サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】2017年のウェブコミック産業│②レジンコミックスの疑問

【ize訳】2017年のウェブコミック産業│②レジンコミックスの疑問

 

2017.12.19
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017121908557289052&pDepth1=i2101

 

この7日、大統領府の国民請願の掲示板に上がった「レジンの税務調査を要求する請願文」は同意人数が5万人を超えた。 ウェブトゥーン(コミック)プラットフォーム、レジンエンターテインメント(以下、レジン)は、いわゆる「遅刻費」(遅滞、償還金)論議に続き同じ作家の作品に対する精算が2年以上行われなかったこと、累積赤字によるウェブ小説サービス終了についてウェブ小説作家達が帳簿の公開を要求するなど、様々な議論を経験している。 国民請願はこれに対する延長線上で、ある作家はSNSに「源泉徴収内訳が出なかった」と明らかにしたりもした。 源泉徴収は所得又は輸入金額を支給する者(源泉徴収義務者)がその金額を支払う際、相手(源泉納税義務者)が納めなければならない税金を国家に代わって徴収して納付する租税徴収方法の一つだ。 (レジン側はこれに対して、同名の人がいて細部の内訳申告する時にミスがあったと弁明した)レジンについてウェブトゥーン作家Aは「作家たちには徹底的に遅滞費の支払いを要求しながらも、ほかでは書類証明を要求したりするなどきちんとした基準がない」と述べ、ウェブトゥーン作家Bは「レジン側では、国内外の精算を透明にしないくせに、作家たちが支払うお金は受け取っていく」という不満を述べた。

 

レジンは18日「レジンコミックス『作家コミュニケーション部署』を新設し、内部システムを補完して作家との疎通強化する」という資料を送ってきた。レジンのイソンオプ理事は「作家コミュニケーション部署は内部から組織を統合して新規人材を採用し、集中的に運営する計画」だとし、「当該部署は作品以外の全般について作家たちの立場を代弁する役割だけでなく、行政と政策補完を主導する専担組織に発展させていく」と話した。 従来のレジンコミックス、ウェブトゥーンチームは作家たちと作品関連コミュニケーションに集中し、新設部署は、契約、精算、運営を含めた作品以外についてのコミュニケーションを担当するという内容だ。 イソンオプ理事は「中国での精算遅延の支給問題やウェブ小説サービス終了など、様々な事案を進めること等において私たちが未熟な部分が多かった。 ご心配おかけして申し訳ない」「依然として足りない点が多いが、今後作家たちの意見を耳を傾け、運営と政策全般について作家たちと協議しながらプラットフォームを補完・発展させていくように努力する」と話した。 レジンの雇用人員は現在100人で、そのうち経歴者の編集PD4人、ジュニア編集PDの4人がレジンコミックスを担当する。 法外に不足した編集部の人員とともに作家たちに対する管理および処遇が問題になると、担当部署を増やすとしたのだ。

 

しかし、担当部署の新設が今まで作家たちが提起してきた疑問を解決できるわけではない。 作家たちはレジンが作家全体に公示として某作家の遅刻の内訳を公開し、遅滞費が必要にならざるを得ない理由を説明するが、遅滞支払いをしなければいけない基準と請求されない基準を明確に提示できなかったと主張する。 また、遅滞、償還金についてどれほど多くの作家たちがどれほど負担しているのかを明らかにすることを要求している。ウェブトゥーン作家Cは「突然マイナスの内訳が出て、元帳簿をくれと言ったら返事がなかった。 数週間待たされてやっと受けとることができたけど、元帳簿に決済取消の内訳が一度出ていたのでなぜかと訊くと答える過程もくるくる変わってやっともらえた」とレジンに対する不信を露にした。 「国内清算の場合、契約に基づいて別の方法で適用される割合分割があり、契約時点に関係なくレジン側できちんとより持っていく」という主張もあった。 「最も大きな問題は、レジンは作家を同業者として扱わない。 作品が面白くないなどのいわゆる「叩きつける」ような言葉もためらわずに言ったり高圧的な態度をとる。 作家たちは個別の作品ごとに作家に合わせて契約ができるべきだが、契約書を修正できるわけではなく無条件にサインをしなければならない」ことを、ただ疎通の問題だけで片付けるのは難しそうだ。

 

これに対してレジンは、現在まで作家達が提起した疑問について具体的に回答することを避けている。 代わりにコミュニケーション部署を作って今後起こり得る問題について積極的に対応したり、時にはこれを作家の感情問題にとみなす立場を表明したりもする。 問題提起をした作家について、「あまりにもたくさん電話をしてくる為正常な対応が不可能で、担当PDが精神的に参ってしまい休職までした」というように。しかし、問題提起をした作家たちはまともな答えを聞くこと自体が難しかったと言う。 作家の同意なしにイベントが催され、CMS(コンテンツ管理システム)を見てはじめてイベントが行われると知るケースもあった。 このため、休載中だった作家がイベントに参加していることもあった。これすらCMSを見た作家は知ることができるが、その都度確認して問い合わせしなければこの内容をまともに知ることは難しい。 このような状況で、特定の作家を取り上げて作家の態度を問題視して非難するのは無理があるように見える。 国民請願以来レジンは解決策を提示したが、作家たちにとって解決された問題は全くなさそうだ。

 

そして新たな問題が生じる。ウェブトゥーン作家C氏はレジンの立場について「全体公示を通じて公開的に話した作家とそうでない作家たちを分離して取り扱い、作家たちを統制しようとしている」と主張した。 ウェブトゥーン作家D氏は「レジンより条件がよくなくても、他のプラットフォームに行って同業者に認められながら働く方がよっぽどましだ。 現在所属しているプラットフォームはレジンに比べて作品の数が少ないせいかはわからないが、レジンで働いてから他のプラットフォームに行くと確かに違う雰囲気を感じる」と話している。 レジンの対応は作家達の仲を裂くか、最初から他のプラットフォームに移るように考えさせるように仕向けている。そしてウェブトゥーン作家E氏は「自分はこれまで口を閉ざしてじっとしていたからレジンでイベントやバナーによく使ってくれたのではないだろうか、という罪悪感を感じる」と言ったりもしている。さらに、「『ブラックリスト』があるのではないか」という噂が出回り、韓国漫画作家協会で調査に着手すると明らかにされたりもした。

 

作家たちは「大統領府の国民請願の掲示板に書き込みが上がったり、マスコミで論争になればレジンからの答えが来るだろう」と語った。 現在、不満を吐露する作家たちと実質的な「コミュニケーション」をするのではなく、作家たちと「コミュニケーション」をしているのだということをマスコミを通じて見せたいのだということだ。 オープン当時、レジンは「親作家的、多様性」を掲げた。 ところが2017年が終わりつつある現在、レジンは作品を連載する作家たちと最も対立するプラットフォームになった。 果たして2018年には遅刻費、精算、契約問題、そしてコミュニケーションについてなどの全ての問題が解決されるだろうか? レジンは「作家コミュニケーション部門新設告知とともに初めて開かれる1月の懇談会は、作家たちの締め切りの日程を考慮して1月11日と13日の2回にわたって行われる。 また、個人的な事情で懇談会に出席しない作家たちを対象に懇談会の後、関連内容を別途共有して意見を受ける予定だ」と明らかにした。 果たしてこの疎通が問題解決に向けた行動につながるのかを見守りたい。

 

文 イジへ

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昨年関連記事【ize訳】レジンコミックス問題│①遅刻費とはなんなのか? - サンダーエイジを訳しましたが、2018年になって逆にレジンが内情を暴露した作家「両極の少年」ウンソン氏と「340日間の猶予」ミチ氏を逆に秘密保持契約違反と名誉毀損で訴えるに至り、これに関連してほかの作家も抗議で休筆したりという事態になっているようです。
(What does the fox say?の休載もこれに関連してると知って個人的に残念)

 

http://www.webtooninsight.co.kr/Forum/Content/4835

https://byline.network/2018/02/7-7/amp/?__twitter_impression=true

 

レジンの公式表明
http://lezhin.blog.jp/archives/1069936929.html

 

양극의 소년 「両(陽)極の少年」
https://hoducomics.com/webtoon/list/247

340일간의 유예 「340日間の猶予」
https://beta-www.lezhin.com/ko/comic/340delay

 

【ize訳】2017年のウェブコミック産業│①黄金の卵を産むガチョウの腹を割く

【ize訳】2017年のウェブコミック産業│①黄金の卵を産むガチョウの腹を割く

 

2017.12.19
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017121908537238833&pDepth1=i2101


2016年、KT経済経営研究所はウェブトゥーン(漫画)産業の規模が2020年には1兆ウォンに上るものと予想した。 2017年現在、ウェブトゥーンプラットフォームは40個を超えており、海外進出まで成功したいくつかのプラットフォームは100億、1000億ウォンにのぼる投資を誘致したりもする。 ウェブトゥーンが新しく浮上するビジネスモデルになったのだ。

 

しかし、成長中の同産業にはそれだけに影もついてくる。最近、ウェブトゥーンプラットフォームのレジンをめぐる様々な論争がその例だ。 izeですでに取り上げたとおり、遅刻費をはじめとしてウェブトゥーン作家の処遇についての様々な論争が今年一年を通して続いているところだ。 これはウェブトゥーン産業が大きくなる規模とともにどのような問題を内包しているのかを示している。 現在、ウェブトゥーン産業はプラットフォームごとに最大限多くの作家と交渉する事を基盤としている。 ウェブトゥーン情報サイト「ウェブトゥーンガイド」によると、レジンは262人(252作品連載中)、Naverウェブトゥーン175人(163作品連載中)、Daumウェブトゥーン127人(110作品連載中)、KTOON98人(88作品連載中)など、プラットフォームごとに多くのアーティストを確保しており最大限多くの作品を提供中だ。 これはリスクが大きい代わりに成功した場合、利益も大きいコンテンツ産業の特性を反映した結果だと言える。映画やドラマと違いウェブトゥーンは作品1本当たりの大規模な投資が必要ではなく、プラットフォームは作品数を増やし、成功確率を高める方法を選んだ。

 

近頃の中国でのウェブトゥーン市場の成長は、ウェブトゥーンプラットフォームが物量的な面に焦点を合わせる原因になった。 中国のウェブトゥーン利用者数は2016年には前年比76.2%増加した7,075万人だった。(中国のリサーチ企業アイリサーチ調べ)一例として、中国の「テンセント漫画」は2017年7月基準で20,000作以上の中国及び海外コミック、600人以上の独占作家、9,000万人以上の月間利用者を保有している。 「テンセント漫画」の代表作「シヒョン(尸兄)」は累積クリック件数40億、約5,000万人民元(90億ウォン)のIP販売収益を上げた。 また、中国のウェブトゥーンプラットフォームは韓国のポータル・ウェブトゥーンサービスと類似した収益モデルに成長しており、韓国のウェブトゥーン会社が進出するのが容易な部分もある。 しかし中国市場はウェブトゥーンだけでなく、すべてのエンターテインメント業界で「中国に関する専門家はいない」と言われるほど成功が確信されがたい。 中国の読者がどのような趣向を持っているのかは、依然として把握し難い。 このような状況であるほど、最大限多くのアーティストを確保して成功確率を高めることが相対的に安全な方法であると言える。過去よりさらに多くの作家の確保が重要になった。

 

しかし、多くの作家を確保するのにはそれほど多くの管理と費用が必要である。 良い作品が出るためには作家を管理する編集者、またはプロデューサーの支援が重要だ。 多くのアーティストを確保するほど、作家に支給される原稿料が増えるのは当然だ。 「2016年度ウェブトゥーン産業白書」によると、週4回連載しているウェブトゥーンの月の原稿料は400万ウォン台(新人作家は200万ウォン台)で、1年に1本連載すれば4800万ウォン、100本なら48億ウォンがかかる。 通常3年程度の運営資金を設定する場合、材料費とみなされる原稿料だけで144億ウォン必要である。 また、人件費と販売管理費を50%台に合わせているとしても、事業運営に向けて288億ウォンが所要される。 しかし現在、多くのウェブトゥーンプラットフォームでこのレベルの原稿料を支給できるところは多くはない。 2013年以後に新設されて既に中止されたウェブトゥーンプラットフォームを10を超える。 ゾディアックコミックスの様にたった2ヵ月でサービスが中断されたこともある。 年100億ウォン以上の売上を記録するプラットフォームもいくつか登場したが、多くの利益を上げているところは非常に限定的である。 このような状況での無理な事業拡大は、失敗と共に作品の連載中断につながる。 また、原稿料を減らそうとする過程で作家たちに無理な要求をしたりもする。 作品を一般的な製品のように扱ったり、不公正契約問題が起きている。 ウェブトゥーン産業は数年間で急激に成長したが、これを支えられる収益構造や作家と共存できる方向性に対する悩みはなかなか解決されない。 現在のウェブトゥーン産業は作家の数は多く、そしてできるだけ少ない原稿料で交渉するのが収益構造であり、競争力として包装されていると言っても過言ではない。

 

これに対し専門家らは、作家のためのエージェンシーが必要だと主張している。 プラットフォームと作家が直接対面した場合に作家が負担しなければならない事業/運営面が増えつつあり、既に原稿制作だけでも負担になる作家に対する専門のエージェンシーが必要だということだ。 一方、「他の業界の現状を知らない状態でエージェンシーと契約する事は、更に他の不公正契約を反復する可能性がある」という懸念の視線も提起される。 その為、外注/フリランスの労組や協会の必要性に対する議論も行われている。 しかし、既存のウェブトゥーン関連協会も実質的に事業主たちに対する強制力がない状況で、作家たちの主張はまともに受け入れられないことが多い。 作家たちの才能と努力が集まって産業化された分野が、いざその産業を支えるために作家達を劣悪な環境に追いやっているのである。 このような過程で、新人作家達はさらに劣悪な環境に追い込まれている。 現在、ウェブトゥーン産業は本当に新しい未来を作り出しているのか。 もしかすると、産業化という名目で未来の可能性を全て無くしているのではないだろうか。

 

文 イジへ

 

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月に20万〜40万円程度ならまあまあなのかな?と思いましたが、週4回連載?月4回でなく???ってなりました。ウェブ連載は雑誌と違って内容が細かく切れて掲載されるし、韓国は原稿料がページ単位ではなくコマ単位の計算のようなので計算方法がちょっと違うようではありますが。

【ize訳】宇宙少女、CLC、gugudan、Weki Mekiはどこに向かうのか

【ize訳】宇宙少女、CLC、gugudan、Weki Mekiはどこに向かうのか

 

2018.03.15
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2018031421387255801

 

去る2月27日、宇宙少女はカムバックショーケースで「gugudan、Weki Meki、CLCなどと活動時期が重なるが」という質問に「各グループの色が違うのでライバル意識はない。 みんなが良い成績を収めてほしい」と答えた。 実際にアニメを思わせる宇宙少女のコンセプトと、極端な劇団的なコンセプトを持ったgugudan、「ティーンクラッシュ」を掲げるWeki Meki、黒いスーツを着て男性を誘惑するCLCのコンセプトは違っていそうだ。 しかし、各グループのコンセプトには偶然にも一見しっかりした女性というイメージが込められている。 宇宙少女は「ならなかったらなれるようにして」と歌いながら日本のアニメ「君の名は」や「時をかける少女」など、与えられた運命に抵抗するような女性主人公たちの姿をコンテンツに盛り込んだ。 10代の心を揺さぶる「ティーンクラッシュ」を掲げるWeki Mekiは好きな少年に「あえて勝つ気はない」と言い、私がよければいいと言う。 gugudanは「異なる次元の君に出会ってみようか」と岐路で悩んでいる女性たちに果敢な選択をしてみなさいというメッセージを伝え、CLCはよく男性たちが好むと言われる長いストレートの髪を切ったおかっぱの髪のメンバーをミュージックビデオに登場させ、黒いスーツで強い女のイメージを表現する。

 

「ほとんどのグループが慌ただしくデビューしベンチマーキングをするため、防弾少年団が追求した青春のイメージあるいはEXOのファンタジー的な要素を音楽に入れようとしているし、ガールズグループはこのごろ優勢であるフェミニズムを直接的には言及しないとしても、堂々とした女性の姿をコンセプトに反映してほしいというケースが多くなった」
ガールズグループプロデューサーA氏の言葉は、最近のガールズグループの一傾向を見せてくれる。 近頃フェミニズムが社会的に大きな影響を及ぼしており、REDVELVET、MAMAMOO、BLACKPINKなどの人気ガールズグループたちは清純やセクシーさのような単語だけでは説明できないコンセプトで人気を集めている。 このような状況で、ガールズグループが以前とは異なるコンセプトを掲げることは一つの流れのようにも見える。 しかし、A氏は「率直に言えば、堂々とした女性というコンセプトでアイドルグループというのは浮かぶイメージが限定されている」「REDVELVETのように、誰が見ても男性の目を気にしていないイメージを見せたことで女性ファンが多くなった事例もあることはある。 しかし、ほとんどのガールズグループは男性たちの支持を気にしなければならないため、そのようなコンセプトで出てくるのは大変な事だ」と打ち明けた。 作曲家B氏も「『強い女』ではあるが、ある線を超えてはならないという注文が来ることもある」と話した。

 

これらのグループが新曲で表現する女性の姿には、このようなジレンマが盛り込まれているように見える。 宇宙少女の「夢見る気持ちで」の振り付けには清純、セクシー、キュートのような既存の断片的な修飾語では説明しきれないほどに激しい動作と、愛嬌めいた動作が複雑に共存する。 制服を連想させる服を着て上下左右問わず腕を強く回し軍隊を連想させる振り付けをしても、両手を顔の近くに並べながら神秘的で華奢な少女のイメージを想い浮かばせる。Weki Mekiは「La La La」のステージでモデルがウォーキングをするように堂々とした足取りで歩き、サビの部分では頭の上に両手を上げてキュートな動作を示している。 gugudanの「The Boots」は「誰が私の事を何と言ってもどうでもいい」「まぶしく私を満たしていく」と他人の視線を気にしていない女性のイメージを表現するが、ミュージックビデオでは「シュレック」の長靴をはいた猫を真似ている。 CLCは歌詞と衣装が別の趣向だったりもする。「BLACK DRESS」では黒いドレスとスーツを着て堂々とした女性のイメージを歌うように見えるが、実際は「ただあなたのために準備した香水をつけて」相手の心が来ることだけを待つだけだ。 MVの中の姿も、所属会社CUBEエンターテインメントの紹介のように「シックさとカリスマあふれる」姿というよりは布で目を隠すなどセクシュアルな魅力を強調する方向に近い。

 

ガールズグループが必ず女性主義的なコンセプトを追求しなければならず、そうしてこそ成功するという意味ではない。 TWICEのように、受動的な女性像を歌いながらも高いアルバム販売量と音源の順位を記録することもできる。 むしろこちらの方が安定的かもしれない。 大事なことは、社会上の変化を反映したコンセプトを試みるには、十分なモニタリングの過程とともにそれが意味することを表現する正確な方法を探さなければならないという事だ。 勿論その過程では、今ガールズグループが代弁できる女性像が何なのかという事を一緒に悩んでこそ成功の可能性が高まるだろう。 まだ大きな成功を収められていないこれらのグループ、または今活動を準備中の多くのガールズグループたちの中で、この新しい方向を先に真っ当に目指すことができるグループはどこだろうか。

 

文 パクヒア
校正 キムヨンジン

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ベンチマーキング=「社内外、業種を問わず、最もすぐれたパフォーマンスを上げている企業を選び出し、それを目標として自社のビジネスプロセスを改善することをいう。」(コトバンクより)

【おしらせ】Real SoundでBTSについての記事を書きました

またもやReal SoundさんでBTSこと防弾少年団の北米での話題性とファンドムについての記事を書かせて頂きました。

BTS(防弾少年団)、欧米圏での人気拡大の理由は? ネットを通してつながる“ファンドム”が鍵に」という記事です。

 

 

4月発売の日本アルバムに合わせてというのと、ちょうどビルボードマガジンのカバーにもなったタイミングという事でこのような切り口になった感じです。

【PPSS訳】KPOPと韓国語の歌詞

【PPSS訳】KPOPと韓国語の歌詞

 

byイギュタク
2018.03.09
http://ppss.kr/archives/150628/amp?__twitter_impression=true

 


KPOPを他のグローバルポップミュージックと差別化する最も重要な要素の一つがまさに「韓国語の歌詞」と考えている。とくに、海外のリスナーたちにとってこの「韓国語の歌詞」が持つ象徴性はとても大きい。 韓国語の歌詞が英語の歌詞に比べて何か非常に詩的であったり、立派な意味を持っているからというわけではない。 むしろ海外のリスナーの大半は歌詞が何を意味するか全く理解できないだろう。

 

加えて、一般的なKPOPにおいては歌詞が持つ重要性はそれほど大きくない。 ヒップホップやアコースティック・フォーク音楽のように歌詞が盛り込んだ内容や韻律(rhyme)が曲の質を左右しないということだ。 さらに、一般的なKPOPの歌詞には英単語(あるいは簡単な文章)がかなり高い割合で含まれている場合も多い。 それでも韓国語になった歌詞が意味のある理由は、それがKPOPを「KPOPらしく」作ってくれる重要な要素であるからだ。

 

海外のリスナーたちがKPOPを聞く理由、特に東アジアの外のリスナーたちがKPOPを聞く理由は概ね一般的なグローバル英米ポピュラーミュージックとは他の何かを求めるからだ。 東アジア以外の地域、特に北米のKPOPファンが作ったリアクションビデオを見たり、該当地域のメディアがKPOPについて説明している記事を見れば、そのような点がよく現れている。 KPOPの中に彼らはありふれたポップミュージック(あるいはEDMやヒップホップ音楽)とは異なる「代案(alternative)的要素」を発見する。

 

実際、音楽的に見れば、その「代案」というものは大したことはない。 KPOPがいわゆる「韓国の伝統的な」ある要素を強く抱いたこともなく、それ故にサンバやレゲエのように音楽そのもので何か「違う」ものを見せてくれる訳ではない(もちろん、それがステージパフォーマンスやファッションと結合されれば別だが)。ところが韓国語の歌詞がついたという理由だけで、この音楽は「異国情緒(exoticism)」を正しく漂わせる。

 

海外の一般的なリスナーたちには一見滑稽で粗野に聞こえるだろうが、「代案」的な音楽を求める少数者にとってはKPOPをありふれたポップミュージックとは異なる雰囲気に作ってくれる重要な瞬間だ。 事実KPOPは依然として「メインストリームポップス」というよりは欧米の大衆音楽の支配力がやや弱体化して好みが多様化する現在、世界有数の音楽市場で「隙間市場」をよく走っているケースだ(あえて「メインストリームポップス」にならなければならないのかについては、個人的には疑わしく思う)。

このため、海外のリスナーたちにアピールするためにはグローバルポップミュージックとは異なる「異国情緒」を必ず表現しなければならないのだ。 これは音楽的な様式ですでにグローバルな普遍性をある程度確保したために可能なことでもある。 音楽は簡単に親しみを持たせる事ができるEDM(そして若干のヒップホップ的味付け)であっても、それでも「韓国語の歌詞」で異国的な味を発揮することだ。

 

もちろん、上記で述べたように華麗な群舞とステージパフォーマンス、ユニークな味わいと雰囲気のミュージックビデオなどもKPOPの「異国的情緒」を作ってくれる重要な要素だ。 しかし、これと同様に重要なのがまさに「韓国語で書かれた歌詞」ということだ。 そしてこのようなパフォーマンス、MV、ダンス、歌詞こそ海外のリスナーたちがKPOPを通じて感じる「韓国的(あるいは異国的)な何か」なのだ。

 

一般的に「韓国的なもの」と言えばやたらと伝統文化的要素を思い浮かべるが、そのような伝統的な要素だけを韓国的な美であると思う時、「カンナムスタイルはフィモリ拍子をもとにした曲」というような強引な解釈が登場することになる。 韓国的なもの=伝統文化=国楽(あるいは民謡)ではない。

 

したがって、KPOPのグローバル化(特に米国・グローバル市場進出)のために英語の歌詞つけることを何度も試みることはあまり効果的ではないことだ。 スウェディッシュ・ポップは英語歌詞をつけて世界で成功したが、グローバルな音楽ファンたちがスウェディッシュ・ポップに期待することとKPOPに期待することとは異なる。 海外KPOPファンが「どうか英語作詞はしないでずっと韓国語で歌ってほしい」と要求するのにはすべて理由があるのだ。

 

同時に、これがただ肯定的な事なのかはちょっと考えてみる必要はある。 結局KPOPの人気、特に東アジア以外の地域での人気も、かつてのレゲエやワールドミュージックのようなジャンルがそうだったように「異国情緒=エキゾチズム」に頼った側面が強い。 彼らとは違い音楽的な個性が明らかとは言えないKPOPが、どのように世界有数の音楽産業に溶け込んで、果たして長い生命力を維持できるのかどうかが気になる。

 

 

原文:デリー・キットの音楽世界(https://m.blog.naver.com/PostView.nhn?blogId=funky829&logNo=221146605278&proxyReferer=)

 

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フィモリ拍子=パンソリや散調などの韓国伝統音楽に見られる特有のリズムの一種で、特に早い拍子の事。

 

「東アジアのKPOPファン」、特にわざわざ曲を現地の言語化してリリースしがちな日本のKPOP好きとしては色々思うところはありますが、KPOP好きが韓国語の響きそのものにエキゾチズムを感じて好んで聴く部分があるという事であれば、逆にその国の言葉で歌って人気があるという事はエキゾチズムを超えて真にその国の音楽市場に溶け込んでるという事なのかもしれないとも思いました。「言語の異国情緒」というKPOP的に見て大きなポイントがなくても売れたという事なので...だからアイドルが強いのかな?
ぶっちゃけアイドルのように本人の事を好きになってしまえば、何語で歌っても関係なくなってくるというのもあるのでは。

 

この文章を読んで自分が「韓国語歌詞至上主義」的なものが少し気になっていた理由がわかった気がしました。無条件にとにかく韓国語のバージョンの方がいいというのは、無意識にKPOPのエキゾチズム的な面だけを肯定している行為のような気がしていたようです。(もちろんそれだけの理由で韓国語詞がいいと思うわけではないと思いますが。単純に完成度の問題がある場合もあるし)

昔は元々韓国語に合うように作っている曲に日本語の響きを無理やり合わせるのは無理があるのではと思っていたのですが、近年は欧米圏の作曲家が元々英語詞で作った曲に後から韓国語詞をつけるスタイルの楽曲がかなり多くなったので、そういう曲の場合は理屈としては韓国語の曲に日本語詞をつけるのと同じ事をやっているわけですね。作業的には言語の分類を考えると英語→韓国語より韓国語→日本語の方が大変そうですが。
最近は日本語詞で先にリリースした楽曲を後から韓国語詞のアルバムに収録するケースも徐々に増えているようなのが面白いです。

【ize訳】J−HOPEの素朴なミックステープ

【ize訳】J−HOPEの素朴なミックステープ

 

2018.03.05
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2018030514547288579

 

防弾少年団のメンバー・J−HOPEが去る2日に発表したミックステープ「Hope world」は無料でダウンロードできる。 韓国の音源チャートには登録もできないし、TV出演もない。 しかし、アメリカ週刊誌「TIME」はJ−HOPEと「Hope world」に関するインタビューを載せた。「Hope world」発表直後にJ−HOPEが自分のスタジオで進行したネイバーVアプリライブは中継のリアルタイムだけで100万人以上が視聴した。「Hope world」に収録された「Daydream」のミュージックビデオは、彼をはじめとする防弾少年団のメンバーの現在だ。 この映像の中でJ−HOPEはベッドに横になっている。 しかし、寝室の壁が消えると彼は広大な自然の前に置かれる。 そんな風に彼は自分の些細な生活を広い世界に示している。

 

しかし、このプロモーションビデオで彼が世界に露出される瞬間は解放感を与える。 狭苦しい印象を与えた空間が、壁が消えると横に広く開けたものに変わる。 これはJ−HOPEがアルバムの最初の曲でもある「Hope world」で見せてくれる人生へのアティテュードでもある。 「僕はと言うと毎日のようにD-day/与えられた環境に感謝する一生/人生に対する期待が作った人生/僕は自分を信じて仕事をする20代」「目覚めるたびに雑誌の1面」(「いつも」)で自分の顔を見る人生だ。 だから「夢中で遊びたい」気持ちが浮かんでも「大きな欲求は自制」(「Daydream」)しなければならない。 しかし、J−HOPEは「楽観主義者らしくただ楽しく」(「Hope world」)生きていこうとする。 ミックステープの中でJ−HOPEはグループの大きな成功の中でも、自分の姿を維持しようとするしっかりとした自我を伝達する。

 

J−HOPE防弾少年団の「DNA」のステージの最後に真ん中に立って曲の最も陽気な部分をリードした。 ある放送関係者は、防弾少年団のステージを録画する時は彼が絶えずメンバーたちのエネルギーを引き立てているとも述べた。 グループのリーダーRMは、自分のほかに誰がリーダーにふさわしいかという質問にJ−HOPEを挙げた。 「Hope world」は防弾少年団の活動でそんな風にして彫刻のように少しずつ明らかになってきたJ−HOPEの姿を完成させる。 エネルギーに溢れて肯定的であり、それを他の人に伝えている。

 

Hope world」が自分から世界に向かって進む過程を描いたことは、それ自体が彼の事を説明している。J−HOPEは「Hope world」で自分を定義して、「P.O.P(Piece of Peace)」で「誰でもミスをするし苦痛も受ける」と言い、自分が「誰かの力」になれることを希望しており、「Daydream」では自分を取り巻く環境や困難に対して「人生の喉の渇きによる欲望という網」と表現し、「一度別の僕の人生の絵」を描くという意志を見せている。 防弾少年団の成功に対するswagや初心に対する約束は「Street Dance 10年」から自分の根源を見出していく「Base line」以降に登場する。 個人に対する答えを出して、次第に外の世界についての立場を表明する。 その間「初めての日本行きのときめき」(「Airplane」)と「すべて敵で味方は誰もいない」時代を経て、「僕のBroと並んで」(「いつも」)歩んだ記憶をかみしめる。 「Hope world」はJ−HOPEがどのように今に至ったのかについての話であると同時に、防弾少年団のメンバーがどのように大人になっていくのかに対する記録でもある。

 

その点で防弾少年団のミックステープはメンバーそれぞれの話であると同時に、防弾少年団という本編のキャラクターとストーリーをもっと深く作る外伝たちでもある。 また、他のメンバーSUGAはミックステープ「August D」でデビューから現在に至る自分の人生を文字通り打ち明けた。「チリサルサパル(724148)」はデビュー前までの自分の人生に関するドキュメンタリーに他ならなかった。 一方、J−HOPEはスーパースターになった今、防弾少年団のメンバーが何を重要視してどんな夢を描いているかを見せている。 また、彼が絶えず努力しメンバーたちと一緒に成長する過程は、学校の後部座席の反抗児たちとしてスタートした同グループがどのように「DOPE」のように絶え間ないトレーニングを通じて成功を熱望する曲を歌うようになったのかについての手がかりだ。 防弾少年団はミックステープを通じて自らの話を描く過程で彼らの現在を反映し、過去を補充してグループとメンバー達の成長と変化を盛り込むことになる。 「Hope world」や「P.O.P(Piece of Peace)」が見せてくれる音楽的な方向性も同じだ。 両曲はヒップホップをベースとしているが、後半部にブリッジを入れながら雰囲気を表現するなど、アイドルのダンスソングでも聞くことができる構成である。 「Daydream」はヒップホップよりダンス曲としての楽しさがもっと際立っている。これを通じてJ−HOPEはアルバム前半で愉快かつエネルギーにあふれ、ラッパーでありダンサーである彼のアイデンティティを表現する。 また、「DNA」以降ジャンルを通じて自分達を説明する必要がなくなったグループの現在でもある。 ミックステープという形式、流通方式、個人的なメッセージという点で「Hope world」をはじめとする防弾少年たちのミックステープは些細で個人的な作業のように見える。 しかし、「Hope world」は防弾少年団のメンバーとBigHitエンターテインメント全員がこのグループのミックステープがグループの成長に比例するような重要な意味を持つということを知っていることを示している。 彼らの動きは少ないが、その意味はグループの歴史同様、累積されて波及効果は幾何学級数的に高まっている。

 

Hope world」に防弾少年団の正式アルバムのスタッフたちがそのまま参加した事には注目すべきである。 マスタリングですら、防弾少年団のアルバムをはじめアデルやテイラー・スイフトのアルバムも作業したランディ・ヘッドがそのまま参加した。 その結果、「Hope world」は一般的なミックステープの範疇をはるかに越えたレコーディングを聞かせてくれる。 「Hope world」の前半部分でJ−HOPEのボーカルがまるでナレーションのように鮮明に録音されているとしたなら、「Daydream」は似たようなトーンだが微妙に光を与え、タイトルのように若干朧げなイメージを与える。反面、現実でアラームが鳴っている音はまるで隣でアラームが鳴るようにリアルだ。 サウンドごとに少しずつ距離を異なったものにし音響効果を添えて立体感を与えるとともに、キーボードの演奏が静かに曲を率いていく空間まで残した「Daydream」はこのミックステープの目指すポイントを示している。 「Hopeworld」はJ−HOPEの個人的な話を盛り込んだミックステープだ。 ただし、曲ごとに手工芸品のように細く削って手入れされている。

 

つまり、防弾少年団の所属会社BigHitエターテイメントは相変わらずミックステープが無料ダウンロードの対象でなければならないということを知っている。 この曲で放送活動をする必要もないというのもわかっている。しかし、コンテンツにはミックステープとは思えないほどの投資をしなければならないという事も理解しているのだ。彼らはこのささやかな動きがグループの全体的像の中でどのような役割をしているか分かっているし、何が必要なのかも知っているようだ。 防弾少年団の成功の原因を1つや2つの事で説明することはできない。 この記録的な成功にはかなり多くの偶然と幸運もあるだろう。 ただ明らかなことは、彼らが偶然と幸運が起きやすい方向に動いているという点だ。 「Hope World」は、その証拠として残るだろう。

 

文 カンミョンソク

 

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個人的には防弾のミックステープの中でJ−HOPEのものが一番好きです。雑念が浮かばなくて楽しく聴けました。自分が共感できる部分が多いからというのもあるかもしれない。J−HOPEはラップもできるダンサーというイメージを持っていたのですが、そのイメージにピッタリの踊りたくなるようなミックステープのようにも感じました。

 

防弾のミックステープは3人3様の内容でキャラクターが良く出てるところが面白いですね。以前自分はKPOPを1冊の雑誌のように思っていて、自分的には今の防弾少年団はキャラ萌えが強いという事を言った事があるんですが、まさに連載本編に対してのキャラ別外伝だ!と納得しました笑

【ハフィントンポスト訳】 高等ラッパー:暴力で綴られた学びに耐える必要はない

【ハフィントンポスト訳】
高等ラッパー:暴力で綴られた学びに耐える必要はない

 

2017.03.05 by チョソダム
http://www.huffingtonpost.kr/amp/entry/rap_kr_5a9c9c4fe4b089ec353ba25a/


「こんにちは、自己紹介しよう。名前はキムハオン。職業はトラベラー。 (…)学びながら生きてる。たとえ学校を飛び出しても」

 

なんの気もなしに見たら、すっかりはまってしまった。 Mnet「高等ラッパー2」の話だ。 高校生たちのヒップホップサバイバル。参加者は制服を着て学校名が刻まれたバッジをつけている。 金曜日にポップコーンを食べながら見ている。 ところで、制服を着ていない何人かが目立つ。 高校生ではない高等ラッパー。学校を飛び出した子達だ。

 

ラッパー・キムハオンは自らに旅に出よと言う。 趣味は瞑想と太極拳。学校を飛び出してもずっと学んでいる。 ラッパー・イビョンジェはこのように問う。 「ママの息子は自主退学生なのに、隣の部屋のソウル大のヌナは俺を見たらどんな気持ちだろう」食事の時に一度に6000ウォン以上使うことが彼は怖いのに、お金の心配もなく3食食べたいものを食べる人を見る時。自主退学せずに耐えた友達が全校で何位になったという話を母親が聞いた時。彼は、心の中で尋ねる。君たちはどんな気持ちなのかと。つぶやくような彼のラップを聞きながらトイレットペーパーを取りに行った。涙も鼻水も出てきたから。

 

私が学校をやめたのは、高校2年生の時だった。 退学生のカフェ(ウェブのコミュニティ)の掲示板で優に2ヵ月はくすぶっていた。 理論的には納得していたが、決心が難しかった。 だから夏休み前の終業式を機に「夏休みを取る」つもりで自主退学した。 学校は学問ではなく、学習だけが存在する空間だった。 統制に、暴力に耐えてこそ教訓を得られた。 退学を決心する過程で多くの助言を求めた。 大人達は皆、「途中退場」は危険だと言った。途中で学校を出たり、途中で会社を出たり、途中でいかなる組織を出ても同様に落伍者の烙印を押されかねないと。 ほとんどの日を、社会の落伍者にならないためだけに登校した。

 

中退学生の退学以降の人生はまちまちであるが、多く語られたことはない。 10代の犯罪記事から社会混乱の原因のように話すのが大半だ。 皆どこにいるのだろうか。 どこで何をしながら、「どういう気持ちで」生きているのかは知りがたい。 だから学校の外の学びを語る彼らの登場は喜ばしい。 「中退生」と言うとまだ否定的なイメージを思い浮かべがちだ。 しかし、彼らは競争で失敗した落伍者ではなく、違う道を選択した旅行者だ。

 

旅行者のように人生を学ぶことができたら良いだろうな。私の経験では、韓国社会が言う「学び」のデフォルト値は暴力だったようだ。 体罰が当たり前だった学校の文化。申告式、会食や運動会など「動員」を基本とする組織文化の権威者に服従して派閥同士が過ちを覆い隠し、その絆に資源を動員して目標を達成する各界の腐った文化。不条理を我慢する多くの人々の忍耐心がこのようなシステムを維持する。 耐える人を燃料に使うシステム。だから、退学・退社・放棄のような「途中退場」が取り返す事のできない失敗になるのではないか。

 

私は、途中で退場してみた経験が人生を豊かにすると信じている。 暴力的な文化に耐えずに出ていく経験は重要である。 学校だけでなく、どの場所でもそうだ。 暴力で綴られた学びに耐える必要はない。 そのような学びに赤信号を灯さなければ、我々は旅行者としての暮らし方が永遠に分からなくなる。 自分の感情を麻痺させず、自分の人生が何で構成されているのか読み解く人々、旅行するように学びながら生きる彼らがもっと多くなればいいだろう。

 

*ハンギョレ新聞に掲載されたものです。

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申告式=大学の新入生や新入社員相手に行われる強制飲酒儀式の事。日本で言うところのいわゆる「一気コール」。