サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】WANNA ONE│①WANNA ONE現象

【ize訳】WANNA ONE│①WANNA ONE現象

 

2017.08.01
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017080100137292507

 

ボーイズグループWANNA ONEを促進モデルに起用した化粧品ブランド、イニスフリーの店舗の雰囲気は、最近大きく変わった。アルバイト店員Aさんは、「オープン準備もしないうちからファンが並んで待っていた。売り場ごとに多少違っていたとは思うが、うちの場合は4~5人のメンバーのポスターがとても早く品切れになって多くのファンが帰ったりもした」と語った。デビュー前からアイドルグループが確実に成功するだろうと断言することができる事例はそれほど多くない。しかし、WANNA ONEの場合は成功しなければおかしいと言えるほどだ。長い間アイドルグループのホームマスターをしてきているAさんは「ここ最近でホームマスターがホームを閉めるとお知らせした場合は、ほぼWANNA ONEに移動したのだと思う」と言い、「その昔の東方神起シンドロームが起こった時を思い出す。近頃『アイドルグループのファン』と言えば、ほとんど『WANNA ONEファン』の声であるとみなしていいレベルであり、「プロデュース101」に出演したNU'EST Wが今一番ホットな新人グループであるかのようにファンを集めている」と、最近のファンドムの雰囲気を伝えた。

 

WANNA ONEの波及力は、芸能人の人気に最も敏感な放送関係者の間で最も簡単に確認することができる。放送作家B氏は「集まるたびにWANNA ONEの話をしている」と言い、「WANNA ONEのカンダニエルをキャスティングしたい理由は、彼が新人にもかかわらずすでに検証された人物だからだ。 『プロデュース101』は、これらの放送業界人たちにアピールすることができる同等の機会だった」と述べた。既存の新人グループが芸能番組に出演する時に必要だった一種の「評価段階」が消えたのだ。放送関係者たちは、視聴者話題性指数など客観的尺度に基づいて出演者をキャスティングするため、B氏によれば「WANNA ONEのメンバーは、放送開始と同時に話題性指数で『プロデュース101シーズン2』と同様にずっと上位圏」だったという。NU'ESTのJR(キムジョンヒョン)は最近、JTBCの新しい芸能プログラム「夜鬼」にレギュラー出演した。たとえ最終メンバーから脱落しても、「プロデュース101」を経て積んだ認知度と好感度がそれだけ高いことを意味する。

アイドルファンドムの規模を間接的に確認することができるネイバーVアプリは、WANNA ONEが起こしている現象がどこから来ているのかを教えてくれる。WANNA ONEは最初のライブ放送でなんと1万ビューを記録し、「いいね」に該当するハートを8千万個以上受けた。EXOがカムバック特集放送で1億個のハートを受けたのと比較すると、正式デビューもしていない新人にこの程度反応は常識を超えたレベルである。それほど熱狂的なファンドムが大規模に形成されたのである。ここでWANNA ONEは男性アイドルに興味のなかった大衆の関心まで受けた。 Aさんは、「(WANNA ONEポスターをもらいにきた客の中には)ベビーカーを引いてきた母親も多く、このようにアイドルを好きになった事がないのでブロマイドをもらうのが恥ずかしいという方もかなりいらっしゃった」と語った。 「社長から、お客さんが気まずくないように最初から積極的に誰が欲しいのか聞いてみるように言われた」と言うほどだ。アイドルグループは、特にボーイズグループは熱狂的なファンドムが中心であるが、WANNA ONEはそこに一般的な認知度まで備えた。大半の消費者の立場からは、オンラインとオフラインコンテンツはまだそれぞれ別の領域とされている。ユーチューバーがTVに進出した例はあるが、目に見えて成功した事例はない。逆にTV芸能プログラムがインターネットで生中継されるとしても、同じレベルの視聴率と話題を引き出した事例もほとんどない。このような状況でWANNA ONEは制作者にとっては心惹かれる存在だ。彼らはアイドルに特別な関心がない人同士が集まっても話題を作り出すことができる位置にあり、多くの人々が「1 Pick」に投票した経験がある新人グループである。これまでのファン層ではなく、大衆からは多少距離が離れていたボーイズグループの市場が再び視線を集め、その中にWANNA ONEがいるわけだ。

 

WANNA ONEの人気はさておき、彼らが既存のアイドル市場の限界を克服することができるという意味ではない。ある大型音源プラットフォームの関係者C氏は「大衆が見慣れている名前だからと見つけて聴くことはあるだろうが、アイドルはアイドルである。芸能プログラムで始まったからといって、このグループが既存のボーイズグループと別の方法で新しいファンドムをかき集めるというわけではない。ファンがチャートストリーミングで順位を上げることも、既存の方法と同じだ」と予想した。ファンドムの文化の問題が変わったりすることはないという意味だ。すでにWANNA ONEメンバーたちのKBS「ハッピートゥゲザー3」MBC every1「週刊アイドル」などのスタジオ撮影に熱心なファンたちが付いて来て録画進行が難しいほどだった。 今まで大衆にの目には大きくさらされていなかったアイドルファンドムの問題がより極端な方式で目に触れうるという意味だ。ただしC氏は「WANNA ONEはプログラムを進行しながらそれぞれのファンを集めてきたので、他のアイドルグループよりもコンテンツに対する反応が速く、ひたすらファンによって消費されるコンテンツもさらに活発に作られるだろう。今よりオンラインマーケティング市場が大きくなることができる」とボーイズグループの市場の拡大に積極的であった。別の音源のプラットフォームの関係者D氏も「予想以上にファンのアクセスがはるかに攻撃的で迅速に行われている状況」と言い、「すでに『プロデュース101シーズン2』でリリースされた音源もすべて上位にランクインし、NU'EST WとMXMの反応は非常によく、予想よりも良い方だ。決してWANNA ONEだけが良いわけではない」と述べた。多くの問題が明らかになっていくだろうが、同時にアイドルグループの市場の大きく新たな可能性が開かれるということだ。

 

「プロデュース101シーズン2」を演出したアンジュンヨンPDはインタビューで、「PDとして視聴率が重要でないと言えば嘘だろうが、それよりも子供たちがまず上手くいかなければならないと考える」(ソウル経済)と述べた。 「プロデュース101」は多くの議論を起こしたが、WANNA ONEは彼の願いどおりになった。ボーイズグループのCF契約や放送出演自体が話題になっており、エンターテイメント業界自体を揺り動かしている。このような状況において、WANNA ONEが公開するコンテンツは常に大衆の参加を奨励する。リアリティープログラムMnet「WANNA ONE Go」は「マッチング投票」を通じてファンがメンバーの組み合わせを選択するようにし、個人ティーザー映像では、メンバーが「君は2つのうちのどちらが好き?」とタイトル曲まで選んでもらう。 「プロデュース101」から今まで、WANNA ONEは常に大衆の参加を要求して話題性を作っているのだ。大衆に新しいアプローチで迫るアイドルグループが現れた。果たして、これからのアイドル業界はどのような姿に変化するのだろうか。


文 パクヒア
校正 キムヨンジン