サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【質問箱】KPOPアイドルのシステムの日本ローカル化について

【お題箱より】

I-LANDに出演していたケイくんをはじめとする5人の練習生がBIG HITJAPANからデビューすることが決まりましたが、K-POPアイドルのパッケージを日本で売るという最近の流れを泡沫さんはどう考えていますか?
一昨年のproduce101JAPAN、そして今年社会現象となった虹プロなど、どちらも十分に成功と言える結果を残していて、今年もプデュが始まりますし虹プロ男性版もやると発表がありましたが、実際のところこのムーブメントは続くのでしょうか。

特に男性に限って言えば飽和状態になるのも近いのではないかと私は思っています。JO1は人気ですが、同じく2020年デビューのsnowmanSixTONESにはやはり人気は及ばず、正直「ジャニーズの壁」を感じます。 これは完全に私のイメージの話になってしまいますが、「ジャニーズなど日本の男性アイドルを好きな人」の層を獲得しているというよりも、「K-POPが好きな日本人」の層から切り崩して人気を得ている感じがします。本家のK-POPがある限り世界からの人気というのもどうしても及ばず、獲得出来るファンに現時点で限りがあるように見えます。そうなると、虹プロ男性版やプデュシリーズのボーイズグループ、BIG HITJAPANのボーイズグループがデビューすればファンの数は分散してしまい、結果的にジャニーズアイドルを越えられるグループができるのか疑問です。

ただBIG HITJAPANについてはまだ詳細が分からない部分が多く、ビッヒのことだからそもそも、拠点を日本とするだけでway vのように活動し、最初から日本国内人気ではなく世界人気を狙いに行くような気もします。

長文になってしまいすみません。上手く要点を整理出来ていませんが、少しでも泡沫さんの意見を聞けると幸いです。

2021年1月7日22:03

https://odaibako.net/detail/request/c54a549f-f6e9-4a28-b822-5b64053b47f7

 

BigHitのグループに関しては今からオーディション募集しますよというような何一つ確定事項がない段階なので、ピンポイントでは正直何も言える事がないです。

 

ただ、「KPOPのローカル化」というのは以前から予兆はあって、JYPもNiziU以前から中国でローカルのボーイズグループを作っていましたし(計画自体は10年近く前からあったみたいです)YGもYG JAPANで独自に練習生をトレーニングしてますし、SMのNCTシステムも根本には同じ「KPOPのローカル化」構想があると思いますので、特にある程度世界的な知名度がある先輩グループのいる大手なら考えに至る発想なんじゃないかと思いました。
(https://realsound.jp/2018/07/post-214569.html)

特に今のような特殊なパンデミック下が何年続くかわからない状況で、感染の抑制具合が国によって違ったりすると海外公演がどうなるかわからないため、すでにある程度人気のあるグループはともかく新人グループを作る時に、特にアイドルファンが多く見込める市場でのより一層のローカル化が重要視されていくというのはありうるかもと思います。

 

「「ジャニーズなど日本の男性アイドルを好きな人」の層を獲得しているというよりも、「K-POPが好きな日本人」の層から切り崩して人気を得ている感じがします。」とありますが、日本の「アイドルオタク層」の場合は意外とファン層が分断されてなくて「ジャンルを跨いだカケモ」っていうのも多いんじゃないかと思うんですよね。実際、某韓国の事務所の人からFCのアンケートなどから日本では某KPOPの人気グループと某ジャニーズの人気グループの掛け持ちは結構多いときいたこともあります。KPOPにハマったから完全にジャンル移行する人ばかりではなくてこっちも好きだけどこっちも好きという多ジャンル掛け持ちだけでなく、「KPOPファン」でも一個のグループだけ追っかけてる人の方が少ないのではないかと思いますから、今の時代「ジャニーズを超えるかどうか」みたいな物差し自体がやや古いものになってきてるんじゃないかと思いますし、むしろ他のジャンルといかに共存するかどうかという事なのではないでしょうか。何故日本でKPOPが定着したのかという韓国の記事で、「日本はひとつのアイドルだけを応援するべきだという考えが薄く、かけ持ちが多いから文化が広がりやすい」という説を読んだ事もあります。特に日本の場合は競走相手は二次元とか(欧米のファンでもこことかけもちというKPOPグループのファンは珍しくないと思いますが)「アイドル的なもの」のレンジがめちゃくちゃ広いので、客を奪うといってもオールオアナッシングではないのでは。例えば既にラーメンが大人気の土地で新しくチゲ屋をやろうみたいな話で、「ラーメンよりもチゲの方を好きにさせるには」という思考法よりも、「ラーメン好きの層にもチゲのお店に来てもらうにはどうしたらいいのか」というような事を考える方が成功しやすいのではないかと思うのですが。ジャニーズのような「ブランド」はKPOPの大手事務所もそうですが代わりのない独自のカラーがあって事務所のクリエイション自体にファンがついている部分もあり、練習生システムに近いJr.システム(練習生システム自体がJr.システムから発想された部分もあるようですが)があるため、環境的にも新人でもデビュー当時から即ある程度の注目とか仕事、人気を得やすいというのはある意味当然ではないかと思います。そういう中で「ローカル化」されたアイドルには「外タレ」としてのKPOPだとある程度時間がかかる所に早く到達できるメリットは確実にあるわけで、それはNiziUを見ても感じる部分です。大衆支持もないと大きなブレイクが難しい故に、一般大衆の目に触れやすくなるローカル化のメリットが大きい女子グループとは違って、男子グループの場合どうしてもファンドム構築が中心になる部分があり、一般メディアに出る事とコアなファンを満足させる事の理想の比重が女子とはまた違うのではないかと思いますので、男子ではパイオニアと言えるJO1は色々とその辺り模索しながらの部分も多いのかもしれません。男子の場合はまずある程度ローカルのファンドムのベースありきでそれをある程度固めてから海外を目指す、という方がいいのではないかと個人的には思いますが...まさにKPOPグループがやっている事をそのまま日本でやる感じというか。KPOPのグループを見ても、本当の意味での「世界的な人気」を得る事が目的であるなら、母国のファンベースの規模は大事ではないかと思うのです。今現在ある程度世界的に認知度が高かったり人気の男子グループって、すでに韓国と日本である程度(最低でもアリーナ公演クラスくらいの)ファンドムが固まってるグループが殆どだと思うので。これからオンラインの比重が変わってくればその辺も変わってくる可能性はありますが、現状では世界にも目を配りつつまずは身近な場所でのファンベースを作ってその場所での大衆化を目指すってやっぱり大事な事なんじゃないかと思うんですよね。そうじゃないと「KPOPのローカル化」の意味自体がないですし。

 

結局、この流れ自体が新しいものなのでとりあえずやってみないとどうなるかはわからない事だと思いますから、今からネガティブな見方をする必要もないんじゃないかと思います。個人的な感覚ですが、ファンというわけではない自分がJO1のメンバーがTVに出てるのを見た時の感覚はKPOPのアイドルを見るときとはまた違う親近感のような感覚があって、それはジャニーズのアイドルに感じるものと近いです。韓国の大衆やファンからすればKPOPのアイドルに対して感じるのもそういう感覚に近いものなんじゃないかと思うので、ローカルな一般大衆にそういう感覚を抱かせる事とファンドムを作ること、そして世界もめざす事両立する事って、見せ方とかシステム次第では不可能な事ではないんじゃないかと思うんですよね。

 

個人的にはサバイバルオーディション出身のアイドル場合は「教育期間」が練習生システムよりもどうしても短くなる傾向があるので、ローカル以外の場所で活動するという事に対する実質的な心の準備のようなもの(言語や文化に対する教育も含まれると思いますが)をどのようにするのかという事はこれから特に重要なのかもという事を考えると、世界進出という点では「日本でのローカル化」以上に「サバイバル出身か否か/アイドル練習生やエンタメプロフェッショナルの経験があるのかどうか」という部分の方がポイントになるような気がしています。

 

 

 

 

【質問箱】KPOPの世界進出と英語コンテンツ、それに対する評価について

【お題箱より】

泡沫さんは、近年のK-POPアイドルの『世界進出』についてどう思われますか?

というのも、最近、アイドルが競うように英語のコンテンツを作っているのを見ると、それは『西欧に対するアジア人のコンプレックス』の現れじゃないのか?と疑問を抱くことが増えました。
特に今年アメリカでdynamiteが流行ったこと、それ自体は勿論凄いことだとは思うのですが、自分の中では「ああ結局韓国語のままでは受け入れられないんだな」という受け止め方に落ち着きます。dynamiteが外注曲であることも、『英語圏で評価されるアジア人であるため』に評価を下す側に寄っていっているように思えてしまいます。
強者・多数派に迎合する(=全てを英語で製作する)ことで人気が出た弱者・少数派という構造は差別的ではないでしょうか?
少し極端な言い方になるかもしれませんが、本当に(この言い方が適切か否かも分かりませんが)彼ら自身が人気であるならば、アメリカをはじめとする英語圏の人達はもっと積極的に韓国語を学ぶのでは?と思います。BTSが방탄소년단のままなら今のような人気が出ることは無かったのだろうとも思ったりします。

英語圏で活動する非英語圏出身者はアジア人に限った話ではありませんし、アメリカが超大国と呼ばれるような国である以上致し方ないのかもしれませんが、『世界』は何も英語圏だけではないのに、そこ(英語圏)での評価が何よりも褒め称えられることに懐疑的にならざるを得ません。

ファンダム側の「英語のコンテンツはあって当然」というような態度も気になります。

まとまりの無い文章で申し訳ありません。
長年K-POPアイドルを見てきた泡沫さんのご意見が聞きたいです。

(一例としてBTSを出しましたが、あくまでも一例です。特定のグループへのディスりではありません。)
2020年12月11日20:46

https://odaibako.net/detail/request/11258a30-9c95-4542-95d9-8d4c603c2d72

 

かなり長くなったので、文の最後に要点だけをまとめておきました。

 

この話のコアの部分って、以前お答えした「何故日本語で歌うのか」という話と大体同じことなのではないでしょうか。


音楽というポップカルチャージャンルにおいてはアメリカを中心とする文化や市場が先行して世界的な人気を得てきた事実や、実際にアメリカが世界一の音楽市場を持っていて、アメリカの母語である英語を第一言語でも第二言語でも採用している国が多いとなると、「ポップミュージック」という欧米圏で誕生してアメリカで発展した音楽ジャンルをやるのなら、チャンスさえあれば最終的な目的地はその文化圏になるだろうというのはある意味自然の流れのようにも見えます。そもそも、海外でも支持を受けるために現地に迎合して入り込んでいくというやり方はKPOPにおいては英語に限った事ではなく、日本や中国語圏などでも同じ手法をやってきています。過去順番にアジア圏でやってきた事を今は欧米圏でやっているところで、「Dynamite」はそれの新しい段階=日本で日本語のオリジナル曲を出すという手法とほぼ同じことが英語圏でも出来るだけの環境が整ってきた段階にきたというだけではないかと思います。この辺りは以前他の何故日本語で歌うのかというご質問への答えとほぼ同じ感じです。ぶっちゃけ、英語圏だけが特別ではなくむしろBTSアメリカで初ライブをしてから6年目に日本では1年目に出来た事がやっと出来る様になったということで、むしろ問題として指摘されるべきなのは、母国語以外の楽曲に対するアメリカ音楽市場の扱い方のほうではないのでしょうか。


「強者・多数派に迎合する(=全てを英語で製作する)ことで人気が出た弱者・少数派という構造は差別的ではないでしょうか?」とありますが、ビジネス的にそうならざるを得ない業界の構造自体が差別的とは言えると思いますが、言語的にどうしても壊せない文化的なものがある現状で迎合してでも市場に食い込む事を選んだ「マイノリティ」自身を、一体誰が責める権利があるのだろうと思います。むしろ「歌手は母国語で歌ってこそ・歌うべき」という言語による縛りこそが、表現を不自由にする事もあると思います。自らの選択においては、どこの国の人がどこの国でどの言語で歌う事も自由だし、逆にひとつの言語にこだわる事も自由だと思います。そしてその選択を他の国や文化圏の人間が「こうあるべきだ」と決める権利もないと思います。

特定の言語を基準に曲を選別する事は聴き手に委ねだれられており、それを言語で選別する事が受け取る側の価値観や感性を制限する事はあるかもしれませんけど、それは受け手側の問題でしょう。


しかし、主体である制作側やパフォーマーの目指すものやそこに到達するためにとる手段と、その成果ややり方についての外側(ファンや批評家など含め)からの見方についてはまた別の話で、アーティストのパフォーマンスを見る側に過ぎない消費側が国によってそこでの業績に格差をつけるような見方をする事、例えば欧米圏での業績を特別上に見るような態度に対しては「西洋至上主義」と思われても仕方ないだろうと思います。上記のような環境で認められたアーティスト自体は素晴らしいですが、「この国で認められたからこそ素晴らしい」と当事者以外が考える事は、文化そのものに上下関係をつけるような選民意識を個人的には感じます。海外での頑張りを応援したりすごいと思う気持ちは当然だと思いますが、「異文化・異言語圏」という点では同じはずのアジアでの活躍と欧米圏での活躍を選別する事には、根本に両者の文化や感覚を選別するような視線があるのではないかと感じますし、異文化に対するなんらかの評価をする時にその文化の元々の文脈や背景を無視して自分たちの文化圏だけの価値観や感覚でジャッジするような行為は、そのパフォーマーの所属する文化を軽んじている考え方だとも取れます。「元の文化の文脈を剥奪して自分たちの文化の文脈で別の価値観を勝手に与える」というやつではないでしょうか。

ただ、これって意識してないだけで無意識にやってしまいがちな事でもあるだろうと思います。ホワイトウォッシュについての摩擦もそうですし、「日本ではありえない」で終わってしまうような考え方とか、韓国の音楽業界での流行や歴史を無視して欧米ポップスの文脈の中での基準のみで曲やパフォーマンス・ルックス・ジェンダー観への評価が行われたりとか。例えば「KPOPの男子のフェミニンでクィアなルックスや見せ方には欧米のマッチョ規範の感性を変える力がある」とかそういう部分が欧米のセクシャルマイノリティに支持されているというような言説は欧米圏では珍しくありませんが、これに対して実際の韓国のLGBTQ+の当事者からの「KPOPのコンセプトやビジュアル、ルックスの魅せ方に実際どの程度のそのような意図が含まれているのかという実情や韓国ではどのように見られているのかという事を無視し、欧米的な価値観からのみで都合の良い解釈をしている。それが当事者側からすれば相当もどかしい」という声は少なからず見かけます。

特に自分が当事者ではない文化に対して「こちら側」の倫理や感性のみでジャッジしてしまう事は、自分も無意識にやってるかもしれないしとても良くありがちなのではと思うからこそ、気をつけた方がいい部分だと考えています。

 

ファンダム側の「英語(に限らず自分たちの言語圏)のコンテンツはあって当然」という態度についてですが、最初から英語圏向けで作っているコンテンツでないものにまで当然字幕をつけるべきだというのは傲慢な態度だと思いますが、異文化のサブカルチャージャンルにおいて翻訳の少ない初期ではなく、ある程度メジャーになってから入ってくる層はそもそも自力で調べたりdigる気まではない層だと思いますので、そういう部分では基本的に「傲慢」と呼べるような部分はあるものなんだろうとは思います。KPOPアイドルに母国語以外で喋ってと要請するコメントなども似たような感じですね。その「傲慢力」が結果的にコンテンツを拡張させる事もあるかもしれませんし、大手4社の中には昨年の売り上げの7割以上が韓国以外だった事務所もあるので、実際韓国語以外の需要の方がはるかに大きくなってしまっているというところもあるみたいですが。

 

BTSが방탄소년단のままなら今のような人気が出ることは無かったのだろうとも思ったりします」とありますが、デビュー当時からBTSという呼称は「防彈少年團」と並行して使ってた記憶があります。Beyond The Sceneはここ数年からの後付けだと思いますけど、シンプルにバンタンソニョンダンのイニシャルとして海外ではBTS表記も使ってました。BANGTANGとかBULLET PLOOF BOYSとかいまいち統一性はありませんでしたが笑 今現在は海外プレス向けはBTSで統一になりましたが韓国内では방탄소년단のままです。基本的に韓国のグループは国内ではハングル表記で海外では英語の名前やアルファベット(たまに漢字)というのは昔からあったと思います。少女時代とか東方神起などもそうですけど、そもそもデビュー時からある程度の海外進出前提でグループの呼称を決めてるんじゃないかと思います。だから最近改めて欧米圏を意識して始まった事でもなく、KPOP界に少なくとも10年以上前から存在する海外進出前提の慣習のひとつに過ぎないと思います。

アメリカ進出に向けて英語の曲を出す事も10年前から色々な事務所が何回もトライ&エラーしてきてやっと「最も肝心なのはやはり海外でも楽曲や言語以上にファンドムである」「ある程度のファンドム拡大の後、一般層やラジオプレイまで狙うなら現地語化は必要」という流れが最近出てきたところなので、「最近の世界進出」という話でもないんじゃないですかね。

 

KPOPの欧米圏での受容のされ方や浸透の仕方は日本で言うアニメやゲームに近いものになるのではないかと個人的には思っているのでそういう例えになってしまうのですが、例えば今欧米圏で普通に浸透しているドラゴンボールNARUTOといったアニメやマリオやポケモンのような任天堂のゲーム(ポケモンの場合はアニメとの相乗効果もあるでしょうが)も、90年代頃までに現地でリリースされた時には現地向けの名前や設定に変更されていた歴史があり(韓国でも欧米圏とは異なる理由から日本的な名前や設定は韓国に変更されていて今も部分的に残っていますが)カードゲームが世界大会を行うくらい欧米圏でも浸透している遊戯王も、英語版では主人公の名前以外のキャラクターは西洋的な名前に変わっていました。

そしておよそ30年たった現在、全世界で320万本以上を売り上げているATLUSの「ペルソナ5」は欧米圏でも100万本を売り上げるヒット作ですが、日本の学校が舞台でキャラクターの名前や舞台設定自体は英語版でもそのままです。流石にアニメやゲームはストーリーがあるのでセリフなどは現地に合わせた翻訳なしでは無理ですが、キャラクターの設定や名前については一部を除き今は大体そのままでリリースされるようになっています。ここまで来るのに30年以上かかったわけで、異文化のカルチャーが現地にある程度自然に馴染むようになるにはまず初期に自分から相手に合わせていく時期というのは必要なんじゃないかと思うのです。そういう迎合の時期が無くてもすむ世界が理想なんでしょうが、垣根を今すぐ壊したい時には社会がそこまで変わる事を待っていられない事もありますよね。アニメに関しても今でも「吹き替えじゃないと見ない一般層」と「吹き替えは邪道。オリジナルの声優で味わってこその字幕派のオタク」という風に分かれている部分はあるようですが、「アニメの絵柄」自体はファッションやアート、音楽といった世界は勿論一般的にも徐々に受け入れられるようになってきていますし(アメコミやおもちゃの世界でも日本的デフォルメに影響受けてるようなデザインが増えてる感じします)、欧米の人気アーティストの曲のモチーフやサンプリングに前述のゲームやアニメが普通に出てきたり、LIZZOが好きなセーラー戦士について語ったりミーガンが「今日のネイルは青エクイメージなの💅」とか言ったり雑誌のグラビアで轟コスプレするぐらい「当たり前のもの」になったのは、初期の「現地化」があったからこそなんじゃないかと思うんですよね。

 

個人的には今のKPOPがアメリカを初めとする欧米圏に持ち込んだ「アイドル文化」(同じ概念の言葉がないからボーイバンドと呼んでますが、実際はちょっと異なる文化だと思います)ってアジアに比べると特にアメリカは今現在ある意味で最も「遅れている」ジャンルではないかと思います。「ボーイバンド」に関しては欧米圏ではイギリスを中心とするヨーロッパの方が受容されやすく、アメリカのグループもまずヨーロッパ先に売り出すセオリーがあったとか。近年人気のあったONE DIRECTIONもイギリスのグループですし、BACKSTREET BOYSなども先にヨーロッパで人気が出てからアメリカで活動するようになった経緯があります。過去アメリカで人気になったボーイバンドもアメリカ以外の国のグループが多いです。よく「ブリティッシュ・インベイション」と比較されますが、ビートルズアメリカで最初に人気が出た当初は「アイドルバンド」でしたし、だからこそKPOPと同様に壁を壊せた部分もあったのではないかと思ってます。

(今現在のビートルズへの評価はグループ本体以上に「楽曲」そのものに人気が出てそれが現在も支持されているからで、アメリカに入ってきた当初の受け入れられ方と現在の捉えられ方は少し違っているのではないかと思います)

 

ですから、アメリカの大衆がアジアの「アイドル文化」に「追いつく」事ができてそのまま浸透できるようになるまでには、アニメや漫画と同じように試行錯誤と時間がある程度必要なのかもと思ってます。今はネットやSNSという媒体があるので、日本のアニメやゲームよりも浸透する速度は速いかもしれませんけどね。


長くなったので結論だけまとめておきますが、

 

・欧米圏が源流であるポップスジャンルの一種であるKPOPの制作側やパフォーマーが、より幅広い支持を求めて母国語以外の曲を作ってパフォーマンスする事は必ずしも西洋至上主義思考からとは思いません。欧米圏以外のアジアでも同じ事をして人気を獲得してきた歴史があるので、それと同じでは。


・しかし、当事者以外の人たち(ファンや評論家など含む)がアーティストの功績を評価する時、アジアに比べて欧米圏での成功「だけ」を特別に凄いものだとみなして賞賛する事は、西洋至上主義にもとづく行為だと感じます。

 

・韓国語が母国語のアーティストに対して母国語以外を喋れと強要すること、全てのコンテンツに対して自分たちの言語の字幕をつける「べき」と考えて要求する事は傲慢だと思います。(「つけて欲しい」という要望に関しては傲慢とは思いません)


BTSは今も昔も방탄소년단であり同時にBTSでもあると思います

 

【TopDaily訳】韓国ゲーム「チャイナリスク」兎死狗烹か

【TopDaily訳】韓国ゲーム「チャイナリスク」兎死狗烹かかhttp://www.topdaily.kr/news/articleView.html?idxno=80419

トップデイリー:シン·ジンソプ記者


「シャイニングニキ」韓国サービス終了はコンテンツではなく政治によって決まった。韓中間の変化したゲームパワーをうかがわせる出来事だ。

韓国のゲーム界が「チャイナリスク」で苦しんでいる。 技術力と資本を蓄積した中国が韓国の首輪を握って揺さぶっている格好だ。


新作モバイルゲーム「シャイニングニキ」は発売8日で韓国でのサービスを終了すると発表した。 韓服は中国の「漢服」から由来したものだという中国ユーザーの抗議が殺到すると、韓国のサーバーを閉鎖した。 前例のないことだ。


情況が怪しい。 ペーパーゲームズは韓国でかなりヒットした。 女性向けゲーム「ニキシリーズ」で、韓国にも多くのファンがいる。 昨年は韓国支社を設立し、意欲的な姿を見せた。 ペーパーゲームズコリアは問題となった服装をゲーム内から削除し、韓国のユーザーたちをなだめようとした。 ところが同日夕方、サービス終了に突然旋回した。 最初のお知らせには韓国のユーザーに対する「韓国運営チーム」の感謝と謝罪の気持ちが込められていた。 文章はすぐに修正された。 初めて目にするGM(ジェネラル・マネージャー)が「갑툭튀(突然登場)」し、翻訳機を使ったように中途半端な韓国語で中国を侮辱するアカウントは容認できないと伝えた。


韓服が中国文明から来ており、古代朝鮮の始祖が中国人の「箕子」であるという青年連盟中央委員会の文章までリンクした。 該当団体は、中国共産党傘下団体で青年思想指導事業を行う宣伝組織だ。 これにより、ペーパーゲームズの韓国支社は設立1年目で事実上廃業手続きを踏むことになった。 今後の韓国事業は極めて不透明になった。 経営陣としては甘受し難い判断だ。 ゲーム会社自体の意志ではなく、より巨大な上位の力が働いたことがわかる。

 

■  韜光養晦で暴れすぎた中国

中国では「漢服運動」が激しい。 チーパオ(旗袍:いわゆるチャイナドレス)の代わりに、漢服が中国を代表する服装として浮上している。 韓服は明の服飾の影響を受けており、朝鮮族は55の中国少数民族の一つであることから、韓服も中国の文化だという論理だ。

中国のIT企業は、韓国をコピーして吸収し、成長してきた。 00年代までも中国の行商人たちは、韓国ゲームを一つパブリッシング(流通)するために必死だった。 劣悪なインフラと資本、ウェブゲーム以上は考えられないほどの技術力というのが中国ゲームのイメージだった。 中国は甘く、明白な「乙」だった。 ネオウィズ、ウィメイド、スマイルゲート、ネクソンなど韓国のゲーム会社がこの過程で中国と手を組んだ。 しばらくの間、中国は韓国の良きパートナーのように見えた。 中国は限られた国内需要を打開できる検証済みの市場だった。

 

しかし、わずか10年で状況は大きく変化した。 モバイル中心に市場が再編されると、中国は足指の爪を突き出し始めた。 韓国の開発者を上回る金を払って開発力を蓄積し、ITインフラは成長し、14億人口の強力な内需市場が作動し始めた。 韓中のコンテンツ権力関係には破裂音が聞こえ始めた。


多くの行商人の中で最も大きく成長したのがテンセントだ。 SayClubを模倣した「QQメッセンジャー」で市場を掌握していった。「ダンジョン&ファイター」と「クロスファイア」を通じて蓄積した資本でライオットゲームズ、スーパーセル、エピックゲームズ、アクティビジョンリザード(全てアメリカの会社)など有数の会社の株式を買い入れ始めた。韓国のゲーム会社もテンセントの投資を受けて成長した。 カカオゲームズ、ネットマーブル、KRAFTON、4:33など、国内の有名ゲーム会社のうちテンセントの持分がないところはなかなか見つからないほどだ。 韓国ゲームの対中依存度は次第に高まっている。 企画段階から中国市場を念頭に置いて開発したゲームが増えた。 ややこしくて難しい北米は自然と順位が後回しになった。 自然と中国は韓国ゲーム界が回るための十分条件となった。

 

そうしているうちに版号(パンホ)が上がった。 2016年のTHAAD配備に触発された中国の限韓令の一環だった。 一時的な拘束だと思ったが、実際はそうではなかった。 北米圏のゲーム会社には外資版の門戸が開かれたが、韓国のゲーム会社には門戸を出さない。 今になって考えれば、THAADは単なる名分に過ぎなかったという疑念をぬぐい切れない。 自分を隠して力をつけるという「韜光養晦」から中華中心に回帰する「崛起」への転換を知らせる事件だった。 胡錦涛の時代が終わり、習近平の国が開かれたが、韓国ゲーム界は中国が永遠なパートナーになれると楽観した。

 

■毒になった投資、二者択一を迫られる韓国

中国は米国中心の国際秩序に反旗を翻し、紛争の中心に立った。 韓国ゲーム界はいつの間にか中国の好戦的民族主義に同調しなければならないという圧迫を受けることになった。

 

PUBG(韓国のゲーム会社KRAFTONのゲーム「PLAYERSUNKNOWN BATTLE GROUND」)の「バトルグラウンドモバイル」は開発段階からテンセントと協調した。 数百人の開発力を前面に押し出したテンセントのおかげで、わずか数ヵ月で「バトルグラウンド」のモバイルバージョンが完成した。 版号発給には失敗したが、運営の妙を生かして中国市場に進出したという。 中国でサービス中の「和平精英」が名前だけを変えた「バトルグラウンドモバイル」ということを否定する人は珍しい。

 

ブーメランが帰ってきた。 中国とインド間の軍事紛争のため、「バトルグラウンドモバイル」はインド市場から追い出された。 インド政府がPUBGの親会社のKRAFTONを汎中国企業と判断したのだ。 テンセントとの関係を否定しようとするKRAFTONの姿は、まるで横にいるユダのようだった。 しかし10%を超えるテンセントのKRAFTONの持分やKRAFTON登記役員である馬暁偉・テンセント副社長の存在は否定できない烙印だった。

 

中国との葛藤以後、インドの選手たちは「南アジアバトルグラウンドモバイルeスポーツ」大会に出場停止になった。 インドのプロチームが激しく抗議したが、PUBGは何も言わなかった。 選手出場停止はインド政府を極度に刺激する行動に映りかねず、サービス再開に役立つはずがないのにも関わらずだ。この大会はパブジとテンセントの共同主催だった。本紙の質問にもPUBGは特に立場がないと答えた。まるで足を得る代価として魔女に声を捧げた人魚姫のようだ。

 

世界3大市場の一つであるインドで、「バトルグラウンドモバイル」のユーザーは3300万人以上とされている。 インド版削除後、現地のユーザーたちは韓国版やベトナム版を通じて迂回してバグモバイルに接続しているという。 しかし、アクセス遮断は時間の問題と見られる。 PUBGとしては未来市場のインドと、現在の「金づる」である中国との二者択一を強いられたも同然だ。 年内にもテンセントが開発したバトルロイヤルゲーム「コールオブデューティ:モバイル」が中国で発売される。 PUBGの収益下落は予定されているが、これを打開する方法が見えない。     

 

「ダンジョン&ファイターモバイル」の中国発売遅延も同じ文脈から読む事ができる。 今年8月に発売されるはずだったゲームは、11月まで発売が未定のままだ。 ネクソンの公式の立場は「ゲーム内の過没入防止システムのアップグレード」というが、これを信じる業界人はほとんどいない。 果たして10年前なら、テンセントと中国が「ダンジョン&ファイターモバイル」の発売を阻止できただろうか。 中国政府はテンセントを育成するために「ダンジョン&ファイター」が必要だった。 テンセントはもう十分大きくなった。 「ダンジョン&ファイター」はテンセントにとって必要条件にはなりえるが、十分条件にはならない。「法に従ったゲーム」も、もはや中国政府の影響から自由ではない。 「ダンジョン&ファイター」モバイル事態は、韓国ゲーム会社に対する中国政府の警告状のように見える。 「ダンジョン&ファイター」も足止めされているのに、一体どの韓国ゲームが共産党の顔色を伺わずに済むというのだろうか。

 

テンセントは「公然と投資だけで制作には関わっていない」と主張した。 中国の影響を恐れるゲーム会社に握らせた安全ピンだった。 永遠なものはないということだけが永遠だ。 世界的に反中感情が激しくなればなるほど、チャイナリスクは大きくなっていく。 世界のユーザーは中国と関連がないことを明確にせよという十字架を踏むよう求める。 ゲーム会社はある瞬間、中国を否定することが不可能な現実に向き合うようになる。

 

最近「リーグ・オブ・レジェンド」で浮上したセラフィン事態がそうだ。 セラフィンは、中国人アイドルがコンセプトのキャラクターだ。 セラフィンは韓国人キャラクターのアーリ(九尾の狐=クミホのキャラクターでK/DAのリーダー)を押しのけて仮想のKPOPグループK/DAのセンターの座を占めた。 ライオットゲームズはセラフィンは正式メンバーになったわけではないと鎮火に乗り出したが、ユーザーたちは依然として疑いの目で見ている。

 

来年の「ロールドカップ(League Of Legend=LOLのワールドカップ)」」決勝戦は、今年と同じく中国で開催される予定だ。 大陸を交互に渡って行ってきたこれまでのロールドカップ開催地選定の基調とは異なる。 本来2021のロールドカップは北米で行われる予定だったが、COVID19感染症のため日程が「偶然」に変更された。

中国はロールドカップが中国で開催されるべき「偶然の」理由を提供した。 昨年、中国のeスポーツ市場の規模は1000億元を超えており、今年、中国のeスポーツ利用者は4億人を突破する見通しだ。 中国政府の政策的支援を受け、世界のeスポーツの中心は次第に中国へと移りつつある。 数万人を収容できる競技場が整然と立ち並んでおり、eスポーツ大会をサポートする中国内のロール関係者が存在する。 時にはニンジンはムチに劣らず政治的だ。

 

■全世界を揺るがす「原神インパクト」、韓国の脱中国を模索

例外が繰り返されれば、「日常」という名で呼ばれる。 中国ゲームの空襲という言葉はもう古い。 技術力、開発力、事業性などほぼすべての分野で、中国ゲームは韓国ゲームを追い越したというのが大方の見方だ。韓国はもはや復興ではなく生存を模索しなければならない状況に直面した。

今年8月に発売されたmiHoYoの「原神project」は衝撃的だった。 ソ連の宇宙飛行士ガガーリンを見守っていた米国の心情がこのようなものだったのだろうか。 韓国がこれまで何度も叩いても崩れなかったグローバル市場を、業力8年目のゲーム会社がワンビルドで攻略することに成功した。 「チャンスム(中国版ゼルダ)」という国内批判は通用しなかった。 市場調査機関のセンサータワーによると、原神プロジェクトは発売から1ヵ月で2億5000万ドル(約2800億ウォン)を稼いだ。 エピックゲームズの「FORTNITE」(2500万ドル)はもちろん、「リネージュ2:レボリューション」「リネージュM」などの発売初月の記録を上回った。 中国が後押ししたという言い訳も通じない。 原信売上の66.5%は中国以外の地域で発生し、日本で5900万ドル(24%)、米国で4500万ドル(18.3%)稼いだ。

 

中国ゲームはすでに韓国市場に食い込んでいる。 6日基準でGoogleプレイ売上10位のうち、「奇跡の剣」「ライズ・オブ・キングダムズ」「ミューアークエンジェル」「原神project」「S.O.S:ステート・オブ・サバイバル」の5社が中国産だ。 韓国のゲームはMMORPGジャンル以外では売上げ首位圏に入れないで久しい。 MMORPGまでもが、韓国のIP(知的財産権)を借りて中国が開発するゲームが増えている。 中国で飼育し、韓国に輸入して6カ月後に屠畜した「韓牛」に違いない。 今年最高の韓国ゲームを選ぶという「2020ゲーム大賞」のボリュームと深さは目を見張るほどだ。 「原神」と「AFKアリーナ」を除いて今年の韓国ゲーム市場を論じることはできるのか。


たくらみに自分から乗ったのだ。中国がうつぶせになって力をつけている間、韓国は酔っていた。 中堅会社は成功の可否を判断することができない自社開発作より、中国メーカーの肩代わりに余念がなかった。 開発組織を縮小し、事業部は増やし、有名芸能人で不足するゲーム性を「穴埋め」した。中国ゲームの単価が上昇すると、採算の取れないゲーム会社はすぐに減少した。 大手企業は確率型アイテムで、足りない需要を極端に奇形的に増やした。 ユーザーたち、特に未来の顧客である10代から20代前半の民心が離れた。 チャンスを生かせなかった。 中国から流れ出た資本を開発力に転換することに失敗した。 今ちょうどその運を預けたばかりのコンソールでは収益を担保できない。 口ではゼルダと言いながらも、煮込むのは牛骨モバイルだった。

(訳注:牛骨は何度も煮て汁を出すことができるため、隠語で牛骨(サゴル)は繰り返し何度も発売されるものにつける単語。繰り返しバージョン違いや焼き直しで出されるモバゲーのことと思われる)

 

シャイニングニキ事件は偶発的でも突然でもない。 韓国のバラエティー番組、化粧品事業、LCDディスプレー、通信分野ですでに発生していた「兎死狗烹」が、ゲーム界に少し遅れて発生しただけだ。 慎重化思想で武装した中国の青年層は「国強」(愛国消費)を目指し、オンラインでは反中国的なことに容赦ない報復と不買運動を行う紅衛兵に育てられた。 パンダに素手で触ったからといってアイドルグループに石を投げ、朝鮮戦争について語ったからといって退出云々する。  K−コンテンツを育成するという政府は、版号問題についてはまるで幽霊でも見たかのように口をつぐんでいる。

 

光電総局(中国の放送・映画・広告などを管轄する長官級部署)の門戸を開いても解決できる問題ではない。 中華思想こそ最も難しい版号だ。 韓服を韓国のものだと言うゲーム会社が中国に入ることができるだろうか。屈従か自立か、韓国ゲームは岐路に立たされている。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「兎死しして狗(いぬ)烹にらる」:利用価値があるときだけ用いられ、無用になると捨てられてしまうことのたとえ。

 

箕子:中国殷時代の政治家。朝鮮を建国したという「箕子朝鮮説」で知られる(始祖については諸説あり、中国と韓国の歴史学会でそれぞれ見解が異なる部分がある)

 

韜光養晦(とうこうようかい):中国語で「自らの力を隠し蓄える」といった意味の表現。鄧小平が掲げた外交政策のスローガンとして知られる。韜光養晦の語には「韜光養晦、有所作為」と続く。自身の能力は対外的にできるだけ隠しつつ、取るべきものは取る、という方針とされる。(Weblioより)


版号:パンホ=中国当局による外資系出版認可番号/ゲームサービス許可権

http://japan.mk.co.kr/view.php?category=30600004&year=2019&idx=9437


「シャイニングニキ」は日本でも知られている着せ替えゲーム「ミラクルニキ」の続編で、日本ではこれから配信される予定みたいです。ねんどろいども出るし。ユーザーが増えているスマホやオンラインのゲームではやはり中国・韓国が強いですね。

韓服の件はTwitterでも一部話題になってましたが、インドと中国の話は知りませんでした。

ちなみに2018年の韓国ゲーム産業の売上高は約1兆3300億円(14兆2902億ウォン)でKPOPや映画・ドラマなどを含めたコンテンツ輸出額のうち67%以上を占めるそうです。

(参考として、2017年度の日本のゲーム輸出額は1兆7千億円超)

 

韓国アイドル・芸能人でも同じ事が特に最近また目立っているなんですが、そちら関連の記事は「中国でも変わらずドラマやアイドルの人気はあるし、そういう視線は人気の裏返し」みたいな記事の方があったりして...

確かに「人間」がコンテンツだと代替品を作りにくいかもしれませんが、作品性も重視されるコンシューマーゲーム以上にシステムと絵・キャラクターが命のモバゲーやオンラインゲームではそのあたりとってかわられやすいのかもとは思います。日本や韓国の人気イラストレーターと契約したり、「あんさんぶるスターズ!」のHappy Elementsのように本社は中国企業で制作は全て日本の子会社が行なっている人気コンテンツもあり。日本で「荒野行動」や「Identity V(第五人格)」が人気のNet Easeは1ヶ月の売り上げのうち日本が35%をしめた時もあったとか。日本でも「ホロライブ中国」件などありましたし他人事ではないですね。

 

アイドル界隈でもKPOPアイドルが中国内で活動できなくなった間に中国版プデュがブレイクし、KPOPの育成スタイルや制作陣をそのまま参考にしたような中国アイドルがどっと増え、実際に中国内でのKPOP人気を超すファンドム形成&巨額のマネーが動く自体になって来ていますが、中国国内での事はともかくとして、結局はそういう海外コンテンツが流入して来た時でもユーザーが離れない、代替品のないコンテンツを作るしかないのかなとも思います。オタクはどのような手段を使っても手に入れたり見たりするものですし...アニメや漫画などのコンテンツを見ると、技術面に比べるとクリエイション面はコピーやベンチマークできないものだと感じるので。逆に中国アニメの中でも日本でも幅広く支持されている「ロシャオヘイ戦記」みたいな作品はビジュアルだけじゃないその作品にしかないクリエイティビティがあると思いますし、日本製品不買運動の中でも「代替品が他にない」という理由でめちゃ売れたNINTENDO Switchや「あつまれどうぶつの森」、PS5みたいなものもありましたし。

(あつ森は似たような影響で中国ではBANされましたが)

【ize訳】キム・ホジュン、アイドルに劣らないファンドムのトロット皇太子

【ize訳】キム・ホジュン、アイドルに劣らないファンドムのトロット皇太子

https://m.ize.co.kr/view.html?no=2020092510327277978

2020.09.25

 

歌手キム・ホジュンの破壊力がとてつもない。 彼が23日に発売した初の正規フルアルバムの販売量は、1日で41万枚を超えた。 歌謡界の関係者たちも「想像もできなかったこと」と口をそろえる。

 

キム・ホジュンは現在軍服務中だ。 それに先立ち、多くの噂が飛び交った。 議論の一部は認めて頭を下げた。 しかし、彼に対するファンの気持ちは微動だにしない。 これをどう見ればいいのだろうか。

 

#どの程度の成果なのか?

キム・ホジュンは23日、初の正規アルバム『わが家』を発表した。 所属事務所のThinkエンターテイメント側は「『わが家』の販売量が41万1960枚(hanteoチャート23日午後4時基準)を記録した」とし、「プレオーダーだけで37万枚を突破し、大衆の熱烈な関心を立証した」と明らかにした。

 

この数字はどれくらいの意味を持つの

だろうか。 今年上半期のアルバム販売順位(Gaonチャート基準)を見ると、1位はBTS(426万枚)で、SEVENTEEN(120万枚)、EXOベッキョン(97万枚)、NCT127(78万枚)、NCE  DREAM(60万枚)が「トップ5」に入った。 TWICE、IZ*ONE、GOT7などが続く。 キム・ホジュンの現在の成績は上半期基準で、11位に当たる。 しかし、他の歌手の成績が上半期の累積値であり、キム・ホジュンは1日の成績であることを考慮すると、単純に比較することは難しい。 今後販売量が増えればトップ10にも十分入り得る。

 

しかも、彼らは皆、厚いファンドムを基盤にしたアイドルグループだ。 「トップ100」に範囲を広げても、「アイドル」に分類される人を除いてトップ100に名前を載せたソロ歌手は見当たらない。 金ホジュンがそのような困難なことをやり遂げたわけだ。

 

#キム・ホジュン、歌謡界の勢力図を揺さぶる

今は音源の時代だ。 大多数がスマートフォンを基盤に音源サイトに接続してストリーミングで音楽を楽しむ。 アルバム、すなわちCDやカセットテープで音楽を聞かないという意味だ。 結局、最近発売されているアルバムは「聞く価値」よりは「所蔵価値」に重点を置くアイテムだ。

 

アイドルグループが出すアルバムは、総合ギフトセットと同じだ。 写真集を彷彿とさせるほど数多くの写真が収められており、フォトカードの他にも多様なファンサービス的性質のアイテムが含まれている。 ファンはこのアルバムを手にすることで「オッパ」たちと一種の交感をしていると見られる。 結局、アルバムの販売量はファンドムの大きさと比較されるしかない。

 

そのような意味で、キム・ホジュンの成果にさらに注目する必要がある。 彼がトロット歌手としては異例の「ファンドム」を形成したからだ。 キム・ホジュンが歌う曲のジャンル的特性上、中高年層の割合が高まらざるを得ない。 これを考慮すれば、キム・ホジュンの成功は中高年層に対する市場の認識が変わらなければならないという叫びでもある。

 

既存の歌謡界が見ていた中高年層は、「消費階層」ではなかった。 テレビに出る歌手たちに受動的に接し、カセットテープやCDで音楽を聞いていた世代として片付けた。 音源サイトで月単位で決済し、アルバムを購入し、コンサートに訪れる積極的な消費者とは見ていないことを意味する。

 

しかし、キム・ホジュンの人気はこのすべての偏見を破った。 中高年層もやはり「財布を開く」能動的な消費階層ということが証明された。 結局、歌謡界のファンマーケティング方式や対象も同様に見直されなければならない。

 

ある歌謡界関係者は「この1年間、強く吹いているトロットの熱風が中高年層を覚醒させた結果と見られる」とし「TV朝鮮『ミスタートロット』のトップ7がその役割をしっかり果たし、一番先に個人で正規フルアルバムを出したキム・ホジュンを通じて歌謡界の逆転した力学構図が証明された」と分析した。

 

#キム・ホジュン、ロングランのための条件

キム・ホジュンのこうした成功を見守る視線もある。 「ミスタートロット」でスターになって以降、彼をめぐるいざこざが絶えなかったからだ。 現所属事務所に移る前、かなり長い時間一緒に過ごした前所属事務所側の暴露が始まった。 その後、兵役特恵疑惑をはじめ、実母がファンにお祓いを強要し、不適切な後援を受けたという疑惑も提起された。 そのたびに所属事務所は「事実無根」という立場から「法的対応をする」という強硬な反応を見せ、論議に対抗した。

 

しかし、不法賭博疑惑に対してはこれを一部認めた。 所属事務所側は「キム・ホジュンがスポーツ賭博をしたのは事実だ。 最初はコンビニを通じて合法的なスポーツTOTOを始めたが、元マネージャーのクォンさんの知人であるチャさんの紹介で不法サイトを知り、チャさんのIDを利用して3万〜5万ウォンまでかけたゲームを何度もした」とし「最初は不法であることを知らなかった。 金額とは関係なく過ちを認める」と頭を下げた。

 

キム・ホジュンも公式ファンカフェに「どんな理由であれ私の行動に対して過ちを認め、頭を下げて心からお詫びする」とし「以前に私がした過ちに対して自ら認め、今後同じ過ちを繰り返さない」と明らかにし、謝罪の意を伝えた。

 

しかし、このような議論がキム・ホジュンの足を引っ張ることはできなかったという事が、この度のアルバムの販売量を通じて立証された。 議論とは別に、彼に対するファンの心は冷めていないという証だ。

 

しかしこれは、それほど異常な状況ではない。 頑丈なファンドムを備えているアイドルグループではたびたびあることだからだ。 グループ所属の数人のメンバーが過ちを犯して問題になった時、謝罪したり、そのメンバーをしばらく除外して活動を続けても、ファンドムはこれといった問題にしない。 一般大衆とメディアが「目隠しをしている」と指摘しても特別な措置を取ることはない。 これはアイドルグループが徹底的に彼らを支持し、待つファンドムを基盤に成長していくからだ。

 

同じ脈絡で、キム・ホジュンはすでに堅固なファンダムを備えていると見ることができる。 その理由を指摘する様々な分析がある。 恵まれない学生時代を送り、安定した生活ができなかったという同情から、「ミスタートロット」に先立って彼をSBS「ストッキング」から「高校生パバロッティ」に生まれ変わらせた特別な事情も持っている。 そして何より、歌の実力が優れている。 彼の個人的な議論とは別に、歌手としての本質に忠実だという意味だ。

 

また、他の歌謡界関係者は「彼が持っているものが多く大衆を感動させた部分があったため、こうしたファンドムを構築したということは否めない」としながらも「しかし、よりロングランする歌手として生まれ変わるためには、後々また別の論議が起こらないよう常に気をつけると同時に、真正性のある行動でファンドムに属しない一般大衆まで説得させなければならない」と忠告した。

 

ユン·ジュンホ(コラムニスト)

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プデュシリーズの不正が公になって以降、韓国では一般大衆のあいだでののアイドルブームは終わって、2019〜2020は「明日はミス・トロット」「明日はミスタートロット」の大ヒット(2019年のミス・トロットが視聴率18%超えで大ヒットという話だったのが、2020年放送のミスター・トロットに至っては視聴率35%超えたという)によってトロットブームがきてるらしい、というのは知ってはいたんですが、実際キム・ホジュンのアルバム販売量が人気ソロアイドルにひけをとらない売れ方だったので実感しました。2020にリリースされたソロ歌手のアルバム販売量では今のところ1位がベッキョン(EXO)2位キム・ホジュン3位がカン・ダニエルという。

 

トロットも音源配信はあるんですが、やはりコアな視聴者の年齢層が高めなのでSNS投票も子供や孫にきいてという事が多かったそうで、CDの方が売上として目に見えやすいし、それが初めて明らかになったということかも。

(Genieでは20位内に入っていましたが)

 

「グループ所属の数人のメンバーが過ちを犯して問題になった時、謝罪したり、そのメンバーをしばらく除外して活動を続けても、ファンドムはこれといった問題にしない。」っていうのは現状はちょっと違うのではと思いました。むしろ最近はファンの側がすぐ脱退要求したりするようになってきたし、むしろファンの側が告発とか謝罪要求したりするケースもあり。それが通るというわけではないですけど。しかし「歌手としての実力があるから」としながらも最終的には人格とか倫理の話になっていくあたりは韓国メディアらしいかもと思いました。

【ize訳】アイドル、華やかな照明が消えた後

アイドル、華やかな照明が消えた後

人格教育と全人教育の重要性に再びスポットライト

https://m.ize.co.kr/view.html?no=2020082009087261556

2020.08.20

 

歌手兼プロデューサーのパク·ジニョンが率いるJYPエンターテインメントは、まだ学生の身分である練習生たちの学校生活を重視する方だ。 その中には学業成就度も含まれる。

ある人はこう尋ねるかもしれない。 「芸能人にとって学校の成績は何が重要なのか」という言葉だ。 芸能人を職業にしている人々にとってはダンスと歌の実力、ルックスが大衆の心を引くもっと重要な徳目だと言える。

 

しかし、芸能人として成功的な人生を送っている人が果たして何人いるだろうか。 練習生10人のうち1・2人がデビューするとして、デビューした10人のうちの1・2人だけがスターになれると言っても過言ではない。それに、芸能人の寿命は非常に短い。 そのため、その後の生活を営める土台を設けるための方法として、基本的な学業を終えることを勧めるのである。

 

これは現実だ。 大衆の好みはすぐ変わる。 人気は一瞬にして下火になるという意味だ。 その後の人生には誰も責任を負わない。

 


#100歳時代? 花は20~30代に散る

人生の草創期に全盛期を迎えた人生と、人生の終盤に全盛期を享受した人生。 果たしてどのような人生がより豊かだと言えるだろうか?

 

もちろん明確な答えを出すことはできない。 しかし、少なからぬ人々が人生の卒業を悩む時期に平穏なら、自分の人生にかなり満足したと感じるという統計がある。 年を取って体が重く積極的な経済活動が難しい時期に人生が疲弊すれば、これを反転させることは難しいからだ。

 

しかし、アイドルの全盛期はいつも若い時だ。 最近は10代初め・半ばから練習生生活を始め、10代後半から20代初めにデビューするのが普遍的な公式だ。 2〜3年ほど焼き入れを経験した後、スターダムに上がると注がれるスポットライトを浴びる時期は3年前後だ。

 

そして、その恐ろしい「7年目のジンクス」がやってくる。 標準契約書上の最大期間である7年の専属契約期間が過ぎれば、選択の岐路に立たざるを得ない。 グループを離れて新しい人生を探したり、現所属事務所と再び手を取り合ってグループ活動を続けることだ。 実際、7年間命脈を維持して再契約を悩むこと自体が、成功したグループにだけ与えられる特権だ。 「満腹の悩み」かもしれないという意味だ。

 

しかし、ボーイズグループの場合は軍入隊による空白期を経験し、その間に若い後輩たちが自分たちが享受していた地位を手に入れれば、以前の人気を取り戻すことは容易ではない。 さらに、グループメンバーたちがスキャンダルや内部不和、再契約不発などでひとり2人と離脱すれば、グループの影響力は大きく損なわれる。 結局グループを存続させても彼らの全盛期は20代の時にすでに終わってしまうのが一般的だ。

 

#去勢された思春期、遅ればせながらやってくる

華やかな照明が消えた後、アイドルたちには思春期が訪れる。 普通の人々が10代の時に経験する思春期を一歩遅れて患うのだ。 忙しい活動時期、彼らには思春期を享受する権利や自由さえなかったためだ。

 

中二病」という言葉がある。 韓国の年齢では15歳だ。 親をはじめ、大人たちが立てた価値観を排除攻撃して反抗し、同年代の文化の中でだけ根を下ろす時期だ。 親や家族などの血縁はこの時期に耐えながら、子どもたちが賢明に切り抜けることができるように面倒を見る。

 

しかし、アイドルとしてデビューすることを夢見る人々にとっては思春期というのは贅沢だ。 デビューという絶体絶命の目標の下、彼らの感情はコントロールされるしかない。 これを受け入れることができなければ、練習生生活をあきらめなければならない。 歌謡界の関係者は「業界というのは思ったより狭い。 特定の会社で練習生として活動して問題が起こればうわさが広まり、ほかの会社にも練習生としては入りにくい」と語った。

 

そのうえ、彼らには「合宿」という恐ろしい現実が潜んでいる。 情緒的に最も敏感な時期に、育ってきた環境と性向が全く違う練習生たちと一緒に食べて寝るということは、並大抵のことではない。 その中に摩擦や対立が生じても、グループを存続させるためには耐えなければならない。 その過程では睡眠を減らしながら練習を重ね、体重管理のために食事を止めなければならない。

 

このように基本的人権が去勢された生活の中で、彼らの思春期は抑えられる。 そしてスターダムに登り、自分の声を出せる時点になると、解消できなかった思春期がスプリングのように跳ね上がる。 また、グループ活動が終わって派手な照明が消えた後、睡眠を減らして活動した過去とは違いスケジュールがなくて時間的余裕がたくさんできるようになれば、言葉どおり疾風怒涛の時期に入る場合がある。 忘れられているという焦り、未来に対する不安感などが心理的安定を崩す。 大衆にはなかなか接することのできないスターに見えても、内面はまださびしくて傷だらけの少年少女だ。

 

実際、何人かのアイドル歌手たちはなかなか理解しがたい行動で議論を呼んだことがある。 特にSNSを通じて彼らのプライバシーを露出できるようになり、彼らがSNSに掲載した書き込みや写真を巡り、議論が起きることは日常茶飯事だ。

抑えつけられていた欲求を否定的に表出する彼らにとって、人気は「毒」だ。 彼らの一挙手一投足が大衆に露出されるためだ。 悪質な書き込みの攻撃から逃れる空間もない。 昨年、生涯を閉じたアイドル出身の故ソルリやク・ハラが生前、悪質な書き込みに苦しんでいたことはよく知られている事実だ。 もし彼らが他人のように暖かい愛情の中で思春期を過ごし、絶頂の人気を博したアイドル活動が終わった後も十分な情緒的管理が行われていたなら、今とは違う結果を生まなかったか、じっくり考えてみる必要がある。


#アイドルが終わった後、何をして生きるべきか?

周りを見回すと「演技ドル」(演技+アイドル)が本当に多い。 KPOP歌手として活動して世界的な知名度を得ている彼らを前面に立たせれば、海外輸出に役立つ。 そのため、制作会社や放送局は俳優として訓練を受けていない人々を喜んで主人公に使う。 その中の何人かは抜群の演技力で俳優としての位置づけを見せているが、1回限りで消費されて静かに消えてしまう場合が少なくない。

 

彼らが演技に挑戦する理由は簡単だ。 芸能人として生命力を失わないためだ。 20代が過ぎれば全盛期が終わるアイドルとは違って、役者は年を取るほどよりよい演技を披露し、年齢に合った配役を受けることができる。 必ずしも主人公に浮上しなくても、助演俳優としても十分命脈を維持できる。

 

また、別の歌謡界の関係者は「アイドルグループのメンバーが歌手として芸能活動を維持するのは、グループ内でごく数人のみ可能だ。 最近はボーカル、ダンス、ラップなどパート別にメンバーを構成するため、一人ではステージを作れない『半分の歌手カッコイイが大半」と皮肉った。

 

ユーチューブを基盤にした個人クリエイターは、全盛期を過ぎたアイドルたちの新たな活路となっている。MBLAQのミルとジオ、DalShabetセリ、CRAYONPOPウェイ、NRGのチョン・ミョンフンなどがユーチューバーに変身した。 長期間アイドルとして活動しファンダムを確保しているため、彼らは他のユーチューバーに比べて初期から購読者を早く集めることができるという長所がある。 しかし、所属事務所の緻密な企画とマーケティングを排除して自らすべてをやり遂げなければならないため、持続的なコンテンツ供給が難しく、尻すぼみに終わる場合が多い。

 

ある関係者は「激しいアイドル生活を終えた後、どんな人生を送ればいいか分からず彷徨う人が多い。 何をしても過去のスポットライトを再び浴びることは容易ではないため、相対的剥奪感も大きい」とし、「彼らの人生の方向は誰も提示できず、責任を負うこともできない。 自ら全てのことを決定し、責任を負わなければならないという意味だ。 そのため、最近アイドルを保有する会社の人格教育と全人教育が強調されている」と付け加えた。

 

ユン・ジュンホ/コラムニスト

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韓国にも「中2病」っていう言葉はあるんですけど、日本のそれと似てるけどそのままイコールという感じではないようです。「イタい」という部分は同じなんですけど、イタさの種類が違うというか...


「人格教育と全人教育」とか「十分な情緒的管理」みたいな言葉の方が、芸能人として「立派に」生きたあとは、さらに「一般人」として「立派に」生きなければならないというような別種の抑圧を感じる気がする。しかし日本以上にワンアウト即退場というか、やり直しがしにくい世界なのではないかというのは感じます。芸能人や元芸能人に対する色眼鏡もきつい感じがしますし、アイドルやめた後の選択肢がかなり狭いように感じるので...若年層の就職率が日本以上に低いというのも関係があるのかな。この文章自体も「芸能人/アイドル」が大衆からの要求や視線で抑圧されるのは仕方がないみたいな話が前提にあって、そこには疑問を呈してないですし。アイドルの方に教育やトレーニングを受けてメンタル鍛えろとか事務所がフォローしろみたいな話しかしていない。アイドルになったとしても普通に学生しながら活動できるくらいのスケジュールで活動したら良いのではと思わなくもないんですけど、今のように「世界的」な活動が多かったりファンが絶え間ないコンテンツ供給やカムバックを要求するような状況の限り難しいのかもしれません。アイドルとファンや大衆の間にネガティヴなものも含めたもっと率直なやりとりをできるような風通しがないのなら、いっそもっと距離をあけた方がいいようにも思います。

【GQ KOREA訳】デビューできずにいる新人グループの内情

【GQ KOREA訳】デビューできずにいる新人グループの内情  

데뷔를 못하고 있는 신인 그룹들의 속사정 | 지큐 코리아 (GQ Korea)

2020-08-13T15:23:58+00:00


新人グループはデビューする前から「富益富貧益貧」現象を経験する。 COVID19がこれをより克明に表わした。

 

「もう何回先送りにしたのか。 でも、仕方がない」

昨年上半期から、本格的なデビューを控えている新人グループを作ってきたある芸能事務所の関係者Aさんは、もどかしさを吐露している。 本格的なデビューを控えてティージングコンテンツを企画中に投資家たちとの話を盛んに交わされていたところ、COVID19事態が発生し支援が霧散した。 海外公演を中心に組まれていたグループ活動計画に大きな変動が生じ、投資家たちも懐疑的な見方を示したためだ。

 

今年、新人グループをデビューさせた会社のうち、それなりに状況が優れているのはPlayMSTARSHIPエンターテインメントのように、産業内部で認知度や企画能力がすでに認められている会社だ。 PlayMの新人ガールズグループ「Weekly」、STARSHIPエンターテインメントの「CRAVITY」などは、全てカカオMのような巨大プラットフォームのサポートを受けている会社だ。 彼らの中でも全く動じずに計画を実行していると見られる会社は1社、BigHitエンターテインメントだけだ。 BigHitエンターテインメントの場合、新人グループローンチング関連ではMnetでリアリティ番組「I-LAND」を放送中である。 このプログラムにはRainをはじめとする外部の創作陣にBigHitエンターテインメント内部の有名創作陣が登場し、練習生を評価する。 このプログラムのメインテーマ曲はIUが歌った。

 

4年近い間、韓国のアイドル産業を揺るがしたMnet(プロデュース)シリーズが影を潜め、その当時該当番組に出演せずに堂々とデビューしていた新人グループの大半は、予想より苦い結果を招いた。 特にボーイズグループの場合、「プロデュース」シリーズを通じて誕生したWanna OneとX1の間に位置していたThe Boyz・Golden Child・ONF・VERIVERYなどのグループはファンダムの増加による上昇傾向と下落傾向を繰り返し経験し、安定した位置を得ることができなかった。 そして現在訪れているCOVID19事態では、それほど規模の小さくない会社から誕生したこれらのグループが地道に自分の進む道を歩む状況すら容易なものではなくなっている。ある芸能事務所の関係者Bさんによると、「海外公演は不可能で、国内でのアルバム発売だけでは得られる収益は少なすぎる」現在、「何もしないわけにはいかないので」泣き寝入りする人が多いという。

 

そのため、彼らより状況がさらに良くない小規模芸能事務所の立場は言うまでもない。 デジタルシングルの発売を通じてメンバーを1人ずつ公開しようとしたある企画会社は、SNSと絶え間ないYouTubeコンテンツはなければ音源を広報する余地そのものがない状況に直面し、悩んでいる。 「私たちは小規模芸能事務所なので既存のボーイズグループとは違う方法でマーケティングを企画していたが、今現在デビューをするということ自体が無理なようで心配だ」この芸能事務所の関係者たちは頭を突き合わせて悩んでいる。

 

もちろん、十分な資本が投入されなければBTSの後輩グループであるTXTのような、コンセプトからメンバーたちの構成まで質的にきれいに整ったコンテンツは出にくい。 しかし、KPOPの早い成長動力の一つが多様な形のコンテンツにあったという点を考慮すれば、今のように大手芸能事務所以外には生き残れない状況は長期的には産業の動力を弱めかねないという懸念を抱かざるを得ない。 COVID19によってKPOP産業に存在した極端な富益富貧益貧(富む者はさらに富み、貧しい者はさらに貧しくなるという意味)現象が本格的に現れ始めた。 奇跡が起こる可能性があるとしても、期待はできない状況。何より、常に新しいものに出会う期待に満ちていたKPOPファンが興味を失う瞬間が来たら、その時がまさにこの産業が本格的な下落に入る瞬間になるかも知れない。 すぐ目の前のことではなくても、ありえない未来ではない。

 

パク・ヒア(大衆文化ジャーナリスト)

【ize訳】アイドルグループのもう1人のメンバーはプロデューサー!

アイドルグループのもう1人のメンバーはプロデューサー!

https://m.ize.co.kr/view.html?no=2020081315157222906
2020.08.13


1曲のヒット曲が重要な時代があった。 歌ひとつだけ成功させれば、その曲で グループひとつを食べさせる事ができた、そんな時代。 次は世界観だった。 アイドルであるならアルバムからグループまで自分たちならではの叙事やストーリーを持っていてこそ、忠誠度の高いファンどむqを作ることができるという。 そのようにヒット曲と世界観の睦まじいシーズンが過ぎ、今やプロデューサーの時代が訪れた。 良い曲を書いて歌手に提供する作曲家とも違うし、これまで所属会社の「社長」たちが適当に担当してきた責任者とも違うその名前。 K-POPのシーンはもちろん、歌謡界全般を見渡しても国内ではその数が極めて少なく、用語の定義さえ薄かった「プロデューサー」は、今流行っているK-POPグループと共に改めて注目されるポジションとして名声を上げている。 単に曲を書くだけでなく、該当グループのコンセプトや方向性、運命を一緒に作っていく堂々たるジョーカー。 その中で特に目立つ特別な組み合わせを集めてみた。

 

ATEEZーEDEN

最近、海外を中心に高い人気を謳歌している8人組ボーイズグループ「ATEEZ」は、デビューから今までずっとプロデューサーのEDENと呼吸を合わせてきている。 キム・ヒョンジュン(SS501)、BTOB、GFRIENDなどに曲を提供した作曲家でシンガーソングライターとしてキャリアを始めたEDENは、2010年後半にCUBEエンターテイメントを経て現在のKQエンターテイメントに至るまで、該当レーベルのインハウスプロデューサー(フリーランスではなく特定の会社に所属する専属作曲家プロデューサー)として活躍している。 特にATEEZとの作業は、練習生時代から苦楽を共にしてきた時間の流れと悩みがそのまま感じられる結果として良い反応を得ている。 「PIRATE KING」という多少マニアックなコンセプトでスタートしたが、ヒップホップとEDM、ポップスを調和させるプロデューサーEDENの並々ならぬ感覚とメンバーたちのパフォーマンスの実力が出会い、速いスピードでファンダムを増やしている注目すべき組み合わせだ。

 

Lovelyzーユン・サン(1Piece)

アイドルと有名プロデューサーとの出会いを語る時、真っ先に思い浮かぶ名前ではないかと思う。 デビュー曲「Candy  Jelly  Love」(2014)から正規2集リパッケージアルバム「今、私たち」(2017)まで3年余りの歳月が残した彼らの痕跡は、そのままガールズグループのプロデューサーとしての音楽家ユン・サンの新しい挑戦であり、ボーイズグループより専門的かつ体系的なプロデュースを受ける機会が少ない新人ガールズグループの挑戦でもあった。 「Lovelyzの父」を自ら要望しアルバム発売ショーケースの進行まで務めたユン・サンは、互いにそれぞれの道を歩んでいる今でも有効なLovelyz特有のイメージを成功裏に築き上げた。 か弱いが粘り強く、明るくてもどこか寂しいLovelyzならではの切なさは、ユンサンの音楽が持つ固有の音楽的な色と姿を重ね、KPOPではなかなか目にできなかった奥深いガールズグループのイメージを作り出した。

 

BTSーPdogg

「歌手とプロデューサーがお互いをよく知るインハウス・システムがいい」という噂を作った張本人。無名作曲家時代、BigHitエンターテインメント代表のパン・シヒョクが運営していた作曲関連コミュニティに掲載した曲が好評を得て、8IGHTとイム・ジョンヒに曲を与えて始まったPdoggの経歴は、以後BigHitに正式に合流して花を咲かせた。 PdoggとBTSと言えば思い浮かぶ「ヒップホップとエレクトロニックを基盤としたポップサウンド」は、いまやBTSはもちろんKPOPを代表する音楽的アジェンダとなり、終わりのない分析と再生産の対象となっている。 彼らの協業はヒップホップアイドルを標榜したデビュー作『2  COOL  4  SKOOL』(2013)で、エド・シーラン、ニッキー・ミナージュ、The Chainsmokersといった世界的なポップスターたちと肩を並べるようになった今でも継続している。 彼らが作り出す化学作用は活動の基本である音楽作業はもとより、BTSの重要な成功要素の一つと指摘される多層的で細かな世界観まできめ細かく繋がり、歌手とプロデューサーとの絆がよい結果物へと繋がる代表的事例となった。


ONFーファン・ヒョン(MONOTREE)

2020年、今一番熱い組み合わせだ。2017年にデビューした6人組ボーイズグループのONFは、これまで東方神起、少女時代、SHINee、EXO、Red  VelvetなどSMエンターテインメントアーティストのアルバムで「隠れた名曲」または「タイトルより良い収録曲」として静かに名声を築いてきたファン・ヒョン(MONOTREE)が初めてグループ単位のプロデュースに挑戦したケースだった。 デビュー作「ON/OFF」(2017)から2019年10月に発売された「GO  LIVE」まで約2年間積み重ねてきた2組は、2020年のミニ3枚目のタイトル曲「We Must Love」の口コミとMnet「ロード・トゥ・キングダム」への出演で目覚ましいシナジー効果を生み出し話題を呼んだ。 ビート、メロディー、歌詞、世界観においてもミニマリズムとは一線を画すかのように、前ばかり見て駆けつけるファン・ヒョンの音楽とONFが作り出した過剰なイメージはクールさに疲れていたKPOPファンの視線を一気に捕らえ、「ファントーベン」(ファン・ヒョン+ベートーベン)「ファンボジ」(ファン・ヒョン+アボジ=お父さん)のような新しい修飾語とともに、グループの人気もまた同時に押し上げている。


ソンミーFRANTS

ソンミとプロデューサーフランツの縁は、2人がJYPエンターテインメントに一緒に勤めていた時代にさかのぼる。 JYPのインハウスプロデューサーとして活動し、ワンダーガールズ、GOT7、TWICE、DAY6などの音楽を作業したフランツは、当時徐々に自作曲の数を増やしていたソンミの良き音楽的師匠でありパートナーだった。 自作曲「Why  So  Lonely」をチャート1位に上げた自信を基にソロ独立後徐々に自分だけの音楽的領域を広げていたソンミは、初のソロアルバム「WARNING」のパートナーとしてフランツを指名する。 タイトル曲「Siren」はもちろん、収録曲「ADDICT」、「Black  Pearl」を共同で手がけた彼は、ソンミだけの中低音ボーカルと神秘的な雰囲気を最も豊かで魅力的に描き出せるプロデューサーとして確固たる位置を占めている。その後、「LALALAY」「pporappippam」と続く彼らの出会いは、スマートで勤勉なアーティストとセンスのあるプロデューサーが柔軟に交差した望ましい組み合わせで、これからもKPOPファンの記憶の中に忘れられない瞬間を作り上げていくだろう。


キム・ユンハ(大衆音楽評論家)

 

※当初ファンバジの意味がわからなかったのでそのまま書いてましたが、ONFのファンのかたから「ファンボジ=ファン+アボジの造語」だと教えていただいたので修正しました。