サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【melon mag訳】問題フォーカス 多重音格 137回:遠く険しい放送審議の世界

【melon mag訳】問題フォーカス
多重音格 137回:遠く険しい放送審議の世界

 

ハンドンユン 2017.2.15

 

http://m.app.melon.com/musicstory/detail.htm?mstorySeq=4609

 

遠く険しい放送審議世界

 

防弾少年団が今月13日、新アルバム「You Never Walk Alone]
kを発売した。 昨年10月に発表した正規2集「Wings」の外伝といった作品で、従来の収録曲に「春の日」「Not Today」などの新曲を追加した。 グループの企画会社BigHitエンターテインメントは、新曲には青春を向けられた慰めと希望のメッセージを込めたと紹介した。 若い音楽ファンの関心をひくのに良いコンセプトだ。 2番目のアルバムがビルボードアルバムチャートで韓国歌手としては最高の成績を記録したため、防弾少年団もファンも活動と応援に興がついたようだ。

 

日々上昇の勢いに乗っているが、新譜のリリースを控えて少々力が抜けるような話を聞いた。 新曲のうち「Outro:Wings」がKBSから放送不可判定を受けたのだ。 最初のラップのパートで「새꺄 쫄지 말어(野郎ビビるんじゃない)」という歌詞が悪口や卑しい表現に該当し、放送に出られなくなった。 この歌詞は「Outro:Wings」未完成バージョンの「Wings」の「Interlude:Wings」にも登場するが、その時は審議申請をしなかった。 「Outro:Wings」で放送活動をするわけではないが、ファンにとっては残念な事かもしれない。

 

無念さだけを感じる決定というわけではない。 放送局は健全でないコンテンツを濾過しなければならない義務がある。 実際、最近の小・中・高校生や多くの学生があれよりも荒い言葉を何食わぬ顔で使う。 しかし、未就学児童たちも音楽放送やラジオを通じて接する可能性があり、基本的に俗な表現を伝播してはならないということで不可判定を下したのだ。

 

多くの歌手が自分の歌を多くの人に知ってもらいたくて放送局の審議を受ける。そして、多数の歌が悪口、卑俗語、暴力性、扇情性、間接広告などいろいろな理由で断られたりする。不適格判定に納得する場合もあるが、納得しにくい事例もたまに発生する。


名称さえ言わなければ大丈夫!

 

2014年エディ・キムの「Slow Dance」がKBSから放送不可判定を受けた。 歌詞に言及されたフランスのウオッカブランド「Grey Goose」のためだった。 これが間接広告に該当して放送にはのせられないという決定を下した。 「カナダグース」は、青少年たちの高級ブランドを好む現象を取り上げたニュース報道で自然に広報が行われたが、「グレイグース」は放送電波を利用する機会さえつかめなかった。 フランスはそのような疑問の1敗を記録した。

 

同じアルバムに収録された「駆け引きの達人 Push&Pull」が審議を通過したことを考慮すれば、あっけなく感じられることだ。 「Push&Pull」にはファーストフードブランド「マクドナルド」のCMソングメロディーが使用されている。 一般の人々が分かるメロディーで、その部分を聞けば多くの人が「マクドナルド」を思い出し、ひいてはハンバーガーを食べたいという気までおこしそうだ。 それでも「Push&Pull」は商品名を直接的に言及しなかったので制裁を受けなかった。

 

エディ・キムが「グレイグース」を歌詞に書いたことが徹底的にブランドを広報する意図だったのか、もしくは音楽的表現だったのかは分からない。 背景はどうあれ、商品をが思い浮かぶような結果だけを見た時にさらに明確かつ効果的だったのは「Slow Dance」ではなく、「Push&Pull」だと断定することができそうだ。 一つは明示し、他の一つは暗示した。 不可の判定は明示した側だけに下された。 全体的な状況は重要でなく、ひたすら直接表現を重視するという基準を確認することができる事例だった。


審議は福不福(運次第)?!

 

2011年ミミ・スターズのデビューアルバム「悪いけど…これは伝説になるよ」に掲載された「ミミ」がKBSから放送不適格判定を受けた。 問題になった歌詞は「あなたに会った瞬間啞(벙어리)になった」だった。 벙어리が言語障害者を卑下する言葉という理由からだった。 ミミシス側は、他の放送局では可決されたのにKBSでのみ不可判定を受けたとして首を傾げた。

 

おかしいと感じるのも仕方ない。 ミミ・シスターズを世の中に知らしめたチャン・ギハと顔たちが2009年に発表した「月が満ちてくる、行こう」も「最初から恐れて啞(벙어리)になった少年」と、同じ様に喋ることができない人を歌詞に書いたにもかかわらず、審議を通過したからだ。 ミミ・シスターズの歌が放送不可判定を受けた瞬間にも「月が満ちている、行こう」は放送にうまく出ていた。 2年ぶりに同じ単語を置いて相反する結果が出るなど、当事者にとっては荒唐無稽でしかない。

 

この光景を通じて審議は福不福(運次第)ということを悟ることになる。 審議する人によって、その人の情緒と見解によって、同じ単語でも許諾と不許可が分かれる。 ミミ・シスターズの「ミミ」が不適格判定を受けること1ヵ月前、MBLAQの「Stay」は歌詞に盲人(장님)(「僕はすぐに去る愛に目がくらんだ장님」)という表現を使ったにもかかわらず、審議を通過した。 盲人も視覚障害人を卑下して指す言葉だ。 ミミ・シスターズがこの事実を知ったら本当に悔しがっただろう。

 

楽童ミュージシャンも「耳にかければ耳飾り、鼻にかければ鼻飾り」式の審議の被害者だ。 2014年に出したデビューアルバムの中の「Galaxy」はKBSからタイトルで使用された単語の反復がスマートフォン広告と映る恐れがあるとし、放送不適格判定を受けた。 これとは違って、LADIES' CODEが2016年に発表した「Galaxy」にはどのような制約も加えられなかった。 LADIES' CODEの歌ではグローバル大手企業の香りが感じられなかったのか?

 

思い出の場所は思い出の中だけで大切にしよう


防弾少年団は2015年に発表した「Ma City」を通じ、メンバーたちが住んでいた地域を称賛した。 J-HOPEは光州、SUGAは大邱、ジミンは釜山、ラップモンスターは京畿道一山などを自慢した。 ところが、この中のラップモンスターの歌詞が問題になった。 "ラフェスタ"、"ウェスタンドーム"など、一山にある総合ショッピングモールのブランドを取り上げたことで、歌は放送不適格判定を受けた。

 

昨年末LOCOが発表した「残っていて」もKBSの敷居を越えることができなかった。 LOCOは自分のファンに感謝の気持ちを伝えるためにこの歌を作った。 ファンたちと一緒に呼吸を交わした舞台を思い浮かべる内容は良かったが、"ブイホール"、"ローリングホール"、"アックスホール"など、弘大地域のクラブを列挙した部分が不適格事由になった。 昔の事を回想しただけなのに、店の広報の汚名を着せられた。

 

彼らが受けた排斥の動きを通じてもう一つの事を学習した。 思い出を話す時は適当に具体的でなければならない。 町や距離程度はかまわないが、正確な場所を取り上げてはならない。 創作者の意図は重要ではない。 審議の物差しは冷酷だ。

 

日本語はありえない

 

昨年秋、ソヌチョンアの「ツンデレ」とラジオ作家でありシンガーソングライター・グジャヒョンの「新しい可楽珍島アリラン」がKBSから放送不可判定を受けた。 ソヌチョンアは日本語合成語を使ったタイトルであること、グジャヒョンは歌詞の中の桜の日本語の表現である「サクラ」を使ったためだ。 2人の歌手は放送局が許さない日本語選択で"ペンチ"を食らわされた。
(訳注:韓国語の「ペンチ」は和製英語のペンチから来た言葉)

 

韓国の放送界は日本文化についてまだ寛大ではない。 痛恨の植民地の歴史を忘れられられないので当然だ。 ところが日本の歌や映画は放送しないのに、日本の料理や観光地は着実に紹介する姿はとても皮肉なものだ。

 

日本語はたびたび遮断されるが、英語で綴られた歌は放送にうまく出ている姿を見ると、残念極まりない。 このような歌が積もり積もるほど、私たちは英語に対して鈍感になる。 実はすでにそうなっている状況だ。 韓国では国語だけで構成された歌を見るのが難しいというのは、おかしいながらも怖い事だ。 文化の植民地化がこのように行われているのだ。

 

ドラマはいいけど、歌はダメ

 

歌で商品や営業所の名前をそのまま歌詞に表出するのは、リアリティを浮き彫りにするためである。私たちの周りに存在する物品や建物、大衆に馴染みのある商号が濾過せずに露出されれば、聞く方はこの歌詞を通じてリアルを感じられる。この時、歌はフィクションではなく、本当の人生の物語に迫る。リスナーとの日常的な部分に共感を求める意図であるだけであって、特定のブランドを促進するための作詞は決してないだろう。

 

地上波放送のドラマを見ると、間接広告が波をなしている。主人公がアルバイトをする店や主人公の家族が外食をする飲食店はことごとくフランチャイズチェーン店である。彼らの背後には、常に会社のロゴと名前が鮮明に位置する。言葉だけが間接的なだけでそのままの広告と変わらない。俳優たちが演技で製作に協賛する企業の製品の説明をしている場合も数多い。

 

ドラマとは違い、歌は言及が許されない。 このような異なる様相は、物質的援助によって左右される。 この会社はドラマの制作を支援したので商品名を放送してよいが、この歌の中のブランドは自分の放送局に何の得も与えなかったから放送させない。 放送に実質的な支援があったら広報の目的を達成できるようにしてくれるだろうが、広報が目的でなくても、放送に何の特にもならなければ邪険にされる。

 

昨年下半期から最近までの間にEXOの「Lotto」VIXX RAVIの「Ladi Dadi」、Geeksの「Divin'」、K.A.R.Dの「Oh NaNa」などがKBSから放送不適格判定を受けた。 前の二つの歌は"ロト"に、後ろの二つ曲は"インスタグラム"に言及したからだ。 これらの曲より先に出たWonder Girlsの「Sweet&Easy」は"ヌテラ(nutella)"が入っていたために放送不可判定が下された。

 

商標を扱った歌が繰り返し放送されれば、ややもするとブランド公害になる場合もある。 したがってある程度の制裁は必要だ。 しかし、歌詞の全体の流れを無視したまま単語のいくつかだけを取り上げて広報意図と断定して放送を禁止する行動には、苦笑せざるをえない。

 

だからと言って卑怯な方法にはしないこと

 

歌手と事務所各社は、本人の歌や所属ミュージシャンの歌が審議に通ることができないか、もういい加減分かっている。 歌詞に卑俗語、中傷、ブランド名などが入った場合、引っかかることを予想して審議を受けることを諦める人も多い。 しかし、どのような判決が出るか知っていながらもあえて審議を申請する場合もある。 放送局で非適格判定を受けた歌を発表すれば、新聞社がその結果を報道するので自然な広報を狙うのだ。 宣伝の新たな手段ではあるが、見ていてはあまり気持ち良くはない。 このような卑怯な方法にはしないことを望む。

 

ハンドンユン


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ミミシスターズは初期のチャンギハと顔たちのサポートメンバーで、コーラス等で参加していた女性デュオです。

 

KBSがNHKみたいなものと考えると商品名NGは分からなくもないですが、特にヒップホップ関連だとリアリティを出すために歌詞に固有名詞を入れるのは他のジャンルよりよくあるので困りものですね。潔くミュージックバンクは全部捨ててる事務所もありますが。

【ize訳】SMと「知っているお兄さん」が出会うとき

【ize訳】SMと「知っているお兄さん」が出会うとき
2017.04.05


http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017040421287290130

 

JTBC「知っているお兄さん」の出演者のうちカンホドン、キムヒチョル、ソジャンフン、イスグン、キムヨンチョルはSMエンターテインメント(以下、SM)及び関連系列会社、またはMYSTICエンターテインメント(以下、MYSTIC)所属だ。 「知っているお兄さん」のチーフプロデューサーで、JTBC退社後も制作に参加しているヨウンヒョクPDもMYSTIC所属だ。 SMがMYSTICの持株28%を取得し、筆頭株主になった効果はこのように即時に出ている。MBC「ラジオスター」やはりMCのうちの半分が両社に所属している。 もちろん、長期的には両社所属のミュージシャンたちの活動がもっと期待される可能性もある。 だたひとつだけは確実な事がある。 そのミュージシャンたちも「知っているお兄さん」と「ラジオスター」のような芸能プログラムが必要だ。

 

「無限に挑戦」、KBS「ハッピーサンデー」の「1泊2日」のような人気の週末芸能プログラムは固定の出演者中心だ。ナヨンソクPDが率いるtvNの芸能番組も同じだ。 MBC「夜」の「覆面歌王」は、一度出演すると再び出演できるかは曖昧である。芸能プログラムは多いが話題になるプログラムは少なく、その中でミュージシャンが出演するほどのプログラムはより多くない。ところが「知っているお兄さん」と「ラジオスター」は、ゲスト中心のプログラムであるうえ、話題性が高い。プログラムが起こした議論とは別に、「ラジオスター」でのゲストの発言は翌日ポータルサイトのメインを飾る。去る3月25日「知っているお兄さん」に出演したガールズグループGirls Dayの映像は、ネイバーTVキャスト公開直後のリアルタイム映像視聴上位を独占した。人気ミュージシャンも、所属会社と放送局の関係に基づいて芸能番組出演が困難な場合があることが厳然たる現実だ。このような状況で、SMとMYSTICのミュージシャンは少なくとも不利益なく両方の番組出演を打診することができる。

 

赤い頬の思春期は「知っているお兄さん」や「ラジオスター」に出演していなくても音源チャート1位に上がった。しかし、彼らが歌ではなく自分自身を世間に知らせる為には人気芸能プログラムへの出演が必要だろう。DOK2をはじめとする人気ヒップホップミュージシャンたちも、Mnet「SHOW ME THE MONEY」出演の前と後では話題性が異なっている。それ位に公演やCFなど、音源販売以外の売上高は爆発的に上昇する。ある大手芸能事務所の関係者は、「現在の音楽業界で最も大きく安定した収益は海外を含めた公演市場で発生する」とし「そのためには韓国で最低でも数千人以上の観客を集めることができるほどの人気がなければならない」と述べた。最低でも数千人が見に来るような公演になるには、それだけ多くの人が公演にお金を出すくらいそのミュージシャンの事を好きにならなければならない。人気芸能プログラムは、ミュージシャンの認知度はもちろんキャラクターまで与えることができる。韓国で積んだ人気が海外公演の土台になるのはもちろんである。 SMとMYSTICの戦略的提携で、両社のミュージシャンは自分たちの音楽をより多様な方法で試すことができる。人気芸能番組制作に利益を出すこともできる。しかし根本的に、これは音楽と芸能プログラムを結合させたビジネスモデルの完成に近いものである。

 

SMとMYSTICの前にすでにFNCエンターテイメント(以下FNC)が、ユジェソク、チョンヒョンドンなどを迎え入れた。 YGエンターテイメント(以下YG)は最近、人気の芸能番組PDと契約した。 SMはMYSTICとの提携により、一気に人気芸能プログラムへの彼らの影響力を強化した。3社はすべて所属の人気グループが海外進出を介して得られた莫大な収入で俳優と芸人を迎え入れており、さらには番組制作に必要な基盤まで用意した。そして、再び所属のミュージシャンがこのプログラムを通じた広報の機会を得るだろう。今はSMのアイドルグループが「知っているお兄さん」や「ラジオスター」に出演する程度のことができる。しかし数日後には地上波や総合編成、またはケーブルチャンネルでSMやYGが製作した新しいバラエティ番組が放送されることもありうる。あえてMnetなどの音楽専門ケーブルチャンネルの力を借りなくても、という意味だ。そして偶然にも、YGは最近ネイバーから1000億ウォンを投資された。 YGのミュージシャンは、今後ネイバーをプラットフォームに同じ所属事務所のPDが制作する芸能番組に出演することもあるだろう。

 

もちろん、SMやYGの歩みがエンターテインメント業界の支配者になる為の唯一の答えではない。結局、勝負は所属ミュージシャンが海外でどのように大きな売上を上げるかによるだろう。芸能プログラムは輸出に限界がある。ドラマは海外での反応が以前とは同じではないうえ、主要な輸出国であった中国との関係が悪化した。結局、成功の鍵はどのように収益性の大きなミュージシャンを誕生させるかにある。ただしSMやYGは音楽業界をTVエンターテインメント業界と結合し、それらにとって最も有利な状況を作って行っている。そして、他の企業には選択の瞬間が残った。MYSTICはSMとの戦略的提携を通じて、より多くの影響力を持つようになった。これは、ある程度所属芸能人らのラインナップが整った会社がすることができる選択肢の一つである。しかし、もしもこれを望まないならば、またはそもそもこのような機会もない会社であれば、どうすればいいのだろうか。果たして韓国の音楽ビジネスが今後SMとCJ E&Mとネイバーを通じなくても、何かできるのだろうか?これまでもそうだったが、今後はさらに不可能かもしれない。


文 カンミョンソク
校正 キムヨンジン


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2年くらい前にYGが構成作家もできる芸人さんたちを複数迎え入れてましたが、こういう事のための準備だったのかなという記事でした。
(すでに「コンノリペ」はYG製作のバラエティだった気がしますが)
SMが大物MCを連続して迎えたのに対してYGはコンテンツを製作する作家から迎えたという違いが面白いですね。FNCはMCもできる人気芸人さん寄りかな。

 

しかしネイバーから1000億投資はすごいですね。YGは数年前にはルイヴィトングループからも投資を受けてましたが。
そういえば数年前に各韓国TV局が国内へのYoutubeでの配信をやめて全部ネイバー配信に切り替えたというニュースを見ましたし、動画配信を制するものがなにがしかを制するのかな...。

質問箱お返事 (2017/4/13〜4/14)

質問箱のお返事です。

 

f:id:djmusmusculus:20170414213610j:image

 

「(iKONは)韓国で人気がないとききます」の基準がよくわからないのですが、人気って何が目安になるんでしょうか? 何かと比べてという事なんでしょうか。露出量の問題でしょうか。naverのファンカフェ人数でしょうか。それともなんとなくの雰囲気的なものなんでしょうか。

 

イメージだけだと漠然としすぎてよくわからなかったので、iKONの韓国内活動をデビュー時からまとめてみました。

 

2015.9.15 プレデビューシングル「My Type」リリース
2015 9.13〜19「MyType」Gaonデジタルチャートトリプルクラウン(デジタル・DL・ストリーミングでウィークリー1位)
9.24 デビューアルバム「Welcome Back(Half)」発売
9.26 音楽中心 1位(デビューステージ前) 「My Type」
9.27 人気歌謡 1位 「My Type」
10.3 1万人規模のデビューコンサート「SHOWTIME」開催(オリンピック室内競技場)
10.4 人気歌謡にて「Rhythm Ta」「Airplane」TVデビューステージ(My Typeで1位)
10.8 Mカウントダウン「Rhythm Ta」1位
10.4〜10 「Welcome Back(Half)」Gaonチャート音盤売り上げウィークリー1位
10月度 Melon All-kill ポピュラリティアワード受賞
11.26 「Apology」「Anthem」リリース
11.29 人気歌謡 1位「Apology」

 

2016.1.14 /21/28 Mカウントダウン1位(トリプルクラウン)「Dumb&Dumber」
1.30. 31 iKONCERTツアー ソウル
2.27 大邱
3.5 釜山
5.30 #WYD リリース
(Gaon5.29〜6.6 ウィークリー3位)
9.8 BobbyとWINNERミノのユニットMOBB デビューアルバムデジタルリリース
(Gaon 9.4〜9.10 ウィークリーデジタル「HOLUP!」9位「BODY」13位 9.18〜24 ウィークリー音盤2位)

 

個人活動(ソロフューチャリングバラエティなど)と国外活動(ツアーやアワードなど)は入れていませんが、何か抜けがあったらすみません。


その他、韓国内新人賞5つにGaon今月の歌受賞等、2015年10月にデビューしてから新人グループが数年かけて成し遂げるべき目標であろう新人賞・地上波音楽番組1位・音源&音盤デイリーもしくはウィークリーチャート1位・1万人規模国内コンサート・韓国内コンサートツアー、更には各種企業CM出演やブランド協賛など、ほぼ全てをデビューしてから3ヶ月以内に達成しているんですね。多くのグループはこのあたりを達成するために1・2年かけて韓国内でこまごまと活動(曲のリリースはもちろん各種イベント・サイン会・ミニライブやTVラジオ出演など)をする必要があって、それがイコール韓国内活動の頻度になるんだと思います。概ね目標=売り上げ達成が出来てある程度「人気が出た」時点で国外活動に力を入れ始めると思うので、順序的にはiKONが2016年に国外活動を本格的にスタートさせたのも決して時期尚早ではなかったんじゃないでしょうか。ただその達成スピードが異常に早かったので、「まだ新人なのに国内をおろそかにして国外活動ばっかりしていいのかな?ファンが減るのでは?」というような見られ方をしてしまうのかもしれません。でも要するに、事務所的にはある程度の国内での目標を達成してしまったので、単純にその後はある程度国外のファンドムを拡大するための活動に力を入れる事になったのではないでしょうか。実際2016年はファン向けデジタルシングルのリリースと各個人活動、ユニットのMOBB活動以外は日本と中国活動がメインでしたが、それでも彼らはデビューしてまだ1年半しか経ってないんですよね。音楽活動ペースとしては実はEXOと大して変わらないと思います。(MAMAが出てからWolfのアルバムXOXOがリリースされたのは1年2ヶ月後でした)

 

個人的にYGのアイドルが他のアイドルと決定的に違うと思っているところは、一般的に新人グループはデビューしてからまず第一目標としてファン=オタクをある程度増やしてファンドムを形成し、1位をとってそれからオタク以外の一般層に認知が広まっていくのが普通だと思うんですが、YGのグループはデビュー即音源1位を取れるくらいに一般層からの注目度が高くて、特にWINに出場したWINNERやiKONは各種オーディション番組のおかげもあってデビュー後いちばん大変な部分が一足飛びだったんじゃないでしょうか。
(AKMUやWIN組の時はTVの影響もあるのかなと思っていましたが、事前露出がCMや先輩のアルバム曲のフューチャリング・MV出演くらいだったBLACKPINKもデビュー曲で一気に人気が出たので、必ずしもTVのおかげだけではないと思います)
WIN-SMTM3-MIX&MATCHという2013年からの蓄積があるので、すでに生まれた時から一定数のファンもついているし韓国の一般人にも知られているという。むしろアイドルは興味がないという一般人からの人気や認知度が先行していて、そこの中にドルオタも含まれているというか。だから「人気」の物差しが他の同じくらいのキャリアのアイドルとはちょっと変えないとよくわからない気がします。特にドルオタ界隈にいる場合は特有の空気とかコンセンサスのようなものがありますけど、数字は(大体の場合は)嘘をつかないので。


現地ファンの数は現地活動の頻度にどうしても左右されますから、海外での活動が増えた結果現地ファンがある程度減るのは仕方ないと思いますが、事務所的にはファンの数を本国と海外で分けてなくてトータルで見ているという事なのかなと解釈しています。またカムバすれば当面は国内活動が主になるでしょうし、実際今のiKONの国内人気がどの程度なのかは次のカムバが来ないとわからないんじゃないでしょうか。まだアルバム実質1枚しか出してないですし。

 

WINNERとiKONの国外活動に関しては、デビュー前後にあらかじめヤンサが「WINNERは日本、iKONは中国で国内活動と同時に活動させる」とか言っていた気がしますので、iKONのメイン国外活動先が中国から日本に移った以外は一応当初の予定通りなのではないでしょうか。(現状を見ると、iKONのメイン国外活動先をわりと早々に中国メインから日本に変えたのは慧眼だったのかもしれないとも思います)

 

WINNERも韓国内活動に関してはデビュー時から数ヶ月でほとんどの新人が目指す目標を達成してしまった事はほぼ同様だと思いますが、こちらの国外活動の方はより日本語能力のブラッシュアップを同時に目的にしているのかなと思います。YGは本国アルバムの曲を全て日本語バージョンにしてほぼ同じアルバム内容で日本でリリースしていますが(EPIKHIGHとかは除きます)、そのアルバムを軸に最初から通訳なしで日本国内をツアーさせるという、考えてみたら日本語に関しては新人相手とは思えないスパルタだなと思います。しかしこれもひとえに「アルバム曲を外国語でパフォーマンスする以上は、ある程度意味がわかって歌う方が良い」というのが根本にあるのかな?と個人的には思っています。外国の歌手が日本語で歌う時のいくつかの気まずい感じの原因のひとつに、「日本語の歌詞の意味がわかって歌っているんだろうか。わかってないなら原語のままでいいのに...」というのがあるんじゃないかと思うんですが、歌い手の日本語能力が上がっていくにつれてその辺りの「微妙な感じ」がだんだん緩和されていく感じがします。わかって歌ってるのが伝わるようになると聴いてる方もナチュラルに受け入れられるようになるというか。WINNERの曲はYGにしてはアコースティックなものも多いしそういう曲ほど歌詞の理解度が重要視されると思うので、長いスパンでの日本活動を目標としているならWINNERの方がより日本語が出来なきゃ(事務所的には)ダメだと思っているのかなと。実際、WINNERもiKONも日本ツアーの最初と最後の方を比べると、すごい速度で日本語がうまくなっていっていますよね。WINNERリーダーのカンスンユンは最初からかなり喋れてましたが、この1・2年で他のメンバー間の日本語能力差も縮まってきている感じがします。

 

WINNERの場合予期せぬ大きなアクシデントがあったり新人にしてはリリース期間が空いたりしていましたが(これは曲ができるまではリリース目標をたてないというYG所属歌手全員の宿命であって干すだの干されるだのという問題では全くないわけですが、会社の特殊事情を知っていないと理解できずにそう思う人もいるかも)カンスンユン・ソンミノ・イスンフンという韓国での一般認知度が高いメンバーが揃っているので、空白があってもその間それなりに個人活動の仕事があったり音楽パフォーマンス以外の仕事もこなせるようなのがとても幸いな事なんじゃないかと思います。あと何故か中国ではそんなに活動していないのにかなり人気があるみたいですし。でもこちらも考えてみたらデビューしてまだ3年も経ってないんですよね。それを考えるとまだまだこの先やる事ややれる事はきっとたくさんあるんだろうなあと、そういう印象です。

 

正直昨年の12月ごろに考えてたらどうだかわからなかったですが、つい最近のWINNERのカムバがすごくよかったし今も順調にヒット中なようなので、今はかなりポジティブなイメージを抱いています。

 

【ize訳】ファンサイン会に来れば全員がファンなのか

【ize訳】ファンサイン会に来れば全員がファンなのか

 

2017.04.12

 

http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017041122347273348&pDepth1=i2401

 

最近のガールズグループのファンサイン会では様々な事件が起きている。 ある男性がガールズグループGFRIENDのファンサイン会に隠しカメラを設置した眼鏡をかけてきたことだけではない。 いくつかのガールズグループのメンバーたちは頬をつねられ、また他のガールズグループのメンバーは外見についてオープンな場で個人攻撃を受けた。 ボーイズグループのファンサイン会でもファンがアイドルの発言を密かに録音したり、受け入れがたい不可思議な贈り物をあげるなどの事件が起こることもある。 しかし、ガールズグループを隠しカメラで撮影しようとするのは、日常で行われる女性に対する性犯罪を連想させる。 ガールズグループのメンバーたちはファンサイン会でスターとしてだけでなく、社会で女性に加えられる犯罪の危険にも晒される。

 

「◯◯よ、金を稼がなきゃいけないだろう」あるファンサイン会でファンが自分が準備した衣装をガールズグループのメンバーが着用しなかったという理由で言った言葉は、ガールズグループのファンサイン会で行われる一連の事件を説明する手がかりだ。 ファンサイン会に応募するためにアルバムを買ったからと言って、ガールズグループメンバーに「お金に値するもの」を要求する無礼さ。さらにはファンサイン会を、お金を払って性犯罪予備軍にとっての多分な行動が可能な機会にする犯罪者。 彼らにとってガールズグループのメンバーは好きな芸能人ではない。 彼らはガールズグループメンバーたちにお金を出せば無礼な言動、さらには犯罪行為までしてもよいと考えている。 社会で公に言えば非難を受けるような女性嫌悪を、この一群の男性たちはファンサイン会というオープンなイベント内で犯している。 ガールズグループのメンバーはファンという理由から、よほど無礼な行動でも我慢して提供するしかない。 GFRIENDのイェリンが隠しカメラを発見した際、彼女は犯罪者の眼鏡をすぐに奪うことはできなかった。 代わりに彼の目を褒めて眼鏡を外すように促した。 このような状況でアイドルは、自分の推測が正しくない場合ファンに無礼な行動をしたという非難を受ける状況に置かれている。

 

ガールズグループのファンサイン会に参加する男性ファンで、このような場合は一部にすぎない。 眼鏡に隠しカメラを設置してくるような犯罪者は極めて少数に過ぎない。 しかし、あるガールズグループのファンサイン会で特定のメンバーに対する個人攻撃があった時、その場にいたファンたちは彼を制止する代わりに同調したり笑ったりした。 インターネットではファンの無礼な態度に泣いたガールズグループメンバーに対して「芸能人はその程度は我慢しなければならない」などという意見を目にする事は難しくない。 これも一部とは言える。 しかし、隠しカメラのような犯罪や無礼な言動に対する集団的な自浄の動きもない。 代わりにGFRIENDのファンサイン会事件について、「隠しカメラとファンサイン会でカメラを持って撮影する事の差は何か」という発言がSNSやインターネットコミュニティに掲載されたりもする。 女性たちを盗撮した写真と動画を掲載した性犯罪サイト・ソラネトの捜査や閉鎖を反対したり不可能だろうと断言してきたあらゆる男性たちの反応が、ガールズグループの問題でもほぼ同様に繰り返される。

 

最近デビューしたガールズユニットPRISTINEの所属会社では、最近ファンサイン会に来るファンたちに次のような告知を出した。 メンバーたちには敬語を使う、無理な要求は自制すること、頬をつねるような直接的な接触は慎むこと。また、メンバーにプレゼントしたいものはスタッフに渡して、答えにくい質問は自制してもらうこと。人が人に会う際に守るべき最低限のアドバイスだ。

 

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[ガイド事項]

1、私たちお互いにきれいな言葉、敬語で話しましょう。

2、PRISTINのメンバーたちに対するあまりにも無理な要求は自制してください。

3、PRISTINメンバーの顔にステッカーを貼ったり頬をつねるなど、直接的なタッチはご遠慮ください

4、用意してきたカチューシャなどは、STAFFに渡してくださればメンバーが着用できるようにお手伝いいたします。

5、用意してきたポストイットにとても意地悪な質問や回答しにくい質問を書くのは避けてください 。

例)家族の話、メンバーたちのプライバシー、ボディサイズなど

 

PRISTINとファンの皆さんの大切な時間ですから、お互いの協力のもとで良いファン文化を形成し、ファンサイン会文化を作って行きましょう〜❤︎

 

しかし、多くのガールズグループ所属事務所はこのような立場すら示さない。彼らにとってファンサイン会は収益だけでなく、ガールズグループの人気を証明できるアルバム販売量と直結するイベントだ。 多くの所属会社は、購買力と情熱を同時に備えたこれらのファンたちに対して最低限の線引きもしない。 その間、ファンサイン会参加者の中で誰かはアイドルにタメ口をきき、お金を稼ぐために要求を聞いてくれと言い、眼鏡に隠しカメラをつけた。 だから本当に基本的な話からしなければならないようだ。 ガールズグループのファンサイン会は、ガールズグループのメンバーを見られる機会だ。 しかし、お金を出したのだからといって何でもできるという意味ではない。 そして隠しカメラはそのまま犯罪だ。 これがそのように理解し難い事だろうか。

 

文 カンミョンソク
校正 キムヨンジン

 

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ソラネト=カナダや米国にサーバーを置いている韓国の成人向けサイト。サーバーが置かれた国の法律が適用されるため、入り口に成人かどうかをたずねる項目はあるが具体的な認証は必要でなく、未成年も閲覧できてしまうことが問題になっているらしい。


日本でもですが、接触イベントは何かあった時色々と難しいですね。しかしこれって女子に限らず男子グループでも散見される問題じゃないのかな...?PRISTINのガイドライン、ほとんどが男子グループでも割と普通に見られる光景ですよね。セクハラではなくても好きじゃないメンバーに失礼な態度を取ったりCD投げたりとかもききますし。日本での某男性アイドルのイベントでも卑猥な言葉をボードに書いて見せた人がいたのが問題になっていたような...Kドルに限りませんが、女性アイドルが対象だとセクハラ認識が容易だけど男性アイドルが対象だとまだ問題にされにくいのでしょうか。女性お笑い芸人がTVで男性アイドルに(芝居上でも)触るのはファンが騒いで問題になったりもしますけど、撮影の線引きとかマナーとか、ファン同士の自浄で全てどうにかなるのは韓国ペンドム界の歴史的文化的にも難しいと思うので、そろそろ男女グループ共に事務所がある程度ガイドラインを決めた方がいいんじゃないかという気がします...こういうのってデビューしたての最初にしっかり決めておくのが肝心でしょうから。

質問箱お返事 (2017/4/10〜4/12)

質問箱お返事(〜2017/4/12)

 

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当然といえば当然だと思いますが、会社がデビューさせるときに選ぶ子達や、グループを作り出すクリエイティビティが多くの人に支持されるくらい魅力があって素晴らしく、そしてその代わりがいないからではないでしょうか。グループのファンにとっても大衆にとっても、個々のメンバー達への思いを超えた部分で会社の企画力やクリエイティビティそのものへの信頼が高いという事ではないかと思います。自分たちが好きなのは会社が選んで、会社が組み合わせて、会社がイメージや曲をパッケージングして作り上げた商品のようなものなわけで、同じ材料や同じやり方でも他のところで同じものが出来るというわけではないでしょうから。もちろんファン全員が同じ意見ではないと思いますが、現状韓国でのアイドルというものが会社の企画なくしては存在しえないものである以上、会社とアイドルの関係についてなにがしかの不満をもっていてもファンはやめない・やめられないというのは、それぐらいの魅力を生み出す能力があるからとしか言いようがないと思います。

 

アンバーの件に関しては「何か辛いことがあるのかな。会社との事かな」等色々な想像はできますが、実際には内情が何も公になっていないので、何かを言いたくても漠然としてどこの何を批判したらいいのかすらよくわからないレベルの事だと私自身は認識しているので、彼らが苦しんでいる姿を見るのは辛いなという以外の事は言えません。今までの事から個人的な推測はできますが、たとえ何人が同調しようと推測はあくまでも推測にすぎないので、まるで真実を知っているかのように思ってしまうのも自分的には怖いです。

 

ただ、SMが全盛中の全盛を極めていた2010年代前半よりも関係者やアイドル自身が自由に発信できるツールや機会が増えていろんな事がオープンになりやすい時代になってきていたり、ファンや大衆がアイドルに求めるものが世相やファンドムの世界的世代的な広がりによって少しづつ変わってきているとは思うので、「会社の企画によって完璧にコントロールされ作り上げられたアイドル」というSMが得意な手法について、やり方を少々考えなければいけない時期なのかもなとも思います。そういうアイドルって、見る方としてはどうしても魅力的ではありますが...アイドルのやりたい事や自由は人として尊重したいけど、非人間的なまでに完璧にコントロールされた(そしてそれを普段は感じさせない)姿だからこその魅力もある。そういう矛盾ありまくりのSMEグループオタの苦悩というのは珍しくない気がします。

 

SMEロールモデルにしてきたという某日本の芸能事務所と同様に、SMEのアイドルというのはアイドルの美しさと矛盾と残酷さと尊さの結晶体のようなものだと思う時があります。だからこそ今でもトップでいられるような熱烈な支持も批判も受けるのかもしれないと個人的には思っています。

 

 

【melon mag訳】<アイドル探求生活> アイドルグループのリーダー一斉表示:ボーイズグループ編

【melon mag訳】<アイドル探求生活> アイドルグループのリーダー一斉表示:ボーイズグループ編[ウェブマガジンウェーブ]

2017.3.24

 

http://m.app.melon.com/musicstory/detail.htm?mstorySeq=4753&ref=twitter&snsGate=Y


アイドルグループが長い間命脈を維持するためには、頼もしいリーダーが必要だ。 1990年代後半から2000年代序盤までは「最も年長のメンバー」がリーダーの役割を引き受けるのが慣行だった。 しかし時代が変わり、グループリーダーを決定する基準にも変化が生じた。 アイドル市場が急速に拡大しほかのグループとの差別性が最も重要な生存条件となったため、以前とはやや違う傾向が生まれ始めたのだ。

この時から、本人が持つ音楽的な力をもとに、チームが追求する音楽的な色彩にある程度責任を持つことのできるメンバーのリーダーという役割が与えられた。 ここに2006年にデビューしたBIGBANGのリーダーG-DRAGONから現在最も人気が高いグループである防弾少年団のリーダーラップモンスター、2015年にデビューし、トップへの跳躍を準備中のSEVENTEENボーカルチームリーダーウジなど、各自チームのために奮闘しているリーダーを集めてみた。 一様に音楽、演技活動など自分だけのキャリアを積んで行っている最中だ。 あ、ここにいないからといってあんまり残念に思わないでほしい。紙面の都合上全員は取り上げられないというだけだ。

 

SEVENTEEN/ウジ(ボーカルチームリーダー)


SEVENTEENには合計3人のリーダーがいる。 13名のメンバーが3つのユニット(ヒップホップ、ボーカル、パフォーマンス)に分けられ、それぞれのユニットに個別のリーダーがひとりずつ存在する構造だ。 この3チームを総括するリーダーはヒップホップチームリーダーであるS.COUPSだが、今日だけはボーカルチームリーダーであり、SEVENTEENの音楽プロデューサーであるウジを紹介しようと思う。

 

S.COUPSが主にチームの雰囲気をリードしていく役割だとしたら、ウジはSEVENTEENの音楽的な色彩を描いていく役割を担っている。 実際にウジとともにSEVENTEENの音楽プロデュースを進行するボムジュ(BUMZU)は「ウジは主にSEVENTEENのカラーについて悩む」と話していたことがある。 またウジは、所属会社の後輩であるチュギョルギョンとイムナヨンが属していたI.O.Iに「夕立」という曲を作ってプレゼントしたりもした。 歌謡界に定着したばかりの青い若芽リーダー、ウジの安定した活躍を期待したい。

 

選曲リスト
「아낀다 ADORE U」17CARAT(SEVENTEEN)
「예쁘다 PRETTY U 」LOVE&LETTER(SEVENTEEN)
「夕立」(I.O.I)

 

防弾少年団/ラップモンスター


2017年3月現在、世界各地で最も熱烈な歓呼を受けている韓国のボーイズグループをあげるなら、断然、防弾少年団だろう。 防弾少年団を製作した所属会社代表兼プロデューサーパンシヒョクはある番組で、リーダーラップモンスターについて「アイドル」と断言しながらも、彼が着実にレベルの高い音楽を聞いて作りだす事を強調した。 そしてラップモンスターはこの期待に応えていると言うに値する結果を発表し、引き続き成長に向かっている。

 

彼は優れたラップの実力を見せるだけでなく、誠実な音楽制作を通じて自分とメンバーそれぞれのアイデンティティをはっきりと投影した結果物を作り出している。 防弾少年団のアルバム作業をはじめ、国内外のアーティストたちとも多様なコラボを行った。 Warren Gに続き、最近はWaleと共に音源やビデオを作業して驚きをもたらしたりもした。 このようにラップモンスターは自分が最も得意なことが何か、さらに上手くなりたいことが何なのか、何よりも今この時点でやるべきことが何であるのかを判定する事を正確に知っている人物だ。

 

選曲リスト
「P.D.D 」with Warren G
「Intro:What am I to you 」DARK&WILD(防弾少年団)
「Reflection」WINGS/You Never Walk Alone(防弾少年団)

 

EXO/スホ


EXOは各種音楽授賞式で初めて4年連続の大賞という記録を打ち立てた。 しかし、初の大賞を受けた当時、歓喜に溢れる表情で受賞の感想をうたっていたリーダースホの姿はめったに多くのファンの記憶から消えないだろう。 その後、彼は数回にわたって大変な瞬間を経験しながらもチームを維持するために尽力してきており、ついにEXOは韓国歌謡界に驚くべき足跡を残したグループになった。


スホのボイスはすっきりしたイメージにふさわしく身軽だが、非常に澄んでいる。 SM STATIONを通じて公開したソロ曲「カーテン(Curtain)」、自身が主演を務めたドラマ「宇宙の星が」OST「真昼に浮かぶ星」などはそのような長所をそのまま生かしたトラックだ。 きれいで端整なルックス、そこに必ずぴったりと合った澄んだボイスが低めに敷かれたストリングの間で鳴り響けば、気持ちがリラックスする。

 

選曲リスト
「CURTAIN」SM STATION
「真昼に浮かぶ星」우주의 별이 宇宙の星がOST
「나의 영웅 (My Hero)」SM STATION


Block B/ZICO


歌謡界で盛んに「アンダーグラウンド出身」という修飾語が乱用された時があった。 これに対し、快く思わない視線を送る人が少なくなかったが、彼らさえも直ちに認めたアンダーグラウンド出身のアイドルラッパーの代表的な事例がまさにジコだ。 同じ文脈で、「ジコのラップやプロデューシング能力が優れている」という評価に対する異論はほとんど存在しない。

 

彼が率いるグループであるBlockBは、とぼけていたずらっ子揃いの気質が多分に感じられるグループだ。 ジコは自分のソロ曲を作業する時より何倍も明るい雰囲気でBlockBのアルバムを満たす。 また、彼はプロデュース全般に関与するものの、自分を前面に出すよりも各メンバーが輝くことができるような様々な曲を書いており、1曲の中に複数のキリング・パートを植めこんでおく。 これは本当に驚くべき能力である。 自分一人で輝くのは簡単でも、みんなを称えるのは簡単ではない方法なのだから。

 

選曲リスト
「JACKPOT 」Block.B
エウレカ feat.Zion.T 」Gallery
「Tough Cookie feat.Don Mills」

 

B1A4/ジニョン


ここにきてジニョンを俳優と呼ぶべきか、歌手と呼ぶべきかたまに分からなくなるような状況に達した。 昨年、ドラマ「雲が描いた月明かり」で気品と博識さをあまねく備えたキムユンソンに扮し、相手役のキムユジョンだけでなくファンをもわくわくさせたジニョン。彼は映画とコントでももっともらしくとぼけた演技で注目を集め、確実に俳優としての位置を固めた。

 

しかし、俳優である前にジニョンはB1A4のリーダーであり、アルバム全体の重要な役割を担っている人物である。 B1A4のアルバムに載るほとんどの曲を自分で作っており、2016年には「プロデュース101」を通して焦がれる少女の心情が込められた 「こんな場所で」を発表した。書く曲ごとに雰囲気が似ているという批判があるが、これは逆に彼が持つカラーがそれほどはっきりしているという意味である。とにかく彼の未来はどこにより近い姿なのだろうか。歌手?俳優?

 

選曲リスト
「이게 무슨 일이야 これは何だ?」이게 무슨 일이야 (B1A4)
「같은 곳에서 こんな場所で」Girl On Top (PRODUCE101)
「거짓말이야 嘘だ」GOOD TIMING (B1A4)


SHINee/オニュ


来年にはデビュー10周年を迎えるが、依然として名前だけを聞いてもキラキラと光が出そうなグループがある。 すなわちSHINeeだ。 そして「輝くSHINee」のリーダーオニュは、韓国歌謡界ではあまり見られない独特な音色を持っている。 優しい恋人のようでもあり、柔弱な少年の雰囲気を醸し出している特有の情緒、まるで音をいちいち書き上げるように聴こえる清潔な発音、どんなメンバーとミックスさせても違和感なく相手と調和する柔らかなボイスまで。 このすべてのものがオニュの財産だ。


オニュはこれまで独特の個性を持つSHINeeのメンバーの間で、これらをきちんとそろえて中心を取る役割を果たしてきた。 現在彼はミュージカル、ドラマなど、様々な活動を通じて自分が望む未来を作り続けている。 ここにソロアルバムを待つファンの期待まで満たしてもらえたら、歌手としても俳優としてもかなり印象的なキャリアが完成するだろう。

 

選曲リスト

「내가 사랑했던 이름 わたしが愛した名前/The Name」(Onew Feat. キムヨヌ) 2009 Year of Us(SHINee)
「잠꼬대 Please, Don`t Go 」 ROMEO(SHINee)
「밤과 별의 노래 Starry Night」Onew with 이진아(イジア) SM STATION


BIGBANG/G-DRAGON


2006年にデビューしたのだから、もう11年目の歌手だ。 キャリアがキャリアであるだけに、BIGBANG5人のメンバーが揃った完全体を見ることはあまり容易ではないのが事実だ。しかし、未だ大衆は彼らが残したヒット曲をはっきりと覚えている。 その中でもリーダーG-DRAGONが作詞、作曲した「嘘」は2007年度に最高に人気を獲得した曲の一つであり、おかげでBIGBANGは確実な全盛期を迎えた。

 

10年以上のチームを率いてきたG-DRAGONは、BIGBANGのアルバムの他にも着実にソロ作品を発表してきた。時には絶賛を、時には批判を受けたが、いずれにしろ話題にされないことはない。ここで彼は様々なファッションアイテムと自由奔放なアティテュードまでを流行させたことを思い出してみると、彼が歌謡界を越えた一つの「カルチャー・アイコン」に位置した人物であることを否定することはできないようだ。

 

選曲リスト
「거짓말 LIES」Always(BIGBANG)
「Heartbreaker」Heartbreaker
「One Of A Kind」One Of A Kind

 

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メロンらしく音楽的視点から各グループのリーダーにスポットを当てた記事でした。元記事から曲リストがmelonアプリにそのままDLできます。

 

nenuphar.hatenablog.com

 

質問箱お返事(〜2017/4/9)

質問箱へのお返事です。

 

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まず、ご質問のVIXXラビのソロ「R.EAL1ZE」についての記事ですが、Idologyの「1stリッスン」コーナーでレビューされていましたのでリンクを貼っておきます。


http://idology.kr/8336

 

4人のライターさんが感想を書かれていますが、IDOLMAKERのインタビュアーでもあり、SUGAとラップモンスターのミックステープについても過去に記事を書かれていたパクヒアさんのレビューが一番同意する部分が多かったので訳してみました。

 

パクヒア
「2016年にVIXXが出した3枚のアルバムについて賞賛し、ラビの役割が相当大きかったと言及したことがある。 ラップがかなり上手だということもあるが、ボイスとフローが特異で、ミニアルバムでもフルレングスでもアルバムを退屈させないように作る力が現れている。 しかし、残念な事に他のラッパーたちと一緒にラップをするとこのような長所が相対的に目立たない方だ。 それゆえに今回のEPにはラッパー・フィーチャーを使わない事を期待したが、叶わなかった。 収録曲'Rose'、'Ladi Dadi'はラッパーのEPとは思えないほどボーカルが主になってしまった印象を与えており、特に悔しさが大きい。 VIXXのアルバムの時やVIXX LRのアルバムの時の彼はかなり十分なラッパーだったが、ここではかえってフューチャリング陣がフォーカスを受けるようで、いたずらに残念だ。 自分をさらにアピールできるようなソングフォームとトラック構成を考えてみたらどうだろうか。 'Lean on me'を推薦することもそのような脈絡からだ。 惜しさがあるが、一応はラビが誰なのか、何が得意なラッパーなのか知ることができる曲だ。」

 

 

私が思うラビのラッパーとしての活動についてですが、アルバムに対する個人的な感想というのは嗜好の問題に過ぎなくなるので置いておきますが(正直素人だから好き嫌い以外よくわからないので)、私がラビは本当にhiphopを真面目にやりたいんだなと思ったのはSwingsのサガジショーを見た時です。ガチのラッパーに知り合いがいる、しかも結構とっつきにくそうなSwingsというのも少し驚きましたが(実際Swings自身も唯一親しいアイドルラッパーと当時は言ってましたし)ミックステープをヒョンに渡しても聴いてくれないと不満を言ってるのを見て、ああ本当に真剣にhiphopがやりたいタイプなんだなと思いました。その後もShowMeTheMoneyに出たり、Bobbyのdisにもちゃんとレスしたりとアイドルでラッパーを真剣にやりたい人としては結果はどうあれ、今の所アティテュードは100点なんじゃないかと思います。今回のソロアルバムはミックステープでもなくちゃんと売るためにリリースされたもので活動もありましたから、それなりに歌詞の制約もあっただろうと思いますし。しかも彼は今世間的にアイドルラッパーの中で注目されているジコやBobby、ラップモンスター等と違ってそもそも所属しているグループが「ヒップホップ系アイドルグループ」ではないし、事務所も元々はバラード系のソロ歌手のイメージが強い会社で先輩にhiphopアーティストがいるわけでもないですよね。これってアイドルグループにいるラッパーがソロで活動するには結構大きなディスアドバンテージだと思うんです。「ヒップホップ系アイドルグループ」でデビューするというのは良きにつけ悪しきにつけhiphopがメジャーな韓国ではhiphop愛好家や一般層からも多少は注目されるわけで、防弾少年団みたいにデビュー前後に一悶着あったり、hiphop系のメディアでネタとしていじられたり、アルバムに星1つ半つけられたりする事もありますけど、でも逆に末席にしろ「hiphop」というジャンルには一応入れてもらってるんですよね。まったく視線にも入れてもらえないよりは上昇のチャンスがある分ずっと有利なのではないかと思います。
そういう悪条件の中で始まったラビのソロ活動なんじゃないかと思うんですけど、まだ1枚目ですしとにかく続けていくことが重要なんじゃないですかね?アイドルのソロ活動って、一部例外を除けばある意味ご褒美的なところもあって、ある程度売れて固定ファンがついたグループの特権である気がします。この先もアルバムリリースや活動があるかは売り上げ次第かもしれませんが、hiphopに関してはとにかく人脈とかフリー音源でも地道に作品を世に出す事が何より重要なんじゃないかと思いますし、蓄積が「リアリティ」にもなっていくと思うので、どういう形でも続けてくれたらいいなあと思います。ラビのラップって声にもフロウにも聴いて即ラビだってわかる個性がありますよね。hiphopで活動するなら、綺麗にまとまってるけど誰だかわからないラップよりそちら方が魅力になるんじゃないかと思います。

余談ですが、今個人的に韓国の男性アイドルで一番スタイルが良いのはラビだと思っています。フォーマルからカジュアルまで最高にどんな服でも似合うスタイルだと思います。以上です。全然関係ないシメになった上にお役にたてたか謎ですが、ご質問ありがとうございました!