サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【askまとめ】③ プロデュース101などサバイバル番組について

使わなくなったaskのFAQまとめです。

長いものや繰り返しきかれがちなもの、資料的なもののみ抜粋しました。

 

◆プロデュース101などサバイバル番組について


[I.O.I解散後のメンバー達について・大人数グループについて]

突然すみません。いつも楽しく拝見させて頂いてます。私が質問したいのはここ最近のk-pop界大人数グループ(8人以上)ブームについてです。私が思うに大人数グループの先駆けは言わずもがなSMのSJ、少女時代だと思いますが、昨年あたりから急激に増えている様に思います。特に私が気になるのはIOIの子達のグループです。 正直あれだけ売れたIOIなんだから彼女達プラスそれぞれの事務所の先鋭数名でデビューさせた方が良いのではなかったのかと疑問に思ってます。正直どのグループもIOIの人気や知名度に対して結果が見合ってないと思ってて...。この大人数ブーム及びIOI出身の子達のその後についてどう思われてますか?

(2017)


ご質問ありがとうございます。

2つの違う話が混在してるみたいなので、一個づつ考えてみますね。

まずグループが大型化してる問題なのですが、SJや少女時代が何故大人数かというと、最初はモーニング娘。のコンセプトを取り入れたからだと言われていますよね。娘。はデビュー時は5人でしたがその後どんどん入れ替わって大人数化していきました。SJは当初メンバーの入れ替えが自由で増えたり卒業したりするというコンセプトの予定でしたが、ファンからの猛反発でなくなったそうで、その後デビューした少女時代は固定でしたが同じ時期にデビューしたAFTERSCHOOLは一応卒業加入システムありなので、この当時の大人数グループはモーニング娘。のシステムやパフォーマンスの成功例を参考にしたかったという事じゃないかと思います。ダンスに力を入れているSMとしてはその長所が見せやすい部分もあるでしょうし。SJに関しては昔イスマン氏が東方神起のデビューに漏れたりうまくグループが作れなかった子達を集めてとりあえずデビューさせてみた的な事を言ってたんですが、SJが人気が出て当初やりたかったコンセプトができなくなってしまい、それを現代版にブラッシュアップ(と呼んでいいのかわかりませんが)させたのがNCTなのかなと思います。

EXOに関しては当初は「パラレル的な存在のグループを2つ作る」という6人×2コンセプトが重要だったのではないかと思うので12人の「大人数グループ」というのとは少し違う構想だったんじゃないかと思います。結果的に今は「大人数グループ」になってますが。

しかし、いわゆる大手事務所以外で大人数グループが流行ってるのは他の理由もあるかもしれませんね。事務所にとっての大人数のメリットを考えてみると、

1. 何らかの理由で活動にメンバーが参加できない事態が起きたり、脱退するメンバーが出ても活動を継続しやすい。

2. 5人グループで1人につき3人ファンがつけば15人だけど、9人なら27人だし13人なら39人。単純に倍々でペンドムが増えやすい。

3. グループ活動以外にユニット活動という選択肢が増えやすい。韓国初のアイドルグループからのユニット活動はSUPER JUNIOR-KRYだそう。

4. 人数が多い分、多少発展途上の部分があるメンバーを集めてもお互いにカバーしやすい。

5. 大人数でならではのダイナミズムのあるパフォーマンスができる。

要するに5人組や6人組を2組デビューさせるよりも9〜13人組でデビューさせる方がリスク管理が少なくて済むし、当たったら見返りが大きいというのがあるのかなと。

デメリットといえば維持管理費用と手間が頭数分かかるって事ですかね。でもこっちのデメリットはどちらかというと、メンバーにかかってくる部分が多いのかもしれません。事務所的には通常6人住まわせるマンションに12人住ませればいいので...1つの部屋に雑魚寝っていうグループも珍しくはないですから。メンバー本人にとってはギャラも少なくなるし、年数が経つと個人仕事の量によって収入格差も大きくなってくるでしょうから、人数多いことによるメリットは実際はそんなにない気がするんですよね。いっぱいメンバーがいると人間関係的には気楽な面もあるかもですが。

I.O.Iに関してですが、彼女たちが11人という大型グループになるのは「プロデュース101」という企画が立ち上がった時点から必然のようなものだったんじゃないでしょうか。おそらくプロデュース101という企画が他のサバイバル番組と一番差別化された部分は「101人」という物量ではないかと思うんです。そしてその為にはたくさんの事務所から参加してもらわなきゃいけませんけど、もし101人から5人だったら自社の子が生き残れる確率は1/20以下ですから、参加を躊躇する事務所も少なくなかったかもしれません。11人なら1/10ですから、その辺のさじ加減で決まったのが「11人」という人数だったんじゃないかと思います。

プデュ出身で売れたメンバーは事務所が違うので、新しく事務所超えのグループを作るというのはギャラ配分という点で結構難しい問題なんじゃないでしょうか。プデュが始まる前に契約した時は売れるのかどうなのかもまだわからなかったので諸々飲み込んで契約した面もあるかもしれないですが、一度売れてしまうとどこも欲が出るんじゃないでしょうか。グループの中でも人気序列があるでしょうし。期間限定活動だからこそ練習生を出したという事務所も少なくないかもしれません。期間限定なら自社にとって宣伝的のメリットになりますけど、そうでなければ自分の所である程度お金をかけて育てていた練習生を美味しいところで奪われる形になりますから。また、グループ自体も期間限定だったからこそあそこまで盛り上がった部分もあるかもしれません。

I.O.Iは最初から期間限定でしたし、I.O.Iが売れても売れなくても活動終了以降の事は事務所によってある程度の格差は絶対に出てくるだろうという事は、プデュが始まる前から予想はついてた事じゃないでしょうか。プデュに出て売れたからといって所属事務所との契約は変わらないわけで。プデュの前から新しいグループデビューを予定していてそれに乗じた事務所もあるでしょうけど、そもそもグループを作れる程の練習生や財力が足りない事務所もあるでしょうし。ソロアイドルはあまり売れない時代ですから、まずグループになれるかどうかで格差がついてしまいますよね。でもそれも全てセットで込みでの「プロデュース101 という宴」なんだと個人的には思ってます。


回答有難うございます。聞き方が下手でしたね。SJとソシをあげたのはkポップの歴史で大人数グループとして売れたのがこの2つ位しかないのにそこまで大人数にするメリットがあるのかなと思ったからです。(その後TWICEとセブチは生まれましたが)IOIを持ち出したのはここ最近デビューしたある程度の規模の事務所のグループが大体IOI出身者がいるグループだと感じ、尚且つIOI出身者のグループはもれなく大人数グループだったからです。さらにIOI出身者グループは普通にデビューするよりもアドバンテージがあると思うので、敢えて10人規模にする理由があるのかなと。セジョンのソロやチョンハの方が成功してるのもあり。


すみません、理解力が足りなかったみたいで...つまりI.O.Iで売れた子達はもっと少人数やソロで売り出した方が人気が出たのではないか、何故わざわざ大人数グループでデビューさせたのか、という事でしょうか?

前のaskにも書きましたが、事務所にとっては今のアイドル業界では大人数グループの方がメリットがあるから大人数グループにしてるんだと思います。私が考える事務所にとっての大人数グループのメリットは前に書いたとおりです。まさに直近でTWICEとSEVENTEENが売れたというのもあると思いますし。

gugudanやPRISTINEに関しては、単純にデビューのタイミングから見てプデュ参加の前からほぼあの人数構成でデビューさせる予定で準備中だったんじゃないかと思います。I.O.Iに入っても入らなくても、I.O.Iが売れても売れなくても、どっちみち大人数グループデビューさせる予定だったんじゃないでしょうか。gugudanなんて9人前提のコンセプト&ネーミングで、I.O.Iの活動中にデビューしましたし。そして大人数グループとしてたてていたデビュー計画を、プデュに出た後メンバー予定だった子が1人や2人人気が出たとしても、計画を変えてあえてソロや少人数でデビューさせよう!とはなりにくいかなと思います。とりあえず大人数でデビューさせてうまくいかなければソロにしたり、少人数グループに編成し直す(これは中小事務所だと時々ありますね)事はできますから。

何故ならプデュで注目されて売れたメンバーがひとりでもいる場合はそれ自体がグループ全体が注目を浴びるきっかけにもなるので、事務所的にはむしろその突出した子に出来るだけ多くの人数を引っ張りあげて欲しいのではないかと思うんですよね。大人数のグループをデビューさせる計画がたてられるような規模の事務所の場合、大体はそれなりの人数の練習生を抱えていると思います。そしてまともな事務所であればその練習生の練習費用や生活費はすべて事務所が負担しています。この費用は未来への投資とも言えますが、いずれデビューした時の稼ぎで返ってくる前提で毎日支払っているわけで、グループ前提で育成している場合はグループでデビューしてもらわないとそのために過去に払ってきた事務所の負担とのバランスがとれませんよね。出来るだけ人数の多いグループでデビューして活動してもらいたいと事務所的には思うのではないでしょうか。ソロで売れても結局は一人分の仕事しか受けられませんし、練習生の数も減りません。

あと、少人数グループの方が1・2人だけ出来る子や人気がある子が出てしまった場合にグループを作るのが、今は逆に結構難しいんじゃないかとも思います。組み合わせのバランスというのもよりシビアでしょうし。大人数グループのメリットの所で書きましたが、グループ全体の平均値を上げるには大人数の方が個々の差が目立ちにくくてお互いに補填しやすいだろうし、逆に少人数の方が全員がほぼ同じ位のレベルじゃないと難しいんじゃないでしょうかね。そしてI.O.Iには各事務所から1〜2人しか選ばれてないわけで(そもそもその位の人数しか参加させてない事務所もありますが)そういう練習生が少人数グループを作れるようなバランスで同じ事務所に5〜6人もいたとしたら、きっとサバイバル番組に出さなくてもその人数でデビューできてたんじゃないかと思います。これだ!というメンバーを少数精鋭で選定しきれないからこその大人数グループっていう側面もあるんじゃないかなと...1人や2人売れたからという理由で9人で予定してたものを5人にグループ編成を変えられる状態だったら、最初っから5人グループでのデビュー計画を立てると思うんですよね。でも事務所はそう判断しなかったという事なんでしょう。5人じゃどう組み合わせても物足りないと思ったのか、9(10)人からこれ以上誰も落とせないと思ったのかはわかりませんが。

そもそもソロでデビューさせるしかないような規模の事務所の場合は逆に1人に全部の事を集中させられるし、ソロが売れて返ってくる位の稼ぎで十分なのかもしれません。しかし練習生が何十人何百人といるようなある程度の規模以上の事務所になると、今現在の練習生全体への投資とペイバックのバランスを見てデビュー計画を立てる必要があるんじゃないかと思います。ここ数年は事務所の規模がある程度大きくなるほど、若い歌手のソロデビューが少なくなって来てる(SUPERSTAR KやKPOP STARのような地上波のオーディション番組で上位まで勝ち抜いて相当な知名度があるか、ソロやユニットデビューしても後々グループ活動させる前提だったりがほとんどです)のはそういう事情もあるのかなと思います。

上手くご質問の意図を理解できたか心配ですが、個人的にはこう思いました。


[プロデュース101シーズン2参加者について]

こんにちは。いつもブログ拝読しています。 突然ですが今回のプデュシーズン2の11人には入れなかった上位20位以内の人たちの今後ってどうなると思いますか?事務所からデビューしてちゃんと売れるんでしょうか…?シーズン1のハンヘリちゃんは未だにデビューもしてないし…推しが11人には入れなかったのですごく不安です。シーズン1とは投票数の規模が違うし関心も前回より多いのかなと思うのですが…

(2017)


プデュメンバーの今後についてはこれから未来ある練習生の事なので、わたしなどが適当な未来予想を立てられる立場にはないと思いますが、前に訳した記事の追記でシーズン1の子達の現在について少しだけ書きましたので、そちらのリンクを貼っておきますね。

http://nenuphar.hatenablog.com/entry/2017/05/16/004246

女子と男子では売れ方もペンドムのあり方も違うので全く同じ流れにはならないと思いますが、11人に漏れた子を集めたI.B.IやC.I.V.Aみたいな企画グループはやはり出来たりするんじゃないかと思います。後はやっぱり所属事務所次第なんじゃないでしょうか...シーズン1で11人に入れてI.O.Iになれた子でも今現在まだデビューしていない子も少なくはないですし、逆に上位に入れなくても事務所の既存グループに加入出来た子もいますよね。(男子グループの方がファンがメンバーの増減に敏感な傾向にあるのでこれは少し難しいかもですが)

プデュで得た人気や知名度を活かすも殺すも、結局は所属事務所次第なのかなあという感じがします。


(注:この後WANNA ONEに漏れたメンバーからプロジェクトグループとしてJBJがデビューしたり、The BOYZやMXMのようにグループデビューは勿論、N.FlyingやEastLightのように既存グループに加入したりサミュエルやチョンセウンの様にソロデビューもあり、他にも101参加メンバー同士で事務所ごえや移籍などしてユニットを組んでデビューしたりなど、やはりファンドム支持がメインになるボーイズの方がプデュ後の展開は良いようです。一方シーズン1のI.O.I出身メンバーのその後としては未デビュー組だったソミはJYPを辞め、キムソヘは女優・タレントとしてバラエティやウェブドラマ、広報キャラクターなどで活躍しているようです。御質問にいたハンヘリはMIXNINEで脱落してから音沙汰がないようですが)


[サバイバル番組について]

最近サバイバル番組の結果によってデビューメンバーを決めるということが多いと思います。ここ2、3年のことだと思うのですが、JYP.YGを含め割と大きい事務所でもありますよね。YGが今度やるサバイバルは事務所外の練習生のためらしいですが、なんでここまで増えたのでしょうか?正直サバイバルでメンバーに選ばれなかった子たちは事務所からいなくなることが多いですし、少なからず事務所にとっても損ではないかと思うのですが……。 予め知名度を上げることも目的だと思いますが番組多すぎじゃないかと笑

(2017)


私の記憶では、最初のアイドルデビューサバイバル番組は2005年(6年?)の「バトル神話」じゃないかと思います。第二の神話を作るという名目で行われて最終的にBattleというグループがデビューしたそうですが、人気はいまひとつだったらしく。数年後にMnetで再放送したのをちょっとだけ見た事がありまして、この時の脱落者だった後のBrownEyedGirlsガイン、G.NA、そしてBIGBANGスンリという面子の方が結果的に売れたようです。その後YGのボーイズグループデビューサバイバル「BIGBANGへの道」が放映され、こちらの結果はみなさんご存知の通りかと思います。この時期のサバイバル番組は恐らく日本のモーニング娘。EXILEオーディションから影響を受けて始まったんじゃないかと思うんですが、この辺はリアルタイムでは見てないので当時のことはよくわかりません。1年後、JYPが2PMと2AMをデビューさせるデビューサバイバル番組「熱血男児」をやって、これまたデビューしたグループは両方売れました。しばらく時間が開いた2012年にJellyfishがVIXXをデビューさせた「MY DOL」が放映されましたが、放送当時はアイドルファンからの注目は熱かったものの国民的ブームとまではいかなかったように思います。VIXXがブレイクしたのもデビューからしばらくたってからでしたし。

このように10年以上前から「アイドルデビューサバイバル番組」というものはあったのですが、今のアイドルサバイバルブームが起こるきっかけになったのはやはり2013年のWINではないかと思います。この前に韓国ではオーディション番組ブームがありましたが(SUPERSTAR K、偉大な誕生、KPOP STARなど)これらの番組に出ていてすでに人気のあった有名練習生が参加していたり、BIGBANG以来7(8)年ぶりのYGからのボーイズグループデビュー企画という事もあって大変盛り上がり、一年後にデビューしたWINNERのデビュー曲も100万DLを超えるヒットとなりました。続いてiKONのデビューサバイバルになった2014年のMIX&MATCH、その後すぐにMONSTA XのデビューサバイバルだったNO MERCYがあり、そしてJYPが2015年のSIXTEENでデビューさせたTWICEが成功した事で近年の「アイドルのデビューサバイバル番組」ブームが完全に確立した感じがします。

その後はプロデュース101、少年24、MOMOLAND、PENTAGON MAKER、Dance or Bandなど、成功したものから微妙なものまで雨後の筍状態になってる2017、という感じでしょうか。サバイバルTV番組じゃないですけど、デビュー過程や補充メンバーを決めるためのKARAプロジェクトとかSEVENTEENプロジェクトなんかもありました。

(PENTAGON MAKERも結果的には脱落なしでSEVENTEENプロジェクトみたいな感じでしたが)

なんでここまで増えたか、というとやっぱりサバイバルであらかじめメンバーの姿を見せておくことでデビュー後に一般認知度やファンを集めやすいからというのが一番ではないかと思うんですよね。大手事務所のサバイバルは概ねの企画は事務所側が立てて出演者も事務所が用意してくれるし、視聴率も集めやすいのでTV局としても美味しいプログラムなのかもしれません。最近はTV局側が主催するものも増えていますね。とはいえMBKのようにサバイバル番組をやると告知しながら頓挫した例もあるので、企画すれば即どこでも出来るというわけではないようですが。

「サバイバルで選ばれなかった子たちは事務所をやめる事も多いし事務所側にも損ではないのか?」という点ですが、サバイバル番組をやろうとやるまいと、新しいグループがデビューするのをきっかけに事務所をやめる練習生は少なくないのではないかと思います。一般的には当分その事務所から新しいグループがデビューする事はないでしょうから、自分がデビューする機会も遠くなるので。むしろサバイバル番組で漏れた子はある程度実力は見られていて知名度もあるので、移籍先で有利になる面もあるかもしれません。YGなんかは過去にサバイバル番組に出たけどデビューできなかった参加練習生はほぼ全員他事務所でデビューしていますしね。(元BEASTヒョンスン、PENTAGONホンソクなど。ジニョンもソロデビュー予定だそうですし)JYPの「熱血男児」でデビュー組から漏れたドゥジュンもCUBEからBEAST(現HIGHLIGHT)としてデビューしましたし。

確かにもうすでにサバイバル番組飽和状態なんじゃないかと思いますが、プデュ2は成功と言っていいでしょうし、オーディション番組ブームみたいに韓国の視聴者が完全に飽きるまでは続くかもしれないですね。日本以上に厳しい競争社会なので、サバイバル番組というのが心情的にハマりやすいのかな?適当言ってますけども。

同じ素材でも見せ方次第で桁違いに売れるようになる事もあるというのはどのビジネスでもあるんじゃないかと思いますが、既デビュー組が多数参加したプデュ2によってそれがある程度はっきりした面もありますし。逆にサバイバルならなんでも売れるわけじゃないというのもはっきりしつつありますが。

YGに関してはBIGBANG以降デビューしたボーイズグループは全組なんらかのサバイバルを経てデビューしていますので、過去の先輩達と同じ過程を経させるためにデビューするにはサバイバル番組が必須という流れになってしまっているのかもしれないなあと思います。

個人的にWINは個人をサバイバルで選ぶのではなくて事務所があらかじめ組み合わせたカラーの異なるチームVSチームのサバイバルという点で他のサバイバルと少し違って面白かったんですけど(個人脱落形式だと個人推しでない視聴者的には時系列でグループのメンバーが変わっていっちゃう虚しさがあるので)、このスタイルをほぼそのまま流用したFNCのサバイバルでも脱落したグループも結局デビューしたので、続けてデビューさせられる財力のある事務所ならこの方式の方が効率的なのかもしれないと思いました。あらかじめ個人じゃなくてチームごとにファンがついてそうなので。


[WANNA ONEについて]

はじめまして。今流行りのワナワンに関しての質問です。今後ワナワンのようなグループが増えるという意見をよく見かけるのですが泡沫さんはどう思いますか?私は正直プデュはもうシーズン3をしても流行らないしこの形式のグループも出でももう売れないと思っています。アイドル学校も視聴率悪いようですし……。しかしSMやYGなどの大手事務所のファンの方はワナワンのようなグループが今後増えると思って危機感を抱いているようで少し不思議に思っています。そこらへんに関して泡沫さんの意見を是非聞かせてください。

(2017)


他の方のaskでもちょっと書いたのですが、プデュ2やWANNA ONEが充分話題になったので、オーディションブームの時のスーパースターKみたいに完全に飽きられるまではこのフォーマットはある程度続くんじゃないかとは思います。ただし、その結果出来たグループが売れるかどうかはまた別の話でしょうけども...

個人的にはプデュとWANNA ONEがここまで人気が出たのは、ここ数年のアイドル業界の目指した方向があまりにマニアックになりすぎていわゆる「大衆」を置いてけぼりにしてきた部分への反動もあったからなのかなあと思わないでもないです。具体的に言うとEXO以降のSMのグループが発端ではないかと思いますが、アイドルにしてはあまりにもアーティスティックに走りすぎたり先鋭的なコンセプトや曲に向かいすぎて、それはそれで国境を越えて熱狂的な「オタク」やステレオタイプ的なアイドルには興味がなかった層や、そういうものを追いかける元気がある若年層には集中的にアピールした結果巨大なファンドムを作ることが出来たのだとは思いますが、逆に国内の一般の人の生活からはアイドルが感情的に離れて来ていたここ数年なのかなと。この辺はまた長くなりそうなので割愛しますが、チラチラと出るティーザーの端々に隠されたキーワードを集めて過去から遡ってコンセプトやストーリーを妄想したり、今までの新曲発売日に密かに仕込まれていたキーワードを探したり...という様々な「遊び」に疲れたりやりすぎでついていけないと思ったりした層もいたと思うんですね。ファンをより内側へ惹きつけていく仕掛けではあると思うんですが、そんなに毎日頭や時間を使ったり難しいことを考えながらアイドルを愛でたくないといういわゆる「ゆるオタ」だったり、かつてはドルオタだったのが大人になってリアルの日常に追われて現実的にそこまでして追う気力体力がなくなった人たちとかも。

そういう人たちの前に現れたのが、毎週TVを見ていればある程度の情報は入ってくるし、言わばサバイバルで頑張る本人たちそのものがコンセプトなので番組のシステム以上には難解なコンセプトは特にないし、自分で能動的に色々見にいかなくちゃならない既存アイドルほどは敷居の高くない「プロデュース101」だったんじゃないのかなと。TV番組なので翌週職場や学校でこの間のあれ見た〜?とかお互いの1pick誰?とか、話して盛り上がったりも出来そうですし、そういうノリでオープンに好きなことを公にできるのって楽しいですよね。

(韓国のケーブルTV加入率は日本よりもかなり高いそうですし)

1pickというシステム自体がまた別種のストレスや厄介ごとを産んだ面はあるかとも思いますが。

昨年のGAONチャート総まとめのブログ記事で、去年(2016)はTWICEによって久しぶりに新しいアイドルを知って楽しむ事が大衆に帰ってきたのではというような事を書いたのですが、WANNA ONEも同じような面があったんじゃないかと思っています。

でも、これはあくまで今までアイドルから少し離れていた層が引きこまれた結果の部分が多いと思いますので、既存グループについていたようなコアなドルオタの人たちは変わらずいると思いますし(一部は流れることはあるかもですが)そもそも今のトップ2と言われているEXOや防弾少年団は巨大なペンドムに支えられてはいますが、過去のトップグループと比べると誰もが曲やメンバーを知っている「大衆的なアイドルグループ」ではないので、そもそも好きになるファンの質自体が違うんじゃないでしょうか。

そういうわけで、プデュ現象自体はあくまでもアイドルが有名になる選択肢がひとつ増えたというだけの事なんじゃないかと思います。SMもYGやJYPも今までデビューオーディションやサバイバル番組をやってきましたし今後もやるとは思いますが(特にYGのボーイズグループはすでにサバイバルを経てデビューが定番になってるので、今後も必ずやると思います)、プデュというのは事務所単独で番組ができるほどは資金もネームバリューも足りていない中小事務所が練習生たちにスポットを当てさせることが出来た希少なチャンスでもあったと思うのです。そして1年ちょっとのWANNA ONEの活動後に元々の所属事務所に帰った後は彼らはまた他の大手事務所のアイドル達と同じライン上に並べられるわけですし、その後のアイドル人生の方が長いわけですよね。既存グループのファンがなにか漠然とした危機感のようものを抱くのはわからないでもないですが、今までの育成システムが変わるわけではないと思いますし、あんまり気にしなくてもいいんじゃないですかね。今まで自分が良しとしていた価値観とは別の価値観に人気が出た事への潜在的な拒否感があったりもするのかな?でも、価値観が違う人たちにもアイドルは必要とされていたりする場合もあるわけで、そこはそこで需要と供給が成り立つべきだし、自分がそこに入れなくてもそれ自体を否定する事もないと思います。「サンは森で、私はたたら場で暮らそう(もののけ姫)」です。そしてたまに遊びに行ったりしてもいいのでは?

よくわからない方向のシメになりましたが、成り立ちはどうあれアイドルでもある程度のレベルのパフォーマンスが要求されるのが韓国芸能界だと思いますし(そこまでお客さんが寛容ではなさそう...)、特に個人的にはこれといって大きく変わる事もないんじゃないのかと思ってます。

 

(注:その後日本でのWANNA ONEコンサートに行きましたが(友人がハマり、チケッティングに協力して当てたため行けました)、アイドルの尊さに出自は関係ないと思いました)