サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】ウウォンジェ、そして「真っ当な曲」

【ize訳】ウウォンジェ、そして「真っ当な曲」

 

2017.09.25
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017092502057240531

 

ウウォンジェの「時差(We Are)」は彼がMnet「SHOW ME THE MONEY6」で歌うことが出来なかった決勝曲だった。 ファイナルラウンドで聞かせるはずのトラックだっただけに、この曲の歌詞には放送で見せてくれたウウォンジェの長所と、特に好き嫌いが分かれた彼の暗いキャラクターがすべて含まれている。 「SMTM6」のイジヘPDは「ウウォンジェの歌詞は暗い内面の話から気楽にみんなが共感できる素材まで豊富に扱う。 この曲を決勝で歌っていたとしたら、『SMTM6』で彼が完成された感じになっただろう」と話した。 「時差(We Are)」は大学の講義室でのタトゥーを隠して来いという先生の小言から始まり、LOCOとGRAYという人気ミュージシャンと自分を「We Are」と同一視しながら締めくくる。 平凡な日常と自分に対する宣言の結合、それがウウォンジェの「時差」だ。

 

「時差」は去る20日、GAONチャート基準デジタル総合、ダウンロード総合2週連続1位を占めて、ストリーミング総合チャートでも1位だった。 もちろんウウォンジェの名前を知らせたのは「SMTM6」で、その影響力を無視することはできない。 しかし、いわゆる「レンガチャート」といわれるほど上位圏の音源の順位変動がほとんど起こらないmelonチャートで放送とは別に発売したラッパーの音源が一気に1位に上がることはめったにいない。 「SMTM」で優勝したラッパーたちの音源がストリーミング・チャート1位に上がることもあまりなかった。 これに対して多くの音源チャートの関係者たちは「音楽バラエティ番組が活性化していた当時には放送の影響力が大きかった。 しかし、最近はそのように消費される音楽が相対的にかなり減った」と話した。 最も多くの利用者数を保有している音源サイトmelonの関係者Aは「ウウォンジェがBewhYのように最もインパクトが大きかった出演者として関心を受けた可能性はある」と述べながらも、「他の曲はヒップホップが好きなファンから『イケてない』というような反応が出たりもしたが、『時差』はその間でも反応が良かったので、他の理由があると見ることができるだろう」と話した。 また、ほかのmelon関係者Bは「melonを含め、我が国のストリーミング市場の主要顧客年齢層はほとんど20代半ばを頂点としており、標準偏差がかなり小さい形だ」と説明した。 大学講義室から自分の生活を省察するウウォンジェの歌詞は最も多数に該当する顧客層の共感を引き出すことができ、その結果高い音源の成績につながった可能性もある。 ウウォンジェの「時差」を1位の座から押し出した曲は切実な別れを歌う歌詞で20〜30代の男性たちの高い支持を得たユンジョンシンの「いいの(Like It)」だった。

 

「時差」と「いいの」は、最近の音楽産業関係者たちにとっても簡単にヒットの理由を分析しにくい歌の例だ。 ウウォンジェとユンジョンシンはアイドルスターといった強力なファンドムもなく、IUのように音源が公開されれば多くの人たちが無条件に聞く「音源強者」の位置にもいなかった。 Bは「ユンジョンシンやSURAN、キムナヨンのようなケースは、単なる数値的資料から彼らの浮上を説明するのはとても難しい。 SURANの『今日酔えば』は防弾少年団のメンバーであるSUGAがプロデュースしてファンドム内で話題になったが、その点だけを取って長期間1位が可能だったと見ることは難しい」と話した。 そして、Bはこう語った。 「彼らの共通点を挙げるとすれば、ただ一つだ。 音楽スタイル、曲の歌詞を合わせてすべての音楽クオリティ面で『真っ当な音楽』だという特徴しかない」この『真っ当』な音楽というものが意味するところが何なのかは正確には定義し難い。 ただ、今の音源サイト利用者たちが『真っ当な音楽』だと判断するような基準が新たに作られているところだと想定することはできる。 歌う歌手がとても有名ではなくても、放送番組の力をあまり借りなくても、多数の好みに合って多く再生されている曲たちが市場の一軸を形成している。

 

この新しいタイプのヒット曲は、音楽チャートが形成される過程が変化している事と文脈が一致する。 あるSNS及び音楽プラットフォームの関係者は、最近の傾向について「Naverリアルタイム検索語に上がった歌手の音楽がmelonチャートにランクインするのが約5年前の主なチャートの作られ方であったが、今ではmelonの規模が大きくなり、チャートの内部で順位争いが起きている」「従来は、音楽フラットフォームがNaverなどのポータルやfacebookのようなSNSに寄生する構造だったが、もはやその必要はなくなった」と話した。 歌手個人の認知度がある程度影響を及ぼすことはできるが、それが音源の順位の上位圏までを保証するものではない。 代わりにチャートの中でどのようであれ一定の支持を得ている曲になると、その次からは利用者の趣向によって順位が上昇する余地が生まれる。 そして、こうした過程でチャートでも生き残れる「真っ当な音楽」が何なのか、苦悶するクリエイター達は増えていく。 音楽プロデューサーCは「LOCOとGRAYのように音源の成績が保障されたフューチャリング曲を書くのもひとつの方法だが、それさえも洗練されたビートと刺さるメロディーがなければ高い成績につながっていない。 ただし、大衆が感じる洗練やどういうものが刺さるのかを調べるのは、私たちにとっても難しい」と打ち明けた。 ウウォンジェは「時差」で「俺は適応しなければならなかったこの時差に」と歌う。 音楽産業の主体たちの間にも時差が存在する。 クリエイターから消費者まで、適応は全員の役目である。

 

文 パクヒア
記事 キムヨンジン


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

SMTM6はアメバカルチャー所属のヘンジュの優勝で幕を閉じましたが、個人的にいちばん印象に残ってるのはウウォンジェだったので、「時差」がここまでヒットしたのは嬉しかったです。ウウォンジェの歌詞は暗いとよく言われますが、比喩や目の付け所がありきたりではないし、暗い面は見せる率直さはあるけど内にこもりすぎる感じはなくて、同世代だけじゃなくてその時期を通りすぎてきた上の世代や下の世代にもスッと入ってくる不思議な共感性がある気がします。独り言っぽくて押しつけがましさがないからかな?

 

TVの影響やファンドムがなくてもいい曲がランキング上位に入るようになったというのは良いなと思いました。しかし音源ポータルの利用者のピークが20代後半という事は、実質韓国の音楽チャートの流行を作ってるのはその年代という事か...