サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】ウウォンジェ、そして「真っ当な曲」

【ize訳】ウウォンジェ、そして「真っ当な曲」

 

2017.09.25
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017092502057240531

 

ウウォンジェの「時差(We Are)」は彼がMnet「SHOW ME THE MONEY6」で歌うことが出来なかった決勝曲だった。 ファイナルラウンドで聞かせるはずのトラックだっただけに、この曲の歌詞には放送で見せてくれたウウォンジェの長所と、特に好き嫌いが分かれた彼の暗いキャラクターがすべて含まれている。 「SMTM6」のイジヘPDは「ウウォンジェの歌詞は暗い内面の話から気楽にみんなが共感できる素材まで豊富に扱う。 この曲を決勝で歌っていたとしたら、『SMTM6』で彼が完成された感じになっただろう」と話した。 「時差(We Are)」は大学の講義室でのタトゥーを隠して来いという先生の小言から始まり、LOCOとGRAYという人気ミュージシャンと自分を「We Are」と同一視しながら締めくくる。 平凡な日常と自分に対する宣言の結合、それがウウォンジェの「時差」だ。

 

「時差」は去る20日、GAONチャート基準デジタル総合、ダウンロード総合2週連続1位を占めて、ストリーミング総合チャートでも1位だった。 もちろんウウォンジェの名前を知らせたのは「SMTM6」で、その影響力を無視することはできない。 しかし、いわゆる「レンガチャート」といわれるほど上位圏の音源の順位変動がほとんど起こらないmelonチャートで放送とは別に発売したラッパーの音源が一気に1位に上がることはめったにいない。 「SMTM」で優勝したラッパーたちの音源がストリーミング・チャート1位に上がることもあまりなかった。 これに対して多くの音源チャートの関係者たちは「音楽バラエティ番組が活性化していた当時には放送の影響力が大きかった。 しかし、最近はそのように消費される音楽が相対的にかなり減った」と話した。 最も多くの利用者数を保有している音源サイトmelonの関係者Aは「ウウォンジェがBewhYのように最もインパクトが大きかった出演者として関心を受けた可能性はある」と述べながらも、「他の曲はヒップホップが好きなファンから『イケてない』というような反応が出たりもしたが、『時差』はその間でも反応が良かったので、他の理由があると見ることができるだろう」と話した。 また、ほかのmelon関係者Bは「melonを含め、我が国のストリーミング市場の主要顧客年齢層はほとんど20代半ばを頂点としており、標準偏差がかなり小さい形だ」と説明した。 大学講義室から自分の生活を省察するウウォンジェの歌詞は最も多数に該当する顧客層の共感を引き出すことができ、その結果高い音源の成績につながった可能性もある。 ウウォンジェの「時差」を1位の座から押し出した曲は切実な別れを歌う歌詞で20〜30代の男性たちの高い支持を得たユンジョンシンの「いいの(Like It)」だった。

 

「時差」と「いいの」は、最近の音楽産業関係者たちにとっても簡単にヒットの理由を分析しにくい歌の例だ。 ウウォンジェとユンジョンシンはアイドルスターといった強力なファンドムもなく、IUのように音源が公開されれば多くの人たちが無条件に聞く「音源強者」の位置にもいなかった。 Bは「ユンジョンシンやSURAN、キムナヨンのようなケースは、単なる数値的資料から彼らの浮上を説明するのはとても難しい。 SURANの『今日酔えば』は防弾少年団のメンバーであるSUGAがプロデュースしてファンドム内で話題になったが、その点だけを取って長期間1位が可能だったと見ることは難しい」と話した。 そして、Bはこう語った。 「彼らの共通点を挙げるとすれば、ただ一つだ。 音楽スタイル、曲の歌詞を合わせてすべての音楽クオリティ面で『真っ当な音楽』だという特徴しかない」この『真っ当』な音楽というものが意味するところが何なのかは正確には定義し難い。 ただ、今の音源サイト利用者たちが『真っ当な音楽』だと判断するような基準が新たに作られているところだと想定することはできる。 歌う歌手がとても有名ではなくても、放送番組の力をあまり借りなくても、多数の好みに合って多く再生されている曲たちが市場の一軸を形成している。

 

この新しいタイプのヒット曲は、音楽チャートが形成される過程が変化している事と文脈が一致する。 あるSNS及び音楽プラットフォームの関係者は、最近の傾向について「Naverリアルタイム検索語に上がった歌手の音楽がmelonチャートにランクインするのが約5年前の主なチャートの作られ方であったが、今ではmelonの規模が大きくなり、チャートの内部で順位争いが起きている」「従来は、音楽フラットフォームがNaverなどのポータルやfacebookのようなSNSに寄生する構造だったが、もはやその必要はなくなった」と話した。 歌手個人の認知度がある程度影響を及ぼすことはできるが、それが音源の順位の上位圏までを保証するものではない。 代わりにチャートの中でどのようであれ一定の支持を得ている曲になると、その次からは利用者の趣向によって順位が上昇する余地が生まれる。 そして、こうした過程でチャートでも生き残れる「真っ当な音楽」が何なのか、苦悶するクリエイター達は増えていく。 音楽プロデューサーCは「LOCOとGRAYのように音源の成績が保障されたフューチャリング曲を書くのもひとつの方法だが、それさえも洗練されたビートと刺さるメロディーがなければ高い成績につながっていない。 ただし、大衆が感じる洗練やどういうものが刺さるのかを調べるのは、私たちにとっても難しい」と打ち明けた。 ウウォンジェは「時差」で「俺は適応しなければならなかったこの時差に」と歌う。 音楽産業の主体たちの間にも時差が存在する。 クリエイターから消費者まで、適応は全員の役目である。

 

文 パクヒア
記事 キムヨンジン


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SMTM6はアメバカルチャー所属のヘンジュの優勝で幕を閉じましたが、個人的にいちばん印象に残ってるのはウウォンジェだったので、「時差」がここまでヒットしたのは嬉しかったです。ウウォンジェの歌詞は暗いとよく言われますが、比喩や目の付け所がありきたりではないし、暗い面は見せる率直さはあるけど内にこもりすぎる感じはなくて、同世代だけじゃなくてその時期を通りすぎてきた上の世代や下の世代にもスッと入ってくる不思議な共感性がある気がします。独り言っぽくて押しつけがましさがないからかな?

 

TVの影響やファンドムがなくてもいい曲がランキング上位に入るようになったというのは良いなと思いました。しかし音源ポータルの利用者のピークが20代後半という事は、実質韓国の音楽チャートの流行を作ってるのはその年代という事か...

【ize訳】WANNA ONE以降のボーイズグループたちに起こっている事

【ize訳】WANNA ONE以降のボーイズグループたちに起こっている事

 

2017.09.22
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017092022397278998

 

ボーイズグループWANNA ONEのデビューショーケースは、かなりの人気歌手たちでも全席埋まるかどうか予測し難いゴチョクドームで行われた。 彼らはデビューするやいなやリアルタイムチャート1位を占有し、音楽チャート番組で1位だけでも15回を記録した。 Mnet「プロデュース101」で「国プ(国民プロデューサー)」と呼ばれる視聴者たちの投票で結成された彼らは「プロデュース101」の人気と共に、デビュー後にも大きな人気を得ると予想された。 しかし、いざ蓋を開けてみると彼らの人気は多くの人たちの予想をはるかに上回るものだった。 そしてこれは多くのボーイズグループの芸能事務所にとっては難しい課題になった。 WANNA ONEが一気に市場のパイを相当の割合で持っていった状況で何ができるのか。

 

音楽放送番組のステージの順番が変わることは、各グループの影響力を直接的に示す要素だ。 WANNA ONEは音楽番組に出演している間ずっと一番人気が高い歌手が出る後半に登場した。 デビュー3ヵ月目のボーイズグループが所属している小規模事務所の関係者A氏は「WANNA ONEだけではない。 当初は(「プロデュース101」出演メンバーがいる)HOTSHOTよりうちのグループは後の出演順だった。 ところがHOTSHOTが初放送以来オンラインで高い動画クリック件数を記録したため、うちのステージ順序は後回しにされた」と話した。 ヨングク&シヒョン、MXMのように既にファンダムを確保しているグループをはじめ、追ってデビューが決まったJBJ、さらにTHE BOYZなどもファンドム認知度の面で大幅にリードしているからこそ可能なことだ。 中堅ボーイズグループ関係者B氏は「このような状況になる事は予想していた」「『プロデュース101シーズン2』が始まる前にすでにうちのグループがデビューをしていた状態だったら、NU'ESTやHOTSHOTのように子供たちを出演させたのに」と率直な心情を吐露した。 チームのアイデンティティを生かすために出演を放棄したが、結果的には少々口惜しい状況になったというのだ。 このように「プロデュース101シーズン2」に自社の練習生を出さなかった中小芸能事務所、あるいはファンドムをちょうど作り始めたばかりの大多数の1〜2年目のボーイズグループたちはWANNA ONEと「プロデュース101シーズン2」が起こす効果に不安感を持っている。 B氏は「WANNA ONEのために私たちの会社に属しているグループも、従来あったファンダムが多少崩れたことはあった。 しかし、我々よりはちょうどファンダムを積んでいく時期の真っ最中である1年目のアイドルグループたちのファンダムの方が崩壊していると聞いている。 その会社にとっては辛い日々だと思う」と話した。 また、他の中堅ボーイズグループ芸能事務所の関係者Cも「酒の席ではみんな心配している。 さらに、WANNA ONEは「1pick」グループでありターゲット層がとても手広くて、ある程度キャリアがあってファンたちの忠誠度が高いグループでなければみんな不安に思っている」と業界全般の雰囲気を伝えた。

 

「プロデュース101シーズン2」の影響によってリアリティ・バラエティに集中するグループも出てきた。 「プロデュース101シーズン2」に出演して大きな人気を集めたクラッカー・エンターテイメントの練習生ジュハクニョンが含まれたボーイズグループTHE BOYZの「イケメン粉食屋」は初回だけでnaver Vアプリを通じて1千万のハートを受けた。 クラッカー・エンターテインメントの親会社LOENエンターテインメント側は「THE BOYZはリアリティー番組『イケメン粉食屋』により集中している。 メンバーの個性を良く表し注目を集めてファンドムを着実に集められる方法だからだ」と話した。 リアリティ・ショーを通じたキャラクター形成の重要性を認識しており、「プロデュース101シーズン2」以降デビューまで再びリアリティ・ショーでファンダムを固めるつもりなのだろう。 ただし、LOEN側は「ジュハクニョンが『プロデュース101シーズン2』に出演し注目されたことは事実だが、WANNA ONEとは全く違うやり方で自分のグループの準備に入ったのだ。 特にWANNA ONEを意識して準備する部分はない」と強調した。 プロデュース101シーズン2」を通じて再びアイドルリアリティー番組の重要性が浮き彫りされたが、グループがどれだけ長い間地道に自分たちのコンセプトを通していくのかが重要だという意味だ。 現在としてはこれがWANNA ONEに対応するための芸能事務所の唯一の答えでもある。 デビュー2ヵ月前に迫ったボーイズグループ関係者D氏は「私たちの場合は長い間企画して長期間練習生生活をしたメンバー達であり、また別のスタイルだという自信を持っている」「WANNA ONEの活動期間が終わればその子たちも再デビューをしなければならず、結局は我々のように長い間呼吸を合わせてきたグループと再び競争することになるだろう」と話した。

 

しかし、大規模なリアリティ・ショーを通じてデビューが決定され、それほど途方もない認知度とともにデビューしたボーイズグループは同種業界関係者たちに不安を抱かせざるを得ない。 「モニタリングをすればするほど、あちら(WANNA ONEや『プロデュース101シーズン2』出身)とあまりにも違うというのが感じられる。 今すぐそこに集中しても意味はなく、無駄だと思う」関係者Cの言葉は、まったく変えられない現実に対する嘆きのように聞こえたりもする。 既存の大手芸能事務所の新人以上でスタートライン自体が異なるグループが登場し、中小の芸能事務所たちは過去よりさらに厳しい状況になった。 INFINITEや防弾少年団などの場合が特別だったと言えるだろうか。 現在の状況を過去に議論になったフランチャイズベーカリーと小規模のパン屋の間での競争に例えたCの言葉は彼に対する悲観と希望が同時に盛り込まれているようだ。
「あちらはフランチャイズベーカリーで私たちは小規模なパン屋だ。 しかし、フランチャイズベーカリーに有名なパンがあるとしてもそれを真似して作ることはできず、そのような考えもない」
市場の大きな流れを変えることはできない。 しかし、彼らはまだ勝算のあるゲームだと信じている。 「私たちは、これまで自分たちなりのカラーを固めてきた」というのは多くの関係者の共通した発言だった。 彼らは期待を現実に変えることができるだろうか。


文 パクヒア
校正 キムヨンジン

【ize訳】「ジューシーフェイス(果汁顔)」の次は「ガシナ」メイク

【ize訳】「ジューシーフェイス(果汁顔)」の次は「ガシナ」メイク

 

2017.09.18
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017091723527226088

 

美容ユーチューバー・イサべが去る4日に掲載した「ソンミガシナ風メイク」動画は1週間で照会数140万件を突破した。 アモーレ・パシフィックの代表ブランドであるHERAは去る1日に発売した「ルージュホリックシャイン no.338 ワンパーフェクト・レッド」に「ソンミカラー」という別称を付けて自社のオンラインモールで販売している。 ソンミが去る8日、ビューティー専門のYouTubeチャンネルdingoビューティーで紹介したHERAの「センシュアルティント:ダンシング・ローズ」は一部オンラインモールで一時的に品切れになった。 もちろん、このような人気の震源地は独特なメイクアップで話題になった「ガシナ」のミュージックビデオだ。

 

「ガシナ」プロモーションビデオの中のソンミのメイクは、一瞬でぱっと目につく。 二日酔いメイクの変形であるいわゆる「ジューシーフェイス(果汁顔)」一辺倒のこの頃だが、「果汁でパンパン」のようなタイトルがつく余地を完全に封鎖した。 彼女は大きく分けて3種類のメイクアップを披露したが、最初の顔は黄昏時に物憂げにカフェに座ってクリームをたっぷりのせたドリンクを飲む場面に登場する。 まぶたに咲くように塗ったレッドオレンジのアイシャドーと薄赤い頬は一見ジューシーフェイスを連想させるが、カモフラージュにすぎない。 このメイクアップの主人公はアイラインを描くようにはっきりと重ねて塗ったブルーグリーンのアイシャドーだ。 近頃では珍しい色の組み合わせは、パステルトーン上の奥ゆかしいグレア効果と調和して、独特な雰囲気を醸し出している。 2番目の顔は、メキシコの画家フリーダ・カーロに対するオマージュが明らかな場面に登場する。 断固として引いた一文字眉毛、彩度を相当引き下げた唇、頭に乗せた赤い薔薇、画面を埋め尽くす色あせた薔薇の花畑。身体的に不自由があったにもかかわらず芸術魂を燃やした女性芸術家のイメージは、「花のように暮らす/私らしく」という歌詞と結合し、「ガシナ」の語り手の内面を現す。「本当に狂ったんじゃないか」と去ってしまった恋人を恨めしく思いながらも各自が生き残るそれぞれの道を歩むことを宣言するしっかりした女性像を視覚的に表現したのだ。 3番目の顔はピンクオーガンジーのトップス、フラワープリントのスイムスーツなど、素早く多様な衣装を消化した後半部に配置された。 衣装によって微細に修正されたメーキャップを披露したこの顔は、一つの基調のもとで統一性を与えられる。 直でゴールドグリッターを大盛りにした目もとと唇を埋め尽くすように鮮明に表現したレッドリップだ。 唇の線に沿って誠実に色を満たす「フルリップ」方式は、ソンミの魅力を倍増させている。 果汁が自然に染み込んだり広がっているかのように表現するのがほとんどである状況では、目を奪われざるを得ないスタイルだ。

 

3つのメイクを全て可能にする原動力はもちろん、ソンミの顔でもある。 肌、フェイスライン、しばしば可愛く見えていた目の下の涙袋などいずれもメイクが似合う条件を備えている上、楕円形を描きながら降りた目尻とはっきりして豊かな唇の形なども持っている。 ソンミの目鼻立ちが引き続き取りざたされる理由だ。 「整ってはいるが退屈」ではなく、「個性のある美しさ」を持った顔だと言える。 ところで「個性のある美しさ」には必然的に多様性が付きまとう。 例えば、IUの「Pallet」プロモーションビデオの中のバーガンディ・メイクは目元を赤く染める挑発的なイメージに対する好奇心とともにまだ流行している。 女性たちは、カラーメイクが日常性と意外性の覇権争いなのだという点をよく知っている。 証明写真用、面接用メイクを一生懸命に真似をしながらも、全部使いこなすことも出来ない78色カラーパレットを買って集め、カラーメイクの無限の可能性を信じている。

 

しかし、市場は多様化した消費者の心理にきちんと応えていない。 業界は昨年から始まったジューシーフェイスへの偏重現象をあおるのに忙しい。 「カラートーン」という囮商品をスキンローション・エッセンス・クリームという高単価の「基礎」化粧品の売上に結び付かせようとする強迫観念の下、まるでジューシーというのが唯一の美の基準であるかのように「リンゴ味の唇」「果汁がこぼれ落ちそうな頬」のような宣伝文句を濫発する。 化粧品ブランドリリーバイ・レッドはMnet「プロデュース101シーズン2」出身のクォンヒョンビンを掲げた写真を通じて「ジューシーフェイス」の領域を男性アイドルに拡張したりもした。 ガールズグループ所属事務所のファッション・ビューティー公式もすでに「スクールルック+ジューシーフェイス」として定着したのではないかと疑われるほど似た印象が再生産されている。 そして「1つの印象に向かって全力疾走しなさい」というシグナルに飽きた女性たちはむしろ1990年代のメイクに目を向ける。 IUが去る8日に公開したアルバム「花しおり2」のティーザー写真も、去る12日に公開した「花しおり2」ティーザー映像の中のイメージもいずれも穏やかな反響を呼びおこした。 ドライフラワーの薔薇の花びらのような色で唇を埋め尽くしたが、少なくともピンク・オレンジ・レッドにまみれてはいなかった。 ソンミの「ガシナメイク」も1990年代のメイク・テクニックをいたるところに借用したのは同様だった。 BoAが去る6月「CAMO」ミュージックビデオで見せたように、顔を画用紙にしてCGで色調の饗宴を繰り広げることまでは望んではいない。 美しく装った女性の顔をあえて食べ物に比喩するような、画一化された色のメークが美の標準であるかのように提示される奇妙な時代が、早く終わってくれることを願うだけだ。


文 キムソンジュ(ライフスタイリスト)
校正 キムヨンジン


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과즙상=果汁顔。果汁のように爽やかな雰囲気の顔の事。

 

確かにガシナのメイクも花しおりビジュアルも、いわゆる最近の「KPOPっぽい典型メイク」とは違って日本の大人向けモード誌で紹介されていそうな色が引き算された落ち着いたメイクの印象です。とかく潤い感重視(ジューシーなティントとか水肌とか)で若干子供っぽいというか、フレッシュ感至上主義のメイク流行りのイメージから変わって行くのかな?
(ソンミの顔ならどんなメイクでも似合いそうだけど...)

【ize訳】防弾少年団│①K-POPの新しいDNA

【ize訳】防弾少年団│①K-POPの新しいDNA

 

2017.09.19
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017091823087255385

 

ボーイズグループ防弾少年団の新しいアルバム「Love yourself 承Her」タイトル曲「DNA」は7人のメンバーがそのまま曲を構成する基準となる。 曲の後半部の「振り向かないでほしい~(後略)/後悔しないで〜(後略)」部分で2人のメンバーが同じメロディーを繰り返す程度を除けば、この歌はメンバーのパートによって曲の構成も一緒に変わる。 1節はハイライトともいえる強いビットが登場する前まで、イントロを除いても6回変わる。 6回の変化はそのまま6人のメンバーが各自のキャラクターを刻印させる過程だ。 1節でメンバーであるV〜J-HOPE〜ラップモンスター〜ジョングクの順でパートが変わっていくとき、彼らは舞台の真ん中でそれぞれ別々の歌、ラップ、ダンスで自分たちのキャラクターを見せてくれる。 変化と変化の間にはメンバーたちの関係性、または「ケミストリー」がある。 パートを終えて舞台の中央から出てきたVは入って来るJ-HOPEと手を取った後、ちょっとだけ一緒にダンスを踊る。 手を握った瞬間の歌詞は「僕たちの出会いは」だ。 その結果「出会い」は「Her」で表現される女性に対する感情ではなく、グループメンバー間の連帯感とも解釈できる可能性を開いておく。 この連帯感は曲の後半にメンバーの皆が手を握ってまるでDNA構造のような振り付けを表す事へと拡大されていく。 各自の空間を持っていたメンバーたちが一つに結ばれ、その関係性、またはケミストリーの根本には「DNA」があった。 防弾少年団と彼らの企画会社BigHitエンターテインメントは一般的な基準と形式を破った、4分足らずの曲であらゆる想像が可能なキャラクターとストーリーを繰り広げる。

 

それゆえに「DNA」というタイトルはK-POP、または韓国アイドル産業についての宣言のように見える。 私たちはK-POPについての新たな遺伝子の地図を持っている。 防弾少年団は「DNA」でK-POPの限界に引き続き触れながら、その限界をK-POPではなかなか試みない方法を通じて突破する。 メンバーたちが他のパートを消化し、個々人のキャラクターを浮上させることは韓国アイドル産業の標準技術も同然だ。 しかし、「DNA」はメンバーたちのパートの変化を曲の基準にして、すべての部分でメンバーのキャラクターが浮き彫りにされるようにしている。 当然、曲の一貫性は落ちる恐れがある。 しかし、「DNA」は、従来のK-POPと違う方式で問題を解決する。 一般的な韓国アイドルグループの曲たちは歌手の声を真ん中に置き、演奏で彼らを包み込む。 一方、「DNA」では防弾少年団の声は響きを少しずつ入れ、コーラスを幾重にも配置して他の音と混ぜておく。 曲の声は多様な音たちが立体的に空間を包むようになっていて、防弾少年団の声はその空間の一部となる。 これは歌と演奏の代わりに特定の雰囲気を持った仮想の空間を伝えるのに近い。

 

「DNA」のミキシングとパフォーマンスがすべて左右はもちろん、前後、すなわち深さを作り出すことに集中するのは偶然ではない。 導入部のベースとドラムは登場する順に他の音よりも後ろに配置されて前後の空間を増やし、1節でのラップモンスターの声は他のメンバーたちに比べてより後ろに響きを減らしたまま出て立体感を確保する。 パフォーマンスではVが一番後ろに登場し歌い始め、2節でSUGA〜ラップモンスターのパートではメンバーたちが左から右に作り出した斜線のそれぞれ一番前、中に立っている。 その次のパートのジョングクは一番後ろから前に歩いて出て来て歌う。 「DNA」のハイライト部分パフォーマンスも同じで、前のメンバーたちが地面について急に後ろに退く部分だ。 曲とパフォーマンスいずれも左右だけの平面の代わりに立体を選択して、そのアイデアをメンバーごとに構成を変えながら多彩な内容物を入れる。 一般的な曲が耳に残るメロディーやビートを一つ二つ入れているとしたたら、「DNA」はパートごとに異なる音を空間を構成する要素として演出する。 その結果、口笛とギターの組合せから強烈なビートまですべての部分が耳に残ると同時に、大幅な変化は一つの空間の中の声であるという一貫性を持つ。 防弾少年団はキャラクター、ケミストリー、世界観というK-POPの要素を、K-POPではなかなかやらなかった方法でさらに緻密に具現化する。

 

「DNA」を構成するような要素が以前になかったわけではない。 ワンテイクを活用した3次元的な振り付けはEXOの「Growl」が頂点を極めた。 メンバーのキャラクターに合わせてパートごとに曲の構成が急激に変化するのは、SMエンターテインメントのSMP(SM Music Performance)の特徴でもある。 曲を歌や演奏の結合ではなく、一つの情緒的雰囲気や具体的な絵が描かれる仮想の空間のように表現するのは同時代の欧米ポップスの傾向でもある。 防弾少年団に「Best of Me」をプレゼントしたThe Chainsmokersの様々な曲もそうだ。 しかし、「DNA」は欧米の大衆音楽の傾向と様々な要素をK-POPのキャラクターやストーリーの中に同時に、さらに執拗に混ぜこんでいる。 ジミンとジョングクが連結される「宇宙が生れたあの日からずっと(後略)」はボーイズグループの斉唱に続き、最近のヒップホップでたびたび聞くことができるフロウがそのまま連結されている。 欧米の大衆音楽の傾向を研究したミキシングは、キャラクターを活躍させるスペースを作るのに使われる。 防弾少年団ツイッターYouTubeを通じて米国市場に伝わり、ビルボードの授賞式に行ってきた。 その間メンバーたちは米国のミュージシャンたちと親交を深め、共同作業が可能になった。 「DNA」をはじめとする「Love yourself承Her」結果物たちはそうやってK-POPが現在の欧米の大衆音楽産業と会った時に、どのように変化できるのかを示している。

 

その点で「DNA」は、アイドル産業のほぼ全ての基準をうち立てたSMエンターテインメントの後発走者の答えのように見える。 キャラクターとストーリーを結合しているがそれをメンバーたちのリアルと混ぜ、群舞はするがその土台にヒップホップがあり、アイドルとして歌うが欧米ポップスの傾向を積極的に受け入れている。 もちろん、SMエンターテインメントのノウハウは今後も韓国アイドル産業の標準であり製作指針になるだろう。 ただ、もはや防弾少年団のように歌ったり踊ったりしながら企画する方式も参考にすることができるという事だ。 そして市場の環境は、過去とまた変わるものだ。 直近で「DNA」のパフォーマンスを放送しなければならない放送局は左右だけでなく、前後の空間感をどのように消化するべきか悩まなければならない。 また、韓国アイドルグループが欧米市場で通用する可能性が生じた時、naver VアプリYouTubefacebookなどの対応も変わらざるを得ない。

 

その結果、防弾少年団の世界は成長と拡張を続ける。 デビュー当時、学校で夢が何か悩んでいた彼らは「花様年華」で世間に出て、今回のアルバムを発表する前にはショートフィルムを通じて仮想の世界観をさらに広げた。 その間チームの音楽はヒップホップとEDM、ムーンバートンなどを経てK-POPと欧米の大衆音楽の特徴を化学的に結合し、パフォーマンスとミュージックビデオはますます複雑化したり巨大化してゆく。そしてコンテンツが新たな要素を吸収して進化するたびに、彼らのファンドムは奇跡的と言えるほど爆発的に成長した。 彼らのキャラクターやストーリーはいつも成長と変化を必要とし、成長と変化は新しい領域へ進むきっかけとなって、新しい土地では新たに吸収するものがあった。 その継続される変身と拡張がそのまま防弾少年団の根本的なDNAであろう。 ビジネス文的な書き方をすれば、絶え間ない革新が爆発的な売り上げの伸びにつながったといえそうだ。 しかし、彼らはどちらかといえば「ドラゴンボール」と「エヴァンゲリオン」いずれかの間の主人公程度と説明するのがもっと似合うようだ。 平凡な学生が成長を重ねて宇宙を守るように、彼らは絶えず限界を突破して成長した。 そして「DNA」に到達し、歌詞に宇宙が登場した。 DNAの変化が宇宙まで届いたのだ。 故に今回のアルバムが新たなストーリの「承」(ショウ)に該当するのは偶然のように見えない。 話がピークに達する前に流れが高まる「承」。防弾少年団はそれまでの5年間もそのように絶えず上がってきたし、「DNA」は絶えず曲の雰囲気を上昇させてきたビートを突然「ドロップ」させる。 絶え間なく世界を広げ、新しい世界に出会い、再び世界を広げる。 彼らの「結(ケツ)」は何なのだろうか。 もしかして、少年が神話になることか。


文 カンミョンソク
校正 キムヨンジン


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まさかのエヴァオチ...でも何かパンPDの趣味といい防弾少年団には妙に似合う気もするしあながち冗談でもないかも(?)
DNAは全体的に(振付・色味・編曲など)EXOっぽいなとは思ってたんですが、良くも悪くも一貫性には欠けるアルバム構成といい(1年の間に色々なことが起こりすぎて、それをそのまま詰め込んだらそうなっちゃったのかもしれないけど)結局全てのアイドルはごく一部を除いてSMPに向かって行くのか...? 宇宙からやってきた最初から「天上人」で徐々に地上に馴染んできたEXOと、地上から宇宙へと飛び立った防弾少年団...ガンダムシリーズか。
(防弾も昔は超能力で戦ってたけど、あくまで学生だった)

「起承転結」の起の部分をすっ飛ばしていきなりプレクライマックスの承ですが、さて転は来るのかどうか。結局前回のWINGSも外伝で単発だし、その辺は流れ次第でふわっとうやむやになるのかな。それがKドル...


パート②は防弾少年団の歴史を図で表したもので、見ればわかるものだと思うので訳はしませんでした。
リンク貼っておきます。
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017091823087226471

 

「ボーイズグループ防弾少年団を定義することができるキーワードは絶え間ない成長だろう。 デビュー当時、注目される新人程度だった彼らは5年余の時間の間一歩ずつ成長し、現在に至った。 その成長がどれほど小さいことからだったか、どれほどの巨大なものに変わったのか体感したいなら、下記のインフォグラフィックをご確認頂きたい。」

【news Ade訳】アイドルの世界を作る人たち、A&Rを知っていますか?

【news Ade訳】アイドルの世界を作る人たち、A&Rを知っていますか?

 

2016-09-10 11:10:17
http://news-ade.com/?c=news&m=newsview&idx=1000011705

 

[ニュース・エイド=パクヒア記者]

 

「最近の芸能事務所たちが繰り広げる熾烈な戦争は結局、A&R戦争と変りません」

 

アイドルグループのトレーニングを担当しているある関係者の言葉だ。 この関係者だけではない。 数多くの実務陣が口をそろえてA&Rの重要性を強調する。 ところでA&Rとは一体何だろうか?

 

#A&R=レーベルの資産管理士

アルバムジャケットの最終章まで真剣に見つめたことがあるだろうか? 多分「私のアイドル」が誰と働いているか知りたいファンならば、このクレジットを一度は関心を持って覗いて見たことあるだろう。 コンセプトは誰が企画するのか、広報は誰がするのか、衣装やヘアスタイリングは誰がしてくれたのかどうかなどなど...。

 

このクレジットの1ページには、アイドルグループが舞台に立つまでの幾多の苦労が圧縮されている。 そして多くのスタッフの間でA&Rも一桁を占めている。 たまに「Artist & Repertories」と書いてくれている会社もあるが、用語解釈なしに簡略に記されている場合がほとんどだ。これによってファンも短くて太いこのポジションについて何の考えもなく通りすぎてきた可能性が高い。

 

しかし、A&Rは芸能企画社内の実務者の中でも最も核心的な役割を果たしている言っても過言ではない人たちだ。 先立ってちょっと言及したように、A&Rはアーティスト・アンド・レパートリー(Artist and Repertoires)を略して呼ぶ言葉だ。そしてアーティストは言葉通り、所属ミュージシャンたちを意味する。 それならレパートリーは何を意味するだろうか。 アルバムレーベル内でのレパートリーとは、会社が保有している曲を意味する。 つまり、A&Rは会社のアーティストと曲を管理する人ということだ。だが、単純にアーティストのコンディションを管理して曲を集めておく業務と思うのは間違いだ。

 

「A&Rはとても仕事をよくする実務者と見ていいです 会社ではとても重要な人物です。何故なら、彼らが結局は管理者になるんですよ。 これは資産管理です。 レーベル会社の資産はお金ではありません。 アーティストと曲です。 その資産を管理する人だと考えてみてください。 A&Rのポジションは結局、資産管理士なんです」
(大衆音楽評論家チャウジン)


#コンセプト鑑別士+賢いヘッドハンター=A&R

この「資産管理士」たちがしている仕事は独特だ。 A&Rチームは新人アーティストを発掘することからレコードを企画して製作することまで全般に関与する。 しかし、会社の規模や体系によって担当する業務が異なるため、業務範囲を特定することはできない。

 

「一般的にする仕事は、アーティストに合った音楽を探し出して制作過程に参加することです。 場合によっては追加的に広報や他のコンテンツ製作に参加する場合もあります。 アーティストキャスティングから入る場合もあります。 今回のNU'EST『CANVAS』はA&Rチームがアルバム制作初期段階の過程から製作チームと共にコンセプトを構築しました」
(NU'EST アルバムプロデューサー兼A&R BUMZU)

 

「韓国の音楽市場が海外にまで拡張されました。 そのため、歌を1曲作るのに関わっていた人が以前には1人や2人だったとすれば、今はとてもたくさんいます。 ひとまず最も重要なのは、曲そのものを作る人たちです。 順序は変わる可能性があります。 コンセプトを先に決めて曲を受けたり、曲を先にもらっておいてそこから良いコンセプトを引き出しても構わないです。 ここでにアートディレクター、スタイリスト、ヘアメイク担当者まで全員が曲のコンセプトを司る人たちです。 ところでこの全てのことをハンドリングする主体は誰なのか。 それがまさにA&Rチームです」(チャウジン)

 

彼らは与えられたコンセプトによって該当アルバムに収録される曲の雰囲気を構想し、コンセプトにふさわしい曲を作れそうな作曲家や作詞家の元を訪れる。 所属アーティストのコンセプトをうまく生かしてくれるミュージックビデオの監督、フォトグラファーなどを渉外することも彼らの役目だ。 したがって、歌手を育成するエンターテインメント会社でのA&Rは「非常に勇敢」でありただ会社内の業務に関与しているだけではなく、まるで人事チームのように賢いヘッドハンターの役割を遂行する。


#「A&Rチームがどんな仕事をしているのかって?訊かないでください!」

会社によって具体的な業務内容は多少の違いがあるが、共通してすべてのA&Rチームがすることは「良い」音楽を掘り起こしてアルバムコンセプトを引き出す事だ。

 

「NU'EST各メンバーに合わせたスーツを着せるように、ぴったりの音楽と歌詞を作らなければならなかったんです。 数多くのジャンルの曲を作ってみてデモを収集しました。 NU'ESTのボイスカラー、ビジュアル、パフォーマンスという三拍子がよく調和したジャンルを選びました。 フューチャーベースとディープハウスを主なジャンルとして選択し、1番トラックと4番トラックはNU'EST本来の声を一番よく生かすことができるアーバンR&BとFusion 90'R&Bを選択して配置しました。」(BUMZU)

 

このようにアルバムに入る曲を収集した後、チームの色にぴったりの曲を選びだすのだ。 トラック数、コンセプトによるジャンル別配置まで悩むのがA&Rの第一の任務だ。 プロデューサーとともにこのような部分を細かく相談し、全体的なフレームを構築してアルバムおよびミュージックビデオまでを完成させていく。

 

現在はA&Rの概念が会社ごとに少しずつ変わっている最中だ。 ビジュアルおよび映像コンテンツをA&Rから分けて配置するところが増えた。 面白いのは、このようにA&Rチームを細分化した理由や仕事の範囲については説明できないという会社が圧倒的に多いということだ。

 

「うちの会社の場合はA&Rとコンテンツ制作チームが別々に分離してあるんですけど。 ビジュアル部分は音楽部門と異なる担当者をおいています。 アーティストの発掘作業は、新人開発チームが担当する部分も大きいです。」
(芸能事務所関係者A)

 

「なぜA&Rを細分化したのか、またどこまでがA&R業務に含まれるのかお答えするのが難しいです。 一種の会社の機密なんです。 どのように作業が進められるのかというのは、自分の会社のA&Rたちがどのような方式で働いているのかというのとほぼ同然です。 最近はコンセプトの戦いですから。 会社ごとにコンセプトを引っ張ってくるプロセスが異なると考えて頂くといいです。 だから隠すしかないんです」
(芸能事務所関係者B)

 

#3秒しか聴かなくてもわかります

当然の話だが、A&Rチームのスタッフたちは音楽的にかなり詳しい知識を持っている場合がほとんどである。

「イントロを3秒聞けば何のジャンルか当てられます。 そのくらい音楽が好きで親しんでいる人がなります。 それでこそ、その時その時に自分の歌手に合った曲を収集することができるじゃないですか。 誰が更に良いコンセプトの曲を持って出るのかが最近のアイドル市場の勝敗の決め手だと思います。 作曲家・作詞家たちとのミーティングも盛大に行います」
(芸能事務所関係者C)

 

「音楽に関心が多いことで有名な某グループのメンバーは、A&Rチームにいるスタッフたちを本当に実の兄、実の姉のように慕っています。 海外ツアーに行ってもそのスタッフがいる部屋まで来て、音楽のことを話してほしいとせがむくらいです。 精神的にもとても支えになるんでしょう」
(芸能事務所関係者D)

 

ただ、A&Rが何かを「創造」する人々だとみなすことはできない。 彼らは作曲チームに曲を任せたり貰ってくるだけだ。 作曲家と意見を交わして金額の調整を行ったりもする。 様々な作曲家たちやミュージシャンたちと所属事務所内のプロデューサーたち、アーティストとのコラボレーションを率いることも、A&Rチームの役目だ。 彼らが直接曲を作る人たちではないということだ。 一方ではアーティストと信頼関係を形成して人間的に疎通し、彼らのコンディションを鋭敏に把握しなければならない兄や姉になる必要もある。 結局、A&Rは会社内で最も有能な「実務者」だ。


#A&R採用、なぜ難しいのか

このように重要な仕事をする人たちなので、会社の立場からも採用する際に厳しくなるしかない。

 もし各芸能事務所別のA&R募集広告を探してみたことがある人なら、「海外A&R」を別々に選ぶケースを見たことがあるだろう。 最近はA&Rチームを選ぶ時、音楽的に豊富な知見を備えているかは別にして、外国語の能力が高い応募者を好む傾向が強まっている。 先立って言及した採用広告のように国内と海外を区別して選ぶケースもあるが、最近はA&Rの募集広告自体に「外国語(英語、日本語など)会話能力に優れた者」を優遇事項として明記している会社が少なくない。 なぜだろうか。

 

答えを探すことはそう難しくはない。 最近カムバックしたRED VELVETの3枚目のミニアルバムのタイトル曲「ロシアンルーレット」を作曲したのは誰だろうか。 当該アルバムには合計何人の海外の作曲家たちが参加しただろうか。 EXOの「MONSTER」曲製作にKenzieとともに投入された作曲家は誰だったか?

 

もちろん、すべてのグループが海外の作曲家と作業することはない。 防弾少年団やNU'EST、SEVENTEEN、Block.Bなど概ね国内の作曲家たちと働いたり、メンバーたちが作業の過程で主要任務を任されることも少なくない。

 

しかし、すでによく知られたChad Hugo(Red Velvet『Happiness』)やLDN Noise(SHINee、EXO、SMステーションなど多数参加)など海外有数の作曲家たちが国内メジャー音楽市場に大きな影響力を行使しているのが現状だ。 このため、海外の音楽家らとミーティングを開き意見調整をするためには外国語のコミュニケーション能力が必須だという。

 

「A&Rチームで働いている友人のほとんどが英語が上手です。 とても優れている必要はないけど、海外の作曲家やプロダクションと疏通できる程度くらいは出来るべきでしょう。 大手事務所に選ばれるA&Rチームのスタッフたちは、英語の実力がとても優れています。 留学派も多いですね。 そうならざるをえません。 作業を最初から海外チームとしますから」
(芸能事務所関係者A)

 

実際、海外有数の大学で関連専攻を履修した後、韓国の大手事務所に就職して自分の力量を広げる人たちもよくいる。 国内派A&Rスタッフも、海外で多様な経験をしていたり外国語の実力が優れている場合が多い。

 

ますます洗練されたものを求めてさ迷う大衆を満足させる為にはやむを得ないことだ。 国内にも良い音楽家たちが多いが、最大限多くの機会を作らなければならないというのが関係者たちの共通した意見だ。

 

#A&R、さらに重要になるだろう

多くの韓国アイドルグループが海外ツアーをする。 わずか10年前までには描きにくかった絵だ。 このような現象が瞬間的な好況で終わることを願う人は多くないだろう。

 

アイドル産業が本当に、まともに、しっかりと!作動するには、音楽だけでなくグローバル産業に鋭敏な感覚を持ったスタッフが投入されなければならない。 そうだとすると、会社内の実務管理者と変わらないA&Rスタッフの役割も自然に大きくなるしかない。

 

K-POPの産業構造が、大資本が投入されても大きなリスクを最初から抱いて出発する構造で固まってきています。これは映画産業と似ています。プリプロダクションは練習生であり、資本がたくさん入って完成するのにも時間がかかる。発売されるやいなやそれがすぐに会社の運命を左右することになります。このような点では、会社の最も重要な部分を総括するA&Rチームの役割が重要になるしかないという気がします」(チャウジン)

 

今のところ、韓国のレーベル各社は海外に比べて小さい規模で運営されているのが現実だ。したがって、徹底したプランの中で体系的に動くA&Rチームは片手に余る。 小規模のレコード企画会社の場合にはA&Rチームがアルバム発売時までスケジュールを管理するスケジュール管理者程度の役割になっている場合も存在する。

 

しかし、韓国アイドル市場はますます海外に向かっていて、これに向けてアイドルを作っており、大きな金額を投資して必ず成功に繋げようとする会社の熱望は続くだろう。 そうすればするほど緻密でしっかりした実務者、A&Rの役割が大きくなるしかない。


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去年の記事ですが、プロデューサーや作曲家やAD、スタイリストなどのクリエイター陣と比べるとスポットが当たりづらいA&Rについての記事でした。SMみたいにほぼ社外の仕事が多い会社は特に重要なポジションそうです。

 

確かにクリエイター陣が頑張るだけではうまくいかないのがビジネスというものだし、各種の国内外コラボもアイドル本人がやりたがって魔法のようにうまく実現するというわけでは無いので、そこで必ず条件や方法や金額などを交渉するスタッフが存在して、それがA&Rである場合が多いということなんでしょうか。ファンは気軽にあの人に作って欲しいとか撮って欲しいとかコラボしてとか言いますが、全てお金の関わるビジネスである以上は「会社の提示する予算に収まるか」「そもそも引き受けてもらえるか」「双方のスケジュール上の問題はないか」など越えるべきハードルがたくさんあって、それ故に実現して世に出たものにはたくさんの人たちの仕事が関わっているんだなあと改めて思った記事でした。

【ize訳】ユソンホインタビュー②「今が良ければ10年後のユソンホもいると思う」

【ize訳】ユソンホインタビュー②「今が良ければ10年後のユソンホもいると思う」

 

2017.09.14
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017091322427297912

 

  

Mnet「プロデュース101シーズン2」以降にいろんな経験をしていますね。新たな夢や目標ができたんじゃないでしょうか。

 

ユソンホ:率直に言うと、明確な夢というのが何なのかよく分からない。 演技もして、歌もして、ダンスもして、それをただ黙々としたい。 最近は夢が何なのか自分で探している過程みたいです。

 

来年には高校進学ですね。 芸能芸術高等学校に進学するつもりですか。

 

ユソンホ:多分そうなると思います。 とりあえず会社から近い学校を職員の皆さんが積極的に推薦してくれている。 最近は制服の話もたくさんしてたけど、僕は着る物にはあまり関心がなくて、どこの制服がもっとかっこいいとかそういうことはよく分からない。

 

ファッションには関心がないですか。

 

ユソンホ:というよりも半ズボン、サスペンダー、リボンネクタイみたいな、かわいい感じはあまり好きではないみたいです。 「悪童探偵ズ」を撮る時もサスペンダーはお願いだから外してほしいと言いました。 半ズボンくらいならちょっと慣れたけど、いまだにスタイリストヒョンと喧嘩したりします。丈の長いパンツに洗いたてのシャツを着るのが一番いいです。

 

愛嬌の多い性格ではなさそうですね。

 

ユソンホ:自分は愛敬がある方じゃない。 普段兄や姉たちによく懐いているのをみると、一見愛嬌があるように見えるのではないかと思う。 もしかしたら体から愛嬌がにじみ出ているのかなという気持ちもあって。 実際自分からみると僕は無愛想なタイプだと思う。

 

それでは自分はどんな人だと思いますか。

 

ユソンホ:最近になって感じるのが、自分がどんな人かよく分からないという。 言葉で表現するのが難しいんだけど(笑)それでも「プロデュース101シーズン2」の時は自分の性格がそのまま出たのが本当によかったです。 実際…僕は普段からたくさん考えたり深く考えるタイプじゃないですね。

 

考えすぎないように努力する方なんでしょうか。

 

ユソンホ:その通りです。 目の前に置かれたことからうまくなろうと努力します。 当然、演技や歌をする時は自分がどうしなければならないのか、深く考えている。でも、普段は考えもなしに生きています。 考えが多ければ負担も増えるだろうし、自分ができることもできなくなるんじゃないかな。 これが自分の長所だと思っている。 「10年後のユソンホは?」こんなことはよく分からない。 今が良ければ10年後もあるだろうし、今が良ければとりあえず明日もあるんだろうなと思ってます。

 

それでは今、いちばん重要なことは何ですか?

 

ユソンホ:今このインタビューをしていること。幸い自分は瞬間的な集中力は良い方です。会社でも「お前は歌はできないのに、一瞬の集中力は本当に凄いな」とほめられました(笑)

 

歌と演技のほかにも挑戦してみたい分野がありますか。

 

ユソンホ:今は演技、ダンス、歌を基礎から注意深くよく固めるのが優先だから、他のことは思いつかないです。 でも、後々でしてみたいことはある。 学生としてはそのまま友達に会って、肉を食べて、カラオケに行く時が一番楽しい。 僕が友達とカラオケに行くと統制がよく取れていて、自分の順番で2、3曲連続で歌った後にマイクを渡してくれるんです。 そこでもほとんどバラードばかり歌うけど、これからはポップスソングもたくさん聞いて、多様なジャンルを歌ってみたいです。

 

これから見せたいイメージはどんなものですか。

 

ユソンホ:ユソンホといえば眼鏡、アヒル、1日5食(삼시오끼)、マンゴーゼリーの話がまず出てくるけど、これからは少し脱皮したい。 僕は楽しむエネルギーにあふれていて、まだキレイな白い画用紙のようなものだと思う。 それにセクシーとも言われたい。 こういうコンセプトをステージでしてみたことがあまりないけど、後にきちんとやれたらいいなと思います。

 

2017年は、大変な一年として記憶されそうですね。

 

ユソンホ:本当に忘れられない一年だと思う。 今はこんなに忙しく過ごしてるけど、後には、本っ!当に!忘れられない年になるでしょう。 当然のことですが、またこんなスケジュールを経験する事があるのかなっていう。

 

後でもっと多くのものをすることもできるんじゃないでしょうか。

 

ユソンホ:でも、最近はすべてが「初めて」だから。 初めての時は何かが違います。

 

最後に何か言いたいことがありますか。

 

ユソンホ:お腹がとてもすきました。 今日は何を食べに行こうかな? 実は僕は食べたいものをすぐに決められないんです。 おかずをたくさん食べる方でもなく、スープと肉のおかず程度でいいんです。 豚肉炒めは除いて。 元々は好きなんだけど、「プロデュース101シーズン2」の撮影のときに豚肉炒めを食べすぎちゃって。 この前のドラマ撮影の時も豚肉炒めが出て、ヒョンソプヒョンと僕はそれは食べないで他のおかずだけでご飯を食べました。 ああ、あと甘いものもたくさん食べると、ちょっとくどく感じます。

 

さっきカップケーキの撮影した時大変だったでしょ。

 

ユソンホ:少しだけしか食べてないので大丈夫(笑)

 


記事 パクヒア
写真 イジンヒョク(Koiworks)
校正 キムヨンジン
ビジュアルディレクター ゼンジュリン

 

【ize訳】ユソンホインタビュー①「WANNA ONEになれなかったのは残念だけど、羨ましくはない」

 

2017.09.14
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017091322377218208

 

2002年生まれ、満16歳。 Mnet「プロデュース101シーズン2」の溌剌とした末っ子研究生、ユソンホは絶えず歌を歌いながら撮影に臨んだ。 「今日は普段の3%くらいですよ」楽しむエネルギーがあまりにも多いと自分自身を紹介した彼は、この後少ししたら個人レッスンを受けなければならないと、忙しい日常を根掘り葉掘り打ち明けた。

 

最近10cmの新曲のプロモーションビデオとウェブドラマ「悪童探偵ズ」を撮ったんですよね。 演技は初めてですが撮影現場ではどうでしたか。

 

ユソンホ:演技がこんなに面白いとは思わなかった。 同じことを続けて撮影しなければならないし、1日に数十回も力を注ぎ込まなければいけないので難しいと思いましたが、その過程がとても面白かった。 ドラマを撮った時にはずっと歌でも歌いながら通っていたので、喉が枯れたくらいです。 ミュージックビデオは「僕は君の子犬になりたい」という感じで演じていて、内容は子犬とただ一生懸命遊ぶだけでした。子犬が本当にかわいかった(笑)

 

グラビア撮影もかなりたくさんされましたね。 写真撮影がもっとおもしろいでしょうか、それとも演技の方がもっとおもしろいでしょうか。

 

ユソンホ:グラビアも面白いんですけど、演技はもっと面白かった。 どうしても写真というのは僕自身を表現するには、限定的みたいです。 一方で、演技は自分がやりたいことを全部出せる部分があるみたいだし。 ところで、最近のグラビア撮影では大人っぽいコンセプトが多かったです。 今は僕の年齢に合うイメージでの提案をしてくださる方が多いんですが、雰囲気のある振る舞いばかりをしていたのでいざ自分の年齢らしい事をしようとしたら、むしろぎこちなく感じます。

 

最近WANNA ONEがとても大きな人気を得ている。 羨ましくないですか。

 

ユソンホ:口惜しいとは思うけど、羨ましいという事はないです。 今も自分がやりたいことできているし、まだ足りないだけに一生懸命練習しながらスケジュールにも通うことができるから大丈夫です。 でも、「もうちょっと上手かったら入れたかもしれない」と思う惜しさはあるみたい。 でも、羨ましいのと名残惜しさは違うので…。

 

WANNA ONEのファンミンヒョンとユンジソンが「プロデュース101シーズン2」では現実的な助言をたくさんしてくれたと言っていましたね。

 

ユソンホ:ミニョンヒョンは本当に冷静なアドバイスをくれます。 「出来ないなら練習しろ」「『Never』がだめなら『ヨロジョ』で行くだけだ」。それに「プロデュース101シーズン2」は順位争いじゃないですか。 僕がそういう状況から来た悩みを話すと、ジソンヒョンが僕たちの状況と関連して良い話をたくさんしてくれたんです。

 

どんな言葉だったんでしょうか。

 

ユソンホ:もう一度自分が置かれている状況について考えてみるようになるような言葉でした。 ジソンヒョンと僕は11歳離れてます。 なので、ヒョンがしてくれる話が自分にとって本当に良い影響を与えてくれるみたいで。 実際ミニョンヒョンやソンジェヒョンも僕の立場からしたら大先輩だ。 練習期間まで合わせたら自分よりも8〜9年は経験が多いので、すごいと感じます。 最初はアイドルの先輩たちは恐ろしいという偏見を持っていたので近づくのが少し怖かったけど、放送に出演してドラマを撮って、そうではないということを知りました。


ヒョンたちが持っている長所の中から一つずつ選んで自分のものにする事が出来たとしたら、何を挙げますか。

 

ユソンホ:まず最初はジソンヒョンの性格。 ヒョンは僕と性格が似ているようで違うので。 あとジェファンヒョンの発声とミニョンヒョンの音色も欲しい。 僕は発声が良くない方なのでヒョンたちが持つ能力がとてもうらやましいです。 ヒョンソプヒョンの真摯な面や、ジノヒョンのボーカルスキル、ダニエルヒョンの肩も! 実はこれまでにヒョンたちに関する質問をよく受けましたが、実際にこうやってヒョンたちの長所を一つずつ話をしてみると、とても難しく感じられます。 全部好きな人たちなので...

 

Vアプリや各種のバラエティにも出られましたが、そこでも周辺にいる先輩たちと気楽に話していましたね。

 

ユソンホ:もともと自分から先に話しかける方ではないです。 でも、相手が先に少しでも近づいて来てくれたら、自分の方からたくさん近づくいていく性格です。 あ、でもアンヒョンソプヒョンはいつだったのか記憶がないのを見ると、僕の方から先に自然に声をかけたみたい(笑)僕たちの役であるオソンとハヌムは同い年の友達という設定です。 あまりにも馴染んでるから、現実でもついついヒョンに「おい」とか言ってしまって自分でもびっくりします。 現場ではすべてのスタッフの方たちが「ユソンホ」の代わりに作品の中に出てくる名前を呼んでくださるので、余計に勘違いしてしまいます。

 

もはや芸能人に近づきましたが、昨年に練習生を始めたばかりの時はどうでしたか。

 

ユソンホ:最初はその中で息をするのも大変だと感じるぐらいだった。 でも、練習生を始めたばかりの子たちはみんな同じだろうと思う。 練習生を始めてからもう1年ほどになった。 だけど、始めたばかりですぐに「プロデュース101シーズン2」を撮りに行ったのでまだ6ヶ月くらいにしかならないようなもので。 これまでダンス授業は時間が合わなくてたった2回しか受けられなかった。 代わりに歌の練習はPENTAGONのジノヒョンがボーカル担当トレーナーを引き受けて手伝ってくださってます。 カムバック後で音楽放送に通いながらも、ずっとレッスンしてくれると言ってくれてとても感謝しています。 1週間に1・2回ぐらいしますが、最近はエリック・ベネイの「Still With You」を練習しています。

 

練習曲が意外でした。

 

ユソンホ:元々は韓国語の歌だけが好きでした。 でもジノヒョンがポップスソングからは学ぶべきことが多いからこれからは地道に聞いてほしいと強調するので、一生懸命に努力してます。 幸い、エリック・ベネイの歌は全部良いです。 もともと自分はバラードみたいに悲しく感性的な雰囲気が盛り込まれた歌が好きで。 ぜんぜんそうは見えないと思いますが(笑)今回ユクソンジェヒョンのアルバムが出たのも聞くや否や「めちゃくちゃよくて大変だ!」って話してました。

 

実際、ユソンホのプレイリストにはどんな歌があるんでしょうか。

 

ユソンホ:まずmelonチャートの100位までそのまま入ってます。 ソンジェヒョンの「言って」PENTAGONの「Thank You」BUZZ「My Love」は本当によく聴きます。 BUZZ先輩の曲は最近新しく出たアルバムを聞いているうちに、以前の曲も気になって聞き始めました。 APinkの「Lost Pieces」も好きです。 実は僕が一番最初に好きになったアイドルがAPinkなんです。 文化祭の時にAPinkのダンスを踊ったんですが、僕がチョンウンジ先輩の役でした。 僕がセンターで、メインボーカルだったんです!


記事 パクヒア
写真 イジンヒョク(Koiworks)
校正 キムヨンジン
ビジュアルディレクター ゼンジュリン