サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】BLACKPINK、(旧)YGスタイル

【ize訳】BLACKPINK、(旧)YGスタイル

2018.06.27
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2018062622467225568


新しいアルバム「SQUARE UP」の4曲を含め、この2年近い期間の間にガールズグループBLACKPINKが公開したトラックは10曲を越えない。 そしてそのトラックの多くは一つの特徴を共有する。 簡潔に言えば、TEDDYを中心とするBLACKPINKの所属会社YGエンターテインメントのソングライター/プロデューサーの好みを最も純粋な形で表現している。 これを大雑把に表現すれば、たくさんの人たちがよく言うようにガールズグループ2NE1の反復、あるいは複製とも言える。

 

ここで「純粋な形」という表現を使う理由は、現在にYGエンターテインメントという会社とBLACKPINKというグループの状況のためだ。 YGエンターテインメントがBIGBANGや2NE1の両グループを軸にして動かしていた時代はとっくに終わった。 当時、YGエンターテインメントの独自プロデュースの力量は単純に洗練さを越え、大衆の趣向を先導すると確信することができた。 そして両グループは啓示を現実に表す天使に他ならなかった。 しかしある瞬間から、BIGBANGは会社の力量を活用しながらも自分だけの好みを反映しつつ、自ら他の世界に進んで行った。 WINNERとiKONはグループの始まりからその方向性を共有している。同時にYGエンターテインメントはPSY、悪童ミュージシャン、EPIKHIGH、SECHSKIESが同時に所属して活動する会社だった。 要するに、この会社がBIGBANGと2NE1時代に披露してきた古典的といっていい「YGスタイル」は、BLACKPINKでのみ見ることができる。

 

しかし、残念ながら、方法論だけでなくすべてが過去のように見える。 依然としてサウンドはしっかりしている。 少なくともそれぞれのジャンルとスタイルの中での完成度を言うなら、BLACKPINKだけではなくどのような場合にも失望するケースはあまりない。「DDU DU DDU DU 」と「Forever Young」のトラックがいずれもリスナーを引きつけておく腕前は、最近の国内のいかなる曲よりも抜群だ。 ところが、曲がBLACKPINKというグループと結合した最終結果はギクシャクし始める。 代表として目立つのは歌詞だ。彼女たちの歌の中の話者は、自分が直面した特定の状況や感情を表に現わさない。 「君は必要ない」あるいは「君が必要だ」という単純な選択肢を置き、その中で決まって出そうなありふれた言葉が表示される。 立場は当り前ことであり、その中にどれだけ多様なスペクトラムがあるかどうかは、さっと消える。 話者個人が具体性を露出すればするほどさらに多くの人々に普遍的な共感を与えるという事実の失敗事例として不足はない。

 

古い感性についてはどうか。 デビュー曲「口笛」の伝説的な「フィパラパラパラ夜」には及ばないが、依然として歌詞は予想できなかった瞬間に反転する。「水を得た魚」という表現はこれが歴史上初めて使ったのだとしても古くさい。「Loser 一人ぼっち 強がりの臆病者」はBIGBANGの歌詞なので反復法ではない。 すでにある曲の歌詞の一部を「ウィット」として借りてくる方式がもはや機能しない「テクニック」だからだ。

ただし、シングルではなく4曲のEPの形になるともっと他の可能性もうかがえることになる。 率直に「DDU DU DDU DU」と「Forever Young」ほどは関心を得ていないが、「Really」や「See U Later」はYGにおいてもっと多様な趣向が反映された以降の音楽が何かを見せてくれる。 急激に甘美なメロディーベースと鋭いドロップを過激につけなくても、BLACKPINKの声は十分に1曲を担当する。 今更な言葉だが、彼女たちが創作の中心にならなければならない必要はない。 しかし、YGエンターテインメントという「クリエイター集団」は代替不可能な水準の長所と、それがアップデートを経ておらず古びてしまっているという、そのアイデンティティと似合わない短所を同時に現す。 そしてそのアイロニーは、BLACKPINKを通じて最も「純粋な形で「表れている。 過去のJINUSEANからBLACKPINKに至るまで、YGエンターテインメントのように巨大な歴史を持ったレーベルだけで起こり得ることだ。 私たちはどんな形であれ、その結末を見ることになるだろう。


文 ソソンドク(音楽コラムニスト)
校正 キムヨンジン


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なかなかに韓国っぽい思考の元に書かれた文章だと個人的には思いました。「スタイル」よりも「変化」や「トレンド」を良しとするというか。最近の韓国のカルチャーは日本以上に「スタイル」よりは「トレンド」重視という傾向もありますし(というよりスタイルという概念がまだそんなにないのかも)歴史的背景もあるのかスクラップ&ビルドが好きそうだし。日本だとアイドルにおいてはどっちかというとスタイル>トレンドのように感じますが。
自作してるグループはそれなりにバリエーションがありますが、基本的にYGの音楽ってパッと聴いただけでYGだな〜っていう、曲の好き嫌いとは関係なく「スタイル」があると思うんですけど、言い方を変えれば「昔から代わり映えがしない」とも取れるという事だと思います。そして韓国の音楽評論界隈(もしくは海外のKPOPをよく知っているKPOP評論メディアでは)では、YGの音楽はこういう批評を受けやすい傾向がある感じはします。若手のなかでは一番YGぽいと言われているiKONのファーストアルバムも、YGっぽいという評価とともにやはり古臭いという評論家はいて、逆にいわゆる「YGっぽくない」音楽をやっているWINNERの方がそういう評価はされないので、若干わかりやすい感じがします。

個人的にはどの事務所も似たような傾向のトレンド音楽によりがちな昨今のKPOP界で逆にこれだけ独自のスタイルを貫いてる事自体がオンリーワンだし、他の事務所はなかなか出来てない事なので(アイドル=トレンドとみなされている部分が強いので難しいのかも)そういう部分での凄さはKPOP歴が長くなるほどにじわじわときてます。
KPOP自体の歴史がまだ短いというのもあると思うんですが、音楽そのものにスタイルがある事務所自体が韓国ではまだ少ないように思いますし、それで実際「YGスタイル」というものが飽きられてるのかというと相変わらず大衆からの支持も強いわけで。「YGっぽい」グループも過去には出た事はありますけど結局YG以外は売れてないですし(KUSHがプロデュースしても売れなかったんだし)多分LDHなどのように「代わり映えしないと言われても、本気でずっと同じ事を変わらないでやっていく」からこそずっと支持されてるんだろうと思うんですよね。2NE1のインパクトが強すぎたというのもあると思いますが、多分似たようなテイストがあったとしても基本的に「違う人たちがパフォーマンスすれば別の曲」くらいの感覚でやってる気がします。YGの歴代のボーカルは個性があって誰が誰だかすぐわかるので、似たテイストでもあまり関係ないというか。それに2NE1は解散してしまい、自作メインの様々なグループが所属している現在は「TEDDYがプロデュースしているYGスタイルの女子グループ」自体が現在はBLACKPINKしかないので、会社がプロデュースするグループに関しては一子相伝みたいなことも逆にありなんじゃないかと思いました。

要するに、「YGスタイル」は10年以上を経てトレンドではなく本当にスタイルになったって事だと思うんですよね。それが韓国ではいい事なのか時代おくれな事なのか(まだ)わかりませんけど、この文章中で「古臭い」と言われた曲の方が売れてるということは、こういうものがYGには求められててそれによく応えた結果ということじゃないんでしょうか。

個人的にはForever YoungやReallyは2NE1テイストを感じたというか2NE1がやってるのを想像できますが(Forever Youngは2016にレコーディングしてたというので納得)、DDU DU DDU DUのような曲は今のBLACKPINKだからこそ出来たのではないかと思っています。CLのソロではtrap系の曲もありますが、Bad Bitch系というかかなり系統が違いますし、2012あたりの圧倒的にパワフルなウーマンパワーとも少し違う、2018のフェミニンさもありつつ女子のエンパワメントをchillいhiphopスタイルで語れるのは今はBLACKPINKしかいないんじゃないかと思いました。そもそもhiphopスタイルの曲をやる女子グループが今はほとんどいなくて、YG以外で売れた先例もないんですよね。歌詞の内容も2016のデビュー当時にこの路線だったらまだ着慣れてない服のような感じがあったかもしれないけど、今だからこそしっくりくる感じがしますし。