サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【askまとめ】⑥ファンドム・ファン活動について

使わなくなったaskのFAQまとめです。

長いものや繰り返しきかれがちなもの、資料的なもののみ抜粋しました。

 

◆ファンドム・ファン活動について


[ファンドムによる抗議活動について]

こんばんは!最近よく目にしますが、韓国国内のファンダムが抗議活動や嘆願書などを事務所に送って、それがまかり通る時もあるってことを最近知りました!日本では考えにくいことだと思うのですが……韓国ではよくあることですか?そしてそれなら仕方ないのかな?と思う時と一部の過激なファンのエゴなのでは?と感じる時もあるのですが泡沫さんどう思われますか?

(2016)


これは昔っからよくあって、特に日本人にとっては結構カルチャーショックを受けがちな事かもしれません。今よりも昔の方がすごかったんじゃないかと思います。自分もハマりたての時2PMからジェボムが辞めさせられたちょっと前だったので、この脱退でペンカ連合がJYP本社の前で座り込んで拡声器で抗議声明文を読み上げたり、おびただしい数の付箋で埋め尽くされた壁の動画を目の当たりにして正直びっくりしました。最近はそこまで派手な抗議行動はないですけど、活動の内容を巡って不買活動などはありますよね。

個人的には抗議の内容自体のほとんどが感情的なものからきてるものが多いと感じますし、あくまでアイドルはビジネスだからファンが詳しく知ることもできない金銭的個人的あるいは業界的な事情もたくさんあるはずで、自分がいるファンドムだとしてもファンのやること全部には賛成できませんが、まあこれも国民性とか社会的な文化のひとつなのかなあと思ってます。最近でも朴槿恵大統領解任のろうそくデモとかありましたし。前のaskにも書きましたが、韓国のファンは推しドルを家族みたいなものとみなしているフシがありますし...。

でも、ファンの抗議行動自体は本当にしょっちゅうありますけど、実際その通りにまかり通る事はそんなにないと思いますよ。韓国の人は日本人以上にネット上での社会的な評判を気にする傾向があるようなので、炎上には敏感ですぐに謝罪騒動になったりはしますが。ジェボムの件の時も揉めに揉めて最終的にペンカとメンバーが話し合いの機会を持つところまでは行きましたが、結局事務所は辞めた理由は公式には明らかにはしませんでしたし。大きいところではSUPER JUNIORは結成当時毎年メンバーが変わるシステムになる予定だったのが(モーニング娘。がシステムモデルだったので)ファンからの猛抗議でメンバー固定性になったというのはありますが、この時は不買運動だけでなくファンがSMの株を買ったりという事までしたそうです。これは結果的には良かった事かもしれませんけど、この時の影響かオリジナルメンバーである13人を守ろうという意識が強すぎてSJMのメンバーがコンサートでSJの曲を歌うことへの執拗な抗議行動なんかもあり、これにはメンバーが直々にコンサート中にやめてほしいと頼んだそうです。

(これは日本では結構反発が大きかったし、韓国内でも意見が分かれるところではあったみたいですが)

ファンはよく「◯◯の為に」と言って色々な事をしようとしますが、個人的にはアイドルにお金を落とす事以外のファン活動(CDや音源や関連商品を買ったり、コンサートやイベントに行ったり)以外のファン活動は全てファンの自己満足=エゴのためにやるものだと思っていて自分でもそういう自覚は常にありますし、それが究極に極端な形で出るのがこういう「抗議活動」なんじゃないのかなーとは思ってます。アイドルのファン活動って基本は趣味なので自分が楽しく良い気持ちになるためにやるわけですから自己満足で当然だし、犯罪や迷惑行為にならない範囲ならそれで良いんだと思います。でもそれを自分以外の誰かや何かに押しつけるような行為をファン活動と呼んで良いのか、自分にはわかりません。韓国では日本と違って私設ファンクラブがたくさんあってひとつの文化を形成していますので、そういうことが起きやすいしまとまりやすいのかもしれませんね。でも今は韓国アイドルのファンドムは世界中に広がっていて人気があるアイドルほど韓国のファンに負う部分は減ってきていると思いますし、同じグループのペンドムでも国や文化圏によってスタンスが違うことも多々ありますから、韓国のペンドムだけで事務所やアイドルを動かすことは以前よりは難しくなっているかもしれません。


[韓国内のアイドルファンの年齢層について]

こんばんは。ツイッターやaskでの考察、お疲れ様です。韓国ではアイドルグループによるペンの年齢層は学生が多いのが一般的なのでしょうか?最近はK-POPの文化が定着されて、その傾向も減ってきていると思いますが、社会人になると周囲の視線が冷たいから、ひっそりと応援やサポートしていると記事を見て、本国で年齢による偏見が無くなればいいなと思いました。これはアイドルに限らずアニメや漫画のオタクの世界でも似たような感じですね。あと、日本ではよく見かける好きな(もしくは気になる)グループを掛け持ちで応援するパターンって韓国では珍しいほうなんでしょうか?!

(2017)


アイドルオタクに限らず、オタク趣味全般が大人のやるものじゃないという社会的風潮がまだ日本よりも強いようには感じますね。女子アイドルを追いかけてる女性ファンや男性アイドルを追いかけてる男性ファンの対する社会的な視線も割と偏見があるようですし。日本も昔はそうだったんじゃないかと思いますが...(今でも一般人全員から100%肯定されてるわけではないと思いますが笑)韓国では◯◯オタクを◯◯オドクと言いますが、これは日本語からきた言葉のようです。

でもこれは多分、韓国の歴史や社会情勢が大きく関わっている事なんじゃないかと思います。韓国が実質的に日本と同様の民主化を果たしたのは1987年ですし、90年代後半には1997年には国家破綻の危機が訪れるほどのかなり大きな不況がありましたよね。80年代生まれのアイドルの中には両親がこの不況の煽りを受けて学生時代生活が苦しかったという苦労話が珍しくはなかったように思います。つまり「オタク趣味」というものを割とおおっぴらに楽しめるような社会的風潮になったのは、ウェブが発達したここ10年くらいなのではないのでしょうか。そもそも「子供向け」の歌手としての「アイドル」が登場してから30年くらいしか経っておらず、第1世代のソテジを見て育った世代が30代後半〜40代そこそこで、今の20代以上の親御さんが若者だった頃には「アイドル」という存在そのものがいなかった可能性が高いわけですよね。それを考えると、歴史や文化の流れも違う外国人である自分には「アイドルやオタク趣味に対する偏見がまだあるなんて!早くなくなればいいのに」とは簡単には言えないです。

日本でもアニメや漫画、アイドルを見て育った世代が子供の親になる世代になってだんだんと趣味を年齢で区切る偏見がなくなっていったように、韓国でも子供の頃にアイドルを見て育った世代の子供が社会人になる頃には「アイドルを追いかけるには学生で卒業」とか(ホムマ業はまともな社会人にはなかなか難しいと思いますが、そうでないオタ活もありますし)「アイドルのコンサートや現場に来るのは若者だけ」というような風潮はなくなってくるかもしれませんね。親子二代でホムマしたりとか笑

ちなみに日本では普通のいわゆる「カケモ」は韓国では基本的には御法度だと思います。緩くこの子やこの曲が好きって言ったりとか同じコンサートに出演している同じ会社の先輩後輩を応援したりは普通だと思いますが、例えば複数のファンドムを名乗る事は珍しいと思いますし、ホムマの掛け持ちがバレたりするとめちゃくちゃ叩かれます。ホムマクラスのファンではなくてもあまりいい顔はされないんじゃないかと思います。実際は資金繰りのために掛け持ちしているホムマも少なくないようで、時々バレて炎上したりしてますが...

最近はファンドムがグローバル化していますし、「日本でKPOPがジャンルとして定着したのは掛け持ちが普通だから」という記事が過去に韓国のメディアで出たこともありますので、「韓国以外ではアイドルの掛け持ちをしているファンは珍しくない」という理解はある程度されてるとは思いますが、サイン会の待機列で他のアイドルの話をしていたら喧嘩を売られたなどの事件もきいたりしますので、まだ気をつけた方がいい事案のように思います。


[Kドルの定義・アイドル論について]

こんにちは。泡沫さんのaskによる深い考察は毎回楽しみにしています。 さて、最近Kドルと本国や海外ペンの騒動が目立っており、日本のペンが日本で定着されているアイドル論(プラベや恋愛など)をKドルに押し付けている文章をたまに見かけます。本国でもアイドルはこうあるべきだという考えは日本のと中身は類似しているものなのでしょうか?私の中でのKドルの定義がアーティストに近いイメージがあったもので、その光景を見てやり過ぎだったり少々違和感があったり…また、所属事務所によって捉え方も違うのかなと思いました。泡沫さんが考えるKドルの定義とはズバリ、どういうものだと思われますか?

(2017)


韓国の「アイドル」の定義は殆どが日本の「アイドル」の定義がそのまま輸入されたものじゃないかと思います。むしろ日本のアイドルの定義が韓国的な情緒と合わさって、日本以上にファンとアイドルの関係が近く癒着しているのが韓国アイドルだと思います。「Kドルの定義がアーティストに近かった」と言うのはむしろほぼ真逆と言っても良いかもしれません。本国のファンの方がアイドルのプライベートが見えやすい分生活態度にまでうるさいですし、実際に介入してきます。デビュー後何年かは恋愛禁止という契約の事務所も少なくないですし、しばらくは共同生活で私生活も管理されていますよね。

日本も韓国も疑似恋愛というか擬似的なrelationship(人間関係)がアイドルとファンの関係の基本にあるんじゃないかと思います。韓国アイドルの場合ただパフォーマンスや音楽が好きというファンも国外には多くいると思いますが、本国でのコアのファン=オタクと呼ばれる層は、日本と同様全てひっくるめた「メンバーそのものが好き」という人達だと思います。メンバーへの恋愛的な感情の有無や濃度は個人差があるとは思いますが、どちらかというと「身内」だったり「家族」みたいな感覚が強いような感じがします。「家族」だから仕事の時はお金を集めて食事を差し入れるし応援グッズを作って「うちの子」を広報するし、アイドルの事も「オッパ」や愛称で呼ぶわけです。「家族」なので職場環境や私生活の態度や恋愛にはうるさいし、口を挟みます。その内容も「そんな売れてないのに恋愛してる場合か」「つきあう価値がある相手か」「大事な時期にデートにうつつをぬかしていた」「義理を通してない」とか、恋愛そのものが駄目というよりは(内心するなと言いたい気持ちもあるとは思いますが)やり方自体へのクレームが多いイメージです。

日本の方は「リアルで恋愛するのは仕方ないけどファンにはそういう面は見せないで欲しい」という、見せるべき部分とそうでない部分を選別して見たいところだけを見させて欲しいという要求が強いように思います。「ミッキーは人前では決して頭をとらないんだよ」というやつですね。実際日本の男性アイドルは明確なスキャンダルが世に出ても事務所が公式に認める事はほぼないですよね。それによって事実はどうあれ(実際そうだろうなと思ってはいても)ファンとしては「公式が認めたわけじゃないし見なかった事にしよう」という風にも考えられるんだと思います。既婚の現役アイドルもSNSや公の場でおおっぴらに家族について話したりする事もほぼありませんし、それによってファンとも関係を続けていけてるんじゃないでしょうか。日本のアイドルファンドムはプライベートとビジネスのはっきりとした区別を望みますが、韓国のアイドルファンドムはアイドル本人の生活態度やプライベートでの過ごし方自体の品行を求めるという傾向の違いがあると感じてます。

(男性と女性で違いはあると思いますが、今回は主に男性アイドル関係の事としてお答えしています)

しかし韓国アイドルの歴史は日本に比べたら長くないですし、除隊後や結婚するような年齢までアイドルを続けられるようになったのは本当にここ最近だと思います。デビューしてしばらくはアイドルとファンドムの年齢が若いので疑似恋愛的な関係でもうまくいくでしょうが(献身的なサポートも一番必要な時期なのでそういう吸引力もある部分では必要だろうし)双方大人になった時の事をまだあまり経験してないので、アイドルも事務所もファンも仕事とプライベートとファンとの関係のバランスの取り方をまだはかりかねているんじゃないかと思うんです。これから徐々に各事務所の落とし所を見つけていくんじゃないでしょうか。現役アイドル同士で公式で熱愛を認めたのはHIGHLIGHTのヨンジュニョンと元KARAのハラが初めてだそうですから結構最近ですよね。

ちなみに事務所別だと現役アイドルの熱愛を公式に認めた回数では多分SMが断トツじゃないかと思います。EXO以上のグループは東方神起以外全グループ1回は公式熱愛が出た事があると思います。デビュー3年目でも事務所が公式で認めた事もあったので、特に恋愛禁止でもない様です。しかしSMのファンはアイドルにクリーンな品行方正さを求める傾向が強いようにも感じますので、その辺の衝突は起きやすいのかもしれません。

YGは恋愛NG期間がありますが、OKになっても基本はプライベートは本人に任せるというスタンスの様で、何回報道されても公式であえて発表しない事も多いように思います。公式発表した人もいたのでオープンにするかどうかも本人の判断に任せてるんでしょうかね。当初はそこまで反発はなくてもTVで具体的に喋ると喋りすぎだと結構叩かれる事もある様なので、YGのファンもTVやSNSでのあからさまなアピールは見たくないという人が多いのかもしれません。そして過去の様々な事件のあおりか、最近デビューした子達はデビュー時の契約に恋愛・整形・クラブ・喫煙・飲酒・運転禁止期間の条項が入っているとBLACKPINKがTV番組で言っていました。

JYPはやっぱり恋愛禁止期間があるせいかあまり熱愛のイメージはないですが、5年目以降になるとちらほら出ていますね。

スキャンダルを巡る本国ペンと事務所やアイドルの衝突は昔からたくさんありましたし、むしろ今は昔に比べてプライバシー意識が浸透してきておとなしくなった方じゃないかと思いますが...今はファンドムが世界中に広がったせいで、文化圏の違いによる同じファンドム内部の衝突とか、また別の問題があるかもしれません。

個人的には国によって「アイドル」の定義に違いがあるとは思わないです。アーティストが「歌やパフォーマンスなどの芸事が商品」だとしたら、アイドルは「芸事も込みで本人そのものが商品」なんだと思います。存在そのものが愛されるためのものだからこそ、関わる全てが商売になるのでは。それゆえにどこまでを商売にするのかは事務所がきちんと線を引くべきだとは思いますが。国によって違いがあるとしたら、ファンの方ではないでしょうかね。個人差はあるでしょうが、文化習慣によってどういう人が愛されやすいかは微妙に変わってくると思います。ファンから求められるものやファン層の違いがアイドル像の違いとして目につきやすいんじゃないでしょうか。

逆に言えばアーティストに比べたらアイドルは360度開かれた本のようなものなので、どこをどう好きになるかは自由だと思うんですよね。顔だけでも曲でもダンスでも声でも、キャラクターが好きでもなんでもいいと思います。もちろん全部が好きという人もいれば、曲やパフォーマンスは好みじゃないけどルックスは最高に好みという場合もあるでしょう。とにかく、アイドルのなにがしかにお金を払う意思があればどういうスタンスでもいいんだと思います(もちろん人間としての尊厳を傷つけたり犯罪にならない範囲で)。だからこそ本来のドルオタ活動って自由で楽しいものなんだと思いますが。

逆にアイドルは、ファンが自分のどこを好きになるかは選べないものという事にはなりますけどね。


[ファンによるカップリングや二次創作について]

たまにtwitterで推しの名前を検索すると、「Aは総受け」「AはBの嫁」「AとBは付き合ってる」などいわゆる腐女子のツイートや小説が引っ掛かるのですが、私はこういうのは鍵つきでやれと、あまり目にしたくないです。Kドルは腐絡みが売りみたいなところがあるとしても、個人個人で見ればそれを嫌がるアイドルもいるし、twitterみたいな誰でも見れる場所で言うのはどうなのかなと思います。これって逆差別になるのかもしれませんが…。韓国や英語圏の国などでは、メンバーを恋愛関係にした妄想(?)はどう見なされているのかご存知でしたら教えていただきたいです。既出でしたらスルーしてください。

(2018)


これに関しては韓国や英語圏の方がもっと自由におっ広げてる状態だと思います。18禁の境目で鍵つけたりはしてる様ですが、それぞれの言語で検索するともっと簡単に色々と目に入ると思います。それぞれの専門用語はあるみたいですが、メンバー名でタグをつけてる場合もあるので割とすぐ引っかかるんじゃないかと思います。日本の人はまだ隠れてる方なんじゃないかと思いますが...(言語も違うし)隠れたい人がいるから逆に揉めるのかも?

韓国に関しては公式がファンフィクションを公募したりもしていますので、完全に日本とは常識が違う様です。

個人的には過去回答の様に思います。

https://twitter.com/djutakata/status/953933921858699264

https://twitter.com/djutakata/status/955803538646421504


[サセンについて]

アイドルに精神的苦痛を与えるサセンはファンとアンチ、どちらに分類されると思いますか?

(2018)


アイドルに意図的に苦痛を与えるのがアンチだと思うので、アイドルの事は好きだけどあくまでも自分の欲望を優先して結果的に苦痛を与えるサセンは一応ファンの分類じゃないですか?Fanの由来もfanaticらしいですし。

でもファンとかアンチ以前に犯罪者っていう分類で良くないですか?