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サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【idology訳】ジェフ・ベンジャミンインタビュー②「究極のパッケージ、もっと多様性を」

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【idology訳】ジェフ・ベンジャミンインタビュー②「究極のパッケージ、もっと多様性を」

 

http://idology.kr/5281

 

 

nenuphar.hatenablog.com

 


キムヨンデ:最もきれいなアイドルは?

 

ジェフ:ああ...ちょっと待ってください...(しばらく間が空いて)そうだなあ。SPICAのジウォン。真の美しい女性だ。あとはWonder Girlsのユビンとヘリムもきれい。

 

キムヨンデ:ユビンは直接話をしてみるとより魅力的に感じられるようだ。典型的な韓国女性という感じでもない。

 

ジェフ:正直に言うと惚れてしまったようだ(笑)英語も本当に上手だ。クールな態度も好きだ。

 

キムヨンデ:過去の記事を見るとWonder Girlsに愛情があるように見える。ある見方をすればKPOPの歴史の中で決定的な役割をしたグループなのに、同時にそれにふさわしい扱いをを受けているのかよく分からない。

 

ジェフ:そのとおりだ。個人的にはWonder Girlsの「Wonder World」(2011)は、現代KPOP音楽の頂点だと思う。特に米国内におけるKPOPの存在感においてその役割は非常に大きかった。 Billboardが最初にKPOPを注目するようになったのも彼女たちのおかげだ。彼女たちのBillboardライブパフォーマンスは歴代最も多くのヒット数を記録した。さらにアデルやブルーノ・マーズよりも上回った。今後行われるKPOPの流れに先駆的な役割を果たし、またその風を確立したグループである。彼女たちは長い時間を経て数々のことを経験し、年月を耐えた。

 

キムヨンデ:今後はバンドに戻るようだ。メンバーが二人抜けたのも大きな変化である。

 

ジェフ:「Reboot」というタイトルがすべてを物語ってくれると思う。それにふさわしい変身であり、ティーザーに完全に惚れてしまった。単に80年代サウンドを復活させたのではなく幼稚ではない高レベルのサウンドで蘇らせているという点が重要である。誰でも耳に突き刺さる歌を作ることはできるが、それ以上を作り出すのは容易ではない。
(*注:このインタビューは「Reboot」アルバムが発売される前の8月初旬に行われた)

 

キムヨンデ:最近のアイドルの音楽についてもう少し話してみよう。今年の初めのアイドルの最大争点の一つは、BIGBANGとEXOのリアルタイム音源争奪戦だった。EXOは2集とリパッケージを連続ヒットさせ、BIGBANGはシリーズで発売されたシングルで賢く対抗した。明け方にはEXOが、日中はBIGBANGがメロンチャートの1位を奪還する壮観が繰り広げられた。あなたは、米国内売り上げ数についても多くの情報を持っているようだが、それの状況はどうだった覚えてますか?

 

ジェフ:売上高だけを言えばBIGBANGが上回った。BIGBANGが1、2位、EXOが3位に上がってきた。1曲だけでなく3曲が同時にワールドシングルチャートのトップを争ったのは異例のことであった。また、Billboardのスタッフも本当に素晴らしいと言っていたのは、二つのグループのシングルが歴代販売量の両方を更新したというものである。個人的にはこの曲が見せる音楽的完成度が刺激的だった。 KPOPについて知らない人がチャートでプレビューだけ聞いても十分に気にいることができるだけの普遍的な魅力を持った曲だ。

 

キムヨンデ:全体的に米国内ではBIGBANGの人気が相対的に高いほうなのか?

 

ジェフ:それはそうだが、アルバム販売ではEXOが上回っている。もちろん、いまだにBIGBANGが3年近くフルアルバムもしくはミニアルバムを出さずにいるからでもあるが。だからなおさらBIGBANGがどのようなアルバムをリリースして反撃を狙うのか期待が大きい。

キムヨンデ:最近BIGBANGの新曲と関連してあなたと私がほぼ同じ内容のレビューを書いたのを見て笑った覚えがある。 「SOBER」を聞けば、BIGBANGが既に平凡で典型的なアイドルを完全に「卒業」したことが明らかに感じられる。 「Loser」も同じだ。一見「Bad Boy」が連想される部分はあるが、はるかに成熟したという点は疑問の余地がない。最近の音楽に対してどう思うか?

 

ジェフ:最も顕著なのは、各曲に様々な音楽的志向とスタイルが染み込んでいるということだ。アルバムとしてどのように結実するのかはしっくりこないが、それぞれが素晴らしい曲であることは明らかである。 「Loser」は、今年出てきた音楽を全てあわせても最も優れた曲の1つだと考えているし、「Bae Bae」も同じだ。 「BANGBANGBANG」に関してはいくつかの部分は気に入らないが、全体的に興味深い曲である。

 

キムヨンデ:EXOは結成当時はSMエンターテイメントの究極のアイドルという評価を受けた。ユニットシステム、音楽、パフォーマンス、ルックスなどすべての部分で完成版と言える高いクオリティを持つグループである。最速で最も多くのファンドムを集めたグループでもあるが、中国人メンバー3人が離脱する不運を経験したりもした。 SMの現地化戦略の失敗ではないかという分析もあり、逆に彼らの脱退とEXOの人気は無関係という評価もある。

 

ジェフ:EXOの結成過程や背景についてはよくわからないが、彼らが例外的なことは、グループの忠誠心を強く結束させている点である。メンバーたちが抜けたにもかかわらず米国内での新譜の販売量ははるかに多くなった。離脱したファンもほとんどいなかったのではないかとみなしている。音楽がやはり素晴らしかった。 「Love Me Right」は、非常に優れたポップミュージックと評価したい。

 

キムヨンデ:JYPエンターテイメントについて話をしてみよう。韓国では、JYP危機説も出てきていて、他の事務所も同様な事はあるだろうが、彼らの音楽に対する好き嫌いもあるようだ。

 

ジェフ:そうなんです?正直に言うと、個人的に他のどの事務所の音楽と比べてもJYPの音楽が気に入っている。音楽のクオリティについて、彼らは非常に多くの神経を使っていることを感じることができる。その点を常に尊重している。ソンミやmissAのミニアルバムもすべて素晴らしいし、特に15&の音楽は、本当に印象的だった。

 

キムヨンデ:GOT7はどうなのだろう?今年のKCONを見たところでは、米国現地での人気がますます高まっているという感じがした。 「Next big thing」ではないか?

 

ジェフ:実際、初めに音楽だけを聴いたときはとても印象深いというわけではなかったが、彼らのパフォーマンスをライブで見て考えがまた変わった。空中で回って走るなど膨大な舞台演出で 「おっと、これは完全に新しい!」と感じた。 JYPの音楽について言いたいことはこれだ。人々はしばしば忘れているが、とにかくKPOPアイドルも「音楽」である。その点をいつも忘れていなければ良いし、私もいつもその点に戻って考えようとする。 他の事務所がより全体的な「パッケージ」としての優れた音楽を作る傾向にあるとするなら、JYPはいつも音楽自体の高い品質を気にするようだ。

 

キムヨンデ:PSYの話をしないわけにはいかない。PSYは現在のKPOPシーンでは非常に異色のミュージシャンだが、最も成功したKPOPスターでもある。この皮肉こそその界隈ののミュージシャンがKPOPの地位を証明したと見ることもできる。とにかく、彼の未来には誰でも大きな関心を抱かずにいられない。かつて彼の人気とK-POPの人気は関係がないと言う人もいたが、結果は正反対だった。

 

ジェフ:「カンナムスタイル」を出す前から彼を知っていたが、私とっては彼はユニークなラップミュージシャンだった。まさかKPOPで最も成功したワールドスターになるとは思っていなかった。ある日、Billboardの編集長が私に当時まさに韓国で人気を集めていた彼の新しいミュージックビデオを見たかと尋ねてきたので不思議に思ったが、すぐに世界的なヒット曲となった。PSYが作った重要な変化は、いずれにしろ韓国の音楽に無知か、関心のない人をKCONと隣り合わせの席に導いたという事だ。実際にはミュージックビデオは誰でも見ることができる。しかし、チケットを買ったりまたはコンサートを探したり、それによって消費が発生するのは全く別の問題だ。PSYがその触媒になったということは明らかである。

 

キムヨンデ:PSYの未来はどうだろうか?彼はずっと米国での存在感を振り切ることができますか? 「カンナムスタイル」は成功したが「ジェントルマン」はそれほどでもなかった。その後はこれといったヒット曲はない。

 

ジェフ:実は個人的には「ジェントルマン」は「カンナムスタイル」よりも好きだった。ビート、編曲、すべての面で「カンナムスタイル」を凌駕する曲だと思っていた。

 

キムヨンデ:個人的には「ジェントルマン」のBillboard1位を予想していたが、結果は残念ながら違った。しかし、「カンナムスタイル」の成果を常に基準としなければならない理由はないと思う。ポップス音楽はそんな風に予測不可能なのものなのではないか?

 

ジェフ:当然だ。彼はいつも楽しく、自由な「ラッパー」になりたいと言っていた人で、そんな自分のポリシーを一貫して推し進めれば当然良い結果があると考えている。 「새」のような曲はどれくらい良いかって?米国でも十分に通じることができると思う。彼が元々よくしていたもの、風刺的でありながらユーモラスなラップ、そんなアイデンティティを見つけていくと、彼が定着できる余地は常にある。

キムヨンデ:PSYある瞬間ワールドスターとなり、その名声は現在の力であると同時に負荷でもある。今や世界的なヒット曲を出さなければ失敗とみなされる状況である。

 

ジェフ:本当に難しいことだ。韓 -米両国を行き来しながら、両方の大衆にすべてアピールしなければならないということなら、なおさらだ。

 

キムヨンデ:CLはどうだろうか?すぐに米国デビューを控えている。PSY以来の最高ソロアーティストになるかもしれない。音楽的才能はもちろん、英語、インタビュースキル、アティテュードなど、米国市場でのニーズに値することを備えている思うが。さらに、最近では「I AM THE BEST」が世界的に広まった。

 

ジェフ:順調に進行中だと聞いた。すぐにCLとスタジオで会って新曲関連の話を聞く機会があるようだ。最もポジティブな点は、彼女がスクーター・ブラウンと働いているということだ。ブラウンはジャスティンビーバー(Justine Bieber)、アリアナグランデ(Ariana Grande)、トリ・ケリー(Tori Kelly)などをマネージメントしているが、彼らの共通点は音楽の才能だけでなく独特の個性を備えているという点である。これはCLも同じだ。まだ多くの人が彼女を2NE1のメンバー、あるいはインスタグラムセルカスターという程度にしか知っていないが、彼女はいくつかの楽器を演奏して曲を書くことができるミュージシャンであり、とても面白い人である。その点でスクーター・ブラウンとCL相性は良い。彼はCLをよくしてくれるだろう。

 

キムヨンデ :なぜ2NE1ではなく、CL単独だったのか。普通の人なら自然に抱く疑問である。

 

米国市場は異なっている。米国市場は…

 ジェフ:どうやらアメリカではガールズグループは魅力が弱い。Pussycat Dollsの後にはこれといったグループもない。ガールズグループ、特にアジア系でガールズグループというフォーマットは、米国の大衆にとって消化しにくいというのが定説である。CLはラッパーであるうえに英語が第一言語ではなく、アジアの女性にとっては容易ではないポジションなのに、それでも最近は状況が良くなった。オーストラリア出身のラッパーであるイギー・アゼリア(Iggy Azalea)の成功の後、アジアの女性ラッパーがよくない理由はないとの意見がますます出ている。CLにとっては肯定的な部分である。心配な部分はラッパーCLがとにかく韓国の「ガールズグループ 」出身という点で、もし注目されればメディアはその部分に焦点を合わせるかもしれない。

 

キムヨンデ:むしろ音楽面に関しては大きく心配する部分はないようだ。良いスタッフが一緒にすることで、ステージングなどについてはすでに検証された。個人的にPSY以降最初のBillboardシングルチャート入りを期待できないだろうかと思っている。

(訳注:CLの全米デビュー曲Liftedは2016年10月にPSY以来初めてHOT100チャート入りしました)

 

ジェフ:音楽さえよければ他の問題はすべて解決されるだろう。 KPOP初の「ラジオヒット」シングルが出てくるような予感が強くしている。

 

キムヨンデ:「カンナムスタイル」は正確にはラジオ級のヒットとは言えなかったから。米国FMの閉鎖的なプレイリストシステムが非主流たちには大きな関門である。

 

ジェフ:タイミングが良くなかった。 「カンナムスタイル」のYouTube人気がピークに達した頃に肝心のラジオプレイがされていなかったから。一歩遅れて出始めたが、すでに人気が下火になった後だった。今なら十分に1位が可能だっただろうと思う。その時点で「カンナムスタイル」よりも良い曲が何曲あっただろうか?Maroon 5の「One More Night」がそれほど長く1位をキープするだけの曲だったのか疑わしい(笑)60年代には本物のいい曲をDJが主観的に選曲し、プロモーションすることが可能だった。今は同じ曲5曲が1ヶ月にわたって繰り返される。CLがその障壁を貫通することができればあまりにも幸いなことかもしれないが、たとえそれが出来なくてもそれがすべてではないと言いたい。

 

キムヨンデ:ガールズグループの勢いがすごい。SISTAR、EXID、AOA、APinkや少女時代とWonder Girlsまで。これまでよりも多くのグループがK-POPシーンを掌握しているようだ。量的にはもちろんのこと、全体的な曲の完成度もかなりアップしたが...ところが同時に何かが欠落しているという考えもある。 AOAやAPinkなどについて考えると、パフォーマンスもちろん欠点のないキャラクターや音楽的な個性、それぞれが持っている何かオリジナリティのようなものがもう少し必要ではないかという気もする。最近APinkの「Remember」についてツイッターで物足りなさを表していたのはどういう流れだったのか?

 

ジェフ:「Remember」に限定して言えば、コンセプトが少ししっくりきていないと言いたい。曲もいくつかの不自然な面がないわけでなかったし、特にミュージックビデオに登場する風船を持った画像などは、すでに20代前半の年齢などを考えるとあまりにもわざとらしいのではないかという意見も聞いた。私はガールズグループのセクシーさや露出については何の問題もないと思うが、グループがあまりにも定型化されているのは問題だと思う。あなたもその点を指摘したいのではないか?自然にセクシーなものではなく、無理にセクシーにしようとするのは良くない。エキサイティングな音楽、素晴らしいパフォーマンスも良いが、とにかくこのジャンルの音楽のパフォーマンスの主体は若い女性や少女だ。自身の立場からどのように自分自身を示して表現できるかどうかについて、より考えてみたら良いだろう。

  

セクシーさは危険なものではない

 キムヨンデ:それでは話が出たついでにガールズグループの露出の話に移ってみよう。現在のアイドルは当然のように年を追うごとにさらに「セクシー」になっていて、セクシーなコンセプトに対する批判の声も出ている。露出やセクシーさも明らかに一つのコンセプトと音楽的な表現であると言うこちはできるが、同時に、さっき言ったように何か定型化されているという問題もある。魂のないセクシーさというか? (笑)とにかくアイドルは徹底的に10代の音楽である。これらの側面を考えるとき、個人的に思うところはありますか?

 

ジェフ:まあ...私は人の親というわけではないので...(笑)ガールズグループの露出やセクシーダンスが存在しなくても、子供たちは最終的に何かをどこかで学ぶものだ。そうではないか?少し柔軟に見守る必要がある。結局、露出やダンスは舞台の上やコンセプトに限定される。その他の部分では、むしろ礼儀正しく、優しくて、正しい行動を介して青少年たちに良い影響を与える場合も多いのではないか?

 

キムヨンデ:まさにその点なのですが、韓国のアイドルが米国と異なる点は、悪ガキだったり多少エッチなイメージがついていたとしても、実生活とはほぼ関係していないということだ。インタビューをしてみると、むしろ韓国のアイドルは「健全な」側に属すると言う人もいる。

 

ジェフ:まさにその通りだ。米国や英国を見ると、舞台の上でわいせつな行為をしたりカメラマン殴ったり、暴言のようなものを吐いたりするポップスターたちが多い。もちろん、女性アイドルの露出は「対象化」されるという点で、男性アイドルとはまた別の問題を引き起こすこともある。男も服を引き裂いたり腹筋を見せたりすることもありますが。私が言いたいのは、リスナーはそれほど愚かではないということだ。いくら幼くても彼らにも判断力があり、時にはそれらを尊重して見守る必要がある。

 
K-POPはなぜグループパフォーマンスをするのか?

 キムヨンデ:韓国アイドルの音楽の特徴はグループのパフォーマンスだ。あまりにも当然の質問であるかもしれませんが、なぜとりわけKPOPでこのような傾向が目立つと思いますか?アメリカの大衆音楽の歴史を振り返ってみると、これはむしろトレンドの支持に近い。音楽産業は80年代以降急激に保守化され、安定した成功と収入のために特定の個人に投資を集中させる、いわゆる「全部取り」が主な戦略だった。しかしKPOPはその逆の道を歩いている。

 

ジェフ:本当に良い質問です。個人的には同意しないが、韓国特有の儒教的文化がグループにより合っていると見る人もいる。アメリカの文化では個人ではなく「チーム」の概念を前提にしてポップグループを運営するということはほとんど不可能に近いという側面がある。特に芸術的な面で集団ではなく、個人のニーズを優先する文化があるからである。

 

キムヨンデ:それでも90年代にはボーイズグループの全盛期もあった。

 

ジェフ:でもほとんどは最終的にリーダーや特定のメンバーに人気が集中して、結局は各自のソロ活動に帰結されたりする場合がほとんどで持続性を担保するのが難しかった。そのような面で、米国の産業ではボーイズバンドやガールズグループは危険な投資であると考えているのだ。

 

キムヨンデ:まさにその点である。どういう理由でこの方法が韓国では成功し、影響力のあるボーイズグループやガールズグループをこのように継続的に作り出すことができるのかということ。例えば米国では、第2のニューキッズオンザブロックや第2のイン・シンクのようなものはなかった。しかし、韓国を見るとH.O.T.以来系譜が続いている。それだけ韓国の芸能事務所がノウハウを確保していると見るのが良いだろうか?

 

ジェフ:そうだろう。個人的には韓国のアイドルはファンドムのニーズを反映している点において、非常に繊細だと思う。リーダー、末っ子、ビジュアル担当、ダンサー、ラッパーなど...事実アメリカ人の立場から見れば幾分荒唐無稽な概念ではあるが、それぞれのメンバーを個性的に作り上げ、ファンドムを確保していくにも有利であると考えている。もちろん、グループ内でのトップボーカルやラッパーに人気が集まるのは当然だと言ってもだ。ファンドムもこのようなアイドルグループの個性的な構成に慣れてきて期待感を抱くため、グループのファンが他のグループにも自然に適応することが十分に可能である

 

雑食性のオールインワンパッケージ

 キムヨンデ:私は70年代後半に生まれた、そんな私たちの世代にとってのポップといえば即アメリカのポピュラー音楽を意味した。私たちにとって韓国の音楽の世界的な普及と人気、そしてあなたのような外国人たちの韓国の音楽に対する関心は不思議であると同時に不慣れだ。 こんな風に言う人もいる。 「アメリカ音楽の亜流とも見なせる大衆音楽KPOPに、米国のファンをはじめとする世界の若者たちが熱狂する理由は何だろうか」あなたこそ、このような考え方に反論できる最適の人物ではないかと思っているのですが…(笑)

 

ジェフ:まあ言わんとすることはわかります。私はこう言いたい。私はKPOPこそ現代のポピュラー音楽において究極の「オールインワン」パッケージと考えている。言い換えればKPOPアイドルの音楽はトレンディなものは何でも取り入れるし、それを最大値に整え魅力を最大限に引き出している。エンターテイメントビジネスといえばこうあるべきという事を全方位的に備えたものである。ずば抜けた歌の実力、ブレイクダンス、ラップ、カラフルなミュージックビデオ、群舞...このようなものが集まり完全なエンターテイメントに変貌する。

 

キムヨンデ:同時にメンバーひとりひとりの魅力的な性格も重要な部分である。メンバー個人への忠誠心によってファンドムが維持されることもあるからだ。

 

ジェフ:そうだ!それは米国では見つけることが難しい部分である。さっき言った「亜流」の話に戻ると、... KPOPをアメリカンポップスの亜流と言う人もいるかもしれないが、逆に考えると最近のポップミュージックで果たして「オリジナル」と呼べるものがどれだけいるのかと言うことは確かに難しいのが事実である。とにかくK-POPは「ウケること」が何なのかを常に研究してそれらを集め、洗練させつつ興味深いことに組み合わせて人々をさまざまな方法で「動かす」音楽である。

 

キムヨンデ:理由を問わず、とにかく「受け入れられる」ということ。

 

ジェフ:まさにその点である。以前のように欧米で受け入れられるような事を見つけるのではない。日本市場、他のアジアの大衆、ヨーロッパと南米の大衆の好みも研究して反映する。 (過去のアイドル音楽のように)「少女」好きに対してアピールするカテゴリを超えるものである。より大きな事だ。

 

キムヨンデ:かつてKPOPはJPOPに続くもう一つのアジアンポップにすぎないという懐疑的な視線もあったし、周辺部の本格的な反乱になるという漠然とした期待もあった。今では、より現実的な目で見ることの時点ではありませかと思う。個人的には、KPOPはここ最近はこの傾向を維持するだろうと思う。少なくとも適当な「代替材」が登場するまでは、だ。

 

 さらに遠くに行くために

 ジェフ:一つ言えるのは、現在の状況をあまりにも当然視してはならないという点だ。 韓国の大衆音楽産業は現在、世界8位として知られている。 しかし、ポピュラー音楽産業はいつも可変的だ。 来年には誰かがそのポストを奪ってもおかしくない。 ポップスプロダクションに望むところが一つあるとするならば、様々な試みにさらにドアを開けて欲しいという事だ。 ひとつのところに留まる事なく、なぜ人々がこの音楽に熱狂するのか、人々が彼らに注目するその核心と本質は何なのかという事をもっと探求して反映しなければならない。

 

キムヨンデ:それでトレンドと言わないのか。 留まれば流される。 具体的に提示するだけの新しい流れというか、代案案があるだろうか。

 

ジェフ:そうですね…この言葉がふさわしいかどうかはわからないが(笑)…米国内のゲイ・コミュニティーでKPOPの人気が高いという噂を聞いた。 特にガールズグループの人気が高い。 正確な韓国の情緒は分からないが、韓国内ではこの点がタブー視されているかもしれない。 絶対言われたくないと考えるかもしれない。

 

キムヨンデ:ゲイ・コミュニティー? 発想の転換だ。 一方では70年代末にアフリカ系アメリカ人のゲイ・コミュニティーの全面的な支援を受けたディスコや、シカゴのハウスミュージックシーンなどが連想されたりもする。 考えてみればSHINeeの「View」もジャンル的によく通じるような曲だ。 アイドルたちもそのようなニュアンスを微妙に活用する感じだ。 ファンフィクションも類似の文脈で。

 

ジェフ:少女時代のようなグループがゲイクラブに現れる場面を想像してみないだろうか。 マンガの主人公のような8人の女性が彼らの前でステージパフォーマンスを披露したら…「世界中に…」多分みんなクレイジーなほど盛り上がるだろう。 私のツイッターフォロワーにも相当数のゲイたちがいる。 とにかくこうした事は本当に一つの例に過ぎない。 様々なステージとチャンスと可能性が散らばっている。 しかし、事務所たちはそのようなことを果敢に試みようとしない事が残念だ。 言葉では「グローバル」になりたいと言っているが、「グローバルマインド」を備えていないのではないか…

 

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キム・ヨンデ:KCONに来てみて思ったのは、本当に多様な人たちがKPOPやアイドルのすべてのものに飢えているいうことだ。

 

ジェフ:まさにその点だ。 どうしてみんな消極的な考え方をするのかわからない。 パフォーマンスと音楽も重要だが、そのままここに来てファンたちに会って挨拶してくれるだけで膨大の効果がある。 今後もう少し積極的な姿勢で色々な所に進出する事をためらわないでほしい。

 

キムヨンデ:長時間のインタビューだった。 同じジャーナリストをインタビューすることは初めての経験だ。 最後に話したい言葉があれば?

 

ジェフ:はい。 少しぎこちない感じはしたけど良い経験だった。 自分の文章を読んで反応してくれる韓国の読者がいるということが光栄だし、ありがたい。BillboardFUSEを通じてさらに多くの話を一緒にできたらいいな。

 

興味深い、深い話を聞かせてくれたジェフ・ベンジャミンに感謝している。 ジェフ・ベンジャミンはBillboardFUSE、そして本人のツイッター@Jeff__Benjaminを通じて会うことができる。


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韓国のニュースサイトで「KPOPがアメリカで話題になっている」という記事が出るときは大体この人の記事がソースになっているのではないかと思います。いわばKドルオタのライターさんのようです。概ねKドルがコンスタントに話題となるのはFUSEBillboardですし、先日記事になっていた防弾少年団のWINGSに関するレビューもこの方の記事でした。

 

元々韓国には音盤も音源も日本のオリコンのような統一チャートがなく複数に分かれており、数年前にビルボードコリアができて国内のある程度の統一チャートができるのか?と期待されていたようですが、結局現在はアメリカビルボードのKPOPチャート自体はなくなってしまいました。ワールドチャートは欧米以外の国から出されたアルバムの売り上げチャートなので、いわばマイナージャンルチャートのひとつであるようです。
(ビルボードは詳しい集計方法は公表していませんが、音源音盤ストリーミング動画再生などをトータルで評価しているようです)

ビルボードアメリカのチャートでもビルボード200の100以内かHOT100に入れば「アメリカでファンがついている」と言っても良いのではないかと思いますが、2016年10月までにビルボードHOT100にランクインした事があるのはワンガのNobody(75位)CLのLIFTED(94位)そしてPSY(カンナムスタイルが最高2位、Daddy・Hangover・Gentlemenも100入りしています)の3組で、ビルボード200の100以内に入ったのは2NE1のCrush(61位)、EXOのEXODUS(ランクイン時フィジカル販売数6000枚で95位)そして防弾少年団のWINGSがフィジカル11000枚を売り上げて韓国のミュージシャン過去最高位の26位にランクインしました。
(ビルボード200はフルアルバムのランキングでHOT100は曲単位のランキングです)
この辺の事に関してはいずれ少しまとめてみたいと思っています。

 

KPOPは何故グループが多いのかという話ですが、個人的には歴史的に絶対に日本のアイドルグループからの影響が外せないと思うのですが、アメリカ人のライターさんだからかその辺の発想はまだないようですね。日本のアイドル業界に関する知識はないのか、それともあえて触れていないのか?SMはジャニーズを参考にしたと昔言っていたようですが。継続性という点では同じアジアでも個人かグループかどちらを優先させるのかという文化的違いがあるようなので、外国人メンバーをグループに入れる場合は国によっても向き不向きがあるのかもしれないと思いました。

 

それにしても、アジアのアイドルにとっては欧米に行くだけでも他のアジアに行くのに比べて予算的にかなり違うという事、アメリカ人にはピンとこないのかな…と思いました。曲を売ったりネットを通じて活動するのと実際現地に行くのとではかなり違うし、特にグループだと人数も多いし。アメリカ在住の日本人の方が近年アメリカの物価がかなり高騰している部分があり、出張のために一般的なホテルを探していたら1泊数万を越えるのが普通でとても簡単には泊まれないと言っていたので…年1ファンミ位は可能かもしれませんけど、日本や中国に行くのとは訳がちがうよなぁと。移動距離が長いとアイドル本人にも体の負担が大きいでしょうしね。特に大手事務所はそれぞれ1回失敗に近い経験をしているので慎重にならざるを得ないだろうし、逆に中堅事務所の方がチャレンジしやすいかも。そのあたりもグローバル進出の障壁のひとつなのかもしれません。