サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】防弾少年団│①K-POPの新しいDNA

【ize訳】防弾少年団│①K-POPの新しいDNA

 

2017.09.19
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017091823087255385

 

ボーイズグループ防弾少年団の新しいアルバム「Love yourself 承Her」タイトル曲「DNA」は7人のメンバーがそのまま曲を構成する基準となる。 曲の後半部の「振り向かないでほしい~(後略)/後悔しないで〜(後略)」部分で2人のメンバーが同じメロディーを繰り返す程度を除けば、この歌はメンバーのパートによって曲の構成も一緒に変わる。 1節はハイライトともいえる強いビットが登場する前まで、イントロを除いても6回変わる。 6回の変化はそのまま6人のメンバーが各自のキャラクターを刻印させる過程だ。 1節でメンバーであるV〜J-HOPE〜ラップモンスター〜ジョングクの順でパートが変わっていくとき、彼らは舞台の真ん中でそれぞれ別々の歌、ラップ、ダンスで自分たちのキャラクターを見せてくれる。 変化と変化の間にはメンバーたちの関係性、または「ケミストリー」がある。 パートを終えて舞台の中央から出てきたVは入って来るJ-HOPEと手を取った後、ちょっとだけ一緒にダンスを踊る。 手を握った瞬間の歌詞は「僕たちの出会いは」だ。 その結果「出会い」は「Her」で表現される女性に対する感情ではなく、グループメンバー間の連帯感とも解釈できる可能性を開いておく。 この連帯感は曲の後半にメンバーの皆が手を握ってまるでDNA構造のような振り付けを表す事へと拡大されていく。 各自の空間を持っていたメンバーたちが一つに結ばれ、その関係性、またはケミストリーの根本には「DNA」があった。 防弾少年団と彼らの企画会社BigHitエンターテインメントは一般的な基準と形式を破った、4分足らずの曲であらゆる想像が可能なキャラクターとストーリーを繰り広げる。

 

それゆえに「DNA」というタイトルはK-POP、または韓国アイドル産業についての宣言のように見える。 私たちはK-POPについての新たな遺伝子の地図を持っている。 防弾少年団は「DNA」でK-POPの限界に引き続き触れながら、その限界をK-POPではなかなか試みない方法を通じて突破する。 メンバーたちが他のパートを消化し、個々人のキャラクターを浮上させることは韓国アイドル産業の標準技術も同然だ。 しかし、「DNA」はメンバーたちのパートの変化を曲の基準にして、すべての部分でメンバーのキャラクターが浮き彫りにされるようにしている。 当然、曲の一貫性は落ちる恐れがある。 しかし、「DNA」は、従来のK-POPと違う方式で問題を解決する。 一般的な韓国アイドルグループの曲たちは歌手の声を真ん中に置き、演奏で彼らを包み込む。 一方、「DNA」では防弾少年団の声は響きを少しずつ入れ、コーラスを幾重にも配置して他の音と混ぜておく。 曲の声は多様な音たちが立体的に空間を包むようになっていて、防弾少年団の声はその空間の一部となる。 これは歌と演奏の代わりに特定の雰囲気を持った仮想の空間を伝えるのに近い。

 

「DNA」のミキシングとパフォーマンスがすべて左右はもちろん、前後、すなわち深さを作り出すことに集中するのは偶然ではない。 導入部のベースとドラムは登場する順に他の音よりも後ろに配置されて前後の空間を増やし、1節でのラップモンスターの声は他のメンバーたちに比べてより後ろに響きを減らしたまま出て立体感を確保する。 パフォーマンスではVが一番後ろに登場し歌い始め、2節でSUGA〜ラップモンスターのパートではメンバーたちが左から右に作り出した斜線のそれぞれ一番前、中に立っている。 その次のパートのジョングクは一番後ろから前に歩いて出て来て歌う。 「DNA」のハイライト部分パフォーマンスも同じで、前のメンバーたちが地面について急に後ろに退く部分だ。 曲とパフォーマンスいずれも左右だけの平面の代わりに立体を選択して、そのアイデアをメンバーごとに構成を変えながら多彩な内容物を入れる。 一般的な曲が耳に残るメロディーやビートを一つ二つ入れているとしたたら、「DNA」はパートごとに異なる音を空間を構成する要素として演出する。 その結果、口笛とギターの組合せから強烈なビートまですべての部分が耳に残ると同時に、大幅な変化は一つの空間の中の声であるという一貫性を持つ。 防弾少年団はキャラクター、ケミストリー、世界観というK-POPの要素を、K-POPではなかなかやらなかった方法でさらに緻密に具現化する。

 

「DNA」を構成するような要素が以前になかったわけではない。 ワンテイクを活用した3次元的な振り付けはEXOの「Growl」が頂点を極めた。 メンバーのキャラクターに合わせてパートごとに曲の構成が急激に変化するのは、SMエンターテインメントのSMP(SM Music Performance)の特徴でもある。 曲を歌や演奏の結合ではなく、一つの情緒的雰囲気や具体的な絵が描かれる仮想の空間のように表現するのは同時代の欧米ポップスの傾向でもある。 防弾少年団に「Best of Me」をプレゼントしたThe Chainsmokersの様々な曲もそうだ。 しかし、「DNA」は欧米の大衆音楽の傾向と様々な要素をK-POPのキャラクターやストーリーの中に同時に、さらに執拗に混ぜこんでいる。 ジミンとジョングクが連結される「宇宙が生れたあの日からずっと(後略)」はボーイズグループの斉唱に続き、最近のヒップホップでたびたび聞くことができるフロウがそのまま連結されている。 欧米の大衆音楽の傾向を研究したミキシングは、キャラクターを活躍させるスペースを作るのに使われる。 防弾少年団ツイッターYouTubeを通じて米国市場に伝わり、ビルボードの授賞式に行ってきた。 その間メンバーたちは米国のミュージシャンたちと親交を深め、共同作業が可能になった。 「DNA」をはじめとする「Love yourself承Her」結果物たちはそうやってK-POPが現在の欧米の大衆音楽産業と会った時に、どのように変化できるのかを示している。

 

その点で「DNA」は、アイドル産業のほぼ全ての基準をうち立てたSMエンターテインメントの後発走者の答えのように見える。 キャラクターとストーリーを結合しているがそれをメンバーたちのリアルと混ぜ、群舞はするがその土台にヒップホップがあり、アイドルとして歌うが欧米ポップスの傾向を積極的に受け入れている。 もちろん、SMエンターテインメントのノウハウは今後も韓国アイドル産業の標準であり製作指針になるだろう。 ただ、もはや防弾少年団のように歌ったり踊ったりしながら企画する方式も参考にすることができるという事だ。 そして市場の環境は、過去とまた変わるものだ。 直近で「DNA」のパフォーマンスを放送しなければならない放送局は左右だけでなく、前後の空間感をどのように消化するべきか悩まなければならない。 また、韓国アイドルグループが欧米市場で通用する可能性が生じた時、naver VアプリYouTubefacebookなどの対応も変わらざるを得ない。

 

その結果、防弾少年団の世界は成長と拡張を続ける。 デビュー当時、学校で夢が何か悩んでいた彼らは「花様年華」で世間に出て、今回のアルバムを発表する前にはショートフィルムを通じて仮想の世界観をさらに広げた。 その間チームの音楽はヒップホップとEDM、ムーンバートンなどを経てK-POPと欧米の大衆音楽の特徴を化学的に結合し、パフォーマンスとミュージックビデオはますます複雑化したり巨大化してゆく。そしてコンテンツが新たな要素を吸収して進化するたびに、彼らのファンドムは奇跡的と言えるほど爆発的に成長した。 彼らのキャラクターやストーリーはいつも成長と変化を必要とし、成長と変化は新しい領域へ進むきっかけとなって、新しい土地では新たに吸収するものがあった。 その継続される変身と拡張がそのまま防弾少年団の根本的なDNAであろう。 ビジネス文的な書き方をすれば、絶え間ない革新が爆発的な売り上げの伸びにつながったといえそうだ。 しかし、彼らはどちらかといえば「ドラゴンボール」と「エヴァンゲリオン」いずれかの間の主人公程度と説明するのがもっと似合うようだ。 平凡な学生が成長を重ねて宇宙を守るように、彼らは絶えず限界を突破して成長した。 そして「DNA」に到達し、歌詞に宇宙が登場した。 DNAの変化が宇宙まで届いたのだ。 故に今回のアルバムが新たなストーリの「承」(ショウ)に該当するのは偶然のように見えない。 話がピークに達する前に流れが高まる「承」。防弾少年団はそれまでの5年間もそのように絶えず上がってきたし、「DNA」は絶えず曲の雰囲気を上昇させてきたビートを突然「ドロップ」させる。 絶え間なく世界を広げ、新しい世界に出会い、再び世界を広げる。 彼らの「結(ケツ)」は何なのだろうか。 もしかして、少年が神話になることか。


文 カンミョンソク
校正 キムヨンジン


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まさかのエヴァオチ...でも何かパンPDの趣味といい防弾少年団には妙に似合う気もするしあながち冗談でもないかも(?)
DNAは全体的に(振付・色味・編曲など)EXOっぽいなとは思ってたんですが、良くも悪くも一貫性には欠けるアルバム構成といい(1年の間に色々なことが起こりすぎて、それをそのまま詰め込んだらそうなっちゃったのかもしれないけど)結局全てのアイドルはごく一部を除いてSMPに向かって行くのか...? 宇宙からやってきた最初から「天上人」で徐々に地上に馴染んできたEXOと、地上から宇宙へと飛び立った防弾少年団...ガンダムシリーズか。
(防弾も昔は超能力で戦ってたけど、あくまで学生だった)

「起承転結」の起の部分をすっ飛ばしていきなりプレクライマックスの承ですが、さて転は来るのかどうか。結局前回のWINGSも外伝で単発だし、その辺は流れ次第でふわっとうやむやになるのかな。それがKドル...


パート②は防弾少年団の歴史を図で表したもので、見ればわかるものだと思うので訳はしませんでした。
リンク貼っておきます。
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017091823087226471

 

「ボーイズグループ防弾少年団を定義することができるキーワードは絶え間ない成長だろう。 デビュー当時、注目される新人程度だった彼らは5年余の時間の間一歩ずつ成長し、現在に至った。 その成長がどれほど小さいことからだったか、どれほどの巨大なものに変わったのか体感したいなら、下記のインフォグラフィックをご確認頂きたい。」