「全体公示を通じて公開的に話した作家とそうでない作家たちを分離して取り扱い、作家たちを統制しようとしている」と主張した。 ウェブトゥーン作家D氏は「レジンより条件がよくなくても、他のプラットフォームに行って同業者に認められながら働く方がよっぽどましだ。 現在所属しているプラットフォームはレジンに比べて作品の数が少ないせいかはわからないが、レジンで働いてから他のプラットフォームに行くと確かに違う雰囲気を感じる」と話している。 レジンの対応は作家達の仲を裂くか、最初から他のプラットフォームに移るように考えさせるように仕向けている。そしてウェブトゥーン作家E氏は「自分はこれまで口を閉ざしてじっとしていたからレジンでイベントやバナーによく使ってくれたのではないだろうか、という罪悪感を感じる」と言ったりもしている。さらに、「『ブラックリスト』があるのではないか」という噂が出回り、韓国漫画作家協会で調査に着手すると明らかにされたりもした。

 

作家たちは「大統領府の国民請願の掲示板に書き込みが上がったり、マスコミで論争になればレジンからの答えが来るだろう」と語った。 現在、不満を吐露する作家たちと実質的な「コミュニケーション」をするのではなく、作家たちと「コミュニケーション」をしているのだということをマスコミを通じて見せたいのだということだ。 オープン当時、レジンは「親作家的、多様性」を掲げた。 ところが2017年が終わりつつある現在、レジンは作品を連載する作家たちと最も対立するプラットフォームになった。 果たして2018年には遅刻費、精算、契約問題、そしてコミュニケーションについてなどの全ての問題が解決されるだろうか? レジンは「作家コミュニケーション部門新設告知とともに初めて開かれる1月の懇談会は、作家たちの締め切りの日程を考慮して1月11日と13日の2回にわたって行われる。 また、個人的な事情で懇談会に出席しない作家たちを対象に懇談会の後、関連内容を別途共有して意見を受ける予定だ」と明らかにした。 果たしてこの疎通が問題解決に向けた行動につながるのかを見守りたい。

 

文 イジへ

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昨年関連記事【ize訳】レジンコミックス問題│①遅刻費とはなんなのか? - サンダーエイジを訳しましたが、2018年になって逆にレジンが内情を暴露した作家「両極の少年」ウンソン氏と「340日間の猶予」ミチ氏を逆に秘密保持契約違反と名誉毀損で訴えるに至り、これに関連してほかの作家も抗議で休筆したりという事態になっているようです。
(What does the fox say?の休載もこれに関連してると知って個人的に残念)

 

http://www.webtooninsight.co.kr/Forum/Content/4835

https://byline.network/2018/02/7-7/amp/?__twitter_impression=true

 

レジンの公式表明
http://lezhin.blog.jp/archives/1069936929.html

 

양극의 소년 「両(陽)極の少年」
https://hoducomics.com/webtoon/list/247

340일간의 유예 「340日間の猶予」
https://beta-www.lezhin.com/ko/comic/340delay

 

【ize訳】2017年のウェブコミック産業│①黄金の卵を産むガチョウの腹を割く

【ize訳】2017年のウェブコミック産業│①黄金の卵を産むガチョウの腹を割く

 

2017.12.19
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017121908537238833&pDepth1=i2101


2016年、KT経済経営研究所はウェブトゥーン(漫画)産業の規模が2020年には1兆ウォンに上るものと予想した。 2017年現在、ウェブトゥーンプラットフォームは40個を超えており、海外進出まで成功したいくつかのプラットフォームは100億、1000億ウォンにのぼる投資を誘致したりもする。 ウェブトゥーンが新しく浮上するビジネスモデルになったのだ。

 

しかし、成長中の同産業にはそれだけに影もついてくる。最近、ウェブトゥーンプラットフォームのレジンをめぐる様々な論争がその例だ。 izeですでに取り上げたとおり、遅刻費をはじめとしてウェブトゥーン作家の処遇についての様々な論争が今年一年を通して続いているところだ。 これはウェブトゥーン産業が大きくなる規模とともにどのような問題を内包しているのかを示している。 現在、ウェブトゥーン産業はプラットフォームごとに最大限多くの作家と交渉する事を基盤としている。 ウェブトゥーン情報サイト「ウェブトゥーンガイド」によると、レジンは262人(252作品連載中)、Naverウェブトゥーン175人(163作品連載中)、Daumウェブトゥーン127人(110作品連載中)、KTOON98人(88作品連載中)など、プラットフォームごとに多くのアーティストを確保しており最大限多くの作品を提供中だ。 これはリスクが大きい代わりに成功した場合、利益も大きいコンテンツ産業の特性を反映した結果だと言える。映画やドラマと違いウェブトゥーンは作品1本当たりの大規模な投資が必要ではなく、プラットフォームは作品数を増やし、成功確率を高める方法を選んだ。

 

近頃の中国でのウェブトゥーン市場の成長は、ウェブトゥーンプラットフォームが物量的な面に焦点を合わせる原因になった。 中国のウェブトゥーン利用者数は2016年には前年比76.2%増加した7,075万人だった。(中国のリサーチ企業アイリサーチ調べ)一例として、中国の「テンセント漫画」は2017年7月基準で20,000作以上の中国及び海外コミック、600人以上の独占作家、9,000万人以上の月間利用者を保有している。 「テンセント漫画」の代表作「シヒョン(尸兄)」は累積クリック件数40億、約5,000万人民元(90億ウォン)のIP販売収益を上げた。 また、中国のウェブトゥーンプラットフォームは韓国のポータル・ウェブトゥーンサービスと類似した収益モデルに成長しており、韓国のウェブトゥーン会社が進出するのが容易な部分もある。 しかし中国市場はウェブトゥーンだけでなく、すべてのエンターテインメント業界で「中国に関する専門家はいない」と言われるほど成功が確信されがたい。 中国の読者がどのような趣向を持っているのかは、依然として把握し難い。 このような状況であるほど、最大限多くのアーティストを確保して成功確率を高めることが相対的に安全な方法であると言える。過去よりさらに多くの作家の確保が重要になった。

 

しかし、多くの作家を確保するのにはそれほど多くの管理と費用が必要である。 良い作品が出るためには作家を管理する編集者、またはプロデューサーの支援が重要だ。 多くのアーティストを確保するほど、作家に支給される原稿料が増えるのは当然だ。 「2016年度ウェブトゥーン産業白書」によると、週4回連載しているウェブトゥーンの月の原稿料は400万ウォン台(新人作家は200万ウォン台)で、1年に1本連載すれば4800万ウォン、100本なら48億ウォンがかかる。 通常3年程度の運営資金を設定する場合、材料費とみなされる原稿料だけで144億ウォン必要である。 また、人件費と販売管理費を50%台に合わせているとしても、事業運営に向けて288億ウォンが所要される。 しかし現在、多くのウェブトゥーンプラットフォームでこのレベルの原稿料を支給できるところは多くはない。 2013年以後に新設されて既に中止されたウェブトゥーンプラットフォームを10を超える。 ゾディアックコミックスの様にたった2ヵ月でサービスが中断されたこともある。 年100億ウォン以上の売上を記録するプラットフォームもいくつか登場したが、多くの利益を上げているところは非常に限定的である。 このような状況での無理な事業拡大は、失敗と共に作品の連載中断につながる。 また、原稿料を減らそうとする過程で作家たちに無理な要求をしたりもする。 作品を一般的な製品のように扱ったり、不公正契約問題が起きている。 ウェブトゥーン産業は数年間で急激に成長したが、これを支えられる収益構造や作家と共存できる方向性に対する悩みはなかなか解決されない。 現在のウェブトゥーン産業は作家の数は多く、そしてできるだけ少ない原稿料で交渉するのが収益構造であり、競争力として包装されていると言っても過言ではない。

 

これに対し専門家らは、作家のためのエージェンシーが必要だと主張している。 プラットフォームと作家が直接対面した場合に作家が負担しなければならない事業/運営面が増えつつあり、既に原稿制作だけでも負担になる作家に対する専門のエージェンシーが必要だということだ。 一方、「他の業界の現状を知らない状態でエージェンシーと契約する事は、更に他の不公正契約を反復する可能性がある」という懸念の視線も提起される。 その為、外注/フリランスの労組や協会の必要性に対する議論も行われている。 しかし、既存のウェブトゥーン関連協会も実質的に事業主たちに対する強制力がない状況で、作家たちの主張はまともに受け入れられないことが多い。 作家たちの才能と努力が集まって産業化された分野が、いざその産業を支えるために作家達を劣悪な環境に追いやっているのである。 このような過程で、新人作家達はさらに劣悪な環境に追い込まれている。 現在、ウェブトゥーン産業は本当に新しい未来を作り出しているのか。 もしかすると、産業化という名目で未来の可能性を全て無くしているのではないだろうか。

 

文 イジへ

 

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月に20万〜40万円程度ならまあまあなのかな?と思いましたが、週4回連載?月4回でなく???ってなりました。ウェブ連載は雑誌と違って内容が細かく切れて掲載されるし、韓国は原稿料がページ単位ではなくコマ単位の計算のようなので計算方法がちょっと違うようではありますが。

【ize訳】宇宙少女、CLC、gugudan、Weki Mekiはどこに向かうのか

【ize訳】宇宙少女、CLC、gugudan、Weki Mekiはどこに向かうのか

 

2018.03.15
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2018031421387255801

 

去る2月27日、宇宙少女はカムバックショーケースで「gugudan、Weki Meki、CLCなどと活動時期が重なるが」という質問に「各グループの色が違うのでライバル意識はない。 みんなが良い成績を収めてほしい」と答えた。 実際にアニメを思わせる宇宙少女のコンセプトと、極端な劇団的なコンセプトを持ったgugudan、「ティーンクラッシュ」を掲げるWeki Meki、黒いスーツを着て男性を誘惑するCLCのコンセプトは違っていそうだ。 しかし、各グループのコンセプトには偶然にも一見しっかりした女性というイメージが込められている。 宇宙少女は「ならなかったらなれるようにして」と歌いながら日本のアニメ「君の名は」や「時をかける少女」など、与えられた運命に抵抗するような女性主人公たちの姿をコンテンツに盛り込んだ。 10代の心を揺さぶる「ティーンクラッシュ」を掲げるWeki Mekiは好きな少年に「あえて勝つ気はない」と言い、私がよければいいと言う。 gugudanは「異なる次元の君に出会ってみようか」と岐路で悩んでいる女性たちに果敢な選択をしてみなさいというメッセージを伝え、CLCはよく男性たちが好むと言われる長いストレートの髪を切ったおかっぱの髪のメンバーをミュージックビデオに登場させ、黒いスーツで強い女のイメージを表現する。

 

「ほとんどのグループが慌ただしくデビューしベンチマーキングをするため、防弾少年団が追求した青春のイメージあるいはEXOのファンタジー的な要素を音楽に入れようとしているし、ガールズグループはこのごろ優勢であるフェミニズムを直接的には言及しないとしても、堂々とした女性の姿をコンセプトに反映してほしいというケースが多くなった」
ガールズグループプロデューサーA氏の言葉は、最近のガールズグループの一傾向を見せてくれる。 近頃フェミニズムが社会的に大きな影響を及ぼしており、REDVELVET、MAMAMOO、BLACKPINKなどの人気ガールズグループたちは清純やセクシーさのような単語だけでは説明できないコンセプトで人気を集めている。 このような状況で、ガールズグループが以前とは異なるコンセプトを掲げることは一つの流れのようにも見える。 しかし、A氏は「率直に言えば、堂々とした女性というコンセプトでアイドルグループというのは浮かぶイメージが限定されている」「REDVELVETのように、誰が見ても男性の目を気にしていないイメージを見せたことで女性ファンが多くなった事例もあることはある。 しかし、ほとんどのガールズグループは男性たちの支持を気にしなければならないため、そのようなコンセプトで出てくるのは大変な事だ」と打ち明けた。 作曲家B氏も「『強い女』ではあるが、ある線を超えてはならないという注文が来ることもある」と話した。

 

これらのグループが新曲で表現する女性の姿には、このようなジレンマが盛り込まれているように見える。 宇宙少女の「夢見る気持ちで」の振り付けには清純、セクシー、キュートのような既存の断片的な修飾語では説明しきれないほどに激しい動作と、愛嬌めいた動作が複雑に共存する。 制服を連想させる服を着て上下左右問わず腕を強く回し軍隊を連想させる振り付けをしても、両手を顔の近くに並べながら神秘的で華奢な少女のイメージを想い浮かばせる。Weki Mekiは「La La La」のステージでモデルがウォーキングをするように堂々とした足取りで歩き、サビの部分では頭の上に両手を上げてキュートな動作を示している。 gugudanの「The Boots」は「誰が私の事を何と言ってもどうでもいい」「まぶしく私を満たしていく」と他人の視線を気にしていない女性のイメージを表現するが、ミュージックビデオでは「シュレック」の長靴をはいた猫を真似ている。 CLCは歌詞と衣装が別の趣向だったりもする。「BLACK DRESS」では黒いドレスとスーツを着て堂々とした女性のイメージを歌うように見えるが、実際は「ただあなたのために準備した香水をつけて」相手の心が来ることだけを待つだけだ。 MVの中の姿も、所属会社CUBEエンターテインメントの紹介のように「シックさとカリスマあふれる」姿というよりは布で目を隠すなどセクシュアルな魅力を強調する方向に近い。

 

ガールズグループが必ず女性主義的なコンセプトを追求しなければならず、そうしてこそ成功するという意味ではない。 TWICEのように、受動的な女性像を歌いながらも高いアルバム販売量と音源の順位を記録することもできる。 むしろこちらの方が安定的かもしれない。 大事なことは、社会上の変化を反映したコンセプトを試みるには、十分なモニタリングの過程とともにそれが意味することを表現する正確な方法を探さなければならないという事だ。 勿論その過程では、今ガールズグループが代弁できる女性像が何なのかという事を一緒に悩んでこそ成功の可能性が高まるだろう。 まだ大きな成功を収められていないこれらのグループ、または今活動を準備中の多くのガールズグループたちの中で、この新しい方向を先に真っ当に目指すことができるグループはどこだろうか。

 

文 パクヒア
校正 キムヨンジン

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ベンチマーキング=「社内外、業種を問わず、最もすぐれたパフォーマンスを上げている企業を選び出し、それを目標として自社のビジネスプロセスを改善することをいう。」(コトバンクより)

【おしらせ】Real SoundでBTSについての記事を書きました

またもやReal SoundさんでBTSこと防弾少年団の北米での話題性とファンドムについての記事を書かせて頂きました。

BTS(防弾少年団)、欧米圏での人気拡大の理由は? ネットを通してつながる“ファンドム”が鍵に」という記事です。

 

 

4月発売の日本アルバムに合わせてというのと、ちょうどビルボードマガジンのカバーにもなったタイミングという事でこのような切り口になった感じです。

【PPSS訳】KPOPと韓国語の歌詞

【PPSS訳】KPOPと韓国語の歌詞

 

byイギュタク
2018.03.09
http://ppss.kr/archives/150628/amp?__twitter_impression=true

 


KPOPを他のグローバルポップミュージックと差別化する最も重要な要素の一つがまさに「韓国語の歌詞」と考えている。とくに、海外のリスナーたちにとってこの「韓国語の歌詞」が持つ象徴性はとても大きい。 韓国語の歌詞が英語の歌詞に比べて何か非常に詩的であったり、立派な意味を持っているからというわけではない。 むしろ海外のリスナーの大半は歌詞が何を意味するか全く理解できないだろう。

 

加えて、一般的なKPOPにおいては歌詞が持つ重要性はそれほど大きくない。 ヒップホップやアコースティック・フォーク音楽のように歌詞が盛り込んだ内容や韻律(rhyme)が曲の質を左右しないということだ。 さらに、一般的なKPOPの歌詞には英単語(あるいは簡単な文章)がかなり高い割合で含まれている場合も多い。 それでも韓国語になった歌詞が意味のある理由は、それがKPOPを「KPOPらしく」作ってくれる重要な要素であるからだ。

 

海外のリスナーたちがKPOPを聞く理由、特に東アジアの外のリスナーたちがKPOPを聞く理由は概ね一般的なグローバル英米ポピュラーミュージックとは他の何かを求めるからだ。 東アジア以外の地域、特に北米のKPOPファンが作ったリアクションビデオを見たり、該当地域のメディアがKPOPについて説明している記事を見れば、そのような点がよく現れている。 KPOPの中に彼らはありふれたポップミュージック(あるいはEDMやヒップホップ音楽)とは異なる「代案(alternative)的要素」を発見する。

 

実際、音楽的に見れば、その「代案」というものは大したことはない。 KPOPがいわゆる「韓国の伝統的な」ある要素を強く抱いたこともなく、それ故にサンバやレゲエのように音楽そのもので何か「違う」ものを見せてくれる訳ではない(もちろん、それがステージパフォーマンスやファッションと結合されれば別だが)。ところが韓国語の歌詞がついたという理由だけで、この音楽は「異国情緒(exoticism)」を正しく漂わせる。

 

海外の一般的なリスナーたちには一見滑稽で粗野に聞こえるだろうが、「代案」的な音楽を求める少数者にとってはKPOPをありふれたポップミュージックとは異なる雰囲気に作ってくれる重要な瞬間だ。 事実KPOPは依然として「メインストリームポップス」というよりは欧米の大衆音楽の支配力がやや弱体化して好みが多様化する現在、世界有数の音楽市場で「隙間市場」をよく走っているケースだ(あえて「メインストリームポップス」にならなければならないのかについては、個人的には疑わしく思う)。

このため、海外のリスナーたちにアピールするためにはグローバルポップミュージックとは異なる「異国情緒」を必ず表現しなければならないのだ。 これは音楽的な様式ですでにグローバルな普遍性をある程度確保したために可能なことでもある。 音楽は簡単に親しみを持たせる事ができるEDM(そして若干のヒップホップ的味付け)であっても、それでも「韓国語の歌詞」で異国的な味を発揮することだ。

 

もちろん、上記で述べたように華麗な群舞とステージパフォーマンス、ユニークな味わいと雰囲気のミュージックビデオなどもKPOPの「異国的情緒」を作ってくれる重要な要素だ。 しかし、これと同様に重要なのがまさに「韓国語で書かれた歌詞」ということだ。 そしてこのようなパフォーマンス、MV、ダンス、歌詞こそ海外のリスナーたちがKPOPを通じて感じる「韓国的(あるいは異国的)な何か」なのだ。

 

一般的に「韓国的なもの」と言えばやたらと伝統文化的要素を思い浮かべるが、そのような伝統的な要素だけを韓国的な美であると思う時、「カンナムスタイルはフィモリ拍子をもとにした曲」というような強引な解釈が登場することになる。 韓国的なもの=伝統文化=国楽(あるいは民謡)ではない。

 

したがって、KPOPのグローバル化(特に米国・グローバル市場進出)のために英語の歌詞つけることを何度も試みることはあまり効果的ではないことだ。 スウェディッシュ・ポップは英語歌詞をつけて世界で成功したが、グローバルな音楽ファンたちがスウェディッシュ・ポップに期待することとKPOPに期待することとは異なる。 海外KPOPファンが「どうか英語作詞はしないでずっと韓国語で歌ってほしい」と要求するのにはすべて理由があるのだ。

 

同時に、これがただ肯定的な事なのかはちょっと考えてみる必要はある。 結局KPOPの人気、特に東アジア以外の地域での人気も、かつてのレゲエやワールドミュージックのようなジャンルがそうだったように「異国情緒=エキゾチズム」に頼った側面が強い。 彼らとは違い音楽的な個性が明らかとは言えないKPOPが、どのように世界有数の音楽産業に溶け込んで、果たして長い生命力を維持できるのかどうかが気になる。

 

 

原文:デリー・キットの音楽世界(https://m.blog.naver.com/PostView.nhn?blogId=funky829&logNo=221146605278&proxyReferer=)

 

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フィモリ拍子=パンソリや散調などの韓国伝統音楽に見られる特有のリズムの一種で、特に早い拍子の事。

 

「東アジアのKPOPファン」、特にわざわざ曲を現地の言語化してリリースしがちな日本のKPOP好きとしては色々思うところはありますが、KPOP好きが韓国語の響きそのものにエキゾチズムを感じて好んで聴く部分があるという事であれば、逆にその国の言葉で歌って人気があるという事はエキゾチズムを超えて真にその国の音楽市場に溶け込んでるという事なのかもしれないとも思いました。「言語の異国情緒」というKPOP的に見て大きなポイントがなくても売れたという事なので...だからアイドルが強いのかな?
ぶっちゃけアイドルのように本人の事を好きになってしまえば、何語で歌っても関係なくなってくるというのもあるのでは。

 

この文章を読んで自分が「韓国語歌詞至上主義」的なものが少し気になっていた理由がわかった気がしました。無条件にとにかく韓国語のバージョンの方がいいというのは、無意識にKPOPのエキゾチズム的な面だけを肯定している行為のような気がしていたようです。(もちろんそれだけの理由で韓国語詞がいいと思うわけではないと思いますが。単純に完成度の問題がある場合もあるし)

昔は元々韓国語に合うように作っている曲に日本語の響きを無理やり合わせるのは無理があるのではと思っていたのですが、近年は欧米圏の作曲家が元々英語詞で作った曲に後から韓国語詞をつけるスタイルの楽曲がかなり多くなったので、そういう曲の場合は理屈としては韓国語の曲に日本語詞をつけるのと同じ事をやっているわけですね。作業的には言語の分類を考えると英語→韓国語より韓国語→日本語の方が大変そうですが。
最近は日本語詞で先にリリースした楽曲を後から韓国語詞のアルバムに収録するケースも徐々に増えているようなのが面白いです。