サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】「SHOW ME THE MONEY6」、楽しさを失った代わりにリアリティを得た長寿バラエティ

【ize訳】「SHOW ME THE MONEY6」、楽しさを失った代わりにリアリティを得た長寿バラエティ

 

2017.07.24

http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017072400147215784


今年の初めにMnet「高等ラッパー」を見ながら、Mnet「SHOW ME THE MONEY6」がどのような方向性を取るのか気になった。成功の軌道に乗ったショーが本人たちが作った一定のフォーマットの中で安全に運用された後に面白みを失っていくケースを多く目にしたので、どのような方法の新しさを示すのかが重要だった。初放送から今まで見た結果としては、確かに前と同じような楽しみはなかった。しかし、前のシーズンと確実に異なる点がいくつかありそうだ。
 
「SHOW ME THE MONEY6」の最大の特徴は、プロデューサーをはじめとするすべての参加者がこの番組のルールについてあまりにもよく把握しているということだ。韓国ヒップホップのブランドであるTiger JK、Dynamic Duoは一緒に音楽を作る仲間プロデューサーというよりは自分自身をメンターと想定しており、そうしてみるとかなり鋭く斬っていたDok2も今季での審査基準は寛大になった。参加者も以前のシーズンで話題になった参加者と既存のミュージシャンたちが大挙参加し、ルールや編集によって無駄な犠牲者にされないように本人を演出する。ゆえに誰かに滑稽な役割が与えられる事もなく、これまでになくお互いを「リスペクト」しているのである。 Mnetサバイバルの必殺技である「悪魔の編集」や参加者との間の挑発と葛藤のようなものは「SHOW ME THE MONEY」の原動力であり、すべてのものであり、たとえ誰かが指摘をしてもヒップホップ文化固有のプロパティと言いはなっていた過去のシーズンの雰囲気とは全く違う。 2次予選審査中、Gaekoが「ヒップホップはもはや主流の音楽になった」という場面と、「高等ラッパー」の勝者ヤンホンウォンに向かって「自分が望まないとしても、(影響力ができてしまったら)責任を負いながら暮らさなければならない」と言う場面は、重い責任感となって返ってくるこのショーの副作用を本人たちが責任を負うという意志のように見られた。

 

まだ否定的な視線が多いが、とにかく「SHOW ME THE MONEY」はシーンの構造を少しずつ変えており、計画も変わってきている。 以前まではジャンルとしての認定闘争的な性格がより強かったが、今シーズンではジャンル内でどのような変奏が可能かどうかを示すように、多様なスタイルのラッパーたちに注目している。 まだ不足している部分は多くあるが、前シーズンまでの「SMTM」がずっと指摘されてきた性別比不均衡問題についてもプロデューサーたちが直接女性ラッパーの参加者たちの実力を督励して、公正に審査をしようと努力する姿を見せている。 この5年間、放送の外の厳しい非難にも耳をふさいで目を閉じた製作陣らと数多くの参加者たちが、激しく戦いながらも築いたとても小さな変化と見ることができる。 このような方向で引き続き展開されれば、今季が大して面白くはなくてもいいのではないかという気がした。 6年目になった長寿バラエティがショーとしてよりは更に素材の本質を追求しながら、自分たちが指摘されてきたことに耳を開くのもいい発展だと思う。

 

ショーが残り4回程度の放送を残している時点で、最も注目したい参加者はウウォンジェだ。
「母さんは言った/ハッピーエンドなんてものはないのよ/母さん地獄なんてものもないんだよ/あえて説明すると」
2017年に突然世紀末的、思春期的な感性で現れた闇の参加者が、楽しさを失ってリアリティを得た今回のシーズンでどのような伏兵になるのか知りたい。 そして今シーズンは特に小学生参加者と、ヒップホップには大して興味はないがテレビに出たい予選支援者たちがたくさん登場した。 現在の「SMTM」はEBS「生放送トーク!パンチ!見てみよう」SBS「世の中にこんなことが」過去のMnet「スーパースターK」のすべての役割をはたす総合バラエティになってしまったのだ。 常にこのショーの問題点を指摘しながらも、こんなにも面白い部分をしつこく見つける事が出来て、それなりに期待通りのことが訪れる遊戯でもある。 今「SHOW ME THE MONEY」は面白いコメディーと娯楽のない韓国のTV放送で唯一のバラエティの役割を果たしているのだから。

 

文 ボクギル(コラムニスト)


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今回のSMTMだとやっぱり、ウウォンジェの自分のストーリーを訥々と語るダークなスタイルは独特で気になります。