サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】EDMでダンスをするボーイズグループたち

【ize訳】EDMでダンスをするボーイズグループたち

 

2017.6.8
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017060723527244646&pDepth1=i2301

 

アイドルの歴史を語る時「世代」という概念は一般的なバラエティ番組で自然に言及されるほど普遍的な概念となった。 しかし、「ヒップホップ」という緩いつながりを除けば、音楽の形式や内容からアーティストの集団を規定することはめったにない。 ところが最近、いくつかのボーイズグループが(最も普遍的な用語で呼べば)EDMとして認識されるような方向性を共有している。 この流れは海外の流行の中で何が国内に移植されて受け入れられるのかを考えてみる機会という面で興味深い。

 

各自がEDMという単語を自分の好きなように使用しているが、米国の大衆音楽の一部になったダンス・ミュージックは、ヒップホップ・R&Bなどと対立していたり融合したりして、重要な意味を持つようになった。 特にThe Chainsmokersの大成功以来、私たちは一種の定型化を目にしている。 これを大衆的エレクトリック・ポップと呼んでも、フューチャーベースの一種と分類してもよい。 重要なのは、この音楽がEDMがポップスと位置づけられる過程において、現在までに最も最適化された結果だという点だ。 数年前までAvicii、Tiëstoなどが業界の最上級のメロディーメイキング、プロデュース感覚あるいは有名なボーカリスト/ラッパーとの協力を通じて、ハウスビートに人々が踊って遊ぶように作ることに成功した。 その後公演産業の一軸として責任を負う存在になったが、大衆音楽の日常的な姿として位置づけられる事は容易に起こらなかった。 ライブで武器となる攻撃性はより広範な音楽の聴衆に向けた「ラジオとの親和」を許さなかった。

 

しかし、近年のEDMにおいてシンセサイザーが作り出すクライマックスは、EDMで言ういわゆる「ドロップ」をロック/ポップの「フック」と同一の概念として作用しやすくしている。 クライマックスに至る過程では歪曲されたボーカルや効果音を柔軟に使用し、伝統的なポップスソングの構造を作ることができる。 おかげで、構造的に見れば突拍子もなく聴こえるメインのビートは「こうしなければならないからしている」というジャンル的な構成ではなく、リスナーの注目を集めて快感を与える為の要素となる。 このようなアプローチは、ここ数年間でヒップホップが「trap 」ジャンルにおいてその効用を証明し、The Chainsmokersはより多くの人々にアプローチする方法を探ったわけである。 「お金や女」の話ではなくて他のものが聞きたいリスナーにとって、フレッシュな感覚を維持しながらも伝統的な愛の歌や無害なテーマを歌うグループはなかなか魅力的だ。 彼らのほとんどすべてのMVはビジュアルデザインの一部として歌詞を見せている。 これらのテーマは、彼らの重要なコンテンツなのだ。

このような特徴は最近、アイドルがEDMをグループ単位の正規活動コンテンツとして選択し始めた理由の始まりとなる。 ヒップホップが、あるいはDJ-ingがいくら熱いといっても、グループ単位のアイドルにコンセプトやストーリーを付与することは容易ではない。 ここ数年の間熱かった概念である「アイドルラッパー」が、メンバー個人の技量や芸術的オーラ以上でチームに貢献したことはあまりない。 彼らがアイドルとして位置付けられるためには依然としてアイドル固有の領域確保が必要である。 端的な例でいうと、「SHOW ME THE MONEY」に登場する「ラッパーのZICO」とBlock.bの「リーダーのZICO」はかなり明確に区別する事ができる。 そのような意味で、最近のEDMは新たなチャンスだ。 個人の力量に頼らず、グループとして新たな音楽を披露しことができる。 新しく感じるだけではない。 すでに大衆的な反応が検証されていて、それを引き出す公式が市場に位置している。 何よりもアイドル市場の基本的な情緒と衝突しない。

 

ここまでの全ての要素を備えた試みは防弾少年団の「血、汗、涙」だった。 歌の速度はK-POPの属性を維持している。 大手芸能事務所が時々披露するように、ヒップホップやダンスミュージックジャンルとしての国際的完成度あるいは本物かどうかは問題にはしていない。 しかし、徹底的に計算された単語と呼吸、発音によって韓国語の印象を濁し、ジャンルの本格性を強調する先輩たちのノウハウを排除しない。 国内外で検証されている公式で、誰にでも洗練された完成度を感じさせるようにする。 彼らは具体的なサウンドではなく、そのサウンドが存在する理由を借りてきた。 「血汗涙」以降、類似した試みはもっと頻繁に起きている。 WINNERの「Really Really」は、所属事務所の豊かな状況を十分推し量ることができる滑らかな完成度を披露する。 ここに「どこにいる? 家なの?」で始まるシンプルな愛の物語を盛り込み、誰でも理解できる英語歌詞「Really、Really」で抑えてK-POPでのみ可能な奇妙な衝突を作り出している。 SEVENTEENの「泣きたくない」は最も直接的な例である。 The Chainsmokersとの類似性は、むしろこのトレンドの中にあるという証明とも似ている。 当然、盗作からは程遠い。 それよりもこのような質問をしてみよう。 マーティン・ギャリックスとトロイ・シヴァンが「There For You」を歌いながら振付をしたらどのようになるか知りたいか? と。その音楽の他には、韓国のアイドルにおいてはこの質問に対するすべてのものがすでに用意されていた。 防弾少年団、WINNER、SEVENTEENの最近の結果物は、その回答だ。 それに、EDMでダンスをすることが自分たちによく似合うと思っているようだ。

 

文 ソソンドク(音楽評論家)

 

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SMが今までやってきた事はなんだったんやと思わないでもない記事でしたが、SMの曲=EDMっていうイメージがあるのは外国人だけなんだろうか...韓国音楽批評界(アイドル批評界ではなく)でアイドルの曲のジャンルが評価分類される事はまだ稀なのかなあなどと。
(ソソンドクさんはアイドル関係の記事もたくさん書いてるけど、元々は洋楽畑の方らしいんですけどね)