サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

質問箱お返事(〜2017.4.20)

質問のお返事です。

 

f:id:djmusmusculus:20170421003050j:image

 

オリコンチャートの韓国での権威とか、日本語の歌だとTVに出にくいのかとか業界事情みたいなのはよくわからないので置いておきますが、単純に日本語版出すと本国アルバムとは別に結構売れるからじゃないですかね...

 

例えばお話に出てきた防弾少年団ですが、Billboard200にランクインとかその他も複数チャートインした事で話題になっていましたよね。
ビルボードのチャートというのは集計方法がオリコンみたいに単純じゃなくて、いちばんメジャーな総合チャートであるHot100は単純な売り上げではなく、販売数+DL数にラジオでオンエア時の視聴数であるエアプレイポイント(視聴者100万人=1000DLor販売数として計算している)が4:6の割合でポイント計算した順位だそうです。以前Jeff Benjaminさんもidologyのインタビューで言っていましたが、アメリカではラジオ局経由でよくかかる曲が真のヒット曲という認識があるそうなので(ウェブラジオもある)純粋な売り上げよりもオンエア頻度や最近だとYOUTUBETwitterで話題になったかなどが重視されるチャートだそうです。
(ゆえに「ランキング」ではなくあくまで推移を見る「チャート」と呼ぶのだそうで...)

 

防弾少年団が26位にチャートインして記事になったBillboard200は純粋にDL+フィジカル売り上げのチャートで、これを見るといちばん売れた「WINGS」アルバムの初日売り上げが16000ポイントでその内11000がフィジカル販売数、最終的なトータルDL+フィジカル累積数は23000ポイントだそうです。
しかしこのようにビルボード自体が純粋な売り上げというよりは「どれだけ世間で話題になっているか」という部分が多く加味されるチャートみたいです。で、それでチャートインして話題になってどのくらいお金が入るかというとそれでもまあ数字を見れば2万枚くらいなんですね。動画サイト経由で有名になったPSYみたいな人気の出方(ビルボードHot100で7週連続2位)だとアメリカだけでなく各地でTVやイベントに出たり講演したりでそれでかなりお金が入ったそうですが(音楽売り上げそのものよりそっちの売り上げの方が断然多かったとのこと)そういう稼ぎ方は除外して純粋に音楽的なコンテンツだと後はコンサートツアーくらいという。それでも2万枚売れたということはアメリカ国内で5000〜1万人規模のツアーは十分可能という事でしょうから、かなり凄いと思います。アジアでやるよりも移動距離とかスケジュールとかは大変かもしれませんが。

 

一方の日本のオリコンチャートですが、こちらはDVDやCDなどフィジカルのソフトの売り上げのみのチャートであり、純粋に「どれだけ売れてお金が入ったか」がわかります。
防弾少年団のアルバムで日本でいちばん売れたのが最新アルバムの「YOUTH」で初日4万枚、初週トータルで7.6万枚売れたそうです。単純計算でアメリカの3倍以上ですね。しかもこれはiTunesなどのDL数は入ってない売り上げです。

「WINGS」アルバムは全世界トータルで78万枚売れていますが、これとは別に7万枚以上、しかもフィジカルで売れるなら、その国バージョンのアルバムを出す価値もビルボードチャートに載る意味とは別にあるという事じゃないでしょうか。デビューアルバムだった「WAKE UP」でも累計2.8万枚売れてるそうで。DLやストリーミングよりもCDの方が1枚あたりのアーティストに入るお金が大きいというのは有名な話ですし...もし日本以外の国でも同じくらい売れたりバンバンオンエアされやすいなら、その国の言語バージョンを作ることもあるかもしれませんね。これはまさにEXOとかNCTが中国でやっている事ですので、つまりそういう事なんじゃないのかなと思ってます。コンサートDVDになった時も構成や曲のバージョンが変わればまた別物として売り上げが増える事もあるでしょうし。

(ちなみにライセンス盤はWINGSでも50位前後でした)

 

ビルボードの話は完全に余談でしたが、ちょっと前だとTVに出るには日本語で歌ったほうが...とかあったのかもですが、今は単純に日本人がどういう理由でもCDを他国に比べてめちゃくちゃ買うからというのが結構大きいんじゃないかなと思いました。

(印税についてはこの辺の記事 https://www.google.co.jp/amp/s/www.m-on-music.jp/0000002706/amp/ が参考になりました)

 

質問箱を実際に設置してみると、ブログにちょこちょこお返事を載せるのもあれだなと思ったので、質問箱の設置は今日でやめにしますね。

これだけ長い返事するならaskの方が手取り早くね?ともっともな事を言われたので、askに変えようと思います。

 

【ファーストメディア訳】アイドル話② アイドルも「うつ病」を経験しますか?

【ファーストメディア訳】アイドル話② アイドルも「うつ病」を経験しますか?

 

2017 3.30 18:00 パクヒア

 

アイドル話
韓国にはすでに数百人にのぼるアイドルがいる。 全体人口数に比べるといくらもない数字だが、社会的に彼らが占める割合は様々な面で少なくない状況だ。そして大多数の人々は気楽に軽い気持ちで彼らを消費するが、見えない裏には気を使っている色々な話が見え隠れしている。 そこでアイドルたちが成功の軌道に進入するためどのような熾烈な努力を傾けていて、その過程でいかなる心理的苦痛を経験しているのか、また、どのような悩みをするのかなど、関係者らの言葉と素朴な経験を借りて何度か記録を残してみようと思う。


http://www.thefirstmedia.net/news/articleView.html?idxno=33022

 

#病院に行ったA君

最近、ある関係者の方が静かに話を始めました。
「A君が病院に行ったようです」
以前だったら「何の話だろう?」という考えをしましたが、私も無意識のうちにうなずきながら言いました。
「良かったです。本当に」

 

すでに予想したでしょうが、ここでの「病院」というのは精神科のことです。 我々がよく知っているうつ病パニック障害、不安障害などが生じたとき訪問することになる空間です。 個人的にあの話を聞いた時、とても安心しました。 A君が病院を訪れて正確な診断を受け、必要なら薬を処方されることもあるでしょうから。

 

一般の人々には非常に当たり前のことですが、アイドルグループのメンバーがそのような決定を下すには、かなり長い時間悩んだと思います。

 

実際に、アイドルの中の少なからぬ人々がうつ病を経験します。 韓国人の多くが(全世界の人口の多くもそうです)様々なタイプの精神疾患を患っているという報告がありますが、芸能人、その中でも年若く一挙手一投足にファンから関心を寄せられるアイドルメンバーの場合、最初から「問題解決」そのものを夢見ることすらできない場合が大半です。 いくら彼らが弱った状況に直面していても、病院を訪れたというレッテルがつくことをまず心配しなければなりませんから。 「自分のイメージが失墜しないだろうか、それにファンたちが離れていくかもしれないし...」このような数多くの心配が、自分の健康よりさほど重要でない他のものを優先するようにさせたりもします。


#「うまくいきますよ」と言ってもいいんでしょうか

「今回のアルバムは本当にうまくいったらいいですね。 もっと素敵に見えるように、外見にもどれだけ気を使ったかわからないです」
私は答えました。
「音楽が良ければ、また、頑張れば必ずうまくいくでしょう。 それに今でもとてもハンサムなんですから、そんなにストレスを受けないでくださいね」
笑ったまま、またB君が答えました。
「人々がどこでも見守っていますからね」

 

初めて会議室で5.6人余りのアイドルメンバーたちと対面した瞬間、私が思ったことは一つでした。
「ああ、そんなに難しそうな仕事ではないな」
それもそのはずで、社会部のレポーター見習い時代にお会いした方達は、概ね景気不況に疲れていく産業団地のメンバーたちや、直前に起きた事故について何も話してくれない警察の人たちのような人々だったんです。 このような経験のおかげでした。 しばらくはすっきりした気持ちで毎回のインタビューを終えていました。 どうか一言話してほしいと査定しなくても良いので、それだけでもかなり気に入っている仕事環境でした。

 

しかし、B君と会って以降、アイドルとのインタビューは最も難しい作業になりました。 グループごとに直面している状況が違っており、したがって、すぐにカムバックを控えた彼らに無条件で「うまくいきますよ!」と応援の声を掛けること自体が誰かには傷として残る事もありうるのだという事を知るようになりました。 大したことのない、お世辞のように言った一言。 しかし、これがかえって大きな負担を与えたり、精神的な疲労感を誘発しかねないという事実を知ったのです。 私はあの日、無理やり微笑を浮かべたB君の表情で一抹の罪悪感を感じました。

 

その時から注意深く調べ始めました。 笑っている、あるいは力強くスローガンを叫ぶ彼らの目つきに盛り込まれているのは本当に「生気」なのだろうか? 考えすぎの可能性もありました。 しかし、しばしばぼんやりと窓の外を眺めるメンバーたちが目に入りました。 以前は主導的にインタビューに答える何人かのメンバーに隠れて見えなかった姿でした。 一方、したたかに丁重な態度を見せたり、過度に朗らかなメンバーたちを見ながらも、「観察」ということをしました。 大学に通いながらNGOを通じて約2年間、10代の青少年カウンセラーとして様々な活動をしていた当時に出会った青少年たちと同じ年頃のアイドルたちを見ながらも、似たような気分を感じたのです。 ある程度見慣れた光景でした。

 

おそらく、半分ぐらいは心配な気持ちから来た行動でした。 しかし残りの半分は、恥ずかしくも好奇心からでした。 どうして成功しているアイドルであれ厳しい時期を経験しているアイドルであれ、皆一様に似たような言葉づかいをするのか、似たような表情で笑っているのだろうか? あの子たちは楽しく話していたのに、エレベーターに乗った途端大きくため息をついたようだけど? もしかしたら私が彼らの感情に触るような無礼を犯したのか? あらゆる考えが浮かびましたが、私は彼らと個人的な関係があるわけではなかったので、何も知ることができません。

 

<海外のスターも例外ではない。 ジャスティン・ビーバーはワールドツアーが精神的負担になり海外ファンミーティングを突然キャンセルしたり、スーパーカーを運転して夜明けにスピード違反をするなどの行動を見せた。>


#アイドルも「うつ病」を経験する

ある日おもむろに切り出しました。
「アイドルの中に、普段は落ち込んでいるような子たちは多いんでしょうか?」
みんながためらっていた中、関係者の方が口を開きました。

 

抑うつ気味ではない子を探す方がもっと難しいんです。 もちろん、性格によって状況を受け入れる態度が少しづつ違いますからね。 それでそれぞれ違いはあるけど、この職業自体がもともと孤独な職業ですから」

 

彼はかなり長く付け加えました。

 

「いくら会社のスタッフたちがいて友達がいると言っても、寂しくなるのは仕方ないでしょう。 特に人気が落ちる瞬間からは、周囲の人たちとの関係において本当に多くの変化を経験することになります。 だから、心が開けるような場所があまりないんですよ。 うまくいっている時は周囲に人が多いです。 でも、徐々に彼らが遠ざかっていくのが感じられて、仕事はなくなっていき…練習の時やステージに立つ時はメンバーたちもいるから、あまり感じられないでしょう。 しかし、一人になった時はどうでしょうか。 人気がない子たちは更にです。 中には先輩たちが後輩たちに、予めこのような状況について助言してくれることもあります」

 

「仮面うつ病」というものがあります。 児童および青少年たちが多く経験する種類のうつ病です。 研究によると、多くの児童や青少年たちは成人に比べて、自分が置かれた状況に対する認識が遅れています。 また様々な状況から始まった感情と関連して上手く自覚が行われないことがあり、これによって自分がうつ状態だということがよく分からない場合が多いのです。

 

「『仮面うつ病』は、青少年期から20代前半の成人にわたって頻繁に現れます。 誰が見てもうつ病っぽく見えないうつ病であるため、相手と深く対話を交わしたり、よく観察しなければ簡単に気づくことは難しいです。 最初は身体的にどこかが痛くなり、神経が鋭敏になったものだと勘違いしやすいです。 しかし、いざ診療を受けて見ると、それが身体症状ではなく、『身体化症状』だったということを知ることになります。 精神的に影響を受けて身体的に症状化されたのです。」
(青少年保健師K氏)

 

しかし、すでに放送やインタビューを通じて多くのアイドルグループのメンバーたちが打ち明けてきたように、全員が同じようにデビュー及び成功に対する圧迫を感じながら、生活を続けているのが事実です。

 

でも多数のアイドルはこのような状況に置かれたとしても、自分たちが経験している精神的な苦痛が一体何なのかよく理解しないままに通り過ぎていくことが多いです。 あまりにも競争が激化して練習に邁進するために、苦痛を体感する暇がありません。 そのため、後々これが自己喪失や精神錯乱のような状態をもたらし、薬物、ギャンブル、非正常的な恋愛パターンなど様々な不安定な解消手段を追求する方向に流れたりします。 歌手であることを諦めてしまう残念なケースが生じたりもしています。

 

しかし、私たちの間でも優れた「回復能力」を保有している人とそうでない人に分かれるように、アイドルたちも同じです。 だから個別に細心の観察が必要なのです。

 

#「アイドル」だから大丈夫なんでしょうか

C君は「ステージから降りた瞬間から、大きな空虚さが訪れる」と言っていました。 その話を聞いて、アイドルたちはステージの上に限っては少なくとも「安全」だと感じているようだと思いました。 熱烈な歓呼と強く照りつける照明を受けている間だけは、現実で向かい合うあらゆる苦悩を忘れられるでしょうから。 自分をさいなむすべての憂鬱と強迫的な環境から、この職業を選択した自分に対する恨みから、唯一自由な瞬間なのではないでしょうか。 実際にマイケル・ジャクソンが最高の人気を謳歌していたころ、あるインタビューで「幸せですか」という質問が出ると、彼は「一度も幸せだと思ったことがない」と答えたそうです。 そしてこのように話したそうです。
「パフォーマンスをしている間は比較的解放感を感じる」

 

これは成功志向的な気質を持った人なら誰でも経験しうる苦痛です。 しかし、普通の人たちは病院に行っても、友達に会って打ち明けたとしても、カメラやレコーダーがついていたりしません。 例えば、私がとてもストレスを受けて早退したとして(あるいは辛うじて有給届けを出したとして)その姿まで周辺でじっと観察されている状況。こんな感じでしょうか。

 

しかし唯一、アイドルが経験しているうつ病についてはもみ消す雰囲気です。 なぜなんでしょうか? これは彼らが幼いからという事と、アイドルだけが持つ特有のポジティブなイメージを浮上させなければならないためでもあります。 このふたつはアイドルの「セールスポイント」だからです。 このため、私はたびたびアイドルを見る人たちの視線を解いて「『ideal(理想的な)』一『doll(人形)』だと考えているようだ」と話したりします。 現実では毎日美しく笑っている人を捜すことはほとんど不可能に近くて、ゆえにアイドルという存在が絶えず「人形」のように笑っていてくれることを望むんじゃないかな、と思う時があります。

 

「実際、D君はかなり深刻でした。 ファンも気づくほどでしたよ。 うつ病の人というとなんだか毎日閉じこもっているようなイメージですよね。 そうじゃないんです。D君は以前より頻繁に人に会っていましたよ。 1人でいる時間がとても怖いと、ずっと心の片隅に淋しさを抱えていたんです」

 

関係者たちが慎重に紡いだコメントには華やかな世界の裏面がすべて込められています。 基本的な衣食住に不自由しなくなった時に襲い来る退屈さ、正常に愛情関係を形成しにくい環境が与える不安、厳格な先輩・後輩関係で感じている恐怖や、激しい競争構図の下で感じる成功への強迫、昨日までは自分を唯一無二と応援してくれたファンたちは他のグループやメンバーを好きになるかもしれないという焦り。ここに各個人のファミリーヒストリーまで関係してくると、さらに多様な事例が出ます。 その一例として、深刻な抑うつ症を患ったあるアイドルメンバーの場合は、家庭の中で「最も」役割が多かったと言います。 失敗に対する恐れ、期待に応えられなかった時につきまとう貧困まで、全て彼の責任だったのでしょう。 彼が20歳を迎えた時だったと言います。

 

「アイドルはお金をたくさん稼いでいるから大丈夫でしょ」

 

「自分たちがやりたくてやっていることじゃないか」

 

それなら売れないアイドルたちには「君が選択した道だ」と言えばいいし、大きく人気を得た後徐々に下落を続けているアイドルたちには「お金をたくさん儲けたからいいんじゃないの?」と言ってあげればいいでしょう。

 

しかし、人間ならば誰だろうとどんな職業の人であろうと、自分の痛みを解決する方法があることを切に願うものです。 ましてや今ちょうど20代に入った、あるいはその周辺で年をとっていくアイドルたちが、お金をたくさん稼いで自分が選択した仕事だということで、このような状況にひたすら耐えて犠牲を支払わなければならないのか、私にはよくわかりません。

 

私はよくガールズグループEXIDメンバーのハニがTVで言っていた言葉を思い出したりします。
「アイドルの子達の為の心理カウンセラーになりたいです。自分がとても大変だったから」
アイドルも職業人であり、それならば彼らのための「メンタルヘルスプログラム」もまた必要ではないかと悩むようになりました。

 

この手紙を書きながら、自主的にインタビューの感想を記録しておいたメモを何度か探してみました。 話の途中で突然涙を流したメンバーの子がいて、その日私が感じた戸惑いを記録した内容が目にとまりました。 その子が元気で暮らしていることを願います。 健康でいますように。

 

 

※参考文献

「精神的健康と精神分析」イユソプ 虹社
精神分析診断性格構造の理解」Nancy McWilliams著、ジョンナムウン・イギリョン共訳 ハクジ社
「病むセレブたち」Borwin Bandelow著、オムヤンソン


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IDOLMAKERシリーズのインタビュアーでもあったバクヒアさんの「アイドル話」シリーズ2回目でした。元の文章が語りかけるような文体のようなので、そういう風に訳しております。

 

正確には「うつ病」と「抑うつ状態」は同じものではありませんが、この文中では明確に区別されていなかったのでそのまま訳している部分もあります。

 

SNSやリアルタイム放送の発達などによっていよいよ芸能人のプライバシーが守られることは難しくなっていき、一方でファンや大衆の要求は肥大してゆき、そういう要求も賛辞も中傷も直接アイドル本人達に届きやすくなり...そういう状況的に、以前よりももっと過酷な業界になりつつあるのかもしれません。ファンなくしてアイドルは存在し得ないけど、逆にファンがアイドルのいちばんの敵になることもあるんだろうなと。憎しみや中傷はもちろん、好きとか尊ぶ感情もすごく強いものですから、たとえポジティブな感情でも絶えず直接的にたくさん受け続けると結構なストレスになりそうです。

 

WINNERの「EMPTY」はまさにステージを降りた瞬間に訪れる虚しさを描いた曲だそうですが、これを書いたのがWINで敗北した当時チームBのB.I.で、その曲で勝者のチームがデビューしてそれがヒットしてしかし華々しくデビューし売れた勝者のチームからも後に抜けメンが...というまさにアイドル残酷物語を煮詰めたような話ですね...。
(今となってはYGのサバイバルを経た人たちは全員デビューできているので、まだマシなのかもしれないけど)

【ファーストメディア訳】アイドル話① プロローグ:なぜよりによって「アイドル専門記者」になったのか

【ファーストメディア訳】アイドル話① プロローグ:なぜよりによって「アイドル専門記者」になったのか

 

2017.3.22 バクヒア


アイドル話
韓国にはすでに数百人にのぼるアイドルがいる。 全体人口数に比べるといくらもない数字だが、社会的に彼らが占める割合は様々な面で少なくない状況だ。そして大多数の人々は気楽に軽い気持ちで彼らを消費するが、見えない裏には気を使っている色々な話が見え隠れしている。 そこでアイドルたちが成功の軌道に進入するためどのような熾烈な努力を傾けていて、その過程でいかなる心理的苦痛を経験しているのか、また、どのような悩みがあるのかなど、関係者らの言葉と素朴な経験を借りて何度か記録を残してみようと思う。


http://www.thefirstmedia.net/news/articleView.html?idxno=32752

 

しばしば人々が私に聞きます。
「なぜ芸能記者になったの?」
(何故他人は何も言わなくても私がドラマ関係の担当だと思うのだろう)
ありがたいことにすぐに立場を変えて不憫に思って下さる方たちもいますが、実はこの質問は私の履歴を知る人なら一度は必ず投げてくる質問です。

私は元々社会部見習い記者でした。 2年ほどいわゆる「言論考試」と呼ばれる不安な生活をし、25歳で初めて職場に入りました。 そこで約5ヵ月間、見習い記者生活だけをしてやめてまたソウルに帰ってきました。

警察署、病院の救急室、消防署、葬儀場、そして数十年ぶりに襲った暴雨が吹き荒れていった廃墟の痕跡、デモ隊が支えている会社周辺の路地、祭りの行列、先輩が買ってくれたジャージャー麺とテナガダコの炒めもの、お酒が抜けないままで出た朝の散歩、3坪ほどだった自炊部屋(1人暮らしの部屋)。このようなものがその短い時代、それさえも小さく、残った断片です。

そんな風だった私がいきなり芸能部記者になった理由といえば、実際は「急いでいたから」でした。 死にそうと思いながらも手放せなかった「言論高試」の経歴を終わりにしながらも、何をそんなに急いでいたのか、当時は良くわかりませんでした。 しかし、今なら明快に答えることができます。 音楽に関する文章を書きたかったのです。 しかし音楽雑誌は廃刊し、大衆歌謡の話ができる所がオンライン媒体しかないんですよ。 それで志願しました。 面白いのは、会社内にいるときよりフリーランス生活をしている最近の方が音楽関連の文章をよりたくさん書いているという点ですが。


さて、もう2つ目の質問が飛んで来ます。
「ところでどうしてアイドルなんです?」
実は最初の質問から、この質問まで来る確率は半分程度しかないのです。 理由が知りたくて多方面的に少し考えてみました。 質問をする時に意図的であろうとそうでなかろうと、大体ふたつくらいに分かれました。
1)アイドルに関心がなかったり、嫌っている。
2)私が当然「追っかけ=熱烈なファン」だと思っている。
1)番の場合は「俳優の△△△ね、本当にそうなの?」という質問をしてくる場合がしばしばあります。 それで、私は定型化された対処をします。
「私は俳優担当ではないので、よく知らないです」


続いて(控えめに言って)気難しい方たちは
「君、若い男の子が好きなんだろう?」
ときいてくるとか、
「その子たちは全て作られた子たちじゃないか。それを取材だと気取って言う理由は何なんだ?」
と批判的な態度を示します。 前者の場合は一度でも答える価値がない質問でもあるけど、返事はしなければならないので、何とか言葉はつくろいます。

ただ、相手の性別、年齢、職業ごとに対処法が違うので、その辺りは考慮します。 そして後者には普段こんな風に返事します。
「あなたも会社に言われた通りに仕事をこなすでしょう?」
深さと考察なんかない答えじゃないかですって? その通りです。相手の質問と私の答えの中に含まれている数多くの意味についての説明を並べると、この紙面を全部使ってもたりないので、その機会はまた別の時に。

問題は2)の(私が当然「追っかけ」だと思っている)事例です。 生物学的に女性という性別で仕事をするアイドル専門記者が当然「追っかけ」だろうという推測。奇怪な嫌悪現象の一つである「追っかけ嫌悪」を思い浮かべれば、このような偏見が理解できなくはありませんが、たまにあの方々は記者も「職業」であるという事実を見過ごしているようです。

すべての人が「好きなこと」を職業に選ぶことはないでしょう。 概ね「上手なこと」を選んだり、ある瞬間に運が良くて合格した職場に入ったり。 さもなければ入りたい会社の福利厚生が気に入ったとか、定時退勤が当然視される環境が最高だと思ったり。 このようにすごくさまざまな事例が混在しているため、性急な一般化はやはり不便です。

時々私が書いた記事やコラム、批評に褒め言葉が全部入っていれば「この記者あの子のファンじゃない?」との声が降り注ぎますが...もう一度言いますが、これは「職業」です。 私も人間なので愛情があるグループのコンテンツをより注意深く見て聞くことはあっても、その愛情のベースには彼らが見せてくれる音楽とパフォーマンスに対する関心が敷かれています。 そして「素晴らしい」ないしは「意味がある」と評価できる要素があるという前提がいつも共にあります。

少なくとも、私はそうです。 記者として迫ってみてもいいと考える部分を何度も悩んで、最大限体系的に整理して伝達だけします。 該当グループが持つ魅力や文化的価値に対する最終的判断は、記事や批評を読む読者の皆さんが下せばいいのです。

私が芸能部生活をしながら本格的に「アイドル専門記者」を選んだ理由がもう一つあります。 音楽とコンセプトが持つ特別な要素を越えた、最も重要な理由です。

 

人の話をしたくて社会部記者になることを夢見ていましたが、これがなんというか。芸能部で過ごした3年という時間の間、より多く「人」について悩むようになったみたいです。より正確に言えば、「夢を見る人間」についてです。アイドルがまさにその地点に置かれた人々なのです。とても青く、鮮やかなオーラが回る特有のエネルギーを持った 「夢を見る人間」たち。

 

社会部見習い記者時代には、主に「怒れる人間」たちが、既存のシステムをどれだけ変えることができるかという事に対して毎日叫んでいました。ところが、ここでは正反対の温度を持った「夢」と「努力」という言葉に毎日のように直面します。非常に平凡ながらも形而上学的な言葉。ある瞬間、自分がとても緩い人間になったのではないかと警戒するようになるほど暖かい言葉、そしてその言葉を吐き出す何組もの目が輝くのを見ると、これまでよりも多くのことを考えさせられます。ご存知のように芸能界の浮き沈みというのは、愕然とするほど一瞬の繰り返しですから。

にもかかわらず、依然として彼らは生きています。 就職準備をしながら自分も含めて非常に切実な彼らをよく見てきましたが、「夢」という単語を置いてこのように純粋に、時には素朴にアプローチする人々は珍しいのです。


私は先輩記者たちよりキャリアもかなり少なく、当然比較にもならないほど少ない回数しかアイドルと対面していません。 それでもあえてこのような話を打ち明けること自体が誰かにとってはおかしく思えることもあるでしょう。 しかし、その未熟さと微々たるキャリアのおかげで私はこの連載を始めることができるようになりました。 まだ私には「夢」という単語を自信ありげに吐き出す彼らが、そんなにたわいない人間のようには見えないんです。

先輩たちはしばしばこう話します。
「後々には誰が誰なのかわからなくなるかもしれない」
幸い、まだ私は会った彼らのうち「誰が誰なのかわからない」域には達していないようです。 ありがたくも、彼らをもっと詳しく観察できる豊かな時間が与えられ、おかげで「アイドル」ではなく「アイドル産業」を掘り下げ、彼らと周辺の人たちの人生の中に様々な裏面が存在するということを知っていっています。 そうやって観察した世界の裏面を10回にわたってひとつずつ解いて行くつもりです。 予告しますと、ひとつも刺激的ではないでしょう。 面白くなかったらどうしましょう。


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言論(メディア)考試=競争率が高く突破するのが難しい試験を「考試」と呼ぶが、倍率数百倍とも言われている言論(マスメディア)業界に入るための試験は「言論(メディア)考試」と呼ばれている。


IDOLMAKERシリーズのインタビュアーであり著者だったバクヒアさんがアイドル業界の裏話を綴る「アイドル話」シリーズですが、現在4話まで連載中のものですので、随時訳せた時に更新する形にしようと思っています。
(自分が一気に読みたいタイプなのでシリーズものは全部訳してから一気掲載したいんですが、全10回という事で先が長そうなので)

【ize訳】プロデュース101│②「プロデュース101」シーズン1 vsシーズン2

【ize訳】プロデュース101│②「プロデュース101」シーズン1 vsシーズン2

 

2017.04.18

 

http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017041716067239688


Mnet「プロデュース101」シーズン2(以下「シーズン2」)は、「プロデュース101」シーズン1(以下、「シーズン1」)とほとんど同じルールで運営される。しかし、練習生の性別を変えただけでも放送の雰囲気は大きく変わった。 「シーズン2」は「シーズン1」と何が変わったのか探ってみた。

 

順番に席に座るvs 1位の席を巡って争う

 

練習生たちがピラミッド型のセットの座席を訪れる場面は「プロデュース101」の世界観を象徴的に示している。巨大なピラミッドは向き合うだけでも見る人を圧倒するが、シーズン1の練習生はこれから自分たちがどのような競争に飛び込むことになるのかまだ知らなかった。そのため、「シーズン1」の「ピラミッドシーン」では、練習生たちの無垢な姿が描かれ、これは「残酷な運命に置かれた少女たち」というコンセプトを浮上させるものでもあった。キムセジュンを筆頭としたJellyfishエンターテイメントの練習生たちが果敢に上位席に座るシーンでも緊張感ではなく、愉快で可愛い雰囲気が強調されたほどだ。この過程で、練習生たちの間での競争構図はお互いの年齢を聞いてみて「早生まれ」を強調する姿などを通じて、多少さらっと表現された。一方、「シーズン2」の練習生は昨シーズンを通してこのプログラムのルールを正確に認知している状態で、最初に登場したスターシップエンターテインメント練習生からしてほとんど1位の席をチラチラと伺っていた。 このような状況で、制作陣はシーズン1とは違い競争構図を全面に立てるための装置を導入した。 電光掲示板に本人の予想順位を映し出し、1位に限って「席押し出しシステム」を作ったのだ。しかし、1位の座をめぐって起こる戦いは予告編でのみ見ることができた。 本放送で初め1位の座に座っていたホンウンキはあっけなく退いており、2番目に位置を占めたユフェスンは腕相撲で1次防衛に成功したが、続いて登場した「シーズン2の王子様」チャンムンボクとの「酢豚ゲーム」で負けた。 誰も予想できなかった気の抜けたオープニングだった。


強力なライバルチョンソミvs独特のキャラクターチャンムンボク

 

チョンソミとチャンムンボクは、それぞれ「シーズン1」と「シーズン2」の放送前から話題を集めていた。一緒に出演する練習生はもちろん、大衆が彼らに注目するようになった理由は明らかだった。チョンソミは練習生の中で唯一の3大企画会社の一つであるJYPエンターテイメント所属であり、2015年TWICEメンバーを選ぶリアリティー番組Mnet「SIXTEEN」に出演した際惜しくも脱落した。一方、チャンムンボクは2010年Mnet「スーパースターK 2」に出演して、ユニークなラップで「ヒップホップ大統領」というニックネームを得た。過去の放送を通じてチョンソミがアイドルとしての能力を見せて期待を集めたとしたら、チャンムンボクは特異なキャラクターで好奇心を集めたわけだ。この違いは、2人を見つめる他の練習生たちの態度が示している。 「シーズン1」から「ピラミッドシーン」の最後にチョンソミが登場した時、雰囲気は一瞬にして凍りついた。全員彼女が「強力なライバル」であるということを認知していたし、ソミを牽制する雰囲気は放送を通じて継続され、緊張感を作り出した。しかし、「シーズン2」ではチャンムンボクが登場すると練習生たちの間からは拍手と笑い声が溢れ出た。製作陣がチャンムンボクを「シーズン2」物語の中心に置いたのは、これから繰り広げられる競争の雰囲気が「シーズン1」よりも「愉快に」描かれるだろうということを推測できるものである。

 

「僕この子好き」と言ったチャングンソクvs「きれいな顔をして」という言葉を受けたBoA

 

「シーズン1」と「シーズン2」の国民プロデューサーの代表者、チャングンソクとボアは、それぞれ別の観点から練習生を見つめる。チャン・グンソクの態度は、アイドル業界の消費者、すなわちファンに近い。彼が1次レベルのテストで有吉リサを見てすぐに「僕この子好き」と言ったのは、アイドルのファンが、いわゆる「推しメン」に「ハマる」瞬間を連想させる。ウンシカイに「キーホルダーにしてつけて歩きたい」と述べたことも何の意味もない個人的好感の表示に過ぎない。そのほかにも整形手術するかどうかや家族関係などを問うことは、プロフェッショナルな審査というより、ただ「好き嫌い」を覆う単純評価にすぎない。BoAの立場は違う。 18年目のアイドルである彼女は徹底的に先輩の立場から練習生を見つめる。彼女が審査の休憩時間に機械音で処理された「Pick Me」のサビを真性で歌ったり振り付けをすらすらと真似する場面では、隠すことができない実力がちらついたりした。しかし、彼女がプロフェッショナルなマインドで審査に臨むことと関係なく、製作陣と練習生はBoAの姿を自分たちが考えている「女」というフレームで解釈した。製作陣は審査評をするBoAに「天使のような顔で毒舌を飛ばす」という字幕を付けた、さらに彼女の評価を受ける対象であるチャンムンボクは「美しい顔をしているが審査は冷静だ」という発言をして論議になった。男性審査員であれば、外見がどうであれ練習生からは受けることのない「評価」であった。


上位が多かった「シーズン1」vs下位が増えた「シーズン2」

 

「プロデュース101」練習生のレベルの評価方法は、2つのシーズンで同じだった。所属事務所ごとにステージを披露し、AからFまでの5段階に分かれたレベルを受ける。このレベル評価を通じて明らかになった「シーズン1」と「シーズン2」練習生のレベルは、一目でわかるくらい違った。シーズン1では最初に登場したSTARSHIPエンターテイメントの練習生3人のうち2人がBを受けて順調に出発し、その後Jellyfishエンターテイメントの練習生はカヒから「今デビューしたばかりのガールズグループの雰囲気」という評価と一緒に全員Aを受けた。舞台を掌握したCUBEエンターテイメントの練習生も3人のうち2人がAを持って行き、Predisエンターテイメントの練習生たちは「練習量を感じる」という賞賛を受け、A、Bをそれぞれ2人ずつ受けた。このように「シーズン1」で上位レベルが連続して登場したのに対し、「シーズン2」での審査員たちは「Aが出ないといけませんよね」という心配をしなければならなかった。結局7人だけがAを受け、Fレベルを受けた練習生はなんと31人だった。下位が増えたが、Fレベル認定を受けた練習生に対する態度は一層柔らかくなった。 「シーズン1」でFレベルを受けたキムソヒェ、パクハイ、有吉リサなどが毒舌に近い評価を受けて涙を流したのに対し、「シーズン2」でFを受けたパクセウンは「腹筋を見せてくれたように、実力も示すことができたらいいと思う」という暖かい励ましを受け、舞台で「基本的なステップ」を披露したユソンホは「ひよこ練習生」という本人の紹介のように可愛く描かれた。現在までに公開されたところによると、明確に「シーズン2」出演者たちの完成度は落ちるが、審査員たちの「ウチュチュ」はより受けるという、皮肉な状況である。

 

髪の毛まで揃った「PickMe」群舞VS隊列が乱れた「僕だよ僕」群舞

 

第2回で「シーズン2」練習生たちは「僕だよ僕」のトレーニングを受けた。 3日間の練習期間が終わって映像オーディションに臨む彼らの態度は、「シーズン1」練習生と明確に比較されることだった。 「シーズン1」の練習生たちがちょっとためらったり中途半端でも最後まで歌と振り付けをやり通したのとは異なり、シーズン2では映像撮影の途中で完全に放棄してぼんやり立っている練習生が多かった。映像を見る前に、練習生たちに直接歌を教えたソクフンが「映像を見てちょっと腹が立った」という言葉を残したが、審査員たちは彼の言葉のように固い表情を隠せなかった。それほど「シーズン1」と「シーズン2」の練習生たちが持つ実力と態度は違ったが、これはステージで如実にあらわれた。 「シーズン1」の「Pick Me」のステージで練習生たちが「髪が舞う角度」まで同じ姿を見せてくれたのに対し、「シーズン2」の「僕だよ僕」のステージに立った練習生は、隊列がずれたり手足が揃っていなかった。特に、3月にゴチョクスカイドームで開かれた「2017タイヤバンクKBOリーグ」祝賀公演では、高いスタンドから撮影された映像を通じてこのようなミスが赤裸々に表れた。これから残りの時間の間にどれだけ発展した姿を見せることができるかは知ることができない。明らかなのは、「シーズン1」と「シーズン2」は、現時点で同じ競争に見えないという点である。


記事 ソジヨン
校正 キムヨンジン

【ize訳】プロデュース101│①まだ熱くないサバイバル

【ize訳】プロデュース101│①まだ熱くないサバイバル

 

2017.04.18

 

http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017041716107241699&pDepth1=i2101

 

「美しい顔だが審査は冷静だと感じた」Mnet「プロデュース101シーズン2」(以下シーズン2')でチャンムンボクがBoAについて残したコメントは、今季の雰囲気を表している。 BoAは18年目の歌手兼審査委員であると同時に「国民プロデューサー代表」だが、参加者からのルックス評価の対象になる可能性もある。

 

Mnet「プロデュース101」(以下シーズン1)でチャングンソクやトレーナーたちがどんなに冷静な言葉を言っても彼らのコメントが容貌と似合わないと言葉にした出演者はいなかった。 また、既にデビューしたNU'ESTのメンバーがスタジオに入ると、参加者たちが「芸能人だからサインをもらわなきゃ」と冗談を言うほど、番組の雰囲気はしばしば気楽も流れる。 それだけシーズン2の参加者たちはシーズン1に比べるち緊張していない。 毒舌が横行したシーズン1初の会議の出演者評価と異なり、シーズン2はたびたび出演者たちの笑顔がもれた。

 

シーズン1のテーマ曲「Pick Me」は"夢を見る少女たち"が"私を感じてみてください/私を捕まえてくれ/私を抱きしめて"と話し、自分たちを"pick me"してほしいと懇願した。 一方、プロデュース101シーズン2のテーマ曲「僕だよ僕」の少年たちは"今夜の主人公"であり、"君の心を盗むのは僕だよ僕"と叫ぶ。 シーズン2の出演者たちが自分の魅力を確信するのは、実力のためではない。 シーズン1は初回からキムセジュン、カンミナを含めて等級評価Aを受けた参加者が実に9人も登場したが、シーズン2はキムサムエルとオンジョンマンがA等級に分類された。 さらには同じ所属会社で長い時間練習してきた練習生たちの振付師も、てんやわんやで衆口塞ぎ難しである。 しかし、シーズン2は参加者たちを冷酷に評価することよりも、なんとかして長所を探してやろうとする方向に演出される。 ライグヮンリンとユソンホは今ちょうど事務所に入ってきたばかりの「ひよこの練習生」であり、マイクさえ置いてダンスの「基本技」を見せてくれる姿はかわいいと評される。 さらに、ラップの歌詞を「先生」と一緒に作ったという事実は、率直という包装がされる。 パクセウンによるRainの「君を捕まえる歌」のパフォーマンスは酷評を受けるだけのステージだったが、製作陣は女性審査委員らの顔が「紅潮」しているようなCGを入れる。 実力が不足している参加者に「ないと思ったら別の道に行かなければならない」とか「小学生にも及ばない」というような毒舌がきかれたシーズン1とは対照的だ。 最終順位2位でI.O.Iのメンバーになってダンス対決番組KBS「ブームシャカラカ」で優勝したキムジュンまでがシーズン1の時にはダンスの実力がやや足りないという点が浮上したほどだった。 一方、シーズン2では練習生たちが審査委員たちからC、D等級を受けるたびに、「Aだと思ったのに」と悔しがる参加者たちのコメントを入れる。 シーズン1の少女たちを応援させた原動力は、練習生たちの切実さと血のにじむような努力だったが、シーズン2の少年たちは熾烈な争いの前からこの程度ならいいだろうという「ウチュチュ」(甘やかし)を受ける。

 

出演者を苛酷に追い詰めろという意味ではない。 ただ、サバイバルのオーディションでの緊張感と実力評価に対する冷静さが弱くなってから、シーズン2はシーズン1よりさらに実力以外の要素を強調する。 シーズン2の参加者たちはすでにシーズン1を視聴しており、どのような行動をすれば好感を得て非難を受けるのかということを学習した。 初回で1位の椅子に座りなさいという言葉を聞いたイデフィは「出来ないよ。悪口を言われるかもしれないのに?」と言い、自分の予想順位を2位と書いて出したことが画面に出ると、「あの、嫌われないですかね」と心配した。 さらに、多年の練習生生活を経た後、エンターテインメント業界について相当な知識を備えた参加者もいる。 彼らはYUEHAエンターテインメントのロゴが出ると、「STARSHIPとの合弁で宇宙少女を作った」という話をすらすらと説明して、BRAVEエンターテインメントのキムサムエルが「SEVENTEENデビュー組だったが、惜しくも年齢があまりにも若かったがゆえに」最終デビューメンバーとなることができなかったという秘話もよく知っている。 ステージの上で驚かされたり感動的な瞬間が提示される前に、出演者の背景と発言によってストーリーラインが組まれる。 一方ではシーズン2を熱心に消費する視聴者たちの間では、参加者たちの実力や魅力に対する論争よりは練習生たちが過去に犯した過ちが問題になる。 チャンムンボクがシーズン2初回後、主人公に他ならない割合を占めていたのは象徴的である。 話題の人物、番組の雰囲気を面白くした人物を浮上させる。 一方、アイドルとしての資質の評価は前シーズンに比べて有に流れて行く。 その結果、舞台よりその他の要素がさらに話題になる。

 

シーズン1で最も強烈な瞬間の一つはその前まで人気順位が高くなかった、ユヨンチョンが少女時代の「また巡り逢えた世界」のステージで見事な高音を上げて爆発的な反応を引き出した時だった。 シーズン1放送動画の中で最も高い再生数を誇る「Bang Bang」パフォーマンスは練習生が直接振り付けをした。 審査委員の厳しい評価と小さな発言一つにも視聴者の非難を受ける状況を、シーズン1の出演者たちは彼らの力量で勝ち抜けたりもした。果たしてシーズン2でもこのようなことは可能だろうか? チュギョルギョン、チョンソミ、キムドヨン、イムナヨンがいたシーズン1とシーズン2出演者の容貌を比較しながら、「シーズン1の時よりビジュアルが強まったようだ」と自評する雰囲気の中ではまだ容易ではなさそうだ。


文 イムスヨン
校正 キムヨンジン

【melon mag訳】問題フォーカス 多重音格 137回:遠く険しい放送審議の世界

【melon mag訳】問題フォーカス
多重音格 137回:遠く険しい放送審議の世界

 

ハンドンユン 2017.2.15

 

http://m.app.melon.com/musicstory/detail.htm?mstorySeq=4609

 

遠く険しい放送審議世界

 

防弾少年団が今月13日、新アルバム「You Never Walk Alone]
kを発売した。 昨年10月に発表した正規2集「Wings」の外伝といった作品で、従来の収録曲に「春の日」「Not Today」などの新曲を追加した。 グループの企画会社BigHitエンターテインメントは、新曲には青春を向けられた慰めと希望のメッセージを込めたと紹介した。 若い音楽ファンの関心をひくのに良いコンセプトだ。 2番目のアルバムがビルボードアルバムチャートで韓国歌手としては最高の成績を記録したため、防弾少年団もファンも活動と応援に興がついたようだ。

 

日々上昇の勢いに乗っているが、新譜のリリースを控えて少々力が抜けるような話を聞いた。 新曲のうち「Outro:Wings」がKBSから放送不可判定を受けたのだ。 最初のラップのパートで「새꺄 쫄지 말어(野郎ビビるんじゃない)」という歌詞が悪口や卑しい表現に該当し、放送に出られなくなった。 この歌詞は「Outro:Wings」未完成バージョンの「Wings」の「Interlude:Wings」にも登場するが、その時は審議申請をしなかった。 「Outro:Wings」で放送活動をするわけではないが、ファンにとっては残念な事かもしれない。

 

無念さだけを感じる決定というわけではない。 放送局は健全でないコンテンツを濾過しなければならない義務がある。 実際、最近の小・中・高校生や多くの学生があれよりも荒い言葉を何食わぬ顔で使う。 しかし、未就学児童たちも音楽放送やラジオを通じて接する可能性があり、基本的に俗な表現を伝播してはならないということで不可判定を下したのだ。

 

多くの歌手が自分の歌を多くの人に知ってもらいたくて放送局の審議を受ける。そして、多数の歌が悪口、卑俗語、暴力性、扇情性、間接広告などいろいろな理由で断られたりする。不適格判定に納得する場合もあるが、納得しにくい事例もたまに発生する。


名称さえ言わなければ大丈夫!

 

2014年エディ・キムの「Slow Dance」がKBSから放送不可判定を受けた。 歌詞に言及されたフランスのウオッカブランド「Grey Goose」のためだった。 これが間接広告に該当して放送にはのせられないという決定を下した。 「カナダグース」は、青少年たちの高級ブランドを好む現象を取り上げたニュース報道で自然に広報が行われたが、「グレイグース」は放送電波を利用する機会さえつかめなかった。 フランスはそのような疑問の1敗を記録した。

 

同じアルバムに収録された「駆け引きの達人 Push&Pull」が審議を通過したことを考慮すれば、あっけなく感じられることだ。 「Push&Pull」にはファーストフードブランド「マクドナルド」のCMソングメロディーが使用されている。 一般の人々が分かるメロディーで、その部分を聞けば多くの人が「マクドナルド」を思い出し、ひいてはハンバーガーを食べたいという気までおこしそうだ。 それでも「Push&Pull」は商品名を直接的に言及しなかったので制裁を受けなかった。

 

エディ・キムが「グレイグース」を歌詞に書いたことが徹底的にブランドを広報する意図だったのか、もしくは音楽的表現だったのかは分からない。 背景はどうあれ、商品をが思い浮かぶような結果だけを見た時にさらに明確かつ効果的だったのは「Slow Dance」ではなく、「Push&Pull」だと断定することができそうだ。 一つは明示し、他の一つは暗示した。 不可の判定は明示した側だけに下された。 全体的な状況は重要でなく、ひたすら直接表現を重視するという基準を確認することができる事例だった。


審議は福不福(運次第)?!

 

2011年ミミ・スターズのデビューアルバム「悪いけど…これは伝説になるよ」に掲載された「ミミ」がKBSから放送不適格判定を受けた。 問題になった歌詞は「あなたに会った瞬間啞(벙어리)になった」だった。 벙어리が言語障害者を卑下する言葉という理由からだった。 ミミシス側は、他の放送局では可決されたのにKBSでのみ不可判定を受けたとして首を傾げた。

 

おかしいと感じるのも仕方ない。 ミミ・シスターズを世の中に知らしめたチャン・ギハと顔たちが2009年に発表した「月が満ちてくる、行こう」も「最初から恐れて啞(벙어리)になった少年」と、同じ様に喋ることができない人を歌詞に書いたにもかかわらず、審議を通過したからだ。 ミミ・シスターズの歌が放送不可判定を受けた瞬間にも「月が満ちている、行こう」は放送にうまく出ていた。 2年ぶりに同じ単語を置いて相反する結果が出るなど、当事者にとっては荒唐無稽でしかない。

 

この光景を通じて審議は福不福(運次第)ということを悟ることになる。 審議する人によって、その人の情緒と見解によって、同じ単語でも許諾と不許可が分かれる。 ミミ・シスターズの「ミミ」が不適格判定を受けること1ヵ月前、MBLAQの「Stay」は歌詞に盲人(장님)(「僕はすぐに去る愛に目がくらんだ장님」)という表現を使ったにもかかわらず、審議を通過した。 盲人も視覚障害人を卑下して指す言葉だ。 ミミ・シスターズがこの事実を知ったら本当に悔しがっただろう。

 

楽童ミュージシャンも「耳にかければ耳飾り、鼻にかければ鼻飾り」式の審議の被害者だ。 2014年に出したデビューアルバムの中の「Galaxy」はKBSからタイトルで使用された単語の反復がスマートフォン広告と映る恐れがあるとし、放送不適格判定を受けた。 これとは違って、LADIES' CODEが2016年に発表した「Galaxy」にはどのような制約も加えられなかった。 LADIES' CODEの歌ではグローバル大手企業の香りが感じられなかったのか?

 

思い出の場所は思い出の中だけで大切にしよう


防弾少年団は2015年に発表した「Ma City」を通じ、メンバーたちが住んでいた地域を称賛した。 J-HOPEは光州、SUGAは大邱、ジミンは釜山、ラップモンスターは京畿道一山などを自慢した。 ところが、この中のラップモンスターの歌詞が問題になった。 "ラフェスタ"、"ウェスタンドーム"など、一山にある総合ショッピングモールのブランドを取り上げたことで、歌は放送不適格判定を受けた。

 

昨年末LOCOが発表した「残っていて」もKBSの敷居を越えることができなかった。 LOCOは自分のファンに感謝の気持ちを伝えるためにこの歌を作った。 ファンたちと一緒に呼吸を交わした舞台を思い浮かべる内容は良かったが、"ブイホール"、"ローリングホール"、"アックスホール"など、弘大地域のクラブを列挙した部分が不適格事由になった。 昔の事を回想しただけなのに、店の広報の汚名を着せられた。

 

彼らが受けた排斥の動きを通じてもう一つの事を学習した。 思い出を話す時は適当に具体的でなければならない。 町や距離程度はかまわないが、正確な場所を取り上げてはならない。 創作者の意図は重要ではない。 審議の物差しは冷酷だ。

 

日本語はありえない

 

昨年秋、ソヌチョンアの「ツンデレ」とラジオ作家でありシンガーソングライター・グジャヒョンの「新しい可楽珍島アリラン」がKBSから放送不可判定を受けた。 ソヌチョンアは日本語合成語を使ったタイトルであること、グジャヒョンは歌詞の中の桜の日本語の表現である「サクラ」を使ったためだ。 2人の歌手は放送局が許さない日本語選択で"ペンチ"を食らわされた。
(訳注:韓国語の「ペンチ」は和製英語のペンチから来た言葉)

 

韓国の放送界は日本文化についてまだ寛大ではない。 痛恨の植民地の歴史を忘れられられないので当然だ。 ところが日本の歌や映画は放送しないのに、日本の料理や観光地は着実に紹介する姿はとても皮肉なものだ。

 

日本語はたびたび遮断されるが、英語で綴られた歌は放送にうまく出ている姿を見ると、残念極まりない。 このような歌が積もり積もるほど、私たちは英語に対して鈍感になる。 実はすでにそうなっている状況だ。 韓国では国語だけで構成された歌を見るのが難しいというのは、おかしいながらも怖い事だ。 文化の植民地化がこのように行われているのだ。

 

ドラマはいいけど、歌はダメ

 

歌で商品や営業所の名前をそのまま歌詞に表出するのは、リアリティを浮き彫りにするためである。私たちの周りに存在する物品や建物、大衆に馴染みのある商号が濾過せずに露出されれば、聞く方はこの歌詞を通じてリアルを感じられる。この時、歌はフィクションではなく、本当の人生の物語に迫る。リスナーとの日常的な部分に共感を求める意図であるだけであって、特定のブランドを促進するための作詞は決してないだろう。

 

地上波放送のドラマを見ると、間接広告が波をなしている。主人公がアルバイトをする店や主人公の家族が外食をする飲食店はことごとくフランチャイズチェーン店である。彼らの背後には、常に会社のロゴと名前が鮮明に位置する。言葉だけが間接的なだけでそのままの広告と変わらない。俳優たちが演技で製作に協賛する企業の製品の説明をしている場合も数多い。

 

ドラマとは違い、歌は言及が許されない。 このような異なる様相は、物質的援助によって左右される。 この会社はドラマの制作を支援したので商品名を放送してよいが、この歌の中のブランドは自分の放送局に何の得も与えなかったから放送させない。 放送に実質的な支援があったら広報の目的を達成できるようにしてくれるだろうが、広報が目的でなくても、放送に何の特にもならなければ邪険にされる。

 

昨年下半期から最近までの間にEXOの「Lotto」VIXX RAVIの「Ladi Dadi」、Geeksの「Divin'」、K.A.R.Dの「Oh NaNa」などがKBSから放送不適格判定を受けた。 前の二つの歌は"ロト"に、後ろの二つ曲は"インスタグラム"に言及したからだ。 これらの曲より先に出たWonder Girlsの「Sweet&Easy」は"ヌテラ(nutella)"が入っていたために放送不可判定が下された。

 

商標を扱った歌が繰り返し放送されれば、ややもするとブランド公害になる場合もある。 したがってある程度の制裁は必要だ。 しかし、歌詞の全体の流れを無視したまま単語のいくつかだけを取り上げて広報意図と断定して放送を禁止する行動には、苦笑せざるをえない。

 

だからと言って卑怯な方法にはしないこと

 

歌手と事務所各社は、本人の歌や所属ミュージシャンの歌が審議に通ることができないか、もういい加減分かっている。 歌詞に卑俗語、中傷、ブランド名などが入った場合、引っかかることを予想して審議を受けることを諦める人も多い。 しかし、どのような判決が出るか知っていながらもあえて審議を申請する場合もある。 放送局で非適格判定を受けた歌を発表すれば、新聞社がその結果を報道するので自然な広報を狙うのだ。 宣伝の新たな手段ではあるが、見ていてはあまり気持ち良くはない。 このような卑怯な方法にはしないことを望む。

 

ハンドンユン


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ミミシスターズは初期のチャンギハと顔たちのサポートメンバーで、コーラス等で参加していた女性デュオです。

 

KBSがNHKみたいなものと考えると商品名NGは分からなくもないですが、特にヒップホップ関連だとリアリティを出すために歌詞に固有名詞を入れるのは他のジャンルよりよくあるので困りものですね。潔くミュージックバンクは全部捨ててる事務所もありますが。

【ize訳】SMと「知っているお兄さん」が出会うとき

【ize訳】SMと「知っているお兄さん」が出会うとき
2017.04.05


http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017040421287290130

 

JTBC「知っているお兄さん」の出演者のうちカンホドン、キムヒチョル、ソジャンフン、イスグン、キムヨンチョルはSMエンターテインメント(以下、SM)及び関連系列会社、またはMYSTICエンターテインメント(以下、MYSTIC)所属だ。 「知っているお兄さん」のチーフプロデューサーで、JTBC退社後も制作に参加しているヨウンヒョクPDもMYSTIC所属だ。 SMがMYSTICの持株28%を取得し、筆頭株主になった効果はこのように即時に出ている。MBC「ラジオスター」やはりMCのうちの半分が両社に所属している。 もちろん、長期的には両社所属のミュージシャンたちの活動がもっと期待される可能性もある。 だたひとつだけは確実な事がある。 そのミュージシャンたちも「知っているお兄さん」と「ラジオスター」のような芸能プログラムが必要だ。

 

「無限に挑戦」、KBS「ハッピーサンデー」の「1泊2日」のような人気の週末芸能プログラムは固定の出演者中心だ。ナヨンソクPDが率いるtvNの芸能番組も同じだ。 MBC「夜」の「覆面歌王」は、一度出演すると再び出演できるかは曖昧である。芸能プログラムは多いが話題になるプログラムは少なく、その中でミュージシャンが出演するほどのプログラムはより多くない。ところが「知っているお兄さん」と「ラジオスター」は、ゲスト中心のプログラムであるうえ、話題性が高い。プログラムが起こした議論とは別に、「ラジオスター」でのゲストの発言は翌日ポータルサイトのメインを飾る。去る3月25日「知っているお兄さん」に出演したガールズグループGirls Dayの映像は、ネイバーTVキャスト公開直後のリアルタイム映像視聴上位を独占した。人気ミュージシャンも、所属会社と放送局の関係に基づいて芸能番組出演が困難な場合があることが厳然たる現実だ。このような状況で、SMとMYSTICのミュージシャンは少なくとも不利益なく両方の番組出演を打診することができる。

 

赤い頬の思春期は「知っているお兄さん」や「ラジオスター」に出演していなくても音源チャート1位に上がった。しかし、彼らが歌ではなく自分自身を世間に知らせる為には人気芸能プログラムへの出演が必要だろう。DOK2をはじめとする人気ヒップホップミュージシャンたちも、Mnet「SHOW ME THE MONEY」出演の前と後では話題性が異なっている。それ位に公演やCFなど、音源販売以外の売上高は爆発的に上昇する。ある大手芸能事務所の関係者は、「現在の音楽業界で最も大きく安定した収益は海外を含めた公演市場で発生する」とし「そのためには韓国で最低でも数千人以上の観客を集めることができるほどの人気がなければならない」と述べた。最低でも数千人が見に来るような公演になるには、それだけ多くの人が公演にお金を出すくらいそのミュージシャンの事を好きにならなければならない。人気芸能プログラムは、ミュージシャンの認知度はもちろんキャラクターまで与えることができる。韓国で積んだ人気が海外公演の土台になるのはもちろんである。 SMとMYSTICの戦略的提携で、両社のミュージシャンは自分たちの音楽をより多様な方法で試すことができる。人気芸能番組制作に利益を出すこともできる。しかし根本的に、これは音楽と芸能プログラムを結合させたビジネスモデルの完成に近いものである。

 

SMとMYSTICの前にすでにFNCエンターテイメント(以下FNC)が、ユジェソク、チョンヒョンドンなどを迎え入れた。 YGエンターテイメント(以下YG)は最近、人気の芸能番組PDと契約した。 SMはMYSTICとの提携により、一気に人気芸能プログラムへの彼らの影響力を強化した。3社はすべて所属の人気グループが海外進出を介して得られた莫大な収入で俳優と芸人を迎え入れており、さらには番組制作に必要な基盤まで用意した。そして、再び所属のミュージシャンがこのプログラムを通じた広報の機会を得るだろう。今はSMのアイドルグループが「知っているお兄さん」や「ラジオスター」に出演する程度のことができる。しかし数日後には地上波や総合編成、またはケーブルチャンネルでSMやYGが製作した新しいバラエティ番組が放送されることもありうる。あえてMnetなどの音楽専門ケーブルチャンネルの力を借りなくても、という意味だ。そして偶然にも、YGは最近ネイバーから1000億ウォンを投資された。 YGのミュージシャンは、今後ネイバーをプラットフォームに同じ所属事務所のPDが制作する芸能番組に出演することもあるだろう。

 

もちろん、SMやYGの歩みがエンターテインメント業界の支配者になる為の唯一の答えではない。結局、勝負は所属ミュージシャンが海外でどのように大きな売上を上げるかによるだろう。芸能プログラムは輸出に限界がある。ドラマは海外での反応が以前とは同じではないうえ、主要な輸出国であった中国との関係が悪化した。結局、成功の鍵はどのように収益性の大きなミュージシャンを誕生させるかにある。ただしSMやYGは音楽業界をTVエンターテインメント業界と結合し、それらにとって最も有利な状況を作って行っている。そして、他の企業には選択の瞬間が残った。MYSTICはSMとの戦略的提携を通じて、より多くの影響力を持つようになった。これは、ある程度所属芸能人らのラインナップが整った会社がすることができる選択肢の一つである。しかし、もしもこれを望まないならば、またはそもそもこのような機会もない会社であれば、どうすればいいのだろうか。果たして韓国の音楽ビジネスが今後SMとCJ E&Mとネイバーを通じなくても、何かできるのだろうか?これまでもそうだったが、今後はさらに不可能かもしれない。


文 カンミョンソク
校正 キムヨンジン


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2年くらい前にYGが構成作家もできる芸人さんたちを複数迎え入れてましたが、こういう事のための準備だったのかなという記事でした。
(すでに「コンノリペ」はYG製作のバラエティだった気がしますが)
SMが大物MCを連続して迎えたのに対してYGはコンテンツを製作する作家から迎えたという違いが面白いですね。FNCはMCもできる人気芸人さん寄りかな。

 

しかしネイバーから1000億投資はすごいですね。YGは数年前にはルイヴィトングループからも投資を受けてましたが。
そういえば数年前に各韓国TV局が国内へのYoutubeでの配信をやめて全部ネイバー配信に切り替えたというニュースを見ましたし、動画配信を制するものがなにがしかを制するのかな...。