サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ハンギョレ訳】ガールクラッシュの初めての記憶、心で焦がれてさようなら

【hani/ハンギョレ訳】ガールクラッシュの初めての記憶、心で焦がれてさようなら

 

クドゥレ記者
登録2017-02-12 20:12
修正2017-02-13 10:39

http://m.hani.co.kr/arti/culture/music/782331.html

 

WONDER GIRLS・2NE1解散
KPOPの世界進出を導いた代表的ガールズグループWONDER GIRLS、ビルボードのメインに最初に登り、後半期には自作曲で音楽性を認められた2NE1は、少女性やセクシーなイメージを越えていた。破格の振り付け・ファッションに女性たちは熱狂した。

 

"たまにでも良い/私を抱きしめてくれた手で描いて/そして少しだけでいいから/ああ、私を恋しく思って描いて/私は毎日100のあなたを描く"

 

 WONDER GIRLSが10日0時、最後の音源「Draw Me」を発表した。 イェウンとユビンが直接書いた歌詞には、10年間応援してくれたファンたちに対する感謝が盛り込まれている。 JYPエンターテインメントは先月26日「ユビンとヘリムは再契約を締結し、今後は音楽・演技・MCなど多方面で新しい姿を披露する予定であり、イェウンとソンミはたくさん悩んだ末に自らの道を新たに開拓しようと、残念ながら会社を去ることになった」と解散を公式に発表した。

 

"散らばって壊れた言葉は信じないで/君の小さな気持ちを手離さないで/一緒にした約束が思い浮かぶ/涙が流れる 忘れないで"

 

昨年11月26日解体を公式に発表した2NE1も先月31日「アンニョン」を発表し、別れの挨拶をした。 「アンニョン」は、米国iTunesで34位まで上昇し、「I am the Best」よりもよく売れた。 「Draw Me」も公開されるやいなや音源チャート4つで1位、音源チャート2つで2位を記録した。 2つのガールズグループは音楽的に大きな足跡を残した。 WONDER GIRLSの「Why So Lonely」は2017年の韓国大衆音楽賞で「今年の歌」候補に上がった。 WONDER GIRLSは2016年にも「Reboot」アルバムが最優秀ポップ・アルバム部門の候補に上がって2年連続候補になった唯一のガールズグループだった。2NE1も2011年、アルバム「2NE1」が最優秀ダンス&エレクトロニック・アルバム賞を受賞した。

 

韓国の両代表であるガールズグループは、世界進出でも先駆者となった。 WONDER GIRLSの「NOBODY」はビルボードのメインチャート(シングル76位)に上がった最初の曲だった。 2NE1は2014年「Crush」アルバムが米国「ビルボード200」の61位に入った。 2つのガールズグループは「ガールクラッシュ」の代表でもあった。 2NE1は少女だったりセクシーなイメージを超える新しいコンセプトのガールズグループだった。 破格的な振り付けとファッションスタイルで女性たちの熱狂を一身に受けた。 少女としてスタートしたWONDER GIRLSも、やはりデビュー以降成熟しながら少女たちのロールモデルとなっていった。 音楽評論家チャウジンは2つのガールズグループは「韓国アイドルの音楽的、産業的側面でのターニングポイントの事例」と評価する。 結局は同じ年に解体を迎えた。 音楽評論家キムユンハは「音楽、スタイル、グループコンセプトすべての面で、保守的で消耗的なKPOPガールズグループシーン(音楽界)の先頭で自生するべく最善を尽くした。 しかし結局解体するしかなかった」と惜しんだ。 2つのグループのファンたちが覚えている彼女たちの最高の瞬間と評価をまとめた。 最高の瞬間は、DCインサイドのファンギャラリーに意見を要請しており、そのコメントを整理した。 「KPOPアイドル史」においてどのように記録されるかどうかについての音楽評論家の意見も集めた。

  

#WONDER GIRLS(2007~2017年)

 

最高の瞬間

 

 ○2007年 全国民が「Tell Me」ダンスを真似して踊る
「Tell Me」はWONDER GIRLSの最初の正規アルバム「ザ・ワンダー・イヤーズ」のタイトル曲だ。 各家庭で手を後ろに集めてさらさらと振り、「あら」の部分で頬を打ったものだ。 軍人たちも制服を着た男子生徒もよってたかって踊った。 この様子を撮影した動画を猫も杓子もインターネットに載せ、「UCC(User Created Contents=ユーザー製作コンテンツ)」という単語が一般名詞化された。 発表された9月から3ヵ月間、韓国のすべての音楽チャートのトップに上がった。

 

○2012年 スティービー・ワンダーとの国連デー合同公演:
米国に進出したWONDER GIRLSは、ニューヨーク国連本部で開かれた国連創設67周年記念公演の舞台に立った。 同日の公演にはスティービー・ワンダー、スティング、ポール・サイモンが同席した。 WONDER GIRLSはスティービー・ワンダーと共に「What the world needs now is love」を歌った。

 

○2015年 自作曲で埋めたアルバムで復帰:
多くの人々は、ワンダーガールズの真の底力を「Reboot」アルバムからと指摘する。 ソヒが演技活動のために抜け、ソロ活動中だったソンミが合流し、4人に再編成して登場したWONDER GIRLSは楽器を持って現れた。 タイトル曲を除いたアルバムの曲はすべてメンバーの自作曲だった。

 

○2016年 ミニアルバム「Why So Lonely」の音源チャート掌握:
昨年7月に発表した「Why So Lonely」は昨年の第3四半期に最も多く聞かれた音源だ。 WONDER GIRLSのメンバーたちは彼女たちを仕立てたパクジニョンプロデューサーの手も離れ、自作曲をタイトル曲とした。 どのようなガールズグループも歩いたことのない道を歩みだした瞬間だった。

 

独歩的記録

 

・年間1位3曲(2007年Ollehミュージック「Tell Me」、2008年Melon「So Hot」2008年Mnet「NOBODY」)。
・2009〜2012年 4年連続ワールドツアー、40回以上。

 

「歴史」はどのように記憶するか

 

キムユンハ/音楽評論家:
KPOPガールズグループの喜怒哀楽をすべて経験して解散した、まだ別れるには惜しいグループ。

 

ミミョウ/<idology >編集長:
企画物としてのアイドルの光と影という宿命をすべて経験し、最も素晴らしい復活を成し遂げた存在。

 

ソジョンミン甲/大衆音楽意見家:少女たち、国民たちのガールズグループだったが、新しい市場に挑戦して最後まで止まらなかった。

 

イデファ/音楽評論家:第2のガールズグループ熱風の始まり。

 

#2NE1(2009~2017年)

 

最高の瞬間

 

○2009年「FIRE」デビューステージ:

2NE1は「FIRE」でガールズグループとしては初めてデビュー曲で1位を占めた。 正式デビュー前、BIGBANGと一緒に歌った「Lollipop 」で胸を膨らませた期待を充足させる瞬間だった。

 

○2011年 米国<MTV>新人グループに選定:
2NE1は独歩的なスタイルで世界を舞台に可能性を広げていった。 2011年日本で発表した初のミニアルバム「NOLZA」はオリコン週間アルバムチャート1位に上がり、MVTワールドミュージックチャンネルの「2011年最高の新人グループ」投票で1位を占めた後、ニューヨークのタイムズスクエアで公演をした。

 

○2011年 「I AM THE BEST」:

「I AM THE BEST」は2枚目のシングルだ。 YouTubeで開催されたこの歌のダンスコンテストには4万人余りのダンスチームが参加した。 MicrosoftのCM音楽でも使われ、最近1億7千万ビューを突破した。

 

○2015年、再び4人が集まる:

BOMの事件で完全体活動が中断された2NE1だったが、全メンバーが1年4ヵ月ぶりに全員で集まった。 MAMAアジアンミュージックアワードの舞台でデビュー曲「FIRE」と「I AM THE BEST」を歌ってファンを騒がせた。 完全体としては最後のステージとなった。

 

独歩的記録


・2010年初のフルアルバム「2NE1」3曲音楽放送1位
・2枚目のアルバム「Crush」5曲音源チャート1位。
・2014年、2枚目のフルアルバム「Crush」Billboardのメインチャートであるアルバムチャート61位、最高記録。
・ガールズグループ初2度のワールドツアー、20万人観客動員。

 

「歴史」はどのように記憶するか

 

キムユンハ/音楽評論家:「2NE1を連想させる」という表現はKPOPシーンでの永遠の絶賛として残るだろう。

 

ミミョウ<idology>編集長:韓国女性アイドルというくびきを解き放ち、最も遠くまで進んで行って海外KPOPファンダムを引き寄せたアーティスト。

 

ソジョンミン甲/大衆音楽意見家:2000年代ガールクラッシュの不埒な出発。彼女たちは自分たちのすべてを見せたのだろうか。

 

イデファ/音楽評論家:ガールズグループのキャラクターの拡張をもたらしたグループ。

 

 

クドゥレ記者 anyone@hani.co.kr

【ize訳】K-POPはAKB48の夢を見るか

【ize訳】K-POPAKB48の夢を見るか

 

2017.07.12
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017071122557266373

 

日本の「国民的アイドル」と呼ばれるAKB48は初動売上だけで100万枚を越え、30個のミリオンセラーを記録した。最近は下落傾向にあるとはいえ、まだAKB48をはじめとするAKB軍団を超えるほどのアイドルグループは出ていない。彼らは劇場公演・選抜総選挙・じゃんけん大会・リクエストアワーなど独自のシステムを構築しているが、隣国である韓国では冷ややかな反応を見せていた。日本文化に好意的ではない韓国人には、メンバーたちの人気をベースにした複雑なシステムが拒否感を呼び起こしたのだった。そのAKB軍団のシステムは、永遠に外部のものとして残ると思われていた。

 

しかし、状況は変わった。 2016年にはAKB48総選挙を積極的にベンチマーキングしたMnetの「プロデュース101シーズン1」が、2017年には「プロデュース101シーズン2」が放映された。 「プロデュース101シーズン1」で1位を取ったチョンソミは85万8333票を獲得し、「プロデュース101シーズン2」で1位になったカンダニエルの得票数は157万8837票でチョンソミの約2倍だ。そしてMnetは13日、投票制に基づく別のサバイバル番組「アイドル学校」を放送する予定だ。絶対に入ってきそうになかったAKB軍団のシステムが「プロデュース101」を通じて成功的に定着したものである。

 

ファンが行使した票がセンターを決定するという点において総選挙と「プロデュース101」の投票システムは同じである。しかし、その点を除けばすべての部分で異なっている。 AKB48の総選挙は一時的なイベントであり、総選挙の順位に応じたポジションは総選挙シングルにのみ適用される。今年のランキングが低くても、来年を眺めながら希望を持つことができ、1年の準備期間中にメンバーたちはSNSや劇場公演、握手会などを通して自分自身をアピールする。しかし、韓国の投票制は違う。グループ内のポジションではなく、デビューが賞として与えられる。最終的な順位に応じてデビューメンバーを選抜するため、その順位が固定される。ファンがポジションやリーダーなどの役職に敏感な理由だ。 「プロデュース101シーズン1」が終わった後に結成されたガールズグループI.O.I「Crush」のミュージックビデオ公開後にメンバーの登場割合などによって特定のメンバーが非難を受けたり、「プロデュース101シーズン2」のデビューグループWANNA ONEの一時的リーダーとしてユンジソンが決定された後にいくつかのファンが反発したのも、同じ延長線上にある。

 

また、AKB48の総選挙は1年ごとにファンとメンバーが一緒にすることができるイベントという雰囲気が強い。総選挙の日程が発表されると、メンバーは、出馬宣言をして選挙ポスターを撮影する。ファンは各メンバーの選挙対策委員会を立ち上げる。中間順位をチェックする速報発表も、最終的な順位発表も、感想のスピーチまで、すべてのイベントがファンと一緒に行われる。 2017年6月に開かれた第9回選抜総選挙「まずは戦おう!話はそれからだ」が批判を受けた最大の理由も、運営スタッフが気象悪化を予想できず初めてファンがいない場所でランキングを発表したからだ。一方、韓国の投票制はファンとメンバーの両方にとってストレスだ。メンバーは短期間に客観的でない放送でのみ自分をアピールしなければならない。さらに、順位が高ければデビューできるが低ければ放出される。見守るファンたちの心も楽であるはずがない。WANNA ONEが広告モデルであるイニスフリーは「カラーマスク101」という投票イベントを開催したが、「うんざりする投票制から脱出したメンバーたちを巡って、なぜ再び投票をするのか」というファンの抗議を受けてイベントをしばらく中断した。投票権の資格も異なる。 AKB48の総選挙に投票できる人は投票券が入っているシングルCD購入者、公式ファンクラブ会員、AKB48関連モバイル・インターネット有料会員などだ。 つまりある程度の金額を払って地道に活動を行ってきた人たちが投票権を行使することができる。しかし、「プロデュース101」をはじめとする韓国の投票制プログラムは、国民投票を標榜している。すべての人が有権者になる。そのために投票が行われる日には、ウェブサイトやSNSなどに「私たちの○○をちょっとでいいから選んでくれないか」と泣訴する文章が殺到する。誰でも投票することができるため、いわゆる「オグロ(釣り行為)」も容易に可能である。そうでなくても短所が多い制度である総選挙が、競争を重視する韓国社会の雰囲気と出会って奇妙に変質されたものだ。

 

既存の韓国アイドルは結束力が強かった。 一度決まったメンバーは引き続き一緒にやるという不文律があった。 ファンたちも個人的に好むメンバーとは別にグループそのものを好きだった。 しかし投票制が導入され、チームワークを中心に動かしていたグループは個人単位に解体された。 ファンたちは人気度でメンバーを並ばせることを当然と思うようになった。 多様な事例をベンチマーキングして新たな試みをするのは良いが、投票制を導入するのがいいことなのかどうか分からない。 しかし個人的見解とは別に、話題集めは十分果たしているので、今後はさらに多様な方式を借用した投票制が登場するのではないか。 ただ、投票制に参加した・参加している・これから参加する彼らが、まともな待遇を受けて才能を広げることを願うだけだ。

 

文 べクソルフィ(コラムニスト)
校正 キムヨンジン


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原文では「AKB師団」という表記で「AKB軍団の中にSKEやHKTなどの師団が存在するAKB師団システム」の事を指していると思うのですが、日本語の文章的には少し意味がわかりづらいかなと思ったのでAKB軍団と訳しました。 

(今年の総選挙、自分的に一番非難を受けたのは結婚宣言のイメージだった)

【ize訳】ガインとチョアが怒った理由

【ize訳】ガインとチョアが怒った理由

 

2017.07.03

http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017070223017299376

 

去る6月4日、ガインはインスタグラムに短い文をひとつ掲載した。
「死ぬ覚悟をして、刑務所に行く覚悟をして、今から私が狂った理由を一つずつ申し上げます」
彼女は自分が精神的に非常にきつい状況であり、大麻を勧められたこともあると述べた。しばらくして彼女が付け加えたコメントは、さらに慢性的な社会的偏見を指摘した。
「なぜ、すべての女性芸能人たちが産婦人科に隠れて通わなければならないのか?」
しばらく後にAOAのメンバーであったチョアが自分の脱退説について口を開いた。
「私は妊娠もしていなかったし中絶もしておらず、結婚をするために脱退することもありません」
ガインとチョアが怒った理由は、最終的に一つの点に集約できる。なぜ女性アイドルにとって恋愛と結婚、妊娠が傷になるのかについての疑問だ。

 

最近放送されたKBS「鍋敷き」ではPRISTINのメンバーソンヨンがガールズグループとして苦しんでいる不快なポイントと関連して生理について言及したが、それすら「魔法」という隠語で置き換えられた。大韓民国の半分が女性であり、彼女たちが苦しむあまりにも当然の身体現象についても、大衆の気持ちを不快にする可能性があるという理由ではしてはならない話という扱いを受ける。いまだに韓国社会では、女性が自分の体の変化や性欲について言及することを恥ずべき事とする傾向が強い。昨年ある地域区議員が定例会で「『生理用ナプキン』という言葉が窮屈なので、他の表現(衛生帯)と呼ぼう」という発言をした事実が知られて非難を受けたが、重要なのはそのような発言が2016年に行われたという事実そのものだ。このような環境では、女性アイドルが自分の話を率直に打ち明ける事はさらに容易ではない。有名アイドルの所属事務所の関係者A氏は「新人開発チームではトレーニングの時に喋ってはいけない題材にについての注意を多く与える。それでデビューしてからも着実に状況を見て話をするようになる」と言う。異性や恋愛、政治に関する話は男女のグループに関係なく注意しなければならない素材だ。しかし、女性グループと男性グループは主なターゲットが異なるため、この部分において多少の違いがある。 A氏は「ボーイズグループがファンドムを対象とするとしたら、ガールズグループは大衆がターゲットである子達が多いのでその部分により気を使う。大衆が敏感に反応するような話は、さらに慎重にする傾向にある。妊娠や生理のような話題もそこに含まれる」と説明した。

 

すべての女性アイドルは大衆が決めたタブーに悩まされる。チョアの事例は、大衆がどのようにして女性アイドルの自主的な決定を拒否しているかを直接的に示している。チョアは精神的、身体的に力尽きてグループを脱退したいという意思を明らかにしたが、一部のネチズンたちは引き続き妊娠と結婚の噂を広めた。なんと6年もの間芸能界生活をして自分のキャリアを構築してきた彼女にも、自由な発言が許されていない。もちろん、男性アイドルも活動序盤には女性アイドルと同様の水準で発言に制約を受ける。しかし、男性アイドルはある程度キャリアが積もればふざけながらも恋愛や性についての話をすることができる。このような話を面白く話することができる能力がトーク上手として認められる事もある。一方、ほとんどの女性アイドルはキャリアを問わず性的なニュアンスが込められた言葉を話すと、様々なコミュニティで露骨な非難と嘲笑の対象になる。過去JTBC「魔女狩り」に出てきたガールズグループのメンバーが自分の性生活について数回話を取り出したことがあるが、これは男性MCが女性である彼女たちに、このような話を聞きたいのだろうと思わせるような雰囲気を誘導した点が大きい。一方、女性アイドルが芸能プログラムなどや男性の雰囲気的な誘導なしに性的なニュアンスの言葉や行動をすることは、多くの場合議論がされたりする。ガインとチョアの投稿記事には、「どうして女性アイドルがあんな言葉を言えるのか」と言うようなコメントが走っている。まだ韓国社会において、女性アイドルは主体的に自分の意思を明らかにすることを個人的には認められていない。

アイドルの所属事務所関係者B氏は、「個人的には、女性アイドルがちょっと気の毒に思う」と言う。一言を取り上げられる時にも、常に女性というアイデンティティが上回っている。この間で彼女たち一人ひとりが持つ長所や歴史は関心の外に押し出されている。 それゆえにチョアの一言は重要な意味を持つ。
「なぜ私の脱退が熱愛説と関連付けられているのかわからない」
この言葉は長い間熱心に活動してきた誠実なガールズグループメンバーの嘆きに近い。 男性と二人きりの写真が撮られたという理由でチョアは、一瞬のうちに自分のキャリアとグループを捨てた人になった。 意図してはいなくても、チョアの言葉は韓国社会では結婚や妊娠が女性の仕事を中断させるほどの重大な「引退」の要件であるという点を指摘する。 そしてガインはあるファッション誌とのインタビューでこのように話した。
「丈の短い服を着ているといやらしくて、まるで誰かを誘惑しているように見えるんでしょうか? 私はただこの服が着たくて着るんです。 そんなに気に入らなければ私が服を買ってあげましょうか」
これは単にチョアとガインだけがぶつかる問題ではないのだ。


文 パクヒア
校正 キム・ヨンジン

 

【ize訳】BLACKPINK、YGの最初のガールグループのように

【ize訳】BLACKPINK、YGの最初のガールグループのように

 

2017.6.28

http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017062721497286475


ガールズグループBLACKPINKの「最後のように(As If it's Your Last)」には、おなじみの公式が盛りこまれている。多くの人が指摘するように「私たちが知らなかった2NE1の曲」だ。様々なジャンルを分節的に盛りこみ、サウンドソースを重視する。 「リズミカルなverseと相反するリフレインのメロディー」という曲の説明は、メロディー区分ごとにずれた断層のように争っている多様なスタイルの衝突に比べれば、過度に淡白に感じるほどだ。しかし、BLACKPINKがデビュー以来見せてきたユニークな要素を捨てたわけではない。 2NE1より一層ソフトなアティテュードを維持しながらも、ありきたりのガールグループにはならない情緒、「パラバラバムバン」あるいは「オッパ」のように予想していなかったタイミングで出てくる、時代を誤って生まれてきたような「twerking」は80年代風リフレインという少々衝撃的な形でつながる。そして、このすべてのものが一つになった結果は、言葉で表現したり頭の中で予想していたよりも定型を外れない。

 

ゆえに、「最後のように」がリリースされた後に出てくる相反的な反応は十分に理解することができる。2NE1のある歌に直接言及したりする人もいれば、歌い方やポジショニングの面でふたつのグループのメンバーを合わせて見せて既視感を指摘する人もいる。一方、これまでBLACKPINKが発表した曲の中で最も大衆的な反応が即時に出たのも事実である。それなら私たちはYGガールズグループの成功が2NE1スタイルの忠実な再現によるものと言えるのだろうか? 実はその逆に近い。 「最後のように」は、「YG」のアイドルグループ戦略においてBIGBANGと2NE1以降の始まりのように見える。

 

2NE1の音楽とアティテュードにおいて、各メンバーの役割は絶対だった。時折、実際は常にルックスとスタイルの話につながっていったこれらの個性は、音楽的に差別化された試みを可能にした。おかげで彼女たちは「YGガールズグループ」という一つのカテゴリーを作成し、自らがその唯一のメンバーになるという威厳を享受した。サンダラパクに「若々しい美しさ」を越えて攻撃性を備えた複雑なキャラクターを付与した背景も2NE1というグループである。BIGBANGはクリエイターとしてYGレーベルのアイドルを他の存在と差別化した。 2NE1はここで、従来のアイドルの代案や反体制的なオーラまで付け加えた。ところが似ている曲をBLACKPINKに適用したとしても、「美貌を搭載した2NE1」程度の単純な結果が出るわけではない。グループの色に合わせて感情的な緩和をするには当然の調整である。しかし、「私が一番最高(I'm the Best)」と「Ugly」を同時に備えることができた、チーム自体に内在する複雑なストーリーを解くことはできない。


結局YGは、自分たちが差別化の対象としていた存在になることを甘受する。つまり、「最後のように」は「平凡な2NE1」または「すでにおなじみの2NE1」が存在するのだという事を知らしめた歌だ。だからと言ってTEDDYをはじめYGのガールズグループのクリエイティビティが退化したり停滞しているとは思わない。 「2NE1のような歌」には罪がない。代わりに、この決定が「口笛(Whistle)」のミニマルなアプローチや、「火遊び(Playing With Fire)」のような完成度の高いEDM曲以降にリリースされたというのが興味深い。2曲は音源チャートで良い反応を得たが、BLACKPINKにはTWICEのようなグループに比べれば親しみやすさが不足しているのも事実である。 「最後のように」はBLACKPINKを、2NE1そのものというよりは2NE1が活用していたサウンドソースを使うことにより、より近づくことができそうなグループに見えるようにする。 YGはあたかもガールズグループを初めて製作するようかのように漸進的な軌道修正をしているようだ。そして、現在までの調整の結果として「まるで最後のように」という耳にかかるフックを得た。果たしてYGは、この「平凡になる」事への誘惑を振り切ることができるのだろうか?

 

文 ソソンドク

 

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「最後のように」初めて聴いた時はそのまんま「2NE1 feels」を感じたんですが、何回も聴いているうちに過去自分の中にあった「2NE1っぽさ」というものの記憶が上書きされていくような奇妙な感じになってきました。聞けばきくほど「似てる部分」よりは「違う部分」が耳につくというか。
2NE1がいる時にBLACKPINKにこういう曲を与えていたら似てるというのがネガティヴな意味合いになるでしょうけど、今は2NE1はいないので、あえてこういう方向に行ってるのかなぁとも思わないでもなく。「姉上の面差しはあるが、知れば知るほど君は姉上には似ていないな」っていうやつですかね...(わかりづらい例え)
文中では「あえて大衆にすでに馴染みのある『2NE1っぽい曲』にする事によって、デビュー曲では完成度と引き換えに足りていなかった大衆への『親近感』を出そうとしたのではないか」と解説されていたように読みました。
同じ会社の後輩だからこそ可能なアプローチ方法かもしれません。

 

余談ですがこの曲に対する韓国での表現がレゲエとムーンバートン要素が入ってるというのが多いんですけど、イントロからこんなにもサンバなのにサンバという表現を全く見かけないのが不思議で...韓国では日本ほどサンバがメジャーな存在じゃないのだろうか。

【ize訳】マーク、SMの新しい人材像

【ize訳】マーク、SMの新しい人材像

 

2017.6.28
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017062721497270031

 

昨年4月、NCT Uとしてデビューしたマークは、1年間休まずに働いた。 NCT U、NCT 127(以下127)、NCT DREAM(以下DREAM)に至るまでNCT内のすべてのユニット活動に参加した唯一のメンバーであり、SM所属アイドルで初めてラップサバイバルプログラムにも挑戦した。先日発売したNCT 127の新しいアルバム「Cherry Bomb」ではラップが入ったすべての曲に歌詞を書き、SMがMYSTICエンターテイメントと初めて披露するWebバラエティ「雪だるまプロジェクト」に出演する。先にチーム活動とソロ活動の他にも作曲家としても活発に働き「SM公務員」を自任していたSHINeeジョンヒョンが思い浮かぶほど、マークは常に働いている。

 

SMをはじめとするアイドルグループを製作する企画会社は、所属アイドルに様々な能力を要求する。舞台の上ではアイドルとしての姿を見せる一方で、必要に応じて演技と芸能活動まで行う。マークはこのようなアイドルたちの間でも、チームの中と外の両方で変化しているように思えるポジションまでも消化している。 DREAMではリーダーとしてチームを引っ張っていくがUと127では最年少であり、デビューしたばかりの人気アイドルでありながら「高等ラッパー」では他のラッパーとの競争を繰り広げる。一見ひとつにまとまりにくいように見える役割だが、マークはそれらを違和感なく消化する。 127では末っ子だが「Cherry Bomb」でラップを率いて存在感を獲得し、「高等ラッパー」では「途中で脱落しそうだ」「アイドルになる準備をしていた人が本当にヒップホップのついて真剣に考えたことがあるのか」という言葉を聞きながらも、最終的なコンテストまで残った。ただラップの実力を証明しただけではなく、決戦の舞台では他のラッパーとは異なりダンスも見せた。 DREAMと127、またはアイドルとラッパーと呼ばれるそれぞれのポジションで、彼はどちらの特性も捨てないまま自分の姿を完成させていく。 SMのアイドルなのにラッパーであり、最年少でありリーダーであるが、それらに説得力があるアイドルが登場した。

 

アイドルの活動領域が広くなり、ますます既存の境界を越える事は自然な現象になった。そしてマークはSMのユニットとユニットを、ラップサバイバル・プログラムを行き来する最初のアイドルとしてSMアイドルの新しい境界を描いている。ゆえに「次期SM公務員」といっていいほど働き者のアイドル兼ラッパーであり、NCTのメンバーであることが認識されているのだ。 SMの新しい人材像である。


文 パクヒア
校正 キムヨンジン


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個人的にNCTではマークが一番好きなので訳した記事。本当にマークは働き者ですね。SMRに他にラッパーいないのかなという...
個人的にラッパーポジションのアイドルの場合アイドルやキャラクターとして好きというのとラッパーとして好きなスタイルかどうかというのが一致しない事も割と少なくないんですが、マークの場合は両方好きですっていうどうでもいい私情でした。

 

余談ですがCherry Bombは周囲ではSMドルの曲に元々全然興味ないKドル好きには今までの127の曲は他のSMのグループがやっても良いじゃんと思ってたけどこれは個性があると思うという意見が多くて好評で、元々NCT好きな人たちからはうーんって感じの反応が多いのがおもしろかったです。私もNCT127の個性ってこれだったのかな?と思えて今までで一番好きですし、このラップとボーカルが合わさった感じは他のSMのグループには出せないかもしれないと思いました。

【ize訳】EDMでダンスをするボーイズグループたち

【ize訳】EDMでダンスをするボーイズグループたち

 

2017.6.8
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017060723527244646&pDepth1=i2301

 

アイドルの歴史を語る時「世代」という概念は一般的なバラエティ番組で自然に言及されるほど普遍的な概念となった。 しかし、「ヒップホップ」という緩いつながりを除けば、音楽の形式や内容からアーティストの集団を規定することはめったにない。 ところが最近、いくつかのボーイズグループが(最も普遍的な用語で呼べば)EDMとして認識されるような方向性を共有している。 この流れは海外の流行の中で何が国内に移植されて受け入れられるのかを考えてみる機会という面で興味深い。

 

各自がEDMという単語を自分の好きなように使用しているが、米国の大衆音楽の一部になったダンス・ミュージックは、ヒップホップ・R&Bなどと対立していたり融合したりして、重要な意味を持つようになった。 特にThe Chainsmokersの大成功以来、私たちは一種の定型化を目にしている。 これを大衆的エレクトリック・ポップと呼んでも、フューチャーベースの一種と分類してもよい。 重要なのは、この音楽がEDMがポップスと位置づけられる過程において、現在までに最も最適化された結果だという点だ。 数年前までAvicii、Tiëstoなどが業界の最上級のメロディーメイキング、プロデュース感覚あるいは有名なボーカリスト/ラッパーとの協力を通じて、ハウスビートに人々が踊って遊ぶように作ることに成功した。 その後公演産業の一軸として責任を負う存在になったが、大衆音楽の日常的な姿として位置づけられる事は容易に起こらなかった。 ライブで武器となる攻撃性はより広範な音楽の聴衆に向けた「ラジオとの親和」を許さなかった。

 

しかし、近年のEDMにおいてシンセサイザーが作り出すクライマックスは、EDMで言ういわゆる「ドロップ」をロック/ポップの「フック」と同一の概念として作用しやすくしている。 クライマックスに至る過程では歪曲されたボーカルや効果音を柔軟に使用し、伝統的なポップスソングの構造を作ることができる。 おかげで、構造的に見れば突拍子もなく聴こえるメインのビートは「こうしなければならないからしている」というジャンル的な構成ではなく、リスナーの注目を集めて快感を与える為の要素となる。 このようなアプローチは、ここ数年間でヒップホップが「trap 」ジャンルにおいてその効用を証明し、The Chainsmokersはより多くの人々にアプローチする方法を探ったわけである。 「お金や女」の話ではなくて他のものが聞きたいリスナーにとって、フレッシュな感覚を維持しながらも伝統的な愛の歌や無害なテーマを歌うグループはなかなか魅力的だ。 彼らのほとんどすべてのMVはビジュアルデザインの一部として歌詞を見せている。 これらのテーマは、彼らの重要なコンテンツなのだ。

このような特徴は最近、アイドルがEDMをグループ単位の正規活動コンテンツとして選択し始めた理由の始まりとなる。 ヒップホップが、あるいはDJ-ingがいくら熱いといっても、グループ単位のアイドルにコンセプトやストーリーを付与することは容易ではない。 ここ数年の間熱かった概念である「アイドルラッパー」が、メンバー個人の技量や芸術的オーラ以上でチームに貢献したことはあまりない。 彼らがアイドルとして位置付けられるためには依然としてアイドル固有の領域確保が必要である。 端的な例でいうと、「SHOW ME THE MONEY」に登場する「ラッパーのZICO」とBlock.bの「リーダーのZICO」はかなり明確に区別する事ができる。 そのような意味で、最近のEDMは新たなチャンスだ。 個人の力量に頼らず、グループとして新たな音楽を披露しことができる。 新しく感じるだけではない。 すでに大衆的な反応が検証されていて、それを引き出す公式が市場に位置している。 何よりもアイドル市場の基本的な情緒と衝突しない。

 

ここまでの全ての要素を備えた試みは防弾少年団の「血、汗、涙」だった。 歌の速度はK-POPの属性を維持している。 大手芸能事務所が時々披露するように、ヒップホップやダンスミュージックジャンルとしての国際的完成度あるいは本物かどうかは問題にはしていない。 しかし、徹底的に計算された単語と呼吸、発音によって韓国語の印象を濁し、ジャンルの本格性を強調する先輩たちのノウハウを排除しない。 国内外で検証されている公式で、誰にでも洗練された完成度を感じさせるようにする。 彼らは具体的なサウンドではなく、そのサウンドが存在する理由を借りてきた。 「血汗涙」以降、類似した試みはもっと頻繁に起きている。 WINNERの「Really Really」は、所属事務所の豊かな状況を十分推し量ることができる滑らかな完成度を披露する。 ここに「どこにいる? 家なの?」で始まるシンプルな愛の物語を盛り込み、誰でも理解できる英語歌詞「Really、Really」で抑えてK-POPでのみ可能な奇妙な衝突を作り出している。 SEVENTEENの「泣きたくない」は最も直接的な例である。 The Chainsmokersとの類似性は、むしろこのトレンドの中にあるという証明とも似ている。 当然、盗作からは程遠い。 それよりもこのような質問をしてみよう。 マーティン・ギャリックスとトロイ・シヴァンが「There For You」を歌いながら振付をしたらどのようになるか知りたいか? と。その音楽の他には、韓国のアイドルにおいてはこの質問に対するすべてのものがすでに用意されていた。 防弾少年団、WINNER、SEVENTEENの最近の結果物は、その回答だ。 それに、EDMでダンスをすることが自分たちによく似合うと思っているようだ。

 

文 ソソンドク(音楽評論家)

 

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SMが今までやってきた事はなんだったんやと思わないでもない記事でしたが、SMの曲=EDMっていうイメージがあるのは外国人だけなんだろうか...韓国音楽批評界(アイドル批評界ではなく)でアイドルの曲のジャンルが評価分類される事はまだ稀なのかなあなどと。
(ソソンドクさんはアイドル関係の記事もたくさん書いてるけど、元々は洋楽畑の方らしいんですけどね)

【ize訳】「プロデュース101」以降の世界

【ize訳】「プロデュース101」以降の世界

 

2017.6.21
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017062100247294243&pDepth1=i2401

 

アイドルグループにはセンターが必要だ。ただし、その意味はMnet「プロデュース101」のセンターとは異なる。 「プロデュース101」のように、ボーカルやラップのようなポジションでも一度決めたら変更できないということもない。チームのコンセプトや曲の雰囲気の中で中心を保持するメンバーを意味する概念であるだけで、曲に応じてセンターが変わることもある。ファンも好きなグループのセンターが誰なのかわからない場合が多い。ところが「プロデュース101」は、センターというポジションを出演者の中でアイドルグループとしてデビューするメンバーを選ぶ視聴者投票1位の報酬へと変えた。一般的なアイドルグループにおけるセンターは、コンテンツを制作するために必要な要素を説明する概念である。しかし、「プロデュース101」でのセンターはショーの楽しさを引き上げるためのアイテムであった。出演者たちがセンターをめぐって繰り広げる競争は「プロデュース101」のキャラクターとストーリーを作成するために重要な役割をはたした。去る16日、「プロデュース101」シーズン2の最終回で1位を発表した瞬間の緊張感が高まった理由の一つは、1位がセンターになるからだった。

 

これまで韓国のアイドルグループは歌、パフォーマンス、ミュージックビデオを通じてグループの魅力を説明してきた。一方、「プロデュース101」を通じてデビューしたシーズン1のガールグループI.O.I、もうすぐデビューするボーイズグループWanna OneはTV番組を通じて誕生した。両チームのファンは「プロデュース101」を通じて発見されたメンバーのキャラクターとストーリーに魅了され、彼らを「1PICK」としながら、愛着はさらに強くなった。ファンドムの求心点がグループではなく、ファンそれぞれの「1PICK」のメンバーが中心にならざるを得ない。投票を通じてメンバー構成をしたため、グループ全体への好感はオプションにすぎない。センターは、このようなチームのアイデンティティを象徴する。投票1位によってセンターにされたメンバーがそのようなステージでも中心に立っているのは、ただポジション配置の問題ではない。 「プロデュース101」とファンの間での最も重要な契約だ。 「プロデュース101」に最も大きな影響を与えたと言っても過言ではないグループ、AKB48でのセンターの意味が非常に重要であるのと同様である。

 

故に、両方のグループのファンドムのコンテンツを判断するための最も重要な基準も違ってくる。彼らにとってコンテンツの中で最も重要なの事は、好きなメンバーをいかに魅力的に見えるようにするかだ。ファンドムの外側の大衆を満足させる完成度ももちろん重要である。グループ全体の人気が上がるほど、メンバー1人1人の地位も高くなる。しかし、それよりも好きなメンバーが、コンテンツの中で占める位置と地位が最も重要なのである。 I.O.Iのアイデンティティはどのようなコンセプトの曲を発表するかではなく、センターソミがどの段階でもセンターにいることにあった。投票の過程でシーズン1よりもはるかに熱狂的な雰囲気を見せてくれたWannaOneのファンドムはさらにそうだ。このグループの熱心なファンドムは、好きなメンバーのためにお金を集めて地下鉄、カフェの振動ブザー、バス広告などをした。グループよりメンバー優先なのは当然の感情である。

 

アイドルグループは、特に男性アイドルグループの市場においては、グループの特定のメンバーにグループ以上に集中するいわゆる「個人ファン」は、すでにファンドムの構成要素の一つとして定着したと言っても過言ではない。 SMエンターテイメント(以下SM)のNCTのように、国と年齢などに応じてメンバー構成を異にするチームも出てきた。このような流れの中で、「プロデュース101」は「個人ファン」がチームの中核となる構造として設計された。特定のメンバーに熱心な性向のファンが、「プロデュース101」の中で誰かのファンになることがあるということは十分に推測可能である。ここに「プロデュース101」を通じてアイドルに再び、または初めて関心を持つようになった人々の関心が更に加わる。彼らはセンターを一つのポジションとして受け入れ、グループの前に特定のメンバーが好きだということを当たり前の事として考える可能性が高い。 「プロデュース101」は、既存のアイドル市場に含まれていたいくつかの消費者を分離し、新たな消費者がアイドルに興味を持つようにした。その過程でセンターをはじめとするアイドルグループのコンテンツの基準は、既存のアイドルグループと「プロデュース101」を通じてデビューしたグループの間で、それぞれ別の意味で使われる。 SMに代表される大手芸能事務所、防弾少年団を介してYouTube時代のスタイルで西欧市場まで攻略したBigHitエンターテインメントに続き、Mnetに代表されるCJ系列の大衆文化関連会社のような大企業がアイドル市場のもう一つの勢力であり、基準とされる可能性があるという意味だ。これが市場を崩すのか、むしろ拡大するのかはまだ分からない。それはWannaOneのコンテンツと運営方式に基づいて変わるだろう。ただし、アイドル市場が過去に戻ることができないのは明らかである。

 

文 カンミョンソク
校正 キムヨンジン