サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】アイドル、華やかな照明が消えた後

アイドル、華やかな照明が消えた後

人格教育と全人教育の重要性に再びスポットライト

https://m.ize.co.kr/view.html?no=2020082009087261556

2020.08.20

 

歌手兼プロデューサーのパク·ジニョンが率いるJYPエンターテインメントは、まだ学生の身分である練習生たちの学校生活を重視する方だ。 その中には学業成就度も含まれる。

ある人はこう尋ねるかもしれない。 「芸能人にとって学校の成績は何が重要なのか」という言葉だ。 芸能人を職業にしている人々にとってはダンスと歌の実力、ルックスが大衆の心を引くもっと重要な徳目だと言える。

 

しかし、芸能人として成功的な人生を送っている人が果たして何人いるだろうか。 練習生10人のうち1・2人がデビューするとして、デビューした10人のうちの1・2人だけがスターになれると言っても過言ではない。それに、芸能人の寿命は非常に短い。 そのため、その後の生活を営める土台を設けるための方法として、基本的な学業を終えることを勧めるのである。

 

これは現実だ。 大衆の好みはすぐ変わる。 人気は一瞬にして下火になるという意味だ。 その後の人生には誰も責任を負わない。

 


#100歳時代? 花は20~30代に散る

人生の草創期に全盛期を迎えた人生と、人生の終盤に全盛期を享受した人生。 果たしてどのような人生がより豊かだと言えるだろうか?

 

もちろん明確な答えを出すことはできない。 しかし、少なからぬ人々が人生の卒業を悩む時期に平穏なら、自分の人生にかなり満足したと感じるという統計がある。 年を取って体が重く積極的な経済活動が難しい時期に人生が疲弊すれば、これを反転させることは難しいからだ。

 

しかし、アイドルの全盛期はいつも若い時だ。 最近は10代初め・半ばから練習生生活を始め、10代後半から20代初めにデビューするのが普遍的な公式だ。 2〜3年ほど焼き入れを経験した後、スターダムに上がると注がれるスポットライトを浴びる時期は3年前後だ。

 

そして、その恐ろしい「7年目のジンクス」がやってくる。 標準契約書上の最大期間である7年の専属契約期間が過ぎれば、選択の岐路に立たざるを得ない。 グループを離れて新しい人生を探したり、現所属事務所と再び手を取り合ってグループ活動を続けることだ。 実際、7年間命脈を維持して再契約を悩むこと自体が、成功したグループにだけ与えられる特権だ。 「満腹の悩み」かもしれないという意味だ。

 

しかし、ボーイズグループの場合は軍入隊による空白期を経験し、その間に若い後輩たちが自分たちが享受していた地位を手に入れれば、以前の人気を取り戻すことは容易ではない。 さらに、グループメンバーたちがスキャンダルや内部不和、再契約不発などでひとり2人と離脱すれば、グループの影響力は大きく損なわれる。 結局グループを存続させても彼らの全盛期は20代の時にすでに終わってしまうのが一般的だ。

 

#去勢された思春期、遅ればせながらやってくる

華やかな照明が消えた後、アイドルたちには思春期が訪れる。 普通の人々が10代の時に経験する思春期を一歩遅れて患うのだ。 忙しい活動時期、彼らには思春期を享受する権利や自由さえなかったためだ。

 

中二病」という言葉がある。 韓国の年齢では15歳だ。 親をはじめ、大人たちが立てた価値観を排除攻撃して反抗し、同年代の文化の中でだけ根を下ろす時期だ。 親や家族などの血縁はこの時期に耐えながら、子どもたちが賢明に切り抜けることができるように面倒を見る。

 

しかし、アイドルとしてデビューすることを夢見る人々にとっては思春期というのは贅沢だ。 デビューという絶体絶命の目標の下、彼らの感情はコントロールされるしかない。 これを受け入れることができなければ、練習生生活をあきらめなければならない。 歌謡界の関係者は「業界というのは思ったより狭い。 特定の会社で練習生として活動して問題が起こればうわさが広まり、ほかの会社にも練習生としては入りにくい」と語った。

 

そのうえ、彼らには「合宿」という恐ろしい現実が潜んでいる。 情緒的に最も敏感な時期に、育ってきた環境と性向が全く違う練習生たちと一緒に食べて寝るということは、並大抵のことではない。 その中に摩擦や対立が生じても、グループを存続させるためには耐えなければならない。 その過程では睡眠を減らしながら練習を重ね、体重管理のために食事を止めなければならない。

 

このように基本的人権が去勢された生活の中で、彼らの思春期は抑えられる。 そしてスターダムに登り、自分の声を出せる時点になると、解消できなかった思春期がスプリングのように跳ね上がる。 また、グループ活動が終わって派手な照明が消えた後、睡眠を減らして活動した過去とは違いスケジュールがなくて時間的余裕がたくさんできるようになれば、言葉どおり疾風怒涛の時期に入る場合がある。 忘れられているという焦り、未来に対する不安感などが心理的安定を崩す。 大衆にはなかなか接することのできないスターに見えても、内面はまださびしくて傷だらけの少年少女だ。

 

実際、何人かのアイドル歌手たちはなかなか理解しがたい行動で議論を呼んだことがある。 特にSNSを通じて彼らのプライバシーを露出できるようになり、彼らがSNSに掲載した書き込みや写真を巡り、議論が起きることは日常茶飯事だ。

抑えつけられていた欲求を否定的に表出する彼らにとって、人気は「毒」だ。 彼らの一挙手一投足が大衆に露出されるためだ。 悪質な書き込みの攻撃から逃れる空間もない。 昨年、生涯を閉じたアイドル出身の故ソルリやク・ハラが生前、悪質な書き込みに苦しんでいたことはよく知られている事実だ。 もし彼らが他人のように暖かい愛情の中で思春期を過ごし、絶頂の人気を博したアイドル活動が終わった後も十分な情緒的管理が行われていたなら、今とは違う結果を生まなかったか、じっくり考えてみる必要がある。


#アイドルが終わった後、何をして生きるべきか?

周りを見回すと「演技ドル」(演技+アイドル)が本当に多い。 KPOP歌手として活動して世界的な知名度を得ている彼らを前面に立たせれば、海外輸出に役立つ。 そのため、制作会社や放送局は俳優として訓練を受けていない人々を喜んで主人公に使う。 その中の何人かは抜群の演技力で俳優としての位置づけを見せているが、1回限りで消費されて静かに消えてしまう場合が少なくない。

 

彼らが演技に挑戦する理由は簡単だ。 芸能人として生命力を失わないためだ。 20代が過ぎれば全盛期が終わるアイドルとは違って、役者は年を取るほどよりよい演技を披露し、年齢に合った配役を受けることができる。 必ずしも主人公に浮上しなくても、助演俳優としても十分命脈を維持できる。

 

また、別の歌謡界の関係者は「アイドルグループのメンバーが歌手として芸能活動を維持するのは、グループ内でごく数人のみ可能だ。 最近はボーカル、ダンス、ラップなどパート別にメンバーを構成するため、一人ではステージを作れない『半分の歌手カッコイイが大半」と皮肉った。

 

ユーチューブを基盤にした個人クリエイターは、全盛期を過ぎたアイドルたちの新たな活路となっている。MBLAQのミルとジオ、DalShabetセリ、CRAYONPOPウェイ、NRGのチョン・ミョンフンなどがユーチューバーに変身した。 長期間アイドルとして活動しファンダムを確保しているため、彼らは他のユーチューバーに比べて初期から購読者を早く集めることができるという長所がある。 しかし、所属事務所の緻密な企画とマーケティングを排除して自らすべてをやり遂げなければならないため、持続的なコンテンツ供給が難しく、尻すぼみに終わる場合が多い。

 

ある関係者は「激しいアイドル生活を終えた後、どんな人生を送ればいいか分からず彷徨う人が多い。 何をしても過去のスポットライトを再び浴びることは容易ではないため、相対的剥奪感も大きい」とし、「彼らの人生の方向は誰も提示できず、責任を負うこともできない。 自ら全てのことを決定し、責任を負わなければならないという意味だ。 そのため、最近アイドルを保有する会社の人格教育と全人教育が強調されている」と付け加えた。

 

ユン・ジュンホ/コラムニスト

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韓国にも「中2病」っていう言葉はあるんですけど、日本のそれと似てるけどそのままイコールという感じではないようです。「イタい」という部分は同じなんですけど、イタさの種類が違うというか...


「人格教育と全人教育」とか「十分な情緒的管理」みたいな言葉の方が、芸能人として「立派に」生きたあとは、さらに「一般人」として「立派に」生きなければならないというような別種の抑圧を感じる気がする。しかし日本以上にワンアウト即退場というか、やり直しがしにくい世界なのではないかというのは感じます。芸能人や元芸能人に対する色眼鏡もきつい感じがしますし、アイドルやめた後の選択肢がかなり狭いように感じるので...若年層の就職率が日本以上に低いというのも関係があるのかな。この文章自体も「芸能人/アイドル」が大衆からの要求や視線で抑圧されるのは仕方がないみたいな話が前提にあって、そこには疑問を呈してないですし。アイドルの方に教育やトレーニングを受けてメンタル鍛えろとか事務所がフォローしろみたいな話しかしていない。アイドルになったとしても普通に学生しながら活動できるくらいのスケジュールで活動したら良いのではと思わなくもないんですけど、今のように「世界的」な活動が多かったりファンが絶え間ないコンテンツ供給やカムバックを要求するような状況の限り難しいのかもしれません。アイドルとファンや大衆の間にネガティヴなものも含めたもっと率直なやりとりをできるような風通しがないのなら、いっそもっと距離をあけた方がいいようにも思います。