サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】BLACKPINK、YGの最初のガールグループのように

【ize訳】BLACKPINK、YGの最初のガールグループのように

 

2017.6.28

http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017062721497286475


ガールズグループBLACKPINKの「最後のように(As If it's Your Last)」には、おなじみの公式が盛りこまれている。多くの人が指摘するように「私たちが知らなかった2NE1の曲」だ。様々なジャンルを分節的に盛りこみ、サウンドソースを重視する。 「リズミカルなverseと相反するリフレインのメロディー」という曲の説明は、メロディー区分ごとにずれた断層のように争っている多様なスタイルの衝突に比べれば、過度に淡白に感じるほどだ。しかし、BLACKPINKがデビュー以来見せてきたユニークな要素を捨てたわけではない。 2NE1より一層ソフトなアティテュードを維持しながらも、ありきたりのガールグループにはならない情緒、「パラバラバムバン」あるいは「オッパ」のように予想していなかったタイミングで出てくる、時代を誤って生まれてきたような「twerking」は80年代風リフレインという少々衝撃的な形でつながる。そして、このすべてのものが一つになった結果は、言葉で表現したり頭の中で予想していたよりも定型を外れない。

 

ゆえに、「最後のように」がリリースされた後に出てくる相反的な反応は十分に理解することができる。2NE1のある歌に直接言及したりする人もいれば、歌い方やポジショニングの面でふたつのグループのメンバーを合わせて見せて既視感を指摘する人もいる。一方、これまでBLACKPINKが発表した曲の中で最も大衆的な反応が即時に出たのも事実である。それなら私たちはYGガールズグループの成功が2NE1スタイルの忠実な再現によるものと言えるのだろうか? 実はその逆に近い。 「最後のように」は、「YG」のアイドルグループ戦略においてBIGBANGと2NE1以降の始まりのように見える。

 

2NE1の音楽とアティテュードにおいて、各メンバーの役割は絶対だった。時折、実際は常にルックスとスタイルの話につながっていったこれらの個性は、音楽的に差別化された試みを可能にした。おかげで彼女たちは「YGガールズグループ」という一つのカテゴリーを作成し、自らがその唯一のメンバーになるという威厳を享受した。サンダラパクに「若々しい美しさ」を越えて攻撃性を備えた複雑なキャラクターを付与した背景も2NE1というグループである。BIGBANGはクリエイターとしてYGレーベルのアイドルを他の存在と差別化した。 2NE1はここで、従来のアイドルの代案や反体制的なオーラまで付け加えた。ところが似ている曲をBLACKPINKに適用したとしても、「美貌を搭載した2NE1」程度の単純な結果が出るわけではない。グループの色に合わせて感情的な緩和をするには当然の調整である。しかし、「私が一番最高(I'm the Best)」と「Ugly」を同時に備えることができた、チーム自体に内在する複雑なストーリーを解くことはできない。


結局YGは、自分たちが差別化の対象としていた存在になることを甘受する。つまり、「最後のように」は「平凡な2NE1」または「すでにおなじみの2NE1」が存在するのだという事を知らしめた歌だ。だからと言ってTEDDYをはじめYGのガールズグループのクリエイティビティが退化したり停滞しているとは思わない。 「2NE1のような歌」には罪がない。代わりに、この決定が「口笛(Whistle)」のミニマルなアプローチや、「火遊び(Playing With Fire)」のような完成度の高いEDM曲以降にリリースされたというのが興味深い。2曲は音源チャートで良い反応を得たが、BLACKPINKにはTWICEのようなグループに比べれば親しみやすさが不足しているのも事実である。 「最後のように」はBLACKPINKを、2NE1そのものというよりは2NE1が活用していたサウンドソースを使うことにより、より近づくことができそうなグループに見えるようにする。 YGはあたかもガールズグループを初めて製作するようかのように漸進的な軌道修正をしているようだ。そして、現在までの調整の結果として「まるで最後のように」という耳にかかるフックを得た。果たしてYGは、この「平凡になる」事への誘惑を振り切ることができるのだろうか?

 

文 ソソンドク

 

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「最後のように」初めて聴いた時はそのまんま「2NE1 feels」を感じたんですが、何回も聴いているうちに過去自分の中にあった「2NE1っぽさ」というものの記憶が上書きされていくような奇妙な感じになってきました。聞けばきくほど「似てる部分」よりは「違う部分」が耳につくというか。
2NE1がいる時にBLACKPINKにこういう曲を与えていたら似てるというのがネガティヴな意味合いになるでしょうけど、今は2NE1はいないので、あえてこういう方向に行ってるのかなぁとも思わないでもなく。「姉上の面差しはあるが、知れば知るほど君は姉上には似ていないな」っていうやつですかね...(わかりづらい例え)
文中では「あえて大衆にすでに馴染みのある『2NE1っぽい曲』にする事によって、デビュー曲では完成度と引き換えに足りていなかった大衆への『親近感』を出そうとしたのではないか」と解説されていたように読みました。
同じ会社の後輩だからこそ可能なアプローチ方法かもしれません。

 

余談ですがこの曲に対する韓国での表現がレゲエとムーンバートン要素が入ってるというのが多いんですけど、イントロからこんなにもサンバなのにサンバという表現を全く見かけないのが不思議で...韓国では日本ほどサンバがメジャーな存在じゃないのだろうか。

【ize訳】マーク、SMの新しい人材像

【ize訳】マーク、SMの新しい人材像

 

2017.6.28
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017062721497270031

 

昨年4月、NCT Uとしてデビューしたマークは、1年間休まずに働いた。 NCT U、NCT 127(以下127)、NCT DREAM(以下DREAM)に至るまでNCT内のすべてのユニット活動に参加した唯一のメンバーであり、SM所属アイドルで初めてラップサバイバルプログラムにも挑戦した。先日発売したNCT 127の新しいアルバム「Cherry Bomb」ではラップが入ったすべての曲に歌詞を書き、SMがMYSTICエンターテイメントと初めて披露するWebバラエティ「雪だるまプロジェクト」に出演する。先にチーム活動とソロ活動の他にも作曲家としても活発に働き「SM公務員」を自任していたSHINeeジョンヒョンが思い浮かぶほど、マークは常に働いている。

 

SMをはじめとするアイドルグループを製作する企画会社は、所属アイドルに様々な能力を要求する。舞台の上ではアイドルとしての姿を見せる一方で、必要に応じて演技と芸能活動まで行う。マークはこのようなアイドルたちの間でも、チームの中と外の両方で変化しているように思えるポジションまでも消化している。 DREAMではリーダーとしてチームを引っ張っていくがUと127では最年少であり、デビューしたばかりの人気アイドルでありながら「高等ラッパー」では他のラッパーとの競争を繰り広げる。一見ひとつにまとまりにくいように見える役割だが、マークはそれらを違和感なく消化する。 127では末っ子だが「Cherry Bomb」でラップを率いて存在感を獲得し、「高等ラッパー」では「途中で脱落しそうだ」「アイドルになる準備をしていた人が本当にヒップホップのついて真剣に考えたことがあるのか」という言葉を聞きながらも、最終的なコンテストまで残った。ただラップの実力を証明しただけではなく、決戦の舞台では他のラッパーとは異なりダンスも見せた。 DREAMと127、またはアイドルとラッパーと呼ばれるそれぞれのポジションで、彼はどちらの特性も捨てないまま自分の姿を完成させていく。 SMのアイドルなのにラッパーであり、最年少でありリーダーであるが、それらに説得力があるアイドルが登場した。

 

アイドルの活動領域が広くなり、ますます既存の境界を越える事は自然な現象になった。そしてマークはSMのユニットとユニットを、ラップサバイバル・プログラムを行き来する最初のアイドルとしてSMアイドルの新しい境界を描いている。ゆえに「次期SM公務員」といっていいほど働き者のアイドル兼ラッパーであり、NCTのメンバーであることが認識されているのだ。 SMの新しい人材像である。


文 パクヒア
校正 キムヨンジン


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個人的にNCTではマークが一番好きなので訳した記事。本当にマークは働き者ですね。SMRに他にラッパーいないのかなという...
個人的にラッパーポジションのアイドルの場合アイドルやキャラクターとして好きというのとラッパーとして好きなスタイルかどうかというのが一致しない事も割と少なくないんですが、マークの場合は両方好きですっていうどうでもいい私情でした。

 

余談ですがCherry Bombは周囲ではSMドルの曲に元々全然興味ないKドル好きには今までの127の曲は他のSMのグループがやっても良いじゃんと思ってたけどこれは個性があると思うという意見が多くて好評で、元々NCT好きな人たちからはうーんって感じの反応が多いのがおもしろかったです。私もNCT127の個性ってこれだったのかな?と思えて今までで一番好きですし、このラップとボーカルが合わさった感じは他のSMのグループには出せないかもしれないと思いました。

【ize訳】EDMでダンスをするボーイズグループたち

【ize訳】EDMでダンスをするボーイズグループたち

 

2017.6.8
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017060723527244646&pDepth1=i2301

 

アイドルの歴史を語る時「世代」という概念は一般的なバラエティ番組で自然に言及されるほど普遍的な概念となった。 しかし、「ヒップホップ」という緩いつながりを除けば、音楽の形式や内容からアーティストの集団を規定することはめったにない。 ところが最近、いくつかのボーイズグループが(最も普遍的な用語で呼べば)EDMとして認識されるような方向性を共有している。 この流れは海外の流行の中で何が国内に移植されて受け入れられるのかを考えてみる機会という面で興味深い。

 

各自がEDMという単語を自分の好きなように使用しているが、米国の大衆音楽の一部になったダンス・ミュージックは、ヒップホップ・R&Bなどと対立していたり融合したりして、重要な意味を持つようになった。 特にThe Chainsmokersの大成功以来、私たちは一種の定型化を目にしている。 これを大衆的エレクトリック・ポップと呼んでも、フューチャーベースの一種と分類してもよい。 重要なのは、この音楽がEDMがポップスと位置づけられる過程において、現在までに最も最適化された結果だという点だ。 数年前までAvicii、Tiëstoなどが業界の最上級のメロディーメイキング、プロデュース感覚あるいは有名なボーカリスト/ラッパーとの協力を通じて、ハウスビートに人々が踊って遊ぶように作ることに成功した。 その後公演産業の一軸として責任を負う存在になったが、大衆音楽の日常的な姿として位置づけられる事は容易に起こらなかった。 ライブで武器となる攻撃性はより広範な音楽の聴衆に向けた「ラジオとの親和」を許さなかった。

 

しかし、近年のEDMにおいてシンセサイザーが作り出すクライマックスは、EDMで言ういわゆる「ドロップ」をロック/ポップの「フック」と同一の概念として作用しやすくしている。 クライマックスに至る過程では歪曲されたボーカルや効果音を柔軟に使用し、伝統的なポップスソングの構造を作ることができる。 おかげで、構造的に見れば突拍子もなく聴こえるメインのビートは「こうしなければならないからしている」というジャンル的な構成ではなく、リスナーの注目を集めて快感を与える為の要素となる。 このようなアプローチは、ここ数年間でヒップホップが「trap 」ジャンルにおいてその効用を証明し、The Chainsmokersはより多くの人々にアプローチする方法を探ったわけである。 「お金や女」の話ではなくて他のものが聞きたいリスナーにとって、フレッシュな感覚を維持しながらも伝統的な愛の歌や無害なテーマを歌うグループはなかなか魅力的だ。 彼らのほとんどすべてのMVはビジュアルデザインの一部として歌詞を見せている。 これらのテーマは、彼らの重要なコンテンツなのだ。

このような特徴は最近、アイドルがEDMをグループ単位の正規活動コンテンツとして選択し始めた理由の始まりとなる。 ヒップホップが、あるいはDJ-ingがいくら熱いといっても、グループ単位のアイドルにコンセプトやストーリーを付与することは容易ではない。 ここ数年の間熱かった概念である「アイドルラッパー」が、メンバー個人の技量や芸術的オーラ以上でチームに貢献したことはあまりない。 彼らがアイドルとして位置付けられるためには依然としてアイドル固有の領域確保が必要である。 端的な例でいうと、「SHOW ME THE MONEY」に登場する「ラッパーのZICO」とBlock.bの「リーダーのZICO」はかなり明確に区別する事ができる。 そのような意味で、最近のEDMは新たなチャンスだ。 個人の力量に頼らず、グループとして新たな音楽を披露しことができる。 新しく感じるだけではない。 すでに大衆的な反応が検証されていて、それを引き出す公式が市場に位置している。 何よりもアイドル市場の基本的な情緒と衝突しない。

 

ここまでの全ての要素を備えた試みは防弾少年団の「血、汗、涙」だった。 歌の速度はK-POPの属性を維持している。 大手芸能事務所が時々披露するように、ヒップホップやダンスミュージックジャンルとしての国際的完成度あるいは本物かどうかは問題にはしていない。 しかし、徹底的に計算された単語と呼吸、発音によって韓国語の印象を濁し、ジャンルの本格性を強調する先輩たちのノウハウを排除しない。 国内外で検証されている公式で、誰にでも洗練された完成度を感じさせるようにする。 彼らは具体的なサウンドではなく、そのサウンドが存在する理由を借りてきた。 「血汗涙」以降、類似した試みはもっと頻繁に起きている。 WINNERの「Really Really」は、所属事務所の豊かな状況を十分推し量ることができる滑らかな完成度を披露する。 ここに「どこにいる? 家なの?」で始まるシンプルな愛の物語を盛り込み、誰でも理解できる英語歌詞「Really、Really」で抑えてK-POPでのみ可能な奇妙な衝突を作り出している。 SEVENTEENの「泣きたくない」は最も直接的な例である。 The Chainsmokersとの類似性は、むしろこのトレンドの中にあるという証明とも似ている。 当然、盗作からは程遠い。 それよりもこのような質問をしてみよう。 マーティン・ギャリックスとトロイ・シヴァンが「There For You」を歌いながら振付をしたらどのようになるか知りたいか? と。その音楽の他には、韓国のアイドルにおいてはこの質問に対するすべてのものがすでに用意されていた。 防弾少年団、WINNER、SEVENTEENの最近の結果物は、その回答だ。 それに、EDMでダンスをすることが自分たちによく似合うと思っているようだ。

 

文 ソソンドク(音楽評論家)

 

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SMが今までやってきた事はなんだったんやと思わないでもない記事でしたが、SMの曲=EDMっていうイメージがあるのは外国人だけなんだろうか...韓国音楽批評界(アイドル批評界ではなく)でアイドルの曲のジャンルが評価分類される事はまだ稀なのかなあなどと。
(ソソンドクさんはアイドル関係の記事もたくさん書いてるけど、元々は洋楽畑の方らしいんですけどね)

【ize訳】「プロデュース101」以降の世界

【ize訳】「プロデュース101」以降の世界

 

2017.6.21
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017062100247294243&pDepth1=i2401

 

アイドルグループにはセンターが必要だ。ただし、その意味はMnet「プロデュース101」のセンターとは異なる。 「プロデュース101」のように、ボーカルやラップのようなポジションでも一度決めたら変更できないということもない。チームのコンセプトや曲の雰囲気の中で中心を保持するメンバーを意味する概念であるだけで、曲に応じてセンターが変わることもある。ファンも好きなグループのセンターが誰なのかわからない場合が多い。ところが「プロデュース101」は、センターというポジションを出演者の中でアイドルグループとしてデビューするメンバーを選ぶ視聴者投票1位の報酬へと変えた。一般的なアイドルグループにおけるセンターは、コンテンツを制作するために必要な要素を説明する概念である。しかし、「プロデュース101」でのセンターはショーの楽しさを引き上げるためのアイテムであった。出演者たちがセンターをめぐって繰り広げる競争は「プロデュース101」のキャラクターとストーリーを作成するために重要な役割をはたした。去る16日、「プロデュース101」シーズン2の最終回で1位を発表した瞬間の緊張感が高まった理由の一つは、1位がセンターになるからだった。

 

これまで韓国のアイドルグループは歌、パフォーマンス、ミュージックビデオを通じてグループの魅力を説明してきた。一方、「プロデュース101」を通じてデビューしたシーズン1のガールグループI.O.I、もうすぐデビューするボーイズグループWanna OneはTV番組を通じて誕生した。両チームのファンは「プロデュース101」を通じて発見されたメンバーのキャラクターとストーリーに魅了され、彼らを「1PICK」としながら、愛着はさらに強くなった。ファンドムの求心点がグループではなく、ファンそれぞれの「1PICK」のメンバーが中心にならざるを得ない。投票を通じてメンバー構成をしたため、グループ全体への好感はオプションにすぎない。センターは、このようなチームのアイデンティティを象徴する。投票1位によってセンターにされたメンバーがそのようなステージでも中心に立っているのは、ただポジション配置の問題ではない。 「プロデュース101」とファンの間での最も重要な契約だ。 「プロデュース101」に最も大きな影響を与えたと言っても過言ではないグループ、AKB48でのセンターの意味が非常に重要であるのと同様である。

 

故に、両方のグループのファンドムのコンテンツを判断するための最も重要な基準も違ってくる。彼らにとってコンテンツの中で最も重要なの事は、好きなメンバーをいかに魅力的に見えるようにするかだ。ファンドムの外側の大衆を満足させる完成度ももちろん重要である。グループ全体の人気が上がるほど、メンバー1人1人の地位も高くなる。しかし、それよりも好きなメンバーが、コンテンツの中で占める位置と地位が最も重要なのである。 I.O.Iのアイデンティティはどのようなコンセプトの曲を発表するかではなく、センターソミがどの段階でもセンターにいることにあった。投票の過程でシーズン1よりもはるかに熱狂的な雰囲気を見せてくれたWannaOneのファンドムはさらにそうだ。このグループの熱心なファンドムは、好きなメンバーのためにお金を集めて地下鉄、カフェの振動ブザー、バス広告などをした。グループよりメンバー優先なのは当然の感情である。

 

アイドルグループは、特に男性アイドルグループの市場においては、グループの特定のメンバーにグループ以上に集中するいわゆる「個人ファン」は、すでにファンドムの構成要素の一つとして定着したと言っても過言ではない。 SMエンターテイメント(以下SM)のNCTのように、国と年齢などに応じてメンバー構成を異にするチームも出てきた。このような流れの中で、「プロデュース101」は「個人ファン」がチームの中核となる構造として設計された。特定のメンバーに熱心な性向のファンが、「プロデュース101」の中で誰かのファンになることがあるということは十分に推測可能である。ここに「プロデュース101」を通じてアイドルに再び、または初めて関心を持つようになった人々の関心が更に加わる。彼らはセンターを一つのポジションとして受け入れ、グループの前に特定のメンバーが好きだということを当たり前の事として考える可能性が高い。 「プロデュース101」は、既存のアイドル市場に含まれていたいくつかの消費者を分離し、新たな消費者がアイドルに興味を持つようにした。その過程でセンターをはじめとするアイドルグループのコンテンツの基準は、既存のアイドルグループと「プロデュース101」を通じてデビューしたグループの間で、それぞれ別の意味で使われる。 SMに代表される大手芸能事務所、防弾少年団を介してYouTube時代のスタイルで西欧市場まで攻略したBigHitエンターテインメントに続き、Mnetに代表されるCJ系列の大衆文化関連会社のような大企業がアイドル市場のもう一つの勢力であり、基準とされる可能性があるという意味だ。これが市場を崩すのか、むしろ拡大するのかはまだ分からない。それはWannaOneのコンテンツと運営方式に基づいて変わるだろう。ただし、アイドル市場が過去に戻ることができないのは明らかである。

 

文 カンミョンソク
校正 キムヨンジン

【naver music訳】<ミュージシャンズチョイス>防弾少年団が夏が近づいてくると聞きたくなる歌

naver music訳】<ミュージシャンズチョイス>防弾少年団が夏が近づいてくると聞きたくなる歌

 

http://m.music.naver.com/recommend/magazine.nhn?articleId=7545

 

致命的な魅力に心をとらえられる、防弾少年団が選定したおすすめの音楽に会ってみましょう。

(訳注:ソングリストは後半の方の解説にまとめました)

 

大衆との疎通が好きなトップソーシャルアーティスト

最近、日本ツアーで広島公演を終えたばかりのリーダーラップモンスター(23)は、息を切らしながらも低く2トーンの韻を失わなかった。受話器ごしに聞こえてくる彼の声は結構大人だったし、よどみのない答えは「100分討論」に何度も参加したことのあるような弁の立つ跡が読みとれた。

 

1年に6カ月以上海外に滞在し、その長く険しい旅の補償を受けるように防弾少年団は、去る5月アジア人歌手としては初めて「ビルボードミュージックアワード」の「トップソーシャルアーティスト」部門賞を獲得した。 2010年にこの部門賞が出来てから、ジャスティン・ビーバーの6年の牙城を破った最初の主人公として記録された瞬間だった。

 

海外での防弾少年団の人気は名状しがたいほどだ。 行く先々で売り切れはもちろん、再訪問するファンたちの結集力もすごいためだ。彼らの舞台に毎回蜂の群れのように集まってくる背景は何だろうか。

 

「そうですね。僕たちは常にこんな風に考えているようです。再訪問するファンも多いですが、初めて見に来たファンもいるのだから、公演は初めて見に来た人を中心にしなければならないと言っています。50回程度同じような歌を繰り返してみると、僕たちも気づかないうちに気が緩んで簡単に他の考えに陥りやすいんですが、そんな考えは『最後にしよう』とメンバー同士で話しています。最初の放送で熱意と誠意を尽くしたその雰囲気を、厳密に維持しようとするからでしょうか?」

 

音楽の本場である米国でショーケースをした時に、1万2,000席のアリーナの所有者が、メンバーたちに伝えた言葉がある。 「米国すべてのアーティストを合わせても、こんな風に早く'SOLD OUT'(売り切れ)されたケースを見たことがない」防弾少年団の米国での人気は急上昇中だ。 しかし、彼らは依然として慎重だ。 ラップモンスターは「北米と南米の方のファンの方々は我々のように直観的部分が強くてお互いに合う部分が多く、自信もある程度持っている」と述べながらも、「しかし、本格的な進出段階ではなさそうです。 着実に努力して道が開かれれば、いつかそういう時も来るだろうと思う」と話した。

 

防弾少年団の最大の武器は、他のアイドルグループでは見るのが難しい「助け合いの美学」である。いわゆる「全メンバーの◯◯化」だ。ラップ、ダンス、ボーカル、作曲など各分野で頭角を表すメンバーはそうでないメンバーに、その能力を「転送」して、すべてのメンバーの実力が上向きに平均化される。それゆえに、このグループに託された役割は「個別」でもなく「区分」されてもいない。

そうして積まれた協力関係は、コミュニケーションと共感能力を向上するためにも一助となった。 「僕たちがソーシャルネットワークサービス(SNS)のアカウントを一つに統一することができたのも、メンバー同士いつも疎通していて共感しているからです。お互いに目を見れば何を考えてるかわかる状態になるから、あえてそれぞれ別に遊ぶ必要もないですし。歌詞を書くときも流れる雲をつかむような(非現実的な)話よりも、すぐ現実に触れる話を書こうとするんですよ。僕たちの話はイコールファンたちの話に疎通されて共感されなければならないので」

 

防弾少年団の目的は、COLDPLAYジャスティン・ビーバーのような大スターが通ってきたワールドスタジアムのステージに上がることだ。この物理的な目標を話している瞬間、ラップモンスターのトーンも少し高くなった。その覚悟はもう始まりに過ぎないような気がした。

 

今週「ミュージシャンズチョイス」で防弾少年団は、「夏が近づくと聴きたくなる曲」をテーマに選んだ。 「夏というと通常パワフルな曲を選択しがちですが、僕はもっと落ち着いた歌を中心に選びました。他のメンバーはどんな曲がいいと思うのか気になります。僕もすごく楽しみです」

 

ソングリストは古典的なジャズからマニアックなポップスまで多彩に構成されていた。ある曲では「こんな歌まで?」という疑問が高まったほどだ。 「防弾少年団 is No.1」の活躍の秘密が少しずつ解けるようだった。

 

文/キムピョン(大衆音楽専門ライター)

 

ジョングク推薦:Steve Aoki、Louis Tomlinson(One Direction)「Just Hold On」
「夏といえば無条件に楽しい音楽でしょ?この曲は聴けば聴くほど気分が良くなって、楽しく夏に聞くのにぴったりです」

 

ジョングク推薦:One Ok Rock「We Are」

「暑さで汗が出て疲れたときにこの曲を聴くと、心の平和が訪れます。イヤホンが爆発するくらい大きいボリュームで聞くと、どんなに暑くてもイライラが自分の力になっていくような歌です」

 

ジミン推薦:YUI「Good-Bye Days」

「すごく小さい頃から本当によく聴いた歌です。いつからか、季節も気にせずそのまま気分がいいときでも疲れたり憂鬱な時にも関係なく、よく聞くようになりました。夏が近づく時も聴いたらいいと思います」

 

ジミン推薦:Sara Bareilles「Love Song」

「この曲は、ただ聴いてる時の雰囲気が好きです。夏にも間違いなく聴きたくなります」

 

V推薦:Chet Baker「Blue Room」

「この曲は、僕が一番好きなトランペット奏者のチェット・ベイカーが歌った曲です。夏の夜にもよく似合いそうです。僕もこんな感じの曲を是非一度作ってみたい」

 

V推薦:Sigur Ros「All Alright」

「僕は夜明けに聞くことができる曲が一番好きです。夏の夜明けに散歩しながら聴くと良い歌です。僕が最も好きな曲の中でも、特に必ず作業してみたいスタイルの歌でもあります」

 

J-HOPE推薦:Jazzyfact「아까워」

「美しい夏の日に家だけにいるのはもったいないという気持ちをよく表現した曲だと思います。この歌を聞くたびに外に出て遊びたくなります」

 

J-HOPE推薦:Justin Bieber「Beauty And A Beat」

「夏といえば一番最初に思い出す曲です。さらに、旋律の一つ一つが海を思い浮かべさせます。夏ではない季節に聴いても、まるで夏のような気分になる曲です」

 

ラップモンスター推薦:Frank Ocean「Super Rich Kids」

「僕が夏というと一番最初に思い浮かべる歌です。適度に陽気で、適度に静かですよね。この歌を流して、チューブの上に横になって水の上に浮かんでいると、タイトルのように自分も「スーパーリッチキッド」みたいな気分になりそうですね」

 

ラップモンスター推薦:PEPPERTONES「Ready、Get Set、Go!」

「フランク・オーシャンの歌が海やプールだとしたら、この歌は山や公園を思い出させます。とても暑いときに自転車に乗ってBluetoothスピーカーで曲を大きな音で流して、むやみに疾走しながら風にあたると満点です。 シンプルにもっと気分がよくなって夏がもっと楽しくなります」

 

SUGA推薦:DJ DOC「夏物語」

「子供の頃、すごく暑い日の暑さを避けて漫画本屋に行くと、いつもこの曲が流れてました。漫画本屋の主人のおじさんがこの歌を特に好きだったんだと思います。僕にとって夏が近づくと常に思い出す歌です」

 

SUGA推薦:CLON「クンタリシャパラ」

「幼い頃、暑い夏の日に親戚のお兄さんと一緒に青松渓谷に遊びに行った記憶があります。 そのとき、そこで一緒に『クンタリシャパラ』を歌いましたが、今も夏といわれればその時の記憶が鮮やかです」

 

ジン推薦:Julia Michaels「Issues」

「この前参加したビルボードミュージックアワードで初めて聴いた歌です。ステージが終わった後に感情がこみ上げて涙を流すのを見て、『ああ、あれが感情なんだ』と思いました。声も本当に美しく、夏が近づいている今、多くの方々に聴いて欲しいです」

 

ジン推薦:Luis Fonsi、Justin Bieber、Daddy Yankee「Despacito」

「この曲を聴いていると、南米のお祭りに来たような感じです。朝起きて洗いながら一人で踊る時にとても良い曲ですよ。この歌を聞いていると理由もなく興奮します」


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以前Giriboyのミュージシャンズチョイスを訳した事があったんですが、その時はうっかり元記事を見失ってしまってブログには載せませんでした。
この記事のおかげで他のアーティストやアイドルの記事も読むことができたので、また遡って何か訳そうと思います。

 

しかし2017年に1日に2回CLONの名前を見るとは思わなかった。

(ちょうどプデュ2のイウジンがCLONの20周年記念曲のMVに出演というニュースを見たところで)

【idology訳】防弾少年団、ビルボード受賞の意味

【idology訳】防弾少年団ビルボード受賞の意味

 

byランディ on 2017/06/13

http://idology.kr/8911

 

現地時間で5月21日、防弾少年団が2017年ビルボードミュージック・アワードで「トップソーシャルアーティスト(Top Social Artist)」アワードを受賞した。 ビルボードミュージックアワード(以下ビルボード)は毎年5月に開かれる米国の音楽賞で、審査委員が積極的に介入するグラミーアワードやアメリカン・ミュージック・アワードとは違い、定量的数値だけで受賞者を決定する。 そのため、全体的な受賞者の明細や面々をみると、よくキュレーションされたリストという感じよりは市場の指標を見せてくれるという感じが大きな授賞式だ。

防弾少年団は今年の受賞者の中で、断然異質な存在だった。 受賞が式の最後の方に配置されたため、注目度も高かった。 米国市場をターゲットにした英語のコンテンツをオフィシャルで出したことがないにもかかわらず、彼らはSNS上の波及力と影響力を測定して授与する「トップソーシャルアーティスト」という種類の賞を受賞した。 ビルボードで毎週発表する「ソーシャル50」(フォロワーの増加量とストリーミングなどのソーシャル活動を基盤として全世界的な人気度を測定するチャート)とSNS投票を合算して受賞者を選定するこの賞は、どのようなアーティストがソーシャルメディアを利用する消費者層に最も愛されているのか、オンラインマーケットでの影響力はどの程度なのかどうかを示している。
この賞の意味をきちんと振り返って見るには、大きく下記の二つの質問に答えなければならない。

 

1. 防弾少年団はどうして米国をはじめとする海外で大きな人気を集めるようになったのか

 

2. 米国のメジャー音楽業界はどうして防弾少年団に注目するのか

 

該当の賞を受けるまでどのように人気を集めたのかも重要だが、今までアジアンアーティストの影響力にほとんど反応しなかった米国のメジャー音楽業界が、どうして今回は別の反応を見せたのかについて考えてみたい。

 

防弾少年団が米国を含む海外で人気を集めた理由

KPOPと呼ばれる共通点のためにPSYの成功や防弾少年団の成功が同一視される視線があるが、PSYと防弾少年団は類似点よりは相違点の方が多い。 したがって、PSYの足跡を辿ることで防弾少年団の成功を分析するとしたら、そこには問題点が多い。 これは「KPOP」という用語の定義が曖昧なために起きる不正確さで、本稿では「KPOP」を「韓国のアイドル」という意味で使うことにする。 防弾少年団というKPOPグループ、あるいは韓国アイドルグループは、米国をはじめ世界でなぜこのような大きな人気を得たのだろうか。


先にリードしてきたKPOPグループが全世界的に固めてきた「KPOPファンドム」の存在を無視できない。 自らをKPOPファンと呼ぶ人口は防弾少年団が大きな人気を得る前からかなり多く、これは世界各地で盛況裏に開かれている「K-CON」(KPOPポップファンドムが集まる大きなお祭り)やBIGBANG、SHINee、少女時代などのコンサートツアーを見ても知ることができる。 彼らのお陰で大人数のグループ、トレンドを積極的に反映するダンス音楽、アートの水準の緻密な振り付けなどKPOPの文法が世界各地に浸透していた。
防弾少年団は、このような土台にいくつかの要素を更に追加し、既存のKPOPファンドムからの愛を受けるだけでなく「防弾少年団によりKPOPに新しくオタク入門する人たち」という潮流を作り出した。 以前のKPOPファンたちは通常KPOPというジャンル自体を好きで、いくつかのグループを均等に追いかけていたが、防弾少年団のファンの中には防弾少年団だけが好きだという人口が多い。 これは海外でもKPOPというジャンルの歴史が長くなると、韓国の忠誠度の高いファンドムの性向に追従していくためかもしれない。 そしてそのような性向の模倣を起こす決定的な要因は、防弾少年団が海外ファンドムにまでのめりこんでいくような経験を効果的に伝えているからだろう。

 

防弾少年団はKPOPグループの形をしているが、AdeleやTroye Sivanのようにパーソナルな歌詞を書いているシンガーソングライターというイメージも持ち合わせている。 よくグルーミングされたルックス、有機的なストーリーを共有するサイドコンテンツ(ミュージックビデオなど)、一糸乱れぬパフォーマンス、共同生活をするメンバー間のケミストリーなど韓国アイドルの特徴を保ちつつ、自分たちの考えと世界観を作品に溶け込ませているという事実。そしてその作品の内容は、防弾少年団をもっと好きになる要素になる。 彼らはメンバー全員が作詞作曲に参加しており、SNSのアカウントを共有したりもする。 これは歌手が実装している考えとストーリー全般を追いかけながらも追従することを望むファンにとっては良い「ネタ」だ。


ここにおいて、適切なSNS露出がこのような傾向を更に強化する。 彼らが運営しているツイッターアカウント(@BTS_twt)はメンバー7人が共有し、随時メンバーたちの安否や好きなものを知らせたりする窓口であり、内容を見るととても個人的であるが、同時に共有アカウントであるために合意の下に適切にコンテンツを制御しているというオフィシャルの印象も与える。 企画会社が放送社側とのネットワークがあまりなかったのか、デビュー当初の防弾少年団はその他の人気KPOPグループに比べて放送露出が少ない方だった。 これを打開するために会社で出したYouTubeチャンネルとさまざまな製作コンテンツは、むしろ韓国内のケーブル放送出演よりも世界のウェブで大きな人気を集めるようになった。 特に、これらの簡単な日常映像は、6秒の映像プラットフォームVineなどのサービスにとってぴったりのコンテンツだった。 2010年代に入りYouTubeなどを通じたSNSスターがすぐにポップスターになる世の中で、防弾少年団はこの流れをうまく利用して恩恵を享受しているKPOPグループの第1世代と言えるだろう。

 

なぜ、米国のメジャー音楽業界は防弾少年団に注目するのか

 

それなら、このように得た人気をもとにしたとしても、どのようにして防弾少年団ビルボードの授賞式にまで参加することができたのか、という問いが残る。 多くの人気を享受したKPOPグループがあったにもかかわらず、なぜ防弾少年団が一番最初になったのかという言葉だ。
一つの答えは、先ほどすでに言及した内容から見ることができる。 防弾少年団のファンドムはインターネット上での結束力と行動力、別名「インターネット火力」が強い。 適切なSNS活用やコミュニケーションを通じて生まれたファンドムなのだから、考えてみれば当然のことだ。 SNSが、まさに彼らの「オタク活動のホームグラウンド」だからだ。 このようにSNS親和的で強力な火力を持つファンドムを基盤に、防弾少年団ビルボードの「ソーシャル50」順位内に32週間上がり、そのうち26週間で1位をした。 授賞式の前に開かれたSNS投票でも圧倒的な得票数をあげ、Justin Bieberを2位で引き離した。 制定されて以来、この賞を6年連続受賞していたのはJustin Bieberで、防弾少年団の受賞は波乱と言えるほどだった。

 

実際、KPOPは完全に米音楽界でメジャーであるとは言い難い。 米国でのKPOPファンダムは確かに日本のアニメやJPOP文化のようにサブカルチャー的な位置として始まり、現在もそれに似た位置を維持している。 しかし「トップソーシャルアーティスト」上の指標が示すように、防弾少年団をめぐる火力があまりにも強大なために、メインストリームでもこのサブカルチャーを無視することができなくなったのだ。 SNSでの影響力というのは、ウェブ上の広告市場、さらに実際のマーケットと連結される。 多くの業界関係者や企業がデータに基づいた「トップソーシャルアーティスト」に関心を傾ける理由だ。


また、防弾少年団は今回の授賞式で唯一のアジア人受賞アーティストでもあった。 この点は人種多様性の面でかなり鼓舞的であり、それはアジア人が米国内の様々な有色人種の中でも人口や影響力比、可視性が低い人種だからだ。 多くのアジア人ファンたちが彼らの受賞を祝い、地上波TVでアジア人にスポットライトが当たって栄誉の受賞をしたという事実を喜んだ。
アジア人は米国内では他の有色人種とはまた別の位置を持つ、独特なマイノリティのグループだ。 高い教育熱のおかげで20世紀から移民2世、3世の多数が専門職になって経済的な階層移動を成し遂げたが、このような社会的地位の獲得はアジア人を米国社会の主流にはさせなかった。 むしろ、他の有色人種に比べて体制へ順応的だったために「見えないマイノリティ(Invisible minority)」と呼ばれる存在になった。 アジア人に対する偏見は存在するが、いざ人種問題を論じる時にも十分に取り上げられないことが多い。 最近話題になったユナイテッド航空のオーバーブッキング事件を見ても、被害者がアジア人であるこのケースについて、米国ではこれが人種問題だったということを十分に認識していないような見解が多い様子だった。

 

最近数年の間、米国のメディアではアジア人の可視性を増やすための様々な努力が目撃されている。 2015年から開始されたシットコム「Fresh Off the Boat」(ABC、2015〜)は中国系移民家庭の話を扱っており、ジョン・チョウ(John Cho)などの芸能人は以前から言及してきた自分のアジアンヘリテージ(heritage=血筋)を意識的に強調している。 トランプ政権が設けられてから、米国の人種問題はどの時代よりも対立する事案になっており、このような時ほど機会的にも政治的な正しさを追求しようとする動きも増えている。 ビルボードアワードが2011年以降中止していた「トップソーシャルアーティスト」アワードの直接的授賞を復活させたこと(訳注:過去6年間、この賞のみの候補者はアワード会場には招待されていない)防弾少年団の為にリムジンや特別インタビューなどを用意したのはこのようなアクションの影響もあったと推定できる。 ビルボードアワードがアジアの可視性を意識する正しい授賞式であり、さらにはアジア人消費者を尊重していることをアピールする機会として活用したのだ。

 

これから先の防弾少年団は?

 

授賞式でも防弾少年団を応援する熱気は断然目立った。 レッドカーペットの間カメラはあちこちに立っている防弾少年団のファンを映し、「トップソーシャルアーティスト」受賞者として防弾少年団が呼ばれた瞬間、客席ではこの日の行事の中で最も大きな歓声が上がった。 5月29日に開かれたBigHitエンターテインメント(防弾少年団の所属会社)主管の記者会見のブリーフィングによると、ビルボードアワードの主催側では防弾少年団の人気を60年代のブリティッシュ・インベイション(British Invasion)と比較したという。


このような人気を踏み台にして今後どのような活動を続けていけるかどうかに対するヒントは、先述の記者会見で得られた。 彼らはこれまでの人気は特に米国市場を狙ったり特に力を注いだりしなかった結果である事を認識しており、これからも今までのように韓国語で音楽を作るという計画を明らかにした。 防弾少年団の海外ファンドムはこのような発表をむしろ歓迎している反応だ。 メンバーたちが直接歌詞を書いて音楽を作るという事実が重要な歌手なので、無理に外国語作詞を試みたり翻案を任せるよりは、本人たちが納得できる作品活動をすることを望むという意味なのだ。 防弾少年団が今に至るまで自分たちの作品とストーリーを描いていき徐々に上昇してきたように、大きな変動がない限りこれからもそうできるのではないかという期待をさせる。 急激に無理しないという方法論はロングランとグループの持続に対する意志と読まれ、世界各国のファンとしては非常に安心するような答えだったようだ。


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British Invation=アメリカ音楽業界において60年代に起こったThe BeatlesThe Rolling StonesThe Kinksなどのブリティッシュロックバンドブームの事。

アイドル専門メディアだけあって見てるポイントが的確だなあと思った記事でした。日本だと2次元コンテンツがファンの勢いによって一般社会にも食い込んできたみたいな感じと似てるのかな..(?)
人種的な話とか、今回の受賞のことで個人的に少し考えた事と近いような内容でした。
海外ファンによるペンドム性向の模倣っていう考え方は面白いですね。ARMY=強火という世界共通認識...。

「これは海外でもKPOPというジャンルの歴史が長くなると、韓国の忠誠度の高いファンドムの性向に追従していくためかもしれない。」の部分は日本のKドルオタにはあまり当てはまってないようですね。確かに本国追従タイプもいますけど、「イル活」が他の国での活動に比べて特殊だからかもしれませんが。

 

欧米圏でのKPOPファンも単独コンサートやKCONを見る限りではやはりアジア系や有色人種が多いようなので、今回のことで欧米圏におけるマイノリティにとってのアイドルとか特に若年層のマイノリティの消費力や購買力...はわからないけどとにかくマーケットへの展望的なものを見出されたりがあるのかなと。アーティストやアイドルと近いアジア圏に住んでいるアジア人同士だと正直そこまでピンとはこない事気がしますが、今までアメリカではあまり注目されづらかった市場のようなので、注目されたのはそういう部分も関係あるのかもしれないともちょっと思いました。
逆に言えば事務所と防弾少年団自身も、アメリカでの人気と一口に言っても、自分たちのファン層がどういう種類属性の人たちが多いのかと言うことをある程度リアルに理解しているからこそ(日本語バージョンは作っても)英語バージョンには欲がないとあえて言った部分もあるのかなあと思いました。実際、大手レベルの財源がないと本格的に欧米圏参入を継続する事は中々難しいようなので(ファンの要望とは関係なく)そこまでするメリットも今はまだないと思ったのかもしれないし。堅実な感じがします。

【ize訳】SISTARのいない夏

【ize訳】SISTARのいない夏

2017.6.7

 

http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017060623437270567&pDepth1=i2401

 

夏が来て、SISTARが去った。 SISTARのメンバー、ヒョリン、ボラ、ソユ、ダソムは一週間の音楽番組出演を最後にグループを解散した。 彼女達が最後の活動で歌った「Shake It」、「I Swear」「Touch My Body」などのメドレーは、この7年間SISTARの代表的なイメージだった。 夏に人々を「Shake It」させるセクシーなダンス曲を発表したガールズグループ。これはおそらくしばらくは、再び見にくい風景であろう。 彼女たちの最後の舞台となった4日のSBS「人気歌謡」でSISTARはヒット曲メドレーを歌い、ホットパンツを着てセクシーなダンスを踊った。 一方、最近デビューしたガールズグループたちのほとんどはテニススカートを元に、制服やチアリーダースタイルの服を着て子供のような愛嬌をふりまいていた。

 

TWICE以降、清純だったり愛嬌が多く、そして若いイメージを強調するグループが大量に増えた。 一方では男装をしたりするMAMAMOOが人気を得ている。 活発で清純ながら愛嬌を見せて男性たちにアピールするガールズグループと、いわゆる「ガールクラッシュ」で女性ファンにも多くの人気を得ているガールズグループ。それ程最近のガールズグループ達は、過去よりさらに特定の狭い好みの消費者層を攻略する。 ガールズグループに対する消費者の変化はこのような現状の理由を示している。 ガールズグループLOVELYZが去る2月に発表したアルバム「R U Ready?」はGAONチャートアルバム販売順位で2月8位、3月11位を記録し、45,992枚を販売した。 一方、同期間のタイトル曲「Wow」の音源チャート順位はチャート外と51位だった。 ファンドムの規模を示すアルバム販売量は過去より高くなっており、音源チャートで高い順位を記録するのは以前より難しくなった。 ガールズグループのGFRIENDが最近発表した「Fingertips」の音源チャート順位は過去より低かった。 しかし、この曲が収録されたアルバム「The Awake」の販売量は4月までのGAONチャート基準73,493枚でグループの最高枚数だ。

 

SISTARの衣装とパフォーマンスはしばしば直接的にセックスアピールをしていた。 「Touch My Body」や「Shake It」のような曲のミュージックビデオだけでも彼女たちの肉体のあらゆる部位を強調し、セクシーなイメージを浮上させている。 「So Cool」発表当時の舞台衣装は議論になったりもした。 しかし、「Touch My Body」ミュージックビデオは同時にSISTARがパーティーを楽しむ姿を通じて、彼女たちがみんなを楽しませるグループであることを表していた。 セクシーではあるがくどさを
は減らし、楽しさは育てている。 その結果、SISTARの歌は夏ごとに数多くの人が楽しむ曲となった。 SISTARは性別と年齢を問わない人気をもとに1年間、多くのイベントに出演した。 夏ではない季節にはソロやユニット、又はコラボレーションや演技活動を行った上、個人活動はメンバーたちの認知度をさらに上げた。 しかし、最近のガールズグループたちは1年に2回、または3回以上アルバムを発表する。 アルバムを買った消費者を対象に抽選し、当選者に出席の機会を与えるサイン会も地道にしている。 そんな風にファンドムを集めつつ認知度も一緒に上げてゆく。 人気を得た後も休む間もなくリアルタイム放送とリアリティーショーをしてファンドムを捉える。 missAの「Bad Girl Good Girl」のようにデビュー曲がその年最高の人気曲になるのは次第に難しくなっていっている時代の風景だ。

 

SISTARは昨年に発表したアルバムの「Come And Get Me」で女性の立場からセックスについて言及した。 (【ize訳】SISTARが今年の夏に持ってきたもの - サンダーエイジ)タイトル曲「I Like That」のミュージックビデオは彼女たちの体を依然としてセクシーに見せはするものの、以前のミュージックビデオのように体の特定の部分だけを強調しない。 代わりにメンバー間の関係を強調し、SISTARとジョルジオ・モドが一緒にした「One More Day」は、プロモーションビデオでデートDVを素材にしたりもした。 トークショーで彼女たちが男性MCの無礼なコメントを打ち返している姿はしばしばインターネットで広く認知され、個人活動ではヒョリンがMnet「UNPRETTY RAPSTAR」を通じて新しい領域に挑戦したりもした。 彼女たちが夏に発表した曲で築いた汎大衆的な認知度は、むしろ以前より破格的な試みをできる基盤になった。 同時に、自分たちが言いたいことをより直接的に出すようになった。 彼女たちはキャリアを積むほど更に自分たちの態度を明確に見せてくれたし、同時に大衆に愛された。 そして最後の舞台でさえ、これといったコメントもなく彼女たちを代表する曲と別れ話を描いた最後の曲「Lonely」を歌った後、笑いながら解散した。 最も大衆的なガールズグループの位置にいながら、むしろその大衆性を通じて大衆に言いたいことを言い始めたチーム。それゆえに、SISTARをもっと見ていたかった。 彼女たちはますます新しいガールズグループへと進化していた。 しかし、解散も彼女たちの選択だから、ただ拍手ばかりするしかない。 そしてこんな風に挨拶することができるようになった。 生き残った者が必ず勝者ではないはずだ。 しかし、SISTARは生き残っただけでなく、彼女たちの存在意義を人々に伝えた。 そして、みんなが記憶するような最後の挨拶を残した。 SISTARはその時代デビューしたガールズグループたちの勝者として残ったのだ。


文 カンミョンソク
校正 キムヨンジン

 

 

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いつからか夏イコールSISTARというイメージになりましたが、個人的にはAloneが一番インパクトに残っていて、あああいう路線も好きでした。