サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】国民プロデューサーさん、僕だよ僕!

【ize訳】国民プロデューサーさん、僕だよ僕!
2017.03.15

 

http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017031416307275722


視聴者の投票を通じてボーイズグループのメンバーを選抜するMnet「プロデュース101シーズン2」(以下シーズン2)のテーマ曲「僕だよ僕」は、ガールズグループのメンバーを選抜した前回の歌「Pick Me」とは違って聴こえる。 「僕だよ僕」も同様に、歌詞に「Pick Me」を入れて連続性を強調するが、「僕だよ僕」の話者は「Pick Me」とは違い、愛情を告白する相手に対してタメ口だ。 また、「Pick Me」が出演者たちを「私たちは夢見る少女たち」と規定していたのに対して、「僕だよ僕」はタイトルからして出演者をそれぞれの個人として規定している。 そして歌詞の中の男性は自らを「今夜の主人公」だと規定している。 女性の出演者たちは夢を借りるために「Pick Me」を叫ぶが、男性出演者は、既に主人公である自分を「Pick Me」してくれと言う。

 

「Pick Me」は話し手を少女と規定して、好きな相手に対して「抱きしめてください」と言い、相手の愛を望む。 一方「僕だよ僕」は「おかしくなった 僕にはまったんだ」「君の心を盗むのは 僕だよ僕」のように自信満々な態度で自分の感情を相手に伝えている。 人気ガールズグループとボーイズグループの歌詞とキャラクターを考えれば容易にわかるように、「Pick Me」と「僕だよ僕」にはガールズグループとボーイズグループの典型的な歌詞が含まれている。 昨シーズンと同様にMnet「M Countdown」を通じて公開された「僕だよ僕」の初舞台で、出演者たちはリフレイン部分で腕をぐんぐん伸ばして激しい動作を消化したりもした。 人気ガールズグループとボーイズグループのキャラクターがまったく違うということを考慮すれば、その違いを反映したものといえる。 このプログラムが「プロデュース101」でなければ、の話だが。


「シーズン2」のホームページに掲載されたアピール動画で、出演者たちは「国民プロデューサー様」たちに自分への1票を訴えている。 「僕だよ僕」の典型的なボーイズグループキャラクターは、このように「プロデュース101」の枠組みとぶつかる。 「僕だよ僕」がEDMスタイルの編曲を持ってきて、出演者全員で同じ踊りを踊るのは「Pick Me」と同じだ。 しかし、振り付けの前半部はビートに一つ一つ手と足がついていかなければならない反面、後半はボーイズグループがよく見せがちなダイナミックな動作が中心となっている。 振り付けの流れが次々と変わるだけに、出演者たちが消化することは容易ではない。 一番レベルの高いA級出演者たちも、動作が一致しない、ダンスのラインが異なっているように見えるなど、ボーイズグループが見せるべき長所が消えた。 昨シーズンの「プロデュース101」とボーイズグループの典型的な要素を交えながらも、むしろボーイズグループとして十分にアピールしなければならない部分は逃している。

 

「僕だよ僕」ステージのエンディングでのMnet「スーパースターK」で「ヒップホップ大統領」として話題になったチャンムンボクの登場は象徴的だ。 「Pick Me」のエンディングにはチョンソミーイムナヨンーチェユチョンが登場してそれぞれ異なった魅力を持ったルックスの出演者たちを強調した。 一方、「僕だよ僕」でかなりの長髪で唇をそっとかんだ表情を見せてくれたチャンムンボクは公開後、どのような意味であれ笑いを起こした。 ボーイズグループは外見とは別に明確なキャラクターを通じて人気を得ることもある。 キャラクターが明確なチャンムンボクもそのような意図で登場したものでもある。 しかし韓国では、男性はボーイズグループとリアリティ・ショー、さらには韓国のすべての大衆文化コンテンツで様々なキャラクターと成長ストーリーを与えられる。 ハンサムではなくても成功した男性芸能人の例は女性に比べてはるかに多い。 だとすれば視聴者が「プロデュース101」見なければならない理由は何なのか。 さらに言えば、このショーのターゲット視聴者層はH.O.T時代からボーイズグループのファンダム活動を学習した女性たちだ。

 

昨シーズン、制作陣は女性の出演者たちを休む間もなく泣かせるという虐待的な状況に追い込んだ。 しかし、それにもかかわらず出演者たちはどうであれ、状況を突破して見せて票を得た。 女性だけで構成された100人余りの出演者たちがガールズグループのデビューを夢見ながら数々のストレスに耐え、成功に至る過程は韓国の大衆文化のコンテンツでは珍しい風景だった。 それが正しいかどうかに対する問題とは別に、昨シーズンの「プロデュース101」はガールズグループの市場に多くの変化を起こした。 反面、男性たちがしたいことに向かって競争する姿はいつも見てきたのだ。 他に違いがあるとすれば、彼らを評価して票を入れる「国民プロデューサー」の多数が女性だという点だけだ。 男性が女性に票をくれと、切実にこだわるのはあまり見ない姿だ。 しかし、制作陣は「僕だよ僕」においてこのような特性を反映しない。 その代わりに従来のボーイズグループのキャラクターを踏襲し、むしろボーイズグループが見せるべき要素は逃している。

 

もちろん、制作陣にはこれよりもっと多くのカードがあるだろう。 しかし、「僕だよ僕」だけを見れば、製作陣が描くボーイズグループがどのようなものなのかを知りたくなる。 出演者たちは群舞を合わせず舞台のエンディングは感動より笑顔でピリオドを打っており、EDMスタイルの編曲と「今夜の主人公は僕だよ僕」という歌詞はデビュー前のボーイズグループとは程遠い。 製作陣はこれでもリアリティーショーだけをすればボーイズグループが人気を得ることができると思っているのだろうか。 そうなら、それはボーイズグループの消費者たちをあまりにも簡単に思っているのではないか。 今は一票を得るために何でもしなければならない時期のはずなのに。 ちなみに2008年にデビューしたSHINeeは今も群舞をナイフのように合わせている。

 


文|カンミョンソク
校正|キムヨンジン

 

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タイトル直訳だと「プロデューサー様」になると思うんですが、元祖国民プロデューサーの某ドルマスターリスペクトの意味で「プロデューサーさん」にしてみました。

「プロデュース101」シーズン2に関してはまだ全員のプロフィールも明らかにされてない段階なのでなんとも言えませんが、同じルールだとしても女子バージョンとはまた違う趣になりそうですね。それこそアイマスと乙女ゲーの違いというか。

 

しかしこれだけは言えると思うのは、今や別に男性グループだからといって群舞をびっしり合わせるだけが売れる条件ではないし、もっといろいろなスタイルの人気の出方があるのではないかという事です。
カル群舞はアイドルにとって確かに大きな武器でありアピールポイントではありますが、逆にぶっちゃけ割と飽きられやすいというか目に慣れるのも早くて当然と思われやすい特徴ではあると思いますし、若さの特権とばかりに刹那的なものも感じてグループの消費スピードが早くなる気もするのでそればっかりに注目するというのも面白みに欠けるというか。それこそ目の超えたドルオタ女性にとっては、ダンスの揃い方よりももっと大事な惹かれるポイントというものがあるはずだと思います。

逆にTVの企画として大衆的人気を目指すとしても、一般層に認知度が高い若手の男性アイドルグループは最近は群舞が売りではないところも結構ある気がしますし(WINNERやiKON、Block.Bなどなど)ドルオタ以外の韓国の一般層を見ると、勿論ダンスがカッコよく揃っているビジュアルに素直にひきつけられる人たちもいれば、逆に訓練して揃ったダンスをやる事自体が個性を殺してるみたいでダサい(特に男性は)という考え方の人たちもいるでしょうし。

シーズン1のように能力別ヒエラルキーに分けて競わせるのであれば、同時に複数のグループが出来上がっていく特徴を生かして色んなスタイルや雰囲気のグループが見られたら面白いだろうなと思いますが...

 

ちなみに話題になっているチャンムンボクですが、所属してるONOエンタ(アウトサイダー主催の2TAKとかTYMEEの所属事務所ですね)のVアプリアカウントをたまに見てまして、ちょっと前にムンボクのお料理動画(トックのスープを作っていた)が上がってしかも三つ編み姿だったので「アイドルかよ!!」ってツッコんだ事があるので、根本的にアイドルの素質はかなりあるんじゃないかと思います。
(己のお料理動画を堂々とアップできるメンタルって、個人的にはある意味ダンスよりも歌よりもルックスよりも愛嬌よりもアイドルらしい要素だと思うのですが...)

しかも意外と踊れるんですよね...BLACKPINKの火遊びなどを踊っている動画もあります笑

【idology訳】防弾少年団「Not Today」が語る今日

【idology訳】防弾少年団「Not Today」が語る今日

 

by ミミョウ on 2017/03/01

http://idology.kr/8564


防弾少年団が「Not Today」が収録されたリパッケージアルバム「You Never Walk Alone」を発売したのは2月13日。私はある疑問を持った。論争を引き起こした歌詞の 「ガラスの天井」という部分をはじめ、この曲はフェミニズムの誤った移植に見えた。そして2月19日、「Not Today」のミュージックビデオが公開された。私は違和感を感じた。歌詞と音源に接した時とは全く異なったイメージを持ったのだ。考えが変わった。その理由を見つけ出すのにはかなりの時間が必要だった。

 

まずひとつ、GDW作成のミュージックビデオが本当に素晴らしいという可能性だった。 「DOPE」(2015)に続いてもう一度込めた「洗練されていてダイナミックな肉体」というK-POPの正統的セールスポイントは、再び海外において特に爆発的な反応を引き出したことに対する一つの説明になりうる。映像の中のエネルギーは、扇動的な「革命」のイメージを込めて作られている。何よりも、鋭い鳥のように走るダンサーが見事に描かれている。顔の露出や一人一人のクローズアップがなくても、彼らの与える強烈な印象は彼らが脇役以上の、むしろコンセプトそのものとしての背景に近い位置に置く。
ミュージックビデオに視線を奪われている間、歌詞は少々耳に入ってきにくいのも事実だ。ブリッジの中核である「ガラスの天井なんて壊して」を除けば、問題視された、または問題視の根拠になった表現はほとんど散り散りになっている。例えば、「自分はそれをやりとげた だからお前も頑張ればガラスの天井なんて壊すことができる」という部分や、文脈の解釈の口実となった「成功したラッパーのswag」の部分がそうだ。 「Too hot 成功をdoublin ' / Too hot チャートをトランポリン」で始まるこの2節のverse前半部は、歌詞をテキストとして読むときと音源で聞いたときに感じられる比重の違いが結構ある。他のラップパートに比べてはるかにボソボソとつぶやかれ、ほとんど言葉を濁しているのに近いラップモンスターの声は、続くJ-HOPEの 「お互いがお互いを信頼しきっていたから」から「一緒にという言葉を信じて」の背景説明のように配置されている。
一方、聴き逃すことは難しいほど耳に刺さる歌詞は別にある。リフレインの後半で音律に乗って流れ、最も顕著に刻みつけられているのは、「死ぬことはない  Not not today 」である。これは、1節の後半でのラップモンスターのきちんと再現されていく「今日は絶対に死なないで」ともつながる、この曲の中核の主題であり、結論である。もちろん、曲の他のディテールに対する論点をすべて無視する理由にはならないが。


私は感じた違和感は、この時点である程度整理された。今まで論じたことは、私が曲に対する先入観をひっこめなければならなかった理由である。逆に、まだ問題提起をすべき事項もある。

 

 

まず、最も話題になった「ガラスの天井」の部分がそうだ。ラップモンスターは、この用語を誤用はしていないという立場を明らかにした。すべてのマイノリティに該当する概念であるからだということだ。これは正しい。問題は、ガラスの天井がすべての少数者に該当するかそうではないかという点ではない。闘争的イメージに満ちた歌の中で激しく強調される依存名詞「따위(〜ごとき)」(訳注:軽蔑のニュアンスがある)の有無ですらない。パフォーマンスをしている当人たちがマイノリティに該当するかどうかだ。昨年から防弾少年団の「中小企画会社アイドル神話」が浮上してきている。しかし明らかなことは、ガラスの天井の概念が適用されるマイノリティのカテゴリを最も広義の部分まで拡大して行く時、韓国では「中小企画会社所属の男性アイドル」が数えられる順番はかなり後ろの方であるということだ。ミュージックビデオ後半を多義的に解釈することができるとして、上記のセットを見てすぐに「ガラスの天井の上で踊っている」と解釈した人もいた。女性の地位は完全に地面の下だと感じるほどに韓国社会の現実が凄絶であると捉えることもできる。ほとんどの女性はまさにそのような連想をするほどに、防弾少年団より(マイノリティとして)前方に立っているのだから。

 

だから「ガラスの天井なんて壊して」は、疑惑を持たれかねない表現である。この曲の中で防弾少年団がマイノリティと同一視されていないと見るならば、少数者に向けてガラスの天井なんて壊せと簡単に言う人々なのだと見なすこともできる。一方で防弾少年団がマイノリティと同一視されていると見るならば、彼らが「マイノリティ・コスプレ」をしていると見なすこともできる。そしてこのような疑問は、男性として女性の戦いを(または既に成功したアイドルとして弱者の戦いを)支持し連帯すると言うならば、あえ​​てロールモデルやリーダーを自任する必要はなかったはずだが、歌い手とターゲットであるリスナーの間に設定された権力的な優劣は何を意味するのか、などの疑問につながることになる。

 

ダンサーたちと一緒に走る防弾少年団の姿は、「お前たち自身でよく壊してみろ」というスタンスであるという誤解を軽減させる事に大きく貢献している。』

 

韓国メジャー大衆音楽において「弱者」とは概ね10代の事だった。しかし、振り返ってみればソテジと子供たちの「教室イデア」も、「あなたがたはなぜ変えようとしないのか」という教育システムをすでに外れた者の声だった。 H.O.T.やSechskiesは10代の仲間としての声を示したが、等価交換をするようにそのメッセージははるかに表層的なものへと後退した。以後K-POPには「弱者」という主題自体がほとんど登場しなかった。クリシェと化した「ブス情緒」や、男性の自己憐憫程度がせいぜいである場合がほとんどであった。闘争的イメージのK-POP男性アイドルとマイノリティの連帯のメッセージの間にどのような関係構築のモデルが可能なのかどうか、その答えはまだ私たちの手の中にはいない。 「Not Today」が示す今日というのはまさにその部分だ。

 

最も肯定的に見るならば、「Not Today」は誤解の余地を残す原因の一つである、これだけ直接かつ具体的に弱者、特に女性を名指ししたという点を問題視する必要がある作品であるという事だ。曲の議論点は、彼らが青年世代の絶望についてはっきりと歌ったように今後において的確かつ破壊的な作品を生み出すための試行錯誤である。最も否定的に見るならば、彼らがマイノリティの問題について気を配る準備をしていた努力量の限界と、コアファンドムおよび海外のK-POP層が結集すべき妥協点がこの曲で出会ったという事だろう。今日においてどの視点を選ぶのかは読者に任せる。未だ、これからの観点の鍵はもちろん防弾少年団の中にある。防弾少年団が下した今日の選択は、公の論議の場に入るのだから。

 


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「ブス情緒(못난이 정서)」の描かれてるKPOPってなんぞ...と10秒くらい考えてみましたが、GOT7の「Just Right」みたいな事かなと思いました。
(Uglyはクリシェ的ではないのでちょっと違うか)

 

「ガラスの天井」というのは日本でも言われますけど、いくら努力したり才能があってもマジョリティ(=ここでは主に男性)と比較するとマイノリティ(=ここでは主に女性)の社会進出には見えない天井のような障壁があるという例えですね。ぱっと見では向こう側が見えるけどけして向こう側には行けない上下関係があるという。
NOT TODAYのMV見た時はやけにツルツルしたところで踊るなとしか思いませんでしたが、あれはガラスの表現だったのか...???

 

EXOにおけるEXOプラネットな部分が防弾における「大人たちの社会と戦うマイノリティの未成年である僕たち」だったはずと思うんですが、防弾少年団がある程度成功してしまった現状において「男性・芸能人・イケメン(少なくとも芸能人になれる程度には)・売れてるアイドル」というのが枷になってしまうという皮肉。しかももう未成年ではなくなってしまう...今は何をやってもPC的に叩かれるターンに入ってるみたいですけど(そういう事柄に敏感な国で特に人気があるというのはあるでしょうが)それでもリスクを取って現実的で社会的な内容を歌うアイドルってほぼ絶滅しそうなのでめげずに続けて欲しいです。でもパンPDはセカイ系好きすぎてるようなので、適度なところでそっちの戦う少年少女的ファンタジー世界にスイッチングしていくのも手かもしれない...(?)ファンタジー歌うと叩かれにくいですよ多分。

【ize訳】REDVELVET、育たない少女たち

【ize訳】REDVELVET、育たない少女たち

2017.02.07

 

http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017020521347244140


レッドベルベットの前作がそうだったように、「Rookie」のミュージックビデオは精神を混乱させてくる。 ある面では「Dumb Dumb」や「ロシアンルーレット」よりもちぐはぐだと言及することもできるだろう。 キーンとした色彩感、過去のいずれの時よりさらに誇張されたメンバーたちの衣装、「ナルニア国物語」と「ガリバー旅行記不思議の国のアリス」などの話を一つにまとめたような場面、欧米圏で作られたようなキッズ番組のムードのようなキッチュな演出を見ていると曲自体のメロディーや歌詞は耳に入らないほどだ。 繰り返される"Rookie rookie my super rookie rookie boy"と"その感覚的な 感じ 感じ"のようなフックだけがひたすら強調される。 実際のBPMがいくつかというのと関係なく、常に2倍速したかのように浮かれた雰囲気のREDVELVETのタイトル曲とビジュアルコンセプトのリズムがうまくいったわけだ。

ただし、これがすなわちコンテンツ全体の完成度を担保するわけではない。 「Rookie」の曲とビジュアルはまさに「混乱」したり「綺麗」に見えるが、緩やかで大ざっぱにまとめられたイメージだけを提示する。

 

恋に浮かれた少女でありながら自分の感情に当惑するだけでなく、自信にあふれていたり積極的な声を聞かせるのはREDVELVETの役割だった。 自然に動いて話する人ではなくぜんまいを巻いてこそ動く人形のようなコンセプトも、デビュー曲「happiness」からこの「ロシアンルーレット」までREDVELVETが徐々に整えてきたものだった。 特に地味で身近な少女とは遠くかけ離れたREDVELVETのスタイリングは、他者がアクセスできる可能性が著しく低い自分だけの世界にこだわる頑固な少女のように見せていた。 例えば、「Ice Cream Cake」のミュージックビデオで試みたカラーレンズと脱色した髪はもちろん、ファッションフィルムの一場面のようにただ余裕のある感じで異国的な風景の中を歩いているメンバーたちの姿や、「Dumb Dumb」のただかわいいだけではない長くつ下のピッピ的コスチュームのようなもの。無害だったり受動的ではない女性像を描いてはいるが他のガールズグループと完全に差別化されていると見なすのは困難な歌に、きれいで愛おしいがどこか不気味なビジュアルが加わり、グループのユニークな顔を作り出した。


インデペンデントっぽく堅固になる可能性もあったREDVELVETの世界はしかし、「7月7日」と「ロシアンルーレット」を経てやや方向性を失った。 「Dumb Dumb」の次に出した「7月7日」は浮き立つ雰囲気の「RED」とは反対に落ち着いた「VELVET」コンセプトの一部だと理解するとしても、優雅さが目立っていた「BeNatural」や「Automatic」とは違って、せつなさと哀れさに近い情緒を伝えた。 グラフィックを活用して曖昧なイメージを作り出すREDVELVET特有のビジュアル作業とまともに一致するわけがない曲だ。 さらに、「ロシアンルーレット」ではメンバーたちにブルマーに近い体育服やテニススカートのような衣装をともに与え、当時多くのガールズグループが持っていた無垢なガールズグループ・ファンタジーにまで合流した。 現在アイドル産業で一つ一つのグループに与えられる時間はそれほど長くなく、そのために一度や二度のミスはグループの全体のストーリー性を崩したりもする。 話と世界観を堅固に構築することが最近のアイドルグループにとって最も重要な資産であることをEXO、そしてソルリ脱退以降のf(x)を成功的に再ローンチさせたSMエンターテインメント(以下、SM)が知らないはずがない。 しかしREDVELVETには自分たちだけの話を示せる機会が与えられず、これはグループ全体を貫く一貫性のある企画の不在と見ざるを得ない。

 

そしてその間、SMではない他の企画会社もREDVELVETと類似したムードのビジュアルディレクティングを見せてくれる。 色とりどりの色彩と細やかなオブジェに秘密の少女たちの世界を構築したビジュアルコンセプトを見たいなら、LOVELYZとOHMYGIRLはもちろん宇宙少女という選択肢まで存在する。 右往左往する間にREDVELVET固有のキャラクターは曖昧になっており、最も大きな強みだったビジュアルは他のチームでもいくらでも真似ることのできるようになった。 REDVELVETの前作よりも特に「Rookie」の短所に対する指摘が多く出ているのは、そのような理由からだ。 今回もミュージックビデオをはじめとするビジュアルはキッチリしていて複雑だが、すでにREDVELVETはもちろんガールズグループたちの間では数十回は見たような既視感を生む。 印象的な瞬間を作り出すことができない「Rookie」はビジュアルやパフォーマンスを含めたコンテンツ全体を率いる存在感が弱い。 結局、REDVELVETは似たり寄ったりの背景で似たり寄ったりの感じのコスチュームだけを着替えて成長しない人形のような少女たちというイメージが残っている。 「Rookie」の歌詞のように、これがREDVELVETという「感覚的な感じ」だけを残したまま。

 

 

文|ファンヒョジン
校正|キム・ヨンジン

 

【ize訳】NCTの未来はどこに向かっているのか

【ize訳】NCTの未来はどこに向かっているのか

2017.2.23


http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017021923057294698


SMエンターテインメント(以下、SM)の新しいボーイズグループブランド、NCTがどのような概念のものなのかを一気に理解することは容易ではない。 2016年4月にはユニットを意味するNCT Uが、7月にはソウルの経度からグループ名をつけたソウル基盤のグループNCT 127が、それから間もなく8月には10代のメンバーだけで構成されたNCT DREAMがデビューした。 今年1月にカムバックしたNCT 127には7人の従来のメンバーにジョニーとドヨンが新たに追加された。 NCTという名前を同じようにつけているにしても、深い関心を持たなければそれぞれのチームが何を意味するのか、メンバー構成はどう違うのかを知ることさえ難しい。 SMがNCTデビュー直前に公開した「The origin」から「Synchronization of your dreams」、「7th Sense」まで三本のティーザー映像を見ても同じだ。 砂漠に取り残された小さな男の子、夢から覚めたようにひとりずつ登場するメンバーたち、中国のどこかを背景に武術の動作をしている「The origin」で登場した場面を思い出させるメンバー、ウィンウィン。NCTをめぐる世界観はきっと何かあるようだが、まだ明確に知ることはできない。

 

昨年1月にイスマンSM総括プロデューサーはプレゼンテーションショーに直接登場してNCTを「Neo Culture Technology」の略だと紹介し、「ソウル、日本の東京、北京、上海をはじめ東南アジアと南米の主要都市に基盤を置いて、現地活動や相互協力活動を一緒に進行する新たな概念のチーム」と発表した。 さらに重要なのは「メンバーのスカウトが自由、メンバー数に制限がない」開放性と拡張性という概念だ。 クリスとルハン、タオが脱退したEXOの事例で経験したように、グローバルステージを攻略したSMの現地化戦略は予想しなかった危機にぶつかっており、その時ごとに世界観を再び整えなおさなければならなかった。 メンバーの加入と脱退と変更が自由なNCTは、そこで発生するリスクを減らすことができる方法だ。 それぞれ違うキャラクターのボーイズグループを別々にデビューさせることもあるが、EXO-KとEXO-Mのように同じ名前を共有するチームが一緒にデビューした時に海外での知名度を築くことは、より簡単になる。 万が一問題が生じたときは、メンバーを交代したり辞めさせたりしたとしても、グループのコンセプト的には無理は生じない。

 

ただし、これはNCTというグループが十分な一体感を見せてくれたときにこそ可能な結果だ。今までに明らかになった「 NCT」は一つのチームをポイントにするというより、見る人々にとって、それぞれのチームを網羅する世界観とコネクションがあると信じさせる最小限の装置だ。デビュー以前に公開された3本のティーザー、そして時折NCTのメンバーたちが全員一緒に出演するSMの自主製作映像を除き、15人のメンバーを一つのチームとみなすことができるコンテンツはまだない。 「地球外惑星から来た超能力者たち」ちという、やや幼稚だが直感的だったEXOのストーリーのように、NCT全体を合わせた話はそれぞれが異なる空間でありまた別の自分の存在を発見することになるという「無限的我(NCT 127)」のような曲で少しずつ明らかになった程度だ。 NCTという大きな枠組みでの一体感は不足している。

他のどんな企画会社よりも興味深いストーリーとコンセプトでアイドル市場を占領したSMは、それに伴うリスクを減らす方向へとパラダイムを転換した。 NCTをローンチした後、グループの間に大きな期間を置かずに順番に活動させるほどの膨大な資本とノウハウこそ、企画力に先立って他の会社が追いつけないSMの武器でもあるだろう。 今のところは曖昧だが、活動が積み重ねっていけばNCT全体のストーリーもさらに堅く押し固められるかわからない。 しかしその間、NCTに対する疑問も着々と累積されていく。 純粋な愛を歌う歌詞とは違い、女性教師を性的対象化したNCT DREAMの「最後の初恋」ミュージックビデオのように社会的問題には鈍いというだけでなく、一つのグループをどのようなキャラクターで一貫性があるように描かなければならないか、未だ心を決めていないという事実が明らかになったりもする。 このような問題を克服してNCTのうち一つのグループ、あるいはNCT全体がきちんと「爆発する」瞬間は来るのだろうか?SMだけが可能なこの企画の未来には果たして何が待っているか、依然として曖昧である。


文|ファンヒョジン
校正|キムヨンジン

 

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「万が一問題が生じたときは、メンバーを交代したり辞めさせたりしたとしても、グループのコンセプト的には無理は生じない」

コンセプト的に無理はなくてもファンの気持ち的にはどうかな...?

 

NCT全貌が見えないから一体感が感じられないという指摘もそうだと思うんですが、個人的にNCTのコンセプトに欠如してるのってぶっちゃけるとshipper的な視点なのではないかと...

I.O.Iの記事でも書きましたが、特に男性グループのファンって推しメンもいるけどグループで推したい、パフォーマンスにしろそれ以外の点にしろこのグループのこのメンバーのケミストリーがいいんだという層がマジ恋オンリー推し以上に結構多いし、そこの吸引力が弱いグループは成功するのは難しいのではないかと思います。韓国のファンは日本のファンよりは個人推しが多いのかもしれませんが(サイン会でよく揉めてるし)最終的にはいちばん強い財政基盤になってくれるのは日本と中国のファンドムでしょうし。

メンバー入れ替え自由ってどうしてもその辺だいぶないがしろなコンセプトな気がしてしまいます。その辺NCTはどういうつもりなのかな...という疑問が拭えなくなったのが、それぞれのユニットのデビューフィジカルアルバムを買ったんですが、ブックレットその他にメンバーの個人が特定できるものがなかった事です。

普通新人のファーストアルバムって「この人は◯◯っていうグループの◯◯です。よろしく」っていう名刺がわりになるものだと思うんですが、そういうものが全くない。そもそも個人が識別できてるファン以外買わないからだろうというのもあるんでしょうけど、結果グループや曲のイメージとしてのビジュアルはあるけどグループの中の個人はあえてわからないようになってるというか。

少なくともEXOまでは各メンバーを個体識別できるページがありましたけど、NCTはそれが全然ないのでガチガチのファン以外が見たら誰か抜けたり入ったりしても本当にわからないだろうなと思いました。よく言えばフレキシブル、悪く言えば今まで以上に個人<システムというか。

 

最近DREAMが結構人気が出てるみたいですが、今のDREAMって本来のメンバーより1人病欠(?)状態なわけで、このまま売れたらさらっと6人ですみたいな体で進んでいきそうで、もしそうなったら恐ろしいシステムだな...と余計な心配をしてしまいました。

スマン会長はSUPER JUNIORではモーニング娘。のシステムをやりたかったけどファンの猛反対にあって頓挫したので、今回のAKBみたいなシステムは絶対やってみたかったんだろうか...

 

 

 

 

2016 GAONチャートを振り返る②[本命の音源チャート編]

[CD音盤チャート編]

 http://nenuphar.hatenablog.com/entry/2017/02/22/135725


次は本丸の音源ランキングです。
すでにCDショップというものがほぼ絶滅した韓国ですので(シンナラ店舗がなくなった衝撃は個人的に結構大きかった)音源売り上げが真の国内での「音楽が売れた」というバロメーターと言っても過言ではないでしょう。CDとかもはやグッズ扱い。
ストリーミングに関しては深夜寝てる間にノンストップでエンドレスで回すというオタクの回数上げ手法が定着してたり無料券とか色々と雑な要素が入ってきますので、ここではダウンロード販売数ランキングだけ載せておきます。

*10位まではすべての順位を載せましたが、11位以下はアイドル関係の曲と三大事務所の曲、話題になったり何かの目安になりそうな曲だけ載せておきます。OSTが多かったというのとヨボセヨおじさんことイムチャンジョンの偉大さは記しておきます。

 

黒文字→男性グループorソロ・ユニット
赤文字→女性グループorソロ・ユニット
青文字→男女混成デュエット・グループなど

タイトル紫文字→TVなどの企画モノ・OST
(これは後で訂正追加します)

△2014デビュー

○2015デビュー
☆2016デビュー


1. 時を越えて(Rough) /GFRIEND 190万3126 ○
2. CHEER UP/TWICE 183万9566 ○
3. どこにも(어디 에도) /M.C the Max
4. この愛(이 사랑)太陽の末裔OST Davichi
5. あなたを愛していない(널 사랑하지않아) Urban Zakapa
6. You are my everything 太陽の末裔OSTGUMMY
7. 君は俺 俺は君(너는 나 나는 너) /ZICO(Block.B)
8. 忘れないで(잊 어버리지만) feat.テヨンfrom少女時代 / CRUSH
9. ALWAYS 太陽の末裔OSTユンミレ
10. 넌 is 뭔들(you are the best)/MAMAMOO

 

音源では女子グループとヒットドラマのOST強し!という感じですね。
特に「太陽の末裔」はドラマの大ヒットもありほぼ全曲入ってるのではという勢いでした。
他はバラードグループの雄M.C the MaxやCRUSH・ZICO・Urban Zakapaが食い込んでるところを見ると、ジャンル的にhiphopR&Bが優勢なのは変わらないようです。関係ないけどM.C the Maxは昔XのYOSHIKIプロデュースで曲を出していたなあ。INFINITEにも曲提供してたり。


12. 空を見上げて/ウンジ(Apink)
13. Dream / スジ(missA)&ベッキョン(EXO)

音盤では目立っていなかったウンジソロですが、実は女性アイドルソロ単独曲ではいちばん売れていました。
ベッキョン&スジデュエットも
随分売れていたイメージですが、2016はわりとロングヒットの曲が目立ったので結果的に10位以内には入らなかったようです。ベッキョンはここまま絶対売れそうな女性歌手とデュエット専になって行くんです...?('ㅅ')

 

15. この物語の結末をまた書いてみようとして / ハンドングン△

 

この曲は2014年にリリースされたハンドングンのデビュー曲なのですが、超逆走でEXOと争って音楽番組で1位までになった凄い曲です。元々は「偉大な誕生」というオーディション番組でデビューしたハンドングンですが、この曲のリリース当時はパッとしなかったものの、2016年に「覆面歌王」と「デュエット歌謡祭」に出たことで突然2年越しで大ブレイクしました。所属事務所のPledisも(たぶん)びっくり。

 

16. Rain / テヨン(少女時代)
17. OOH-AHH 하게(2015.10リリース) / TWICE

 

テヨンのRainもかなり売れた気がしてましたが(実際売れたんですが)ウンジの方が上でした。問題の(?)SM STATIONからリリースされた中ではいちばんヒットした曲ですね。
そして前年の10月にリリースしたTWICEのデビュー曲がまだこの順位に。

 

20. ため息 / イハイ

 

ジョンヒョン作の曲ですね。音楽番組1位はとらなかったものの堅実に売れています。

(※記事を読んでくださった方が2回一位をとっているはずと教えてくださったので確認したところ、Mカと人気歌謡で1位をとっていました。すみません!)

 

22. Everytime 太陽の末裔OSTチェン(EXO)&PUNCH

 

元せぶち候補生かつ元1PUNCHのサミュエルくんとチェンのデュエット曲です (※これまた教えてくださった方がいたんですが、OSTで活躍されている女性歌手の方のPUNCHさんという方だそうです!とんでもない間違いをしてしまった〜すみません!ドラマ見ていなかったのでMVも曲もちゃんとチェックしてなかったのですが、最近出たチャニョルとの曲も同じ方でした)

K.Willも14位だし「太陽の末裔」OSTは本当に参加したもの勝ちだったかもしれない。

 

24. D(half moon) / DEAN ○
25. 今日から私たちは(Ma gustas tu) (2015.12リリース)/ GFRIEND
26. Why So Lonely / Wonder Girls
27. あなたとわたし (NAVILLERA) / GFRIEND
28. Boys and Girls(2015.12リリース) / ZICO(Block.B)
29. So So / ペクアヨン
30. 戻ってこないで feat. ヨンジュニョンfrom BEASTHeize

 

この辺の曲までは一気に売れたというより、じわじわ何ヶ月もチャートで見かけた中長期ヒットが多いと思います。ヨジャチングはデビュー曲「ガラス玉」以外全て30位以内に入っていました。

 

32. Day Day (Feat. 박재범) (Prod. by GRAY) / BewhY[SHOW ME THE MONEY5 ]△

 

「無限に挑戦」と並んで曲が売れる番組「SHOW ME THE MONEY」シーズン5でいちばん売れた曲ですね。2016年いちばんのrisingラッパーであり、今年年男の93lineです。

 

33. TT / TWICE

 

長期にじわじわ売れる傾向のTWICEは2ヶ月では大体100万DLくらいでした。

 

36. Whistle / BLACKPINK

 

このあたりが100万DLの境目になります。BLACKPINKは99万DLですね。ちなみに2016デビュー組で100位以内に入っているのはポルパルガンサチュンギ(赤い頬の思春期)(23位「宇宙をあげる」123万7970DL)とBLACKPINK、後で出てくるI.O.Iのみです。

 

41. RE-BYE / 楽童ミュージシャン △
42. Russian Roulette / REDVELVET

 

そろそろお気づきかと思いますが、ここまでの順位でまだ男性アイドルグループの曲は1曲も入っていません。
SMEのグループではREDVELVETが音源DL数がいちばん多かったという事になります。

 

46. Toy / Block.B

ようやくここで初の男性グループのランクインです。つまり2016年にいちばん単独音源が売れた男性アイドルグループはBlock.Bでした。

 

49. Pick Meプロデュース101
50. 自責の念 / パクキョン(Block.B) feat.ユナ(GFRIEND)
51. 沒我愛 / SISTAR
52. 息 / パクヒョシン

 

プロデュース101関連でいちばん売れたのはなんだかんだでPickMeだったようです。
男性アイドルソロでいちばん売れたのは間違いなくジコですが、その次がパッキョンソロなのでブロビは凄いですね。

 

57. 愛だった feat.ルナ from f(x) / ZICO(Block.B)

61. Spring Love / エリックナム&ウェンディ(REDVELVET)
62. I MISS YOU / MAMAMOO
63. とてもとても / I.O.I
64. 同じ場所でプロデュース101
65. If you / Ailee

67. Bye bye my blue / ベクイェリン
68. Monster / EXO
69. エウレカ feat.Zion.T / ZICO(Block.B)

71. I feat. Verbal Jint / テヨン (少女時代)(2015年リリース)

76. Ah-choo / LOVELYZ8

 77. FIRE / 防弾少年団

79. SENTIMENTAL / WINNER △

 

2016のテセドルだった防弾のランクインしている曲がFIREだけで、WINGSの曲がないのがファンドムの複雑さを感じました。(って書いたんですが、計算してみたら防弾の今のDLペースだと2ヶ月で60万DL以上いくのは難しいという事がわかったので単純にリリース時期のせいみたいでした)そしてDL数だけだとWINNERもそんなに変わらないという。本来だったら年末年始の式典や授賞式に呼ばれてしかるべきだったんだろうな..と若干しんみり。

 

87. 23 / IU (2015年10月リリース)
88. 私たち友達でいればよかった / GUMMY (2013年リリース)

 

この曲はGUMMYがYGにいた頃にリリースされた曲ですが、2016にGUMMYが歌うOSTがヒットしたために逆走で売れたようです。

 

90. Decalcomanie / MAMAMOO
91. 人々が動くのが / 楽童ミュージシャン △
92. Playing with fire / BLACKPINK
93. WHY / テヨン(少女時代)
94. Don`t Cry / 町内音楽隊長

町内音楽隊長とは「覆面歌王」で音域の驚異的な広さから一番話題になった人物で、正体はクッカステンのメインボーカルのハヒョヌでした。
コンピレーション音源を聴くと、上はもちろん下の音がしっかり出るのが凄いです。

 

  

97. How can you love me 太陽の末裔OST / XIA(JYJ)
98. Good Luck / AOA
99. 11_11 / テヨン(少女時代)

99位のテヨンで66万8462DLでした。

アイドルソロでいちばん売れたのはジコでいちばん多くランクインしたのもジコとテヨンでしたね。この2人はすでにアイドルペンドムを抜けてそれぞれが個人アーティストとしての人気があるのではないかな。
OSTやデュエットを除いてアイドルソロで100位以内に入っていたのはジコ・ウンジ・テヨン・パッキョンの4人だけでした。IUも入れるか微妙ですが、2016はカムバしてないし「23」は2015の曲だしなぁ。


アイドルグループの音源ランキングを上位から順に抜き出してみます。

 

GFRIEND
TWICE
WONDER GIRLS
BLACKPINK
REDVELVET
Block.B
SISTAR
I.O.I
EXO
LOVELYZ8
防弾少年団
WINNER
AOA

 

100位以内に入ったのが13組、そのうち女子グループが9組で男性グループは4組です。
元々音源は女子グループの方が強い傾向がありますが(おそらく、いわゆるゆるオタが男性グループより多いため)音楽そのものが一般層への商品になっている音源ダウンロードチャートだと男性グループの弱さが目立ちますね。

(BIGBANGだけが毎度例外なんですが、アルバムが年をまたいだので諸々ランクインしてなくてもらうとしたら今年の年末か来年か...)


会社別に見るとランクイン数はYGがAKMU・イハイ・BLACKPINK・WINNERの4組(曲出して活動した人達は全てランクインしてますね)SMがテヨン・REDVELVET・EXOの3組、JYPはTWICE・ペクアヨン・ベクイェリンの3組でした。
SMに関しては音源専門のSM STATIONが始動して50曲近く曲を出しましたが、100位以内に入ったのはテヨンのRainとエリックナム&ウェンディのSpring Loveの2曲だけでした。


音源上位を見て思いましたが、ヨジャチングの売れ方は今までの女子グループが一般的にブレイクする売れ方なのですが、TWICEは音源も売れてるけどフィジカルのCDも売れてるんですね。これはオタクと一般層が両方強くついているという事だと思うのですが、こういう売れ方をしたグループって過去を振り返ると少女時代くらいしか思い当たらなかったりします。

 

そしてチャート上部に入った曲たちを見ていてぼんやり思ったのが、やっぱりオタクでない韓国の人々は、カラオケで気持ちよく歌えたり一緒に歌ったり踊れたりする曲を求めているんじゃないかという事でした。
韓国のアイドル業界はここ数年どんどんパフォーマンスも曲も先鋭化される傾向にあって、特に男性グループは大型化とパフォーマンスに高度なテクニックが必要とされるものが一般的になり、気軽にカラオケやダンスコピーするのがどんどん難しくなっていってるのではないかと思います。それは音楽好きとしてはとてもワクワクして面白く楽しい状況ではありますが、一方で日常的に気楽に聴いて一緒に歌ったり踊ったりできるという親しみやすさからは離れているのは感じており、そんなに細かい事考えて音楽を聞かないという一般層は置いていかれていたのがEXOのウルロン以降の約5年間の状況だったのではないでしょうか。
アイドル自体も一般層が誰でも名前も曲も知ってるというと、2008年デビュー組くらいまでな感じがします。

 

でも、いわゆるKPOPが巷に広がっていった起源と言われている(?)ワンガのTell Meなんかを思い出すと、ブラックミュージック要素バリバリの曲だけどパフォーマンス自体は即宴会芸でできそうだしやったらウケるだろうなっていう、ファン以外が入りこめるシンプルな楽しさがある曲なんですよね。いろんな市井の人々がダンスコピー動画を動画サイトにいっぱいあげてたりして。SorrySorryとかGeeとか、当時はそういう普通の人のすぐ側にあるアイドルの曲が多かったように思いますし、だからこそ世界中に広がっていったんじゃないのかなと思います。

 

そういう歴史があり、その後オタクとそれ以外の世界の乖離が年々広がっている状況で、2015〜2016に現れたのがTWICEで、まさにこの「普通の人がすぐ真似できるし楽しく歌える」っていうのにズバッと当てはまったのではないかと思いました。

(オタクは放っておいても自然に増えていくので...)
KPOPずっと聴いてる玄人の人にはどこがいいのかわからないなどど言われたり一部歌唱クオリティなどをdisられたりするのを見かけたりしがちですが、テクニックとかそういう事じゃないんだよ!メンバーと一緒に歌って踊ったら絶対楽しい曲だしハッピーなダンスじゃないか!!って言いたくなってしまいます。TWICEによって一般層もアイドルの楽しさを思い出したんじゃないかなというか。
例えば私は日本の女子アイドルにはオタク的には全然興味がないんですが、それでもフォーチュンクッキーとかヘビーローテションとかカラオケなんかで踊ったら楽しいし、推しを決めて総選挙を見たりするのってワクワクして好きです。そういう楽しさと同じようなものを感じます。

 

idologyのコラムに「アイドルは誰にでも開いている本のようなものだ」という素敵なフレーズがありましたが、本当に本来アイドルというのはファンやオタクだけのためではなく大衆全てのために存在するものであって、そういうアイドルの存在がTWICEによって大衆の方に返ってきたのかなと思いました。

 

無駄に長くなってしまいまして、今まさにGAONアワード2016見ながら打ってるんですけど、諸々の結果を目にして賞って誰のためのなんなのかね〜などと思いつつ終わります。

2016 GAONチャートを振り返る① [CD=音盤チャート編]

 

他の訳をのんびりやっていたのですが、2/22にGAONアワードがあるのを思い出したのでその前に書きかけだった記事を先にテキトーにまとめる事にしました。

 

ちなみに韓国にはすべての販売量やストリーミング数をまとめる日本のオリコンのような統一チャートがないのですが(音楽番組のランキングもあくまで番組内で完結している集計方法ですし)その中でも国内での販売量だけだとGAONがいちばん参考になるだろうということでGAONを振り返ってみます。
(ちなみにHANTEOチャートは国外も含めた登録販売業者内での販売チャートですので、韓国外での売り上げが反映されやすいです)

 

まずは2016年度のフィジカル(CD音盤)販売数から。
繰り返しになりますが韓国ではアイドル関連以外のCDがほぼ全く売れないという状況を反映して1〜100位までほぼ99パーセントアイドルグループ・もしくはアイドルソロか元アイドル(JYJとか元2PMのパクジェボムとか)でした。

100位中唯一アイドル関連ではなくランクインしていたのが、ヘッニムことパクヒョシンのアルバムでした。もちろん音源ではもっと売れてるんですが、ホンビン(VIXX)の熱狂ぶりを見るとある意味アイドルでいいのかもしれません。アイドル以外の歌手の中で唯一というのはすごいです。ソロだとチョーヨンピル以来かも?(調べてないけど)

 

というわけである程度のファンドム規模参考になりそうな10位までだけ。

 

1. WINGS (防弾少年団) 751301
2. EX'ACT KorVer.(EXO) 549378
3. For Life (EXO) 438481
4. 花様年華 Young Forever (防弾少年団)

※リパッケージ 368369
5. Coaster_LANE1(TWICE) 350852
6. Hey MAMA!(EXO-CBX) 275191
7. Lose Control (LAY/EXO) 274238
8. EX'ACT ChiVer. (EXO) 247899
9. LOTTO (EXO) ※リパッケージ 232564
10. FLIGHT LOG_TURBLENCE (GOT7) 225617

 

 

現状EXOのファンドムがいちばん大きいので、2016に出たアルバムがユニット含めて全部10位以内に入るというそのまんまの結果に笑
11位以下は順次グループ別だとSEVENTEENSHINee・INFINITE・VIXX・MONSTA X・BIGBANG・I.O.I・NCT127・UP10TION・WINNER・TEENTOP・BEAST・Sechskiesとつづきます。年代変わらずやはりボーイズグループが強いですね。

 

100位まで見ていくと特徴的なのが防弾少年団の過去アルバムが全てランクインしていることで、つまりこれは2016年に新規のファンになった為に遡って買った人が結構いたという事ではないでしょうか。
EXOがXOXOでブレイクした2013〜2014の間にまったく同じ現象が起きていたため、2016はまさに防弾少年団の年だったということかもしれません。
また唯一ベスト10に入った女子グループであるTWICEの売れ方にとても特徴がありましたが、これについては後ほど音源売り上げランキングの方でまとめたいと思います。


2016の日本のCDアルバム売り上げランキングを見ると、1位だった嵐の「Are you happy?」が推定累積売上数74万7115枚なので、アルバムだけで比べると防弾少年団の方が嵐より売れたという事に...EXOは宇多田ヒカル「Fantome」よりちょっと少ないくらいですね(推定累積売上数56万9963枚)。シングルCDの売上枚数ではAKB48の「翼はいらない」が累積売上枚数151万9387枚で1位で嵐も80万枚以上売れてるので、日韓で比べるのは難しいですが。

GAONは韓国内のみの売り上げとはいえ国外からも買ってる人はたくさんいると思いますが、現在1・2番目に購買力が高そうな韓国以外の国であろう中国でのファンカフェ人数ランキング1位のEXOとは違って、防弾少年団の中国でのファンドムがまだそれほど大きくない事を考えると他の国のペンドム規模が結構あるということで、これは結構すごい事のように思います。

ついでに100位以内に入っていたグループからのソロ活動アルバムCD売り上げランキングも記しておきます。
(人によっては複数ランキング入りしてたりミニアルバムとフルアルバム混在ですが、いちばん売れたアルバム基準です)

 

7.LAY(EXO)
18.テミン(SHINee)
19.テヨン(少女時代)
30.ジェジュン(JYJ)
31.ウヒョン(INFINITE)
33.ジェシカ(元少女時代)
43.ユチョン(JYJ)
47.ティファニー(少女時代)
52.ジョンヒョン(SHINee)
63.XIA(JYJ)
64.キュヒョン(SUPER JUNIOR)
65.イェソン(SUPER JUNIOR)
70.ウンジ(Apink)
72.リョウク(SUPER JUNIOR)
89.サンドゥル(B1A4)
84.Jun.K(2PM)

 

2016は今まででいちばんソロデビューが多かったかも?アルバム出してなくて音源のみの人も入れるともっといましたし。これも音盤はシンプルにファンドム規模を反映しているようですが、音源ランキングだと結構がらっと変わってきます。

 

本命の音源チャート編に続きます。

 

[音源チャート編]

http://nenuphar.hatenablog.com/entry/2017/02/22/211313

 

【ize訳】スジのソロ vs ソヒョンのソロ


【ize訳】スジのソロ vs ソヒョンのソロ
2017.01.31

 

http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017012912037237959&pDepth1=i2301

 

長い経歴のアイドルグループ出身だが、ソロ活動は初めてだ。 そして、これまで見せてくれたイメージとは異なる方向をそれなりに模索した。 同じ時期に発表されたスジとソヒョンのソロについて、ファンヒョジン記者と音楽評論家ソソンドクがそれぞれ話した。

 

「Yes No Maybe」、スジの「美しさ」だけが残った

 

「Yes No Maybe」のミュージックビデオは、あからさまにリファレンスを示している。 全体的に赤い色が際立つトーン、揺れる画面、香港の街など実際に香港オールロケにより撮影された映像は映画「恋する惑星」や「花様年華」「天使の涙」などの作品を想起させる。 映画を詳しく知らなくても、簡単に把握できるほどだ。 この中でスジはこれまで見せた姿とは少し異なる顔を延期する。 薄いスリップワンピース一枚だけを纏ったまま香港の夜の街をふらつきながら歩いて、呆然とした表情で濃い色の口紅をやたらに塗りつけながら、ベッドの上で恋人と時間を過ごしたりもする。 さらに、最後の場面ではスジが自分から去った恋人と彼のそばにいる誰かを殺したという事実が暗示される。 適度にに清純で適度にセクシーで、でも危うくて危険そうなイメージ。 要約すれば、「Yes No Maybe」のミュージックビデオはスジの裏の面を紹介するために企画されたものだ。

 

スジはいつも晴ればれと明るくて優しい女の子だった。 彼女が所属しているmissAはデビューの頃から挑発的で侮れない女性を謳っていたが、ステージでのスジとスクリーンでのスジは同じ一つの文脈に移されなかった。 VITA500等の広告や映画「建築学概論」などを経て彼女が獲得したキャラクターは、ビタミンのような少女、あるいは「国民の初恋」だった。 しかし繰り返されるイメージには限界があり、これ以上そこに滞在できない状況で少し他のコンセプトである「Yes No Maybe」は妥当な選択のようにも見える。 問題は本当にこれがスジに新たなキャラクターを付与しているのかどうかだ。 ミュージック・ビデオのリファレンスも直観的だが既に時期外れのもので、はるかに破格的に演出することができたであろう設定に退屈に蓋をする。 「声を聞けば明らかにわたしの心がまた揺れてしまう」、「二度とあなたに会わないと決めたのに またあなたに向かっている」など、離れた恋人に揺れる女性のストーリーもまた、2017年の今は古臭く聞こえざるを得ないが、ミュージックビデオで消極的に試みた「逸脱」を反故にしている。 最初から最後まで苦しそうな呼吸の歌、セクシーな雰囲気を漂わせつつもやり過ぎではない振付を、missAのメンバーとしてではなくひとりでも十分消化したのは確かにスジの力である。 ただしこれらの長所も、何一つ目立たないコンテンツの中でそれなりにうまくやり遂げたという程度で埋もれてしまっている。

 

結局、残るのはスジのビジュアルだけだ。 「Yes No Maybe」のティーザーがインスタグラムサイズの短いクリップで作られたように、振り付け映像でもミュージックビデオでも唯一スジの「美しさ」だけが切りはなされて後々まで見たいほどの強い印象を残す。 初恋の少女のようにこんなにも美しかったスジが、あんなことをしても美しいという証明。少なくともスターの魅力を削って食ってしまっていないのはコンテンツとして重要な役割だが、だからといって皆がすでに知っていたスジの美しさをただ損ねない範囲内でとどまった「Yes No Maybe」を成功だと評価できるかは疑問だ。 それは何枚かのファッショングラビアでも可能なことだからだ。 そして、この活動が成功的な企画であったか否かは、俳優としてまたは歌手としてスジの後の行動と成果を通じてさらに確実に判断できるだろう。

 

ファンヒョジン

 


「Don't Say No」、ソヒョンが選択したソヒョン

 

ソヒョンはソロアルバム「Don't Say No」発売後、しばしば自分自身を「新人ソロ歌手」と表現した。 行き過ぎた謙遜の表現かもしれない。 彼が所属している少女時代は今年10周年を迎え、生きる伝説に近い立ち位置になっている。 しかし、MBC[夜]「覆面歌王」でソヒョンは個人技でワンダーガールズの「Tell Me」とドラマ「X-Files」のモノマネ演技を披露しながら自分の実際の声を長く露出し、1ラウンドではプロとアマチュアの違いを明確に表わして2ラウンドを経て、普通の出演者とは全く違うレベルの歌や舞台マナー、振り付け消化力を見せてくれた。 しかし、キムソンジュが一人でやきもきする姿が面白いほど判定団の誰も彼女だと予想しなかった。 理由は二つのことだ。 まず、誰も「少女時代のソヒョン」が「覆面歌王」に出演すると簡単に期待していなかったこと。 そしてもう一つは、人々は思ったよりもソヒョンの声をよく知らなかったということだ。

 

彼女が少女時代のメンバーとしてうたう曲では彼女は曲中で最も多く登場する声に属するが、それをソヒョン個人として認識できることはあまりない。 さらに、テティソの三人のうちひとりだが、すでに大衆的に刻みこまれたテヨンやティファニーに比べ、ソヒョンの声を別途で言及することは多くない。 要するに、ソヒョンの歌は「少女時代の声」だったのだ。 ソヒョンであることを知って聞く「覆面歌王」ステージはその証明だ。 人々は少女時代のヒット曲で聞いたその唱法を、声と顔を隠して歌う完全に他のアーティストの歌を通じて再確認する経験をした。 彼女が自分を「新人」と表現する時、ただ謙遜したり「初心」を表現すること以上の複雑さが盛り込まれる理由だ。

 

その複雑さは「Don't Say No」を作った過程と結果にそのまま投影されている。 彼女が様々なチャンネルを通じて明らかにしたように、最初ソロプロジェクトを開始した時に所属事務所は少女風、正確には「末っ子風」のタイトル曲を推薦した。 大衆が認知している「少女時代のメンバー」に似合う歌、「正しい生活の少女」という公式に近いイメージを反映した意見だろう。 しかし、ソヒョンは固定的なイメージに滞在したり、逆に急激でぎこちない成人式を行うことよりもよい選択をした。 少女時代の中で十分な実験を経たR&B、ポップスで自分の話をすることを。 SMエンターテインメントはこの分野で独歩的な資源と力量を投入できる会社であり、実際に最近一時よりもスムーズな結果を出している。 ビジュアル面でも戦略は類似している。 復古コードでセクシーなイメージを中和したりしながら、ひそかに破格的なビジュアルを挿入する余裕を得る方式はすでに「Mr.Mr.」で追求したものだ。 自ら歌詞を書いて1人で歌全体を消化するというのは、単純な資本の問題ではない。ソヒョンは過去10年間で少女時代として成長し共有したが、「末っ子」のイメージには及ばなかった成人アーティストとしての地位を一気に捕まえた。

 

ゆえに「Don't Say No」は、アイドルが自分のアイデンティティを見つける過程に対する特異な例示の一つとして残るだろう。 普通は自らが創作者の位置に上がって「脱アイドル」を狙うというのが最もありふれたものでありつつも、明確な方法だ。 またはジョンヒョンの例のようにシステム自体を十分に活用する方法を探す賢い方法もありうる。 ところが、ソヒョンは自分に向けたディレクティングを自ら変えてしまった。 その結果、ソヒョンを眺めるスタイルは完全に変わった。 今どのようなアイドルが自らそれをやり遂げられるだろうか。

 

ソソンドク(音楽評論家)

 

文|ファンヒョジン、ソソンドク


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過去の記事も合わせて読むとファンヒョジンさんは明らかにフェミ寄りのライターさんのように感じるのですが、その視点から見るとmissAがあんな感じだった分スジの曲のMVに対する評価はそうなりますよねという感じです。そもそも今のスジファン層を考えると、少し年代が上の男性も多そう(まさに「建築学概論」で己の大学時代を懐かしむような...)だと思うので、そういう層はそんなに逸脱したものは好まなさそうというか。YES NO MAYBEの歌詞もそこはかとなく不倫の香りがしなくもない。個人的にはmissAとドリームハイがかなり好きだったので今のスジはそんなに興味がもてないんですが、建築学以降のスジのおかげでJYPが助かったことを考えると複雑な気持ちです。スジのアルバム、実際売れてますしね。

一方のソヒョンは逆に自分の意志をガツンと出してきた感じが面白いです。ソシのファンは男性が多いイメージですがMAMAの投票割合などを見ると女性も結構多いですし(日本でも女性ファン多いし)最近のSMのガールズグループはどちらかというとガールクラッシュを意識している感じなので、この選択を許したのもなんとなく納得しました。

 

ところでスジのMVのイメージソースと思われる「恋する惑星」「花様年華」「天使の涙」いずれもウォン・カーウァイ監督映画ですね。ウォン・カーウァイ風というか撮影担当だったクリストファー・ドイル風の意匠はここ1・2年のKPOPのビジュアルイメージに頻繁に見られるように思います。防弾少年団はそのままアルバムタイトルとして作品名を拝借していますし、TWICEのMVのジョンヨンパートなどちょっと思い出しただけでもいくつか出てくる程度には流行っているのでしょうか。
一方でソヒョンソロだけでなく最近のSMのパキッとしたレトロな色彩は90年代〜2000年代初頭のTrattoria Recordsのジャケットデザインみたいで、ひょっとしたらまさにその時代に日本でイケてるとされていたテイストが今韓国で流行ってるのかなと。
おしゃれ雑誌の紙面デザインなどもグラビアに文字をほとんど入れず、フラットな写真(切り抜いたりしないで余白多めにとった四角い写真そのままとか)を主役にしてるのが多いのも、当時の日本のおしゃれ雑誌でよく見られたレイアウトみたいです。ざっくり言うと「海外の雑誌っぽい」というか...本当にざっくりだな。

同じ時代の韓国はまたテイストが違うので(まだ日本の文化が全部は解放されてなかったのもあるのかも)、今まさに日本の90sリバイバルを何故か韓国で感じます。
(日本でも80sが終わって90sリバイバル来てるっぽいですが、記憶が曖昧な時代の話なので正直境目がよくわかりません)