サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【質問箱】海外(英語圏)のKPOPファンについて

またもやご質問も答えも長いシリーズのご質問が来ましたのでここで回答しました。

 

Kポ界隈の英語圏ペン達がアジア人が好きなのにもかかわらず英語圏の価値観・英語至上主義のように見えるのが気になります。


最近、マスターが英語圏ペンにホワイトウォッシングと言われて怒っているのをよく見かけます。

そのことについては泡沫さんも以前書いてらっしゃった気がするのですが、写真はきれいに加工しようと思うとどうしても明度が上がってしまったり、それ以前に撮る際にホワイトバランスの調整を失敗したりだとか照明のあたり具合で普段の肌の色とは全く違った色になってしまうことは多々あると思うんです。


私自身、色黒のアイドルが好きなので韓国の美白至上主義にムカつくことは多々あります。色黒のアイドルが白くされてしまうのはいい事とは思えません。

ですがフォトショップも触ったことがなさそうな英語圏ペンが言ってることは、脊髄反射で"ホワイトウォッシング"と言う言葉を出している、状況を考慮せず自分たちの文化圏で生まれた判断基準・価値観を無理やり当てはめているように見えるんです。


それ以外にも英語にないニュアンスの韓国語を無理やり英語に当てはめて訳した文章だけを見てメンバーを非難したり(他の国の言葉には英語にない表現もあるというのがすっぽり抜けているように見えます)

日本や中国やタイやベトナムなどのアジア圏ペンは自力で翻訳したりしてるのに、英語圏ペンは公式にも他言語圏ペンにも当然の権利だと言わんばかりにeng plzと要求したりということをよく見かけます。

英語圏が世界の基準なのだという価値観が染み付いているように見えるんです。

どうしてこういう事が起こるんでしょうか?やはり世界では英語を喋る人の割合が多いからこんなふうになるんですかね?

アジアの文化を好きになっておきながら西洋的価値観でジャッジするのをおかしく思うことはないんかい、と考えてしまいます。

答えというより泡沫さんの意見が聞きたいです…よろしくお願いします。


https://odaibako.net/detail/request/2415ee0608e9411b91871db08eadb1fb

 


英語圏といっても欧米圏だけではなくアジアも中南米も含まれるでしょうし、ひとくくりにはできないんじゃないかとは思います。欧米圏でもKPOPのファンは有色系の人種が多いようですが、人種も様々でしょう。美の価値観が似ているように見える日本と韓国と中国ですら実際は結構違うように思いますし。

 

ホワイトウォッシングについては過去に関連記事を訳した時に結構色々書きました。

個人的にはアジア人はアジア系の肌の事を「黄色い」と表現する事は少ないように思う(日中韓に限って言えば象牙色というかアイボリーとかベージュに近いイメージでは)ので、肌の色、しかもアジア人以外から見たyellowという基準にアジア人のアイデンティティを求める事自体に違和感があります。三原色白黒しかないくらい単純に世界を分けますねという。そもそもアジアも広いので、肌の色にもかなりバリエーションがありますし...他の人種もそうだと思いますが。アフリカ系や他のマイノリティと同様にあえて西洋の文化圏のアジア人が主張の手段として標榜するのはわかりますが、KPOPというそもそもアジアが主体の文化でもそれこそそういう「白人的な」価値観を持ち込む事自体が文化侵略なんでは...的な事は思います。芸能人の写真を権利者以外の他人が勝手にいいように修正してしまう事についての是非は、また別の問題じゃないかと思うので。


今はネットで世界中の情報が手に入る時代にはなりましたが、表層的に触れる事は簡単になった分逆に異文化というものがどういうものなのか、自分たちと歴史や文化的に大きな違いがある人間が同じ地球にいて当然だということを知らないし、考えた事もないという人たちもインターネット上にはたくさんいるんじゃないですかね。日本もそうかもしれませんが、海外に全くいったこともない人がインターネット上のみで好きになってファンを名乗れるというのがKPOPの特徴のひとつでもあると思います。ウェブ上に無料のコンテンツが溢れているので、全く現場に行かなくても課金もしなくてもファンの気分が味わえちゃいますよね。


それはさておき、日本にも「KPOPは好きだけど韓国には興味がない」とか「特定のグループは好きだけどKPOP自体には興味がない」という人がいるように、海外でも「自分が好きなアイドルが好きなのであって、その他の事は知らないしどうでもいい」という層もいるというだけではないでしょうか。そういう人たちは好きになったアイドルがたまたまアジア人だったけど、別にアジアに興味があるわけじゃないんだと思います。だから、その国の人たちがどういう意味でそういう言動や行動をとったのかという事を自国の価値観でしか測れないのでは。他の価値観を知らないし、そういうものがあるということ自体想像もした事がないんじゃないでしょうか。「なんでそうなるのか」の後に「行動原理が知りたい→調べてみよう」とはならずに「おかしい!直すべき!」という思考回路になってしまうのかな?

日本でも「日本では考えられない」というフレーズ、よく目にする気がしますが、同じではないけどこれに近いものがあるんじゃないかと思います。そういう人が盲目的に何かを好きになった場合(よく知らないけど好きというのはそういう側面もあると思います)何かがあったときに、一気に反転してレイシズム丸出しになったりするのが不思議ですが、最初から根本的な文化の違いを理解していないで勝手なイメージを自分の中で作っていて、しかもそれが自分の勝手なイメージだということすらわかっていなかったりするのが原因なのかもとは思います。

誰でも共感しうるような人間としての素の感情の部分やパフォーマンスだけを見て好きになるというのは素敵な事だと思いますが、個人的にはどのような職業であれ自分の生まれ育った環境の文化の影響を全く受けていない人間というのはいないと思いますから、特に全人格的に消費される事が多いアイドルの場合、生まれ育った場所の文化や慣習などを反映した行動が露出する可能性がいわゆる「アーティスト」よりは多いんじゃないかと思いますけど。

個人的には別に共感や同意をしなくても理解はできると思いますし、理解できなくても魅力があったり好きなものっていうのもあると思います。私自身もKPOPやその周辺文化に対して「は〜?全く理解できないし共感もできないな!でもたまらなく興味深いし面白いな!」と思う事はよくあります。


これと似たようなこと、アジアの文化が他の文化圏のファンと出会ったというケースとしては、多分日本のアニメやゲームと海外の二次元オタクの関係が近いのではないかと自分は思ってます。昔はなんでアニメのキャラクターの絵は金髪や茶髪で目が大きくて西洋的なのか・白人至上主義なのではというような非難と言うかツッコミがあったそうですが、現在ではジャパニーズスタイルのデフォルメが浸透して日本ぽさの特徴のひとつになり、それが西洋的だという人はほとんどいないと思います。髪や肌の色もナチュラルな人間にはありえない色のキャラクター多く出てきますし、キャラクターの人種配分についても以前の方が色々言われていたようですが、今日では「日本は人口の殆どが日本人だし、アジア系以外の人種も多くないのでそもそも他国向けに人種について配慮してキャラクターを作ってない」という事はオタク間ではある程度浸透しているようです。主人公の考え方やストーリー展開にしても欧米の価値観とはかなり違う事がありますが、これもある程度は文化的な差異として理解されてきていると思います。

日本のアニメやゲーム業界の意識が少しづつ変わっているのもあるとは思いますし、基本的には作り物のフィクションという点が大きいのかもしれませんが、そこに至るまでも何十年かかかっているようなので(現在進行形でもあるでしょう)ある程度の規模が出来て10年足らずのKPOPオタの世界でももっと時間が必要なのかもしれません。


言語的な事にしても「今どきどこの国のファンにもわかるように世界的にメジャー言語で供給するべき」というような考え方の人がいるのはどこのジャンルでも同じかもしれませんが、二次元の場合は「日本のコンテンツは基本的には国内向けにしか作ってない」という事は今は海外の二次オタの間ではある程度理解されていますし、だからこそ「こっちが勝手に好きになったので、好きな作品を広めるために」という考え方から海賊版ファンサブ(ファン翻訳)が発達して、やがて今のようにたくさん公式で翻訳版が出るようになったという歴史があるのかも。しかし海外展開を意識している訳ではなかった日本の二次元カルチャーとは違い、今のKPOPが最初から海外に売り出すことを目的としているなら、ファンサブから公式訳という似た流れはあるものの、英語圏向けコンテンツの不足に対して安易に「eng plz」と言い出す英語圏のファンが生まれるのは仕方ない面もあるのかもしれないとも思います。

(そういう思考回路自体は傲慢とは感じますが)


しかし英語はユーザー数が桁違いですし、英語で出た誤訳というかニュアンスの理解不足による誤解は広まるスピードも早い(でも訂正は広まりにくい)上に、英語訳を他の言語に又訳して更に誤解が広まって行きそうなので、そういう点ではノーチェックの事もあるファンサブが多いのは良し悪しかもしれないですね。二次元キャラと違って現実に生きている人間が対象なので。

(お前が言うなというオチ)

【質問箱】防弾少年団の国内人気規模・韓国内での人気グループ・YouTubeでの再生回数について

長いご質問が来てツイッターでは収まりきらないくらい長い回答になったので、またこちらで回答してみます。

 

泡沫さん初めましてグクペンのarmyです
ずっと疑問に思っていたことがあるので質問させていただきます
BTS の国内人気というものはどの程度なのでしょうか
先日渡韓した際多くの広告を見たものの韓国国内では世界で騒がれているほどでもないのかなと正直思いました
(勿論人気の高いグループであることは重々理解しております)

国内よりも海外人気が高いのかなと感じたという事です
現地の大学生と話す機会もありましたが日本人の学生の方がarmyが多かった気がします
BTS はやはり国内人気というよりも海外人気の高いKドルアーティストなのでしょうか?

韓国国内の人気グループ(個人も含めてくださって大丈夫です)のナムジャグループヨジャグループのトップ3(順位をつけるのはあまりいいことではないかもしれませんが…)を教えていただきたいです

 

私の中の勝手な考察ではペン達(army)の団結力(良くも悪くもな部分ですが)が他グルのペンに比べて高いのが彼らが圧倒的な人気があるように見える原因の1つかなと思ってはいます…
(youtubeの24時間再生回数など)
youtubeの記録を塗り替えましたが(一位だったTaylor SwiftのLook What You Made Me Do)
総合的な再生回数でいうとやはり圧倒的に数字では負けているなと思いました
(単純にIDOLとLWYMMDを比較しているのではなくBTSの今までのPVとTaylor Swiftの今までのPVの再生回数です。勿論動画が公開された日時を考えてもということです)
何となく燃え尽き症候群のような感じの印象を抱きました
このままのペースで再生されてもIDOLのPVはTaylor SwiftのLWYMMDの一年間での再生回数を超えるとは思えないです…
(一年間としたのはわかりやすく比較するための期間の目安として例にあげただけです)


継続して再生されるTaylor SwiftのPVと燃え尽き症候群のような部分があるBTS のPVの違いは何なのでしょうか?
ファンの性格というか特性の違いでしょうか?

私自身armyであり10年来のSwiftiesでもあるので気になり質問させていただきました

 

https://odaibako.net/detail/request/9702b50cf99147db9975e7008a63ecf4

 

 

いくつかのご質問があるようなので、順番に整理させて頂きますね。


まず「韓国内での防弾の人気」なのですが、確実にわかっている事は、GAONチャートでの音盤(CD)販売数に関しては防弾が現状一番多いです。(LYS:結は193万枚超)ただ、GAONの販売数は出荷数から返品数を引いたものなので海外出荷分が含まれていますし、4種のバージョン違いなどもそのまま枚数に含まれていますので、実際の国内のファンの規模自体は今ひとつわかりにくいと思います。

(hanteo登録店での販売枚数がわかるhanteoチャートは現在は会員のみ公開になってしまったようです)

その中でもっともローカルな純粋なファンの数に近いものが反映されるのは音源ポータル、特に年間アワードがあり韓国内最大シェアであるmelonのリスナー数ではないでしょうか。

後からの逆走ヒット以外はほぼ24時間でリスナー数のピークに到達しますので、リリースしてから最初の24時間あたりの人数が一番参考になるかなと思います。

これを見ると防弾の今までの24時間あたりの固有リスナー数(ユニークリスナー数)ピークは69万人(Fake Love)で、男子アイドルグループの中で歴代ベスト20には入るけどベスト10には入らないくらいです。これはストリーミングが主流になってきたここ3〜4年前くらいからの記録なので、現在の指針としても有効だと思います。

 

しかしこれはいわゆるファンドム型(ガチオタ主導型)人気のグループの中では一番多い数ですので、アルバム販売数と音源のユニークリスナー数を合わせて考えると、現在の「ファンドム(ガチオタ)の多いグループ上位3組」は防弾少年団・EXO・WANNA ONEではないかと思います。


ただし、「人気がある」と一口で言っても色々な種類の人気がありますよね。上記の「ファンドム規模が大きいベスト3」がそのままイコールで「アイドルオタク以外の層からも認知度が高く一般的に人気がある」という事にはならないと思います。

というのも、ファンドム=ガチオタが買う音盤の販売量はこの3組よりも少ないけど、一般人も聴くであろう音源がこの3組よりも遥かに売れているボーイズグループがあって、それがBIGBANG・iKON・WINNERです。

(Block.bもファンドム規模より音源の方が売れるグループなのですが、ZICOの一般人気がとても高く彼のソロの方がグループよりも売れているという特殊例なので、ちょっと置いておきます)


BIGBANGはユニークリスナー数がピークで126万人でほぼ100万人以上、少ない時でも90万を超えていてボーイズグループの中では桁違いに一般リスナーに聴かれているようです。iKONもピークで84万人以上(my type)、今年リリースされたLove Scenarioはリリース時の24hユニークリスナーこそ62万人でしたが、その後ロングランヒットを記録して累積ユニークリスナー数は150万人を超えています。WINNERは昨年のReally Reallyがやはりロングヒットになり、最初の24hリスナーは63万人程度でしたが、ボーイズグループとしては初のストリーミング1億回越え・初の累積ユニークリスナー数200万人越えという記録を作りました。今年出たEVERYDAYの24hユニークリスナー数も77万人を超えていました。

つまり、ひとくちに「人気がある」と言ってもこの3組と前述の3組の「人気のタイプ」は全く違うと言う事です。前者は「グループにガチペンが沢山ついている」と言うことで後者は「純粋に楽曲がファン以外にも売れる・一般層に知られている」という事ではないでしょうか。

 

TV番組出身のWANNA ONEに関してはこの2つのハイブリッド的な部分があり、特定の楽曲や個人メンバーの知名度に関しては防弾やEXOよりも高いかもしれません。

ファン以外の幅広い層にアピールする必要がある広告などは一般層への認知度が高いグループの方が仕事が多い傾向があり、それは例えばソウルの街中で見かける頻度(ファンが出す広告は除く)などとは関係があるかもしれませんね。

ちなみに海外ファンドムも含めた世界的なファンドム規模としては、音盤売り上げから判断すると現在は防弾少年団が一番大きいのではないでしょうか。後で触れますが、YouTubeの視聴回数韓国内と全世界で差を見てもそうかなと思います。

 

女性グループに関しては、元々男性グループよりも音盤は売れない代わりに音源は男性グループよりも売れるし、ユニークリスナー数も多いです。楽曲がピンポイントで大ヒットするケースも出やすいため男性グループと同じ基準では比較できませんが、音源の売れ方と音盤の売れ方の両方を合わせると、2018年現在はTWICE・BLACKPINK・RED VELVETという事になるのではないかと思います。

 

音源だけを見るとBLACKPINKの「DDU−DU DDU−DU」は24hユニークリスナー数が女性アイドルグループでは初めて100万人を超え101万人を記録しまして、間違いなくこの3組の中では現在1曲あたりの音源が最も売れているグループではないかと思います。RED VELVETも「Power Up」のユニークリスナー数が98万人越えで、特にREDコンセプトの時はかなりの音源人気です。TWICEはユニークリスナー数はピークで89万人程度なのですが、とにかく女子グループの中ではダントツで音盤(CD)が売れています。海外も含めてですが30万枚以上売れるのは現状TWICEだけではないかと思います。ちなみにBLACKPINKは20万枚、RED VELVETは15万枚程度です。

(いずれもピーク枚数)

 

総合すると2018年9月現在、音源順位だと

BLACKPINK>RED VELVET>TWICE

(今現在の各音源ポータルでの楽曲の順位もほぼこの通り)

音盤だと

TWICE>BLACKPINK>RED VELVET

という事になるようです。


ここにもうひとつグループを加えるとしたら、おそらくユニークリスナー94万人の記録を持っているMAMAMOOかと思います。MOMOLANDの「BOOMBOOM」も楽曲単位だと今年かなりヒットなのですが、メンバー個々の知名度や楽曲の売り上げの安定感から見るとMAMAMOOの方かなと。

これはいずれも私個人が分かる範囲での数字を見た限りでの考えですので、ご参考までにという感じです。


次に、YouTubeでのMV再生回数についてですね。

 

IDOLが記録したのはYouTubeでのリリース時から24時間以内の再生数と1億回到達した速度でしたっけ?あとmelonでもリリース直後1時間のユニークリスナー数も記録を作っていたと思います。

これらの記録が表す事は、やはり防弾少年団はファンドム型の人気であり、なおかつ特に熱心で献身的なファンが多いという事ではないかと思います。何故なら曲のリリース直後に集中して聴くのは一般リスナーよりも「新曲を待ち構えて聴くファン」の方が多いだろうからです。


ほぼファンドム規模のみの争いとなっている音盤売り上げとは違い、ガチペン以外の一般リスナーの介入がある音源やYouTubeの視聴回数に関しては、公開から時間が経てば経つほど一般人気のある曲の方が有利になっていくのではないかと思います。それを踏まえると、一般人やゆるオタの視聴数がまだ少ないであろうリリース直後が最もファンドムが介入しやすい時間帯・期間という事ではないでしょうか。この時間帯に集中的に視聴する事で、少なくとも「リリース直後から限定された時間内」での視聴回数の記録に関してはファンドムの力である程度の記録は獲得できやすいのではないかと思います。ファンの意志で作りやすいが故に、防弾のファンもそこの部分を狙ってストリーミングを計画的に仕掛けている部分はあると思います。

(限定された期間の記録であっても、見出しでは「ユニークリスナー数新記録」とか「YouTube視聴回数新記録」とか書かれますし)

ストリーミング回数をラン競技に例えると、ファンドムが多いアーティストは短距離走に強いが一般リスナーが多いアーティストは長距離走に強いという事だと思います。


テイラー・スウィフトもswiftiesという名前がつくくらい熱心なファンがついていると思いますが、全体的な視聴回数を見ると純粋に楽曲のみを聴く一般リスナーもファン以外にも多くいるという事ではないでしょうか。防弾少年団のファンドムはスタートダッシュの速度的にテイラー・スウィフトのガチファンよりも勢いがあったという事だと思いますが、世界的に防弾にガチペン以外の一般リスナーがどの程度いるのか、他のKPOPグループと比べてどうなのかという事は現時点ではよくわからないと思います。

(スミンされすぎててそこがよくわからなくなってる感じですが、逆に他のアイドルより飛び抜けてスミンされていることが見てわかるレベルになってしまっているという)


というのも、テイラー・スウィフトの記録以前にIDOLの前にリリースされたFAKE LOVEの視聴者数を見ると、FAKE LOVEより1ヶ月後にリリースされたBLACKPINKのDDU−DU〜に視聴回数を越されているからです。3億回にはDDU−DU〜方が先に到達しており、今現在の回数も3.8億回と3.3億回なのでおそらく4億回に到達するのもBLACKPINKの方が早いのではないかと思います。この事があるので、防弾のファンドム自体もBLACKPINKに記録的に勝つ(?)見込みが薄いFAKE LOVEよりも、今のところ直近に強いライバル曲のリリースがないIDOLの視聴回数をメインにストリーミングを仕掛けている部分もあるのではないかと思います。BLACKPINKも人気グループではありますが、女子グループという事もあり音盤売り上げから見てもスミンを必死で頑張るようなファンドム規模は防弾ほどは大きくないでしょう。でも逆にガチペン以外も見るでしょうし、なんなら防弾のファンも見てるのではないかと思います。女性アイドルの曲の方がガチガチのファンドムがつきにくい分、逆に国や年齢層やジェンダー問わず視聴されやすい傾向は世界的にあるようです。


FAKE LOVEの方がDDU−DU〜よりも曲が長いから視聴回数に差があるという理屈を言ってくる人がいたのですが、まさにこれこそが「特定の期間に何回回せるか」というスミン(海外ではzombie streamingという名前がついたようです)を前提としている人の考え方で、そういうもののターゲットになっている時点ですでにYouTubeの視聴回数が「どのくらい多くの人に見られているか」という指針には厳密にはなり得ない事がよく分かると思います。melonと違って固有の視聴者数は出ませんし、アカウント自体もいくらでも作れますから言い方は悪いですがスミンし放題です。YouTube側もそれ故に過去には度々カウントの方法を変えたりもしていましたが...

(melonはアカウント作成に国民番号等のIDが必要になったため、複数アカウントを作る事は現在は簡単ではないようです)

YouTubeもmelonも同時に何人でも視聴可能ですから、「同じ人がずっと繰り返し何回も見る」という本来の目的から外れた前提がなければ単純に24時間をMVの分数で割った回数しか見られないという事ではありませんし、「どれだけ多くの人が視聴するのか」という観点から見れば曲の長さは視聴回数にはそこまで大きな影響はないはずではないかと思います。FAKE LOVEの方が1ヶ月も早くリリースされていますしね。

ご質問者の方が燃え尽き症候群のように感じたのも、「色んな人が見たいから見る」というよりも「ファンドムが視聴回数をあげる事を目的に回している」という方が現状では強いからではないでしょうか。

ファンドム主導型の人気でここまでの回数見られている事自体が凄いですが、逆に言えば結局はその限界もファンドム規模にそのまま依存するという事ではないかと思います。そして、例えリリース直後24時間の視聴数で競ったとしても、根本的にテイラー・スウィフトとは「MVの見られ方」そのものが異なっているという事だと思います。

 

ちなみに昨年一年間YouTubeで見られたMVランキング見ると、韓国内と全世界ではかなり違うのがわかると思います。

 

【2017韓国内 YouTube人気MV TOP10】

http://www.youtube.com/playlist?list=PLvaeCFvGpjsPSGqohBM3kz08kjgF-Z05a


1.TWICE「KNOCK KNOCK」(2月)

2.TWICE「SIGNAL」(5月)

3.IU「Palette(feat.G-Dragon)(4月)

4.PSY「I LUV IT」(5月)

5.PSY「NEW FACE」(5月)

6.REDVELVET「Red Flavor」(7月)

7.Ed Sheelan「Shape Of You」(1月)

8.BLACKPINK「最後のように」(6月)

9.IU「夜の手紙」(3月)

10.AKMU「Last Goodbye」(1月)

 


【2017 全世界YouTube人気KPOPMV TOP10】

http://m.newsinside.kr/news/articleView.html?idxno=480933#04yr


1.BLACKPINK「最後のように」(6月)

2.防弾少年団「DNA」(9月)

3.防弾少年団「NOT TODAY」(2月)

4.TWICE「KNOCK KNOCK」(2月)

5.防弾少年団「春の日」(2月)

6.TWICE「SIGNAL」(5月)

7.BIGBANG「FXXK IT」(16.12月)

8.チャニョル&PUNCH「Stay With Me」(16.12月)

9.EXO「Ko Ko Bop」(9月)

10.PSY「NEW FACE」(5月)


両方でトップ10に入ってるのはTWICEとBLACKPINKとPSYのみですね。これを見ると防弾少年団は国内よりも更に海外のファンの方が多そうです。

【お知らせ】Real SoundでTWICE・少女時代 Oh!GGについての記事を書きました

Real SoundさんでTWICEの日本アルバム「BDZ」のレビューと少女時代のユニットOh!GGについての記事を書きました。

 

 

9月はなぜか記事の依頼が今までのペースより多く、普段は普通のフルタイム社会人をやっているのでちょっとだけ大変でした。

実は更にもう一本別の記事が公開予定です。今月は何故か女性グループに関する記事が多かったです。

【週間東亜訳】KPOPではない、BTSポップだ!

【週間東亜訳】KPOPではない、BTSポップだ!


2018.09.16

https://m.news.naver.com/read.nhn?mode=LSD&sid1=103&oid=020&aid=0003169922


相次ぐビルボード席巻後、防弾少年団とARMYの次の「高地」は?

米国の大衆音楽産業の最も権威のある指標、ビルボード。今年防弾少年団(BTS)が二回連続で「ビルボード200」チャートのトップに上がった。 ビルボード200は米国内のアルバム販売量を集計するチャートで、非英語圏アーティストが自国語で2回1位になったのは例のない成果だ。 特に韓国伝統音楽要素を借用した最近のヒット曲「IDOL」はまるで「アジア人がここまで来られないと思ったか?」と威張っているようであるにもかかわらずだ。

 

防弾少年団ビルボードの次の目標にグラミー受賞を挙げる人が多い中、グラミー側でも彼らに関心のジェスチャーを送った。 9月12日、グラミーミュージアムが、防弾少年団を招待して特別イベント「防弾少年団との対話(A Conversation With BTS)」を開催したのだ。 

グラミーは白人男性に焦点を置く保守的な性向の授賞式とされているが、最近は変化の姿が感知される。 グラミーは2016年、ドナルド・トランプ行政部の人種主義的性向に批判の声を出している。 それからわずか数日後、マイノリティ連帯のメッセージを盛り込んだ「Not Today」ミュージックビデオを発表した防弾少年団は米音楽産業が探していたアーティストだった。 

同年ビルボードミュージック・アワード受賞を皮切りに、防弾少年団は気が遠くなるほどその都度記録を更新し、米国市場を破竹の勢いで攻略した。 最近、「クレイジーリッチアジアン」「サーチ」など米国内のアジア人の人生を描いた映画がヒットし、アジア人の人種的な可視性が米国内で大きな流れになっている。 このような傾向は、米国の主流市場に防弾少年団を紹介することにも肯定的な気流として作用している。 

国内メディアも防弾少年団の異例的な成就を連日特筆大書している。 その中心には「K-pop)アーティストがここまで世界で成功するとは思わなかった」という驚異がある。 東アジア大衆音楽が北米市場で説得力を持つためには、女性アーティストが有利というのが2000年代まで通念だった。 すでに2000年前後にアジア地域と欧州の一部地域で韓流が発生し、男性アーティストたちが成功していたが、北米は全く違う「高地」だった。 これは大体において英米圏の「正統」に第3世界が追いつくことができないためだと解釈された。 どうせ米国人と本質的な部分で競うことができなければ、西欧人にとっては東洋男性よりもずっと魅力的とされる東洋女性がより勝算があるという認識が一般的だった。 実際に韓国と日本の女性歌手たちが北米市場進出を意欲的に試みた事例が少なくない。


「米国のポップスとは別のもの」

このような通念に亀裂が入ったのは、2000年代後半からだ。 海外でKPOPをリアルタイムで楽しめるYouTubeという「高速道路」が開通し、海外ファンドムが多く広がってみると、本当に人気があるのは、ボーイズグループだった。 少女時代、Wonder Girlsや2NE1などのガールズグループも人気がなくはなかったが、これらは魅力的な「友達」というイメージが強かった。 海外ファンドムの主流が集中した対象はBIGBANG、B.A.P、EXO、2PMなどだった。 これは結局、KPOPが米国のポップスと「競う」必要がないことを見せてくれたことでもあった。 移民家庭の女性子供とセクシャルマイノリティが中心となった彼らの関心は、米国のポップスを凌駕することがなく、「米国のポップスとは別のもの」にあるためだ。 

防弾少年団はそこからさらに一歩進んで、現地化戦略のあらゆる詳細事項を廃棄した。 現地語に上手く橋渡しの役割をする外国出身メンバー、現地語の歌の参加、現地人が理解しやすいコンテンツと、はなはだしきは発音しやすい名前など、防弾少年団はすべてが反対だった。 メンバー全員が国内出身で、韓国語で歌い、それぞれ出身地域の色を強調したり、教育システム又は住居環境など韓国内の特殊な文脈も歌詞に入れた。 過去の現地化戦略が天動説なら、防弾少年団の戦略は地動説と感じられるほどだ。 海外ファンにとっても有効なアピールは全く異なるものだった。

 

BTSだけが好き」

その一つがコンテンツの叙事性だ。 連作アルバムというフォーマット、自然と人である各メンバーのライフサイクルを基にしたテーマ選定とこれによるコンセプトアルバム、ビルボードミュージックアワードの受賞演説のように現実に起きた事件を再び敍事の中に引き入れたりするなど、すべて動員されている。 今、彼らがセールスするのは、レコードやツアーというよりも寧ろ防弾少年団という長編ドラマに近い。 叙事性の強いコンテンツが海外ファンにアピールするというのは、海外でより大きな反応を得ている近年のDREAMCATHERやLOOΠAからもうかがうことができる点だ。 新曲が出るたびに新たなエピソードを受け取り伏線を解釈していく面白さは、韓国メディアに対する接近性が低い海外のファンたちも全く疎外されない消費方式だ。 

国内のファンにとっては放送と芸能ニュースの支配力が高い。 KPOPアイドルは新曲発表、音楽放送とテレビ番組の出演、芸能ニュース報道、その他のイベントなど、多様なルーツでのファンと出会う。 彼らに比べて海外ファンたちにはツイッターYouTube、V LIVEなどのニューメディアがより重要だ。 また、このようなニューメディアは防弾少年団という豊かなコンテンツをもっと明快に提示してくれる役割もする。 公式音源やプロモーションビデオで鑑賞が集中され、これをソーシャルネットワークサービス(SNS)の活動で補完する。 コンテンツはほとんど所属会社とメンバーらが直接関与する公式的なものとして統制力が強く、鑑賞者としては集中度が高い。 特に物理的に遠距離にある海外のファンたちには、このような方式がより有効であったのだ。 

一方、防弾少年団の歌が聞かせてくれる率直な自己告白と真正性は、KPOPファンドムがいつも望んでやまない部分だった。 KPOPの完璧な造形美に熱狂しながらも、それが「人工物」または「フェイク」だと考える認識はいつも心にひっかかる部分だった。 国内ファンはこのようなすっきりしない部分を克服することができる。 スターと近くで接し、実在感を経験するためだ。 しかし、海外のファンは事情が違う。 彼らにとって防弾少年団は、造形美と真実性を備えたソリューションに迫るのだ。その結果は、海外ファンドムの構造の変化として如実に表れている。 様々なアーティストを同時に好きなのが一般的だったが、今は防弾少年団だけが好きなファンとその他に再編されている。 KPOPファンドムで防弾少年団という解答を見つけた人であるなら、他のアーティストを好きでいながらも感じるすっきりしないことにもはや耐えることができないからだ。 「防弾少年団はKPOPではなく、BTS-POP」という主張もこれと無縁ではない。 

これまで世界のポップス地図で、韓国は一種の宗主国の役割を果たしていた。 海外でもっと人気のあるアーティストが時折いるが...という程度に限界があった。 海外のファンたちも国内での人気度を意識してきたからだ。 これは国内で人気がないためにキャリアが続かないとか、国内ファンから「気がきかない」というようなアドバイスを受けるなどの経験から始まったものだ。 しかし、海外ファンドムは地道に独自の趣向集団として進化してきた。 最近はDREAMCATHER、LOOΠA、Stray Kids、KARDなど、海外の反応がもっと熱いアーティストが続々と登場している。 このような現象は、防弾少年団以降さらに加速化するしかない。 国内ではそれほど関心が得られなかったキャリア序盤から防弾少年団を圧倒的に支持してきたのは海外ファンドムであり、それが爆発力を得て北米市場で大きな成果を出した後、国内に「逆輸入」されたためだ。これからはKPOPという産業において、韓国市場の数字はその重要性が低くなるのだろう。当面は国内で認知度とは別に、海外でセールスするKPOPアーティストが増えるだりう。究極的には国内市場と無関係ないわば「脱KPOPアーティスト」の登場が期待される。


米音楽界、ARMYの自発的行動力に'驚嘆'

その反面、韓国は依然としてKPOPの文化的ヘゲモニーだ。 防弾少年団とともに最も多く呼ばれている名前、彼らのファンドムARMYがこれを裏付けている。 防弾少年団が一つのドラマであるなら、ARMYは「参加する文化」だ。 ビルボードに到達してから話題となり、海外ではARMYの活動に鋭い関心を示す。 「BTSを100%楽しむためには、ARMYの一員になってダンスと歌を真似してスローガンを叫んでオンライン投票もやってみろ」といういう感じだ。いわば防弾少年団が一種の体験型のコンテンツのように考えられることもある。

このすべては韓国流のファン文化だ。 米国のポップスが経験しなかった文化だ。 英米圏ではあらゆるアーティストのファン集団の名前が大衆によって自然につけられている。 ジャスティン・ビーバーのファンドムである「ビリーバー」、One Directionのファンドム「ディレクショナー」などがそうだ。 一方、KPOPでは所属プロダクションとアーティストによって命名されるのがファンドムだ。 彼らは、同じアーティストを好きで同様の性格を持った集団ではない。 「名づけられた」存在、アーティストと「縁」という感覚を感じる存在だ。 これは英米のポップスと区別されるポップ文化特有の感性でもある。 アーティストの成功を念願して自分を献身するようにする原動力であり、膨大な人員の集団行動へと具体化される。

音楽やミュージックビデオの再生回数、彼らが言及されるすべての投票に乗り出すのは基本だ。 ARMYは多方面で彼らをそれこそ「サポート」する。 PSYの「カンナムスタイル」(2012)と最も差別化される部分でもある。 PSYは一般大衆の間で歌が話題を集めてヒットしたため、運も大きく作用した。 一方、ファンドムの力でチャートを打って値上がりした防弾少年団は人の努力によって果たされた成功であるため、パンシヒョクビッグヒット・エンターテインメント代表が言うように「モデルとしても有効になる」。米音楽産業界がARMYの自発的な行動力に驚嘆して注目する理由でもある。 

ところが、ファンドムに向けられる視線は国内と根本的に違わない。 ファンドムに関する研究論文の多くは、ファンたちがアーティストの広報を遂行することに焦点を置いている。 言い換えれば、所属会社の資源と労働力が入るべき業務をファンが「自発的に」することで発生する経済効果に注目しているのだ。 似たような見方がアメリカの音楽産業界にもある。 軽いものではSNSで何の意味もなくARMYを呼称して関心を誘導する場合があり、それほど意味のない人気投票を作ってARMYのクリック数を受けている。甚だしい場合には、芸能メディアや音楽記者が自分たちが何かの賞候補に上がると、ARMYに投票をお願いするケースさえある。

もちろん、ほとんどの関係者はARMYの力やARMYと防弾少年団の格別な絆に惜しみない尊重を表明する。 しかし、ARMYの経済的価値を利用しようとする彼らの存在は、米音楽産業と韓国のファンドム文化の間をただ純粋に眺めてばかりはないようだ。初めての出会いのピンク色の気流の中でどんな力学が発生するのか、見守る必要がある。 

逆風の恐れもある。 国内でアイドルファンたちは、長い間否定的な視線を受けてきた。 「若い女性の好み」に対する非難は、程度の差はあるものの多くの文化圏で共通的に発見されている。 今はまだ肯定の視線が支配的だが、少女たちの集団行動という現象を目の上のこぶとみなす彼らはいつでも出現することができる。 すでに米国有力紙でも「FAKE LOVE」のステージをレビューし、「堂々とフェイクの愛と歌うが、それでもいいと歓呼するファン」と皮肉られてもいる。防弾少年団は「Love Yourself(自分を愛しなさい)」キャンペーンを展開したり、ファンもこれに応えてARMYの「火力」を慈善募金などの善行に利用することもある。 また、最近では防弾少年団の空港の入国場では、ファンが秩序維持とアーティストの保護に向けて紐で安全線を作るキャンペーンを繰り広げたりもする。 このように、アイドルグループやファンドムについて認識改善が行われ得る事例も積もっている。 しかし、依然として熱いファンドムは熱い逆風を受けやすい。 防弾少年団とARMYがこの気流の中でどのような均衡点を探していくかは慎重に見守るべきことだ。


健康的で楽しいファンドムの文化に向かって

アルバム「Love Yourself結'Answer’」はビルボード200 で1位から8位に、タイトル曲「IDOL」はビルボードHOT100の11位から81位に落ちた。アルバムが曲よりも売れるという点や発売初期に集中することは、典型的な「ファンドム主導型」の成績ともいえる。 防弾少年団の力がファンドムであるならば、その限界もファンドムの大きさであるわけだ。 失望したり馬鹿にすることは全くない。 まだ米国のメジャー市場の一般人を対象に定着することはできなかったという意味であり、これは自然と防弾少年団とARMYが眺めている次の目標であろう。 


国内外のマスコミが見る防弾少年団に対する興味は、やはり成績に焦点が合わさざるを得ない。 彼らが建てた金字塔と成功の原因、経済的価値のようなものだ。 残念だが、それがメディアの摂理だ。 懸念されることは、このような世論がファンドムの目標指向性をさらに刺激しないかという点だ。 特に韓国メディアの無関心に長く苦しめられた韓国のファンらは、補償心理を大きく感じていそうだ。 また、これと同時に国内で活動時間が少ない事についての欠乏感とこれによる疲労を訴える現象も現れている。 成績表と数字の後ろで注目しなければならないもう一つのテーマは、どのように健康で楽しいファンドムの文化を作っていくのかということだ。 努力と献身を要求する韓国式ファンドムの文化を出発点としてこれだけ離れて来た時、防弾少年団がKPOPに輸入した革新をファンドムの文化でも目にすることになるのだろうか。 その答えも防弾少年団とARMYは一緒に作っていくことになるだろう。


ミミョウ(idology編集長)

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「健康で楽しいファンドム文化」って、今現在防弾少年団とARMYから一番遠い言葉では...ここにきて共依存的不健康な関係性しか感じなくなってきてますね。少なくともARMYと防弾少年団が答えを作ることは絶対に無理だよ〜(震)

(個人の感想です)


アイドルの名前で募金するのはどこのファンドムも昔からやってるし、空港で迷惑かけないとか人として最低限の事ができてないのができるようになったところで...と日本のファンとしては思うだけですが。逆風も女子供の趣味だからというより、同じアイドルファン同士でというも多いのでは。

(南米に8万人規模のアンチ防弾団体があるっていう都市伝説みたいな話がもうあるらしい)

しかしこれはある意味究極のファンドム依存型ビジネス成功例と言えるかもしれないと思いました。すごいけど怖いですね。ファンドム内のマジョリティになれないファンは弾き飛ばされそう。

【askまとめ】15/曲のおすすめ

使わなくなったaskのFAQまとめです。

長いものや繰り返しきかれがちなもの、資料的なもののみ抜粋しました。


◆曲のおすすめ


わたしはEXOのstrongerのような、歌が上手くないと歌いこなせないようなお洒落な曲が好きなのですが泡沫さんオススメのそういった感じの曲はありますか? そろそろstronger以外にも発掘したくて....

(2018)


ちょっと漠然としていて理解できてるか自信がないのですが、Strongerを聞いたときの「ちょっとブルースっぽいジャズテイストの曲」というイメージで選んでみました。

ご要望と違ったらすみません!お洒落...?


テヨン「Rain」

パッキョン&パクボラムOrdinary Love」

IU「25」

HIGH4&キムイェリム「A Little Close」

REDVELVET「AUTOMATIC」

PRIMARY feat.オヒョク「Bawling」

PRIMARY feat. Zion.T &Gaeko「See Through」

AKMU「RE−BYE」

ジョンパク「DND

MAMAMOO「PIANO MAN

 

先日参加したライブでMONSTA Xが出演していたのですが、その時メンバーのウォノ作曲のFrom Zeroという曲を初めて聴き、これ好きなやつとライブ中に興奮しました。 J-POPでもperfumeが好きだったり、f(x)の4Wallsを筆頭にSMアーティストの曲が好みだったり、前からEDMを取り入れた曲が好きなんだな私と改めて思いました。 EDMと言っても私もざっと調べてしか分かってないのですが、トロピカルやADM等色々あると思いますが、泡沫さんのオススメのEDMを取り入れたKPOPの曲があれば教えて頂きたいです。

(2018)


EDMめちゃくちゃ幅広〜〜〜ということで、From Zeroを聴いた感触と似てる様な感触の曲を選んでみました。

ちょっとトロピカルすぎたかも...SMのグループは聴いてらっしゃるようなので、SMのグループの活動曲は避けて新しめのものから選んでみました。K.A.R.Dなんかは全曲入れてもいいくらいEDM好きの方にはオススメのグループな気がします。


SNUPER「Shooting Star」

SEVENTEEN「HIGHLIGHT」

ルナ「Free Somebody」

G.Soul「Cry For You」

テヨン「WHY」

EXID「L.I.E」

24K「Super Fly」

SHINee「Prism」

EXO「Run This」

f(x)「All Mine」

ユリ&ソヒョン「Secret」

REDVELVET「Same Love」

NCT127「SWITCH feat.SR15B」

ジェシカ「Wonderland」

防弾少年団「Save Me」

GOT7「Never Ever」

神話「Touch」

K.A.R.D「You In Me」

Suran「Paradise Go」

Kanto「Lonely feat.Eddy Kim」

AKMU「DINASAUR」

WINNER「ISLAND」

NU'EST「Love Paint」

NU'EST W「Where You At」

プロデュース101(国民の息子)「Never」

WANNA ONE「Energetic」

ジョンヒョン「Shinin'」

B1A4「Rollin‘VIXX「桃源郷

JBJ「My Flower」

VAV「ABC」

Top Secret「Mind Control」

Astro「BABY」


少し前にaskで、MONSTA XのFrom Zeroと似たような曲(EDMを含むK-POP)を紹介されていましたが、私もFrom Zero大好きで紹介されていた曲もほとんどよく聴くものが多かったです! 以前の質問者さんはSMをよく聴かれる方だったようであまりSMの曲は紹介されていませんでしたが、私は逆にSMはあまり聴かないのでSMで似たような感触の曲や以前紹介されていない曲がありましたら教えていただきたいです!

(2018)


というわけでSMメインでリスト作ろうかと思いましたが、曲を選んでるうちにアルバムまるごとおススメかもというのもいくつかあったので挙げてみますね。SM STATIONの曲も入ってます。

 

[アルバム]

WHY/テヨン

4WALLS/f(x)

Free Somebody/ルナ

Cherry Bomb/NCT127

Limitless/NCT127

BADBOY/REDVELVET

[曲]

My Show/チャジェヨン×LDN NOISE

Wake Up/NCT 127

paradise/NCT127

Lucky One/EXO

Forever/EXO

No Matter What/BoA × Beenzino

Atmosphere/Juncoco × Advanced feat. Ailee

HUNMT/Penomeco

VIEW/SHINee

Tell Me What To Do/SHINee

She Is /ジョンヒョン

Shinin‘/ジョンヒョン

Drip Drop/テミン

Airplane/f(x)

Starlight/テヨン

Heartbreak Hotelティファニー

Secret/ユリ&ソヒョン

Mr.Mr./少女時代

We Young/NCT DREAM

My page/NCT DREAM

 

 

【askまとめ】14/その他のご質問(韓国のラッパーについて・マイクとイヤモニについて)

使わなくなったaskのFAQまとめです。

長いものや繰り返しきかれがちなもの、資料的なもののみ抜粋しました。

 

◆その他のご質問(韓国のラッパーについて・マイクとイヤモニについて)


[韓国のラッパー/アイドルラッパーについて]

こんばんは、いつも楽しくask拝読しています。泡沫さんの好きな(もしくは上手いと思う)ラッパーとアイドルラッパーをお聞きしたいです。ちなみに私はnctマーク、Loco、HANHAEあたりが好きです。

(2017年)


アイドルラッパーに関しては自分的にアイドルとして好きというのとラッパーとして上手いと思ったり好きというのが一致してないので、気になるポイントがある人たちをあげてみますね。


○おめえはオラには勝てねえで賞/ZICO(Block.b)

発音が良く多彩なフロウ・基本ルールを守ったリリック・作詞作曲能力まで隙がなく、韓国のHIPHOP大賞でも各部門ノミネートされておりアイドルのみならず新世代ラッパーの中でも上位クラスと呼ばれるに相応しいラッパーなのではないでしょうか。個人的なトピックでも共感しやすく曲に落とし込むバランス感覚と能力が凄いと思います。そしてデビュー時からブレる事なくアイドルとラッパー活動を並行して地道に続けて来たのが、今の大衆認知度と業界からのリスペクトに結びついた面もあるのでは。やっぱりhiphopでは継続するっていうのもリスペクトを受けるベースになるんじゃないかと思うので。

(FANXY CHILD聴いてドラゴンボール知ってる人しかわからない賞タイトルかもしれない)


○もっと評価されたらいいな賞/イルフン(BTOB)

デビュー時からキレが良く発音がクリアーな耳に残るラップで、ちょっと鼻声っぽいのが色気があるフロウも曲中のワンパートを担うだけの存在にするには華がありすぎるのではないかと思っています。事務所がそんなにこっち方面に明るくなさそうですが、ヨンジュニョンみたいにソロアルバムとか聴いてみたいです。何故か女性シンガーやラッパーとのフューチャリングが多いですね。


○若さに期待で賞/マーク(NCT)

デビュー曲の時の年齢も若いし「高等ラッパー」での短期間の成長を見ても、今から本格的にhiphopの研鑽を積んでもいけそうな気がします。10代にして様々なユニットやコラボに参加して場数を踏んでいますから、フロウも多彩にならざるを得ない状況に強制的に置かれているし。バイリンガルな生まれも、英語と韓国語を発音良くナチュラルにスイッチングできるという大きな利点かと思います。高等ラッパーであえてダンスも見せてましたが、ダンスが上手い人ならではのリズム感の良さがフロウのかっこよさに通じてるのかもしれません。hiphopの4大要素にはダンスもありますし。


○座布団一枚で賞/MINO(WINNER)

WINNERのミノはフロウや発声は個人的にはそんなに好みのタイプではないんですが、とにかく歌詞の発想がユニークかつセンスがあるものが多くて独自の個性がはっきりとあるところが凄いと思います。I'm Himで歌詞の一部がカナダラ作文になっていたり(各行の最初の文字をとって順番に並べると가나다라마바사になっている)、BODYのようなセクシーな曲の歌詞に突然라꾸라꾸っていう単語が出て来たり、「俺のマイレージは有り余ってる 往復で天国に行ける」とか言い回しがありきたりでなく、swagもとんちが効いてるな〜と感心します。勉強が出来そうな感じというわけではないけど(すまん)うまいこと言うね!っていう。大喜利センスの良い芸人さんみたいな発想の豊かさですね。


リア充マジ恋ホイホイで賞/BOBBY(iKON)

BOBBYみたいなフロウは今のアイドルラッパーにはほとんどいないように思ったので、初めて聴いた時はちょっと衝撃を受けました。一回聴いただけで誰のラップか判別出来る声とオリジナリティがあると思います。個人的にはフラットで念仏みたいなフロウが好きなので好みとは少し違うのですが、それでもBOBBYのラップはかっこいいな!と感じましたし、たまに何言ってるかわからなくなりますが笑Young ThugとかRich Homie Quanみたいにかっこよく発音を潰してるようなラップに憧れるというような事をインタビューで言っていて納得しました。リリックに関しては先日出たソロアルバムが余りにもリア充っぽい内容で眩しすぎましたが(ファンだったら3人中5人マジ恋と化しそう)性的な事を詠っていても不思議と下品でなくリアルな人間としての奥行きが感じられて、若さと成熟が混ざりあった青春映画みたいな魅力を感じました。


○ありがとう山崎賞/バンヨングク(B.A.P)

アンダーグラウンドのJepp Blackman時代から多くのソロトラックを発表しているヨングクですが、「AM4:44」以降久々にMVつきでリリースされた「YAMAZAKI」は今年1番見てるMVのひとつかもしれません。重めのトラックとラップにあわせてサントリーウイスキー山崎への愛を語るっていう、キルビルを思わせる血みどろMVなのにリリックの内容はとてもシンプルというのがちょっと意味がわからなくて癖になります。ヨングクのラップは声質もあわせてアイドルにしては陰鬱な方だと思いますが、それがプラスの方向に働いた名曲なのではないかと思いました。フックが日本語だし色々挑戦的ですね。


○Why don't u knowで賞/LE(EXID)

CLもNADAも(ほぼ)ソロシンガーになってしまった現在、アンダーでそれなりの経歴のある女性アイドルラッパーはDouble Trouble(Basick&InnoVator)やSupremeTeam、Untouchableなどが在籍したJiggy Fellazクルーに所属経験もあるLEくらいしか見当たらなくなってしまったので、無条件で応援したさがあります。EXIDの音楽制作にも関わっていますし。2015のドリコンでバロ・SUGA・RMと一緒にMFBTYコラボに参加した時はいまいちマイクの調子が良くなかったっぽいのが少し残念だったので、またああいうステージが見たいです。


アイドル以外のラッパーに関してはグループや個人よりアルバム単位で聴くことが多いですが、EPIKHIGHとTabloはずっと好きです。Tabloのリリックはスタンフォード大卒の才媛らしい唯一無二の文学的かつ叙情性があるのにトラックはキャッチーな曲が多く、まさに大衆性とアーティスト性が見事に両立していると思います。あと基本的に3人ともふざけてるおじさん達なのが好きです。Giriboyはラップだけどあんまりhiphopっぽさにこだわってなさそうな所が逆に良いですね。最近ちょこちょこTV出演もあるユニットのEluphantもロマンチックで心地よいトラックが多くてよく聴きます。

他には若手だとSeo Samuel・Owen Ovadoz・BeWhy・Justhisなどよく聴きます。女子だとSleeqとチェサムかな。チェサムの念仏っぽいフロウが好みです。ウウォンジェも念仏系(勝手に分類)で根暗っぽいリリックとあわせてSMTM6で1番気になりました。最近1番聴いたのはVMCのコンピレーションアルバム「VISTY BOYZ」でした。ボスのDeepflowを始めWutanやODEEなどいかつめラッパーが多い事務所ですが(SMTM6に出た元24KのBIGONEもラップはいかつめ...)Nucksalがいい具合に緩衝材になってて(?)重めの音ですが歯切れが良く、聴いていて自然とノってしまうアルバムです。


[イヤモニとマイクについて]

イヤモニとマイクに関して 疑問に思ってたことがあります。歌うときは基本 イヤモニをつけますよね。同じ曲でも、つけているメンバーとつけていないメンバーがいたりして、いつも気になっています。「イヤモニをつけていないメンバー=完全に歌っていない」という認識であっているのでしょうか?それと、マイクに関して、最近 IUちゃんや、YG、HIGHLIGHTまで、少し変わったデザイン?形?のものを使っていますよね。(IUちゃんは可愛い紫、HIGHLIGHTは真っ白) マイクはアーティストが用意するのでしょうか?また、あの形のマイクはまた何か性能など異なるのでしょうか?ご存知の点があれば教えていただきたいです!

(2017)


まずインイヤーモニターの件ですが、そもそもなんでイヤモニをつけるかというと、踊ったりライブ中に移動しながら歌うボーカルはスピーカーの前から動かざるをえないので、スピーカーから流れてくるMR(伴奏音源)を直に聴いてるだけだと聴こえるタイミングが場所によって違ったり全く聴こえない場合があるため、正確なピッチで歌えるようにイヤーモニターからもMRを同時に流していて、歌手は主にそれを聴きながら歌っているという事らしいです。MRでなくメトロノームのようなテンポ信号だけの場合もあるようですが、おそらくそれはバンドなど演奏する側の方が多いと思うので、バンドではない韓国のアイドルの場合はイヤモニで聴いているのはほぼMRではないかと思います。

ですので、固定マイクで一定の立ち位置から動かないで歌う人たちやライブなどでスピーカーの前からほとんど動かない曲の場合、必ずしもイヤモニはつけなくても生演奏そのものやスピーカーから直接聴こえてくるMRだけで十分歌える(あるいは外して生演奏そのものやスピーカーからのMRのみを聴いた方が歌いやすい)という場合はあると思います。特にグループ歌手の場合は何人もいるボーカルがそれぞれ立ち位置が違うため、同じ曲でも各メンバーのいる場所によってイヤモニをつけた方が歌いやすい人とはずした方が歌いやすい人というのが出てくるケースは十分にありえると思います。アリーナなど会場やステージが広くなるにつれて必要になって来るシステムなので、生演奏するロックバンドなどは音響が良い小さいライブハウスでライブする場合はイヤモニが必要ではない場合も多いようですし、さほどステージの広くない音楽番組収録の場合と屋外や規模の大きい会場では状況も変わるでしょう。また、音響トラブルなどでイヤモニのMRがずれて流れたり途切れたりした場合(インイヤーモニターは無線なので途切れるトラブルは結構あるようです)逆にイヤモニのせいで歌いづらくなってしまうためにやむなく外したりという場合もあるようです。更にインイヤーモニターは耳を傷める可能性もあるため、可能ならばどうしても必要な時以外は出来る限り外していたいという人もいるんじゃないでしょうか。これらの事から考えると、必ずしもイヤモニを外している事がイコール即口パクとは限らないのではないかと思います。色々なライブを見た経験上ヘッドマイクは口パクが多くて手持ちマイクで歌っている場合は生歌が多いような気もしますが、勿論必ずしもそうではないでしょうし。

次にマイクの事ですが、マイクが持ち込みかどうかはグループによるんじゃないかと思います。人気歌謡でBLACKPINKが体に無線機をつけなくて良い最新のヘッドマイクでパフォーマンスして話題になりましたが(注:これは実際はファンの方の勘違いで、無線機は通常より小さいものを服の下にうまく隠していただけのようです)あれはYGの持ち込みだったそうなので、マイクにこだわりがあって予算的に許される人たちは使いたいマイクを自分たちで持ち込むんじゃないでしょうか?形が違うのはマイクのメーカーや機種の違いでしょうし、色が違うものはアーティストごとに各自カスタムしてMYマイクにしているんだと思います。日本でも海外でもプロのアーティストで自分だけのモデルのカスタムマイクを使ってる人は珍しくないので...SEVENTEENのヒップホップチームもメンバーごとに違う色のマイクを使っていたと思います。ラッパーにとってマイクは命って事かな...。

マイクの機種についてはよくわからないんですけど、IUの紫のマイクは形が特徴的なので多分ゼンハイザーというメーカーのものではないかと思いますが...違ったらすみません。

 

【askまとめ】13/楽曲関連のご質問

使わなくなったaskのFAQまとめです。

長いものや繰り返しきかれがちなもの、資料的なもののみ抜粋しました。


◆楽曲関連のご質問


[作曲家と演者の相性・消化力について]

こんにちは。いつも楽しく拝見させていただいております。 この間ロンドンノイズとEXOは相性が悪い、演歌みたいになるとの呟きを偶然目にして多くの人はそのような見解なのかなと驚きました。私自身は知識のない中聞いていて好きだなと思うことが多いので…特にラッキーワンがとても好きです。泡沫さんが相性や消化力について思うことがあればぜひお聞かせ願いたいです。

(2017)


LDN NoiseとEXOが合わさると演歌みたいになるというのは面白い感想ですね。最近は特にSMの楽曲に関しては複数の作曲家が関わっていて単独で書いている方が珍しいですし、数人で作っているものの作風をそこに関わっているひと組だけが原因のように思うのはよくわかりませんが...MONSTERなんかは作曲と編曲にはロンドンノイズが関わっていますが、メイン作曲をしたのはKenzie氏のようで編曲も共同ですし。ロンドンノイズは色んなKドルに楽曲提供していますが、特にSMドルの曲では単独で編曲している事は多くても単独で作曲している事はないので、アレンジャーの側面の方が強いような気がしないでもないです。演歌の大きな特徴としてはマイナーコードで表拍が強調されて裏拍があまりないというのがあるみたいですが、ロンドンノイズの関わった曲でも表拍が強いものもあればほとんど裏拍の曲もありますし、単純にアレンジにディスコっぽい音とかブラスやホーンが入ってるだけで演歌っぽいと感じる人もいるかもしれません。単純に古臭く聴こえるのを演歌っぽいという言い方をする人もいるようで、LUCKY ONEなんかはあえて古めのファンクやアシッドハウスを取り入れているいわゆるニューレトロ色が濃いように思うので、リスニングキャリアの長い人の場合は逆に古臭く聴こえたりする可能性もあるのかな?とか。(ちなみに自分はMONSTERとLUCKY ONEだったらLUCKY ONE派です)ともかくその方が何をもって演歌っぽいと思ったのかはわかりませんが、演歌っぽく感じたとしてはたして演歌っぽい事はネガティヴな要素なのかな?とも正直思います。KPOPの特徴といえばポップスにどこかしら뽕기(ポンチャック味=韓国の演歌っぽさ)がある事という言説もありますし。個人的には元々EXOのメインボーカルにはユヨンジンテイストのこぶしのクセが強い歌い方をしがちなメンバーが複数いますし、コンセプト的に圧迫感の強い曲も多いので一歩間違えば日本の演歌っぽくなりそうというか、演歌を歌ったら上手そうだなって前からちょっと思ってました。

作曲家/編曲家とアイドルの相性や消化力ということに関しては、以前はこのアイドルにはこの作曲家の曲がいいとか相性がいいかもと思っていた事もあったんですが、今はあんまりそういう事は関係ないのかなと思っています。何故かというと、特にSMの場合はとあるグループのためという事で依頼されて書いた曲が最終的に他のグループの曲として世に出る事が珍しくないというのを色んな作曲家さんのインタビューや記事などで知ったからです。こういうイメージで曲を作ってもらったけどイマイチしっくりこないとか、他のグループの方がぴったりかもという事でグループ間で曲を取り替えられるという事は、特にSMのように「事務所がコンセプトを決めてそれにあう曲を沢山集め、その中からイメージにあうものを選んで行く」というスタイルの場合、しっくりこないように思うならそれは結局事務所のA&Rによるマッチング(A&Rだけで決めてはいないのかもしれませんが)センスによるものというのが一番大きいのではないでしょうか。作曲家はコンセプトや曲のジャンルを依頼されて作っていて、アイドルの方も事務所の注文に合わせてそれをパフォーマンスとして消化していくわけで...本当に全部アイドル自身がメインで曲作りやコンセプトに参加しているグループ(これは言っても実際は物凄く希少だと思います)じゃなければ、アイドル自身はいわば「事務所のセンス」をパフォーマンスという形で世に出しているという側面もあるわけで、それにOKを出すのも出さないのも最終的には結局事務所でしょうし。

作曲家とアーティストの「相性」という事になるのか微妙ですが、個人的に今気になっているのはTEDDYが女性アーティストに書く曲です。男性アーティストにも楽曲提供は多いんですが、女性アーティストに提供する曲に描かれている女性像が割とどのアーティストも微妙に違う雰囲気だけどありきたりな感じではないように思えて、作詞もTEDDYがしていることが多いのでどういう風に考えて曲を作って提供しているのか、とても気になっています。


[歌詞について]

こんにちは。歌詞に関する質問です。 J-POPやJ-ROCKの歌詞は、自分の感覚だと15年〜10年前あたりから変わったように思います。文字を詰め込んだり、具体的に描写する傾向が強まったな、と。 よく言えば身近で共感しやすかったり。悪く言えば余白がなくて想像の余地がなかったり。 同じようなことは、K-POPにもあるのでしょうか?歌詞の趨勢や傾向をぜひ知りたいです。どうぞよろしくお願いいたします。

(2018)


JROCKに関しては演者が直接歌詞を書いてる事が多いので、そこの歴史をほぼアイドルポップスの事を指すKPOPと比べる事は難しいと思います。それはそれで日本の世相や文化を反映した歴史があるでしょうし、JPOPもまた然りでしょう。

KPOPに関しては作曲に比べると作詞で個性を出すのはまだ少ないような雰囲気で、キムイナ氏など有名な作詞家もいますが基本的には韓国の場合カムバックごとにコンセプトが変わる事が多いため、それに合わせて書くことが多いようです。以前訳したアイドルとhiphopに関しての記事でも「曲は海外ポップスをよくリファレンスするようになったが歌詞の内容自体は今でもH.O.TやSechskiesの時代と大して変わらない」というような話が出てきました。

自分が見てきた中でKPOPの歌詞の内容に大きな変化があると感じられたのは過去2回ほどあって、1回目はいわゆる最初の「KPOPブーム」が来た2007〜2011年くらいの事です。当時はフックソングと呼ばれた、サビで同じ単語を繰り返す曲(「Tell Me」「Gee」「Sorry Sorry」「Ring Ding Dong」「Roly -Poly」など)が流行っており、韓国の記事でも「最近の流行歌の歌詞はサビの耳障り重視で内容が薄い・よくわからないものが多い」というような事が言われていました。特に直接的なフックソングではないものの感覚的で意味のない単語が頻出したf(x)の歌詞は、当時いい意味でも悪い意味でも「新しい」と言われていたように思います。

2回目はhiphop系アイドル流行の流れで自作曲をウリにするグループが増えてきた2013年ごろからで、これは「アイドルが自らの心情を直接歌詞に載せていう機会が多くなった」という事であり、具体的に歌詞の表現自体に技術的や文学的な変化があったということではないとは思います。

また、ここ1、2年の韓国の社会的風潮としてフェミニズムやポリティカルコレクトネスのムーブメントがあり、特に異性についてや恋愛を歌う事が多いアイドルソングの歌詞がターゲットとして俎上にあげられる事が多くなったため、ジェンダー的表現に関してはこれからも変化があるかもしれません。外部からの意向を優先させざるを得ないアイドルポップスが韓国音楽の主流である限り、歌詞の内容が自己表現や表現芸術的なものよりは世間的要求や流行を反映する傾向にあるのは仕方ない面があるのかもしれないと思います。

完全な私感ですが、日本は昔から変わらずよくも悪くも歌詞の内容へのこだわりが強いリスナーが多いようにも感じており(ロックバンドなどでは逆にあえて歌詞から意味を排除している人気グループもいますが)その分逆に言えば歌詞の内容を文学の一種と捉えて歌詞の世界観を分析するようなカルチャーが育ちやすいのかな?とも思います。

韓国では物語よりも詩の方が重きを置かれてるのでは?というくらい詩が好まれる傾向は感じるんですが、アイドルソングの歌詞となるとまだ別なのかなと。シンガーソングライターの曲はそれぞれに個性がありますし、HyukohのWing -Wingみたいに歌詞が世相にはまって語られるような歌もありますが。

KPOPの作詞に関する記事を過去いくつか訳していますので、リンクを貼っておきます。

http://nenuphar.hatenablog.com/entry/2017/04/06/224133

http://nenuphar.hatenablog.com/entry/2015/07/09/170124