サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

2018 輝け!DJ泡沫(誰)が選ぶKドル日本オリジナル曲大賞(2019の間違いではありません)

2019年も終わっちゃいましたね。あけましておめでとうございます。

2018年末にこの記事を書き上げる予定でしたが、年末に依頼されて年明けすぐ締め切りの原稿があったりなんだりでのんびりのびのびにしてたらもう2020年が来てしまいました。しかしここは自分の城なので、そんな事は気にせず進めようと思います。


「2018 輝け!DJ泡沫(誰)が選ぶKドル日本オリジナル曲大賞」

(※2020年の元旦に2019ではなく2018の振り返りをお送りしております)


さて、2017年度は日本オリジナル曲があまりなかったのもありやらなかったんですが、2018年度は結構あったので2年ぶりに開催する事にしてみました。

今回も特に誰も待ってないと思いますが、ただの趣味なので気にしない。


ちなみに2年前の記事はこちらです。


2018年1月〜2018年12月の間に日本で発売された日本オリジナル曲

・後に韓国語バージョンがリリースされたものも含む

・シングル曲アルバム曲問わない

 

ベスト1以外は順不同(大体リリース順)になっております。

ところでYouTubeの埋め込み方式?が変わったらしく、リンクを貼ってもブログにタイトルや埋め込み動画が表示されなくなってるみたいです。リンク自体は貼れてるみたいですが。


Cosmic Railway/EXO

作詞:Sara Sakurai

作曲:STEVEN LEE/Tom Hugo

 

Cosmic Railway

Cosmic Railway

 

EXOの初日本オリジナルアルバムの中の一曲でした。タイトル曲のElectric KissもMVがロボットレストランというかTOKYO感(?)でしたが、この曲はJPOPっぽみ以上に歌ってる場面がはっきり浮かぶところが良かった。日本版アルバムって概ねライブ公演ありきというか、それを想定して作ってるケースが多いと思うんですけど、コンサート後半かアンコールのしっとりタイムがすぐ浮かびました。2年前もComing Overを選びましたが、やっぱり音盤やMV以上にライブで良さが際立ちそうというつながりでした。


Raining/WINNER

作詞:HOONY/MINO/ZERO

作曲:HOONY/UK JIN KANG

https://youtu.be/hWWl9biyMtM


この曲とHave A Good Dayは先に日本語バージョンが出て後で韓国のアルバムに韓国語バージョン収録されましたが、最近は結構こういうパターンは増えてますね。

特にこの曲はちょっとぎゅっと歌詞を詰めたような箇所もありますが、音節が母音で終わる開音節の多い日本語の方が合っている曲調のようで、先に日本語で出した意味がわかった気がします。


Candy Pop/TWICE

作詞:Min Lee “collapsedone”・Mayu Wakisaka

作曲:Min Lee “collapsedone”・Mayu Wakisaka

https://youtu.be/wQ_POfToaVY


日本オリジナルというとイメージが変わっちゃったりというのも気にされるポイントですが、この曲はまさにTWICEの持つメジャーでマスでポップな面を最大限まで拡大し、かつ人気コンテンツの制作者でアニメーションでMVを作るという日本オリジナルでやるならここまでふりきるのが良いな!という一曲でした。


Let Go/BTS(防弾少年団)

作詞:UTA・HIRO・JUN・SUNNY BOY 日本語ラップ詞:KM−MARKIT

作曲:UTA・HIRO・JUN・SUNNY BOY

https://youtu.be/VOS766qqzlM


Crystal Snow/BTS(防弾少年団)

作詞:Kanata Okajima・Soma Genda・Rap Monster 日本語ラップ詞:KM−MARKIT

作曲:Kanata Okajima・Soma Genda・Rap Monster

https://youtu.be/s3Fs7dlZ7WY


BTSこと防弾少年団の3枚目のオリジナルアルバムの収録曲です。防弾はシングル先行リリースという日本ならではのスタイルは守りつつ最初の日本版アルバムから過去曲をリミックスしたイントロとアウトロを入れたりと韓国アルバムと同じような作り方をしているし、ラップリリックの翻訳もずっと同じラッパーの方(お前のBIGな夢はナニ)が担当していて、そういう部分はレコード会社が変わっても同じですね。

Crystal  SnowとLet Goみたいな曲は本国楽曲とはまた違ったボーカルライン(時にはラップラインも)の歌い方も聴くことができて、なおかついわゆるバラード曲とも違うちゃんとポップスらしいキャッチーさもあるところが良いと思います。そしてなんといっても一番大きいのがボーカルパートの配分の違いではないでしょうか。本国曲ではボーカルパートの配分やハイトーンパートを歌うメンバーはどうしても偏りがちですが、日本オリジナル楽曲ではパートを平均的にしたがりがちという事もあるのか、韓国の楽曲ではあまりパートが多いとは言えないメンバーもパートが増えるのもまた韓国楽曲と違う魅力になってる感じがします。ラップの感じもちょっと違いますし。そしてラップメインの曲は子音で終わる閉音節の多い韓国語の方が聴こえ方が気持ち良いように、こういう楽曲は母音で終わる日本語の方がしっくりきやすいように感じます。Crystal  Snowは作詞作曲にRap Monstar(RM)も参加していて、韓国曲で海外作曲家と一緒に作ってるのと同じスタンスですしね。


Aura/MONSTA X

作詞:Jooheon・ Ye-Yo!

日本語詞:ZERO

作曲:Jooheon・ Ye-Yo!

Aura

Aura

 

MONSTA XはSPOTLIGHTと迷いました。SPOTLIGHTは後で出た韓国アルバムに韓国語バージョンが収録されたパターンだったので、メンバーのジュホンが作詞作曲したこの楽曲を。割と最近本国アルバムには入らないメンバー作の曲が日本アルバムに入るパターンも増えてきてるような。しかしこんなわりとゴリゴリの曲を日本オリジナル曲にするのも珍しい感じがします。関係ないですが同じアルバムに入ってるKILLIN' MEという曲にはそこはかとないLDHの香りを感じます。MONSTA Xの楽曲は日本と韓国で制作陣があまり変わらないし、今までアメリカでリリースされたオリジナル楽曲も全て英語詞で歌っていて、2月に出る予定のアメリカオリジナルアルバムの収録曲が既存曲以外どの様になるのか気になっています。アメリカで本格的に活動する場合も日本と同様に英語で歌うのかという謎が明らかに!?(防弾は色々と参考にならないグループだと思うので)


Chain/ NCT127

作詞:MEG.ME

作曲:250・Albin Nordqvist

https://youtu.be/28XC2KRE-DE


NCT127のSMの中での楽曲的特徴として、EDMがベースだけどヒップホップ要素も(SMにしては)強めと言うのがあると思うんですが、パッチムがある韓国語と比べると日本語は切れ目がない分なんとなくラップに乗せにくい(ラップのトーンにもよるとは思うものの)感じがあり、それがKPOPらしい「ラップパート」を日本語の楽曲に持ってきた時の難しさにも繋がるのかな?と。その点この曲はラップパートの歌詞は8割くらい英語で、聴いた時の印象が韓国語のNCT127の曲を聴いた時の感触からブレが少ないように感じました。


Shining On You/GOT7

作詞:Defsoul・Mirror BOY(220VOLT)・D.ham(220VOLT)・Moon Hanmiru(220VOLT)・Samuelle Soung

作曲:Defsoul・Mirror BOY(220VOLT)・D.ham(220VOLT)・Moon Hanmiru(220VOLT)

Shining on You

Shining on You

  • GOT7
  • J-Pop
  • ¥255

 

韓国のアルバムには入らないメンバー作の曲が日本オリジナルアルバムに入るケースが増えているとMONSTA Xのところでも書きましたが、この曲もDefsoul名義でリーダーのJBが作詞作曲プロデュースしている曲ですね。GOT7はメンバーユニット楽曲も韓国と日本で組み合わせが変わったりして(日本活動に参加してないメンバーがいるというのもあるでしょうが) オリジナリティのある活動の仕方をしてる印象です。

 

#Cookie Jar/Red Velvet

作詞:MEG.ME

作曲:Efraim Faramir Sixten Fransesco Vindalf Cederqvist Leo・Mats Koray Genc・Gavin Jones・Saima Iren Mian・Ronny Vidar Svendsen

https://youtu.be/rRgTMs_bGuI


女子グループが韓国曲のカバーではなく日本オリジナル曲で日本デビューするのはかなり珍しくなってると思うのですが、レッベルはこれはオリジナルのデビュー曲でした。SMはグループやどこの国で発表するかが曲の買付の後で変わったりするらしいですが、この曲も韓国のREDイメージアルバムに入ってても違和感ない感じでした。MVに毒成分は少し軽めで歌詞の可愛いは正義とかは日本ならでは感もあり。


Sunny Side/SHINee

作詞:SHINee

作曲:Hanif Hitmanic Sabzevari・Erik Mjornell・Lars Safsund

https://youtu.be/vUl9Y0I2oPM


2017年末にメンバーが自ら命を絶つという想像もつかないような衝撃があったSHINeeがその後初めて出したアルバムにはファンへのメッセージが込められていましたが(https://realsound.jp/2018/07/post-217918.html)、この日本オリジナル楽曲も作詞がSHINeeのメンバー本人でより直球のファンへのメッセージが込められてる辺り、曲調ややり方への好みはあるかもしれませんが、日本活動への誠実さを感じざるを得なかったです。

2018は他にもKEYとテミンがそれぞれソロEPやアルバムを日本出してましたが、それぞれが本人のこだわり(KEYならデザインやビジュアルとか、テミンならダンスとか)が感じられて面白かったです。

https://youtu.be/nzEnIuvAkMY

https://youtu.be/c-yUSDd-gcw

https://youtu.be/D0OTv7ZUle4

https://youtu.be/_iEZKtuGzmY

 

Reincarnation/VIXX

作詞:SHOW for Digz, Inc. Group

作曲:Simon Janlov/MLC

YouTube

 

Last Note~消えた後の蝋燭の香り/VIXX

作詞:谷中敦/ラップ詞:RAVI(GTCK)/日本語ラップ詞:SHOW for Digz, Inc. Group

作曲:冨田恵一


冨田ラボ作曲・スカパラ谷中敦作詞というのでリリース当時一部で話題になっていた記憶が。作詞に安藤裕子も参加してたり豪華です。

VIXXのこの曲が入ったアルバムは、韓国で出た「Scentist」という調香師がコンセプトのタイトル曲の収録アルバムを、同じく「香り」をコンセプトにして日本オリジナルアルバムとして再構築したもので、日本語の日本オリジナル曲と韓国のアルバム曲が韓国語のまま混ざって入ってます。VIXXといえばコンセプトドルと言われるくらい毎回その特殊なコンセプト(そこ来たか〜という)がアイデンティティなところがあると思うので、そのやり方をそのまま継承している点が新しい感じ。再構築という意味でアルバムタイトルもタイトル曲も「Reincarnation」(輪廻転生)というのもなるほどなだし、メンバーのHyuk作曲の曲も入っている上にアルバムを通して聴くと楽曲の統一感もあるという。Depend On Meもそうでしたが、韓国の楽曲と対になるような歌詞やMV(Scentistは赤が基調だったのがReincarnationは青だったり)など、色々模索してここの地点まで来たんだなというのもあって流れを見ると味わい深いです。


Reincarnation 


Memoria/GFRIEND

作詞:Carlos K.

作曲:Carlos K.・JOE

https://youtu.be/YTWwz6R6jy0


女子グループが韓国曲のカバーではなく日本オリジナル曲で日本デビューするのは珍しいと書きましたが、GFRIENDの場合は先に韓国での代表曲の日本語バージョンを集めたEPが出て、実質のデビュー曲と言えるこのシングルは日本オリジナルというパターンでした。GFRIENDはデビュー当時から曲もコンセプトもどこか日本ぽいと言われていた事もあり、逆に日本語バージョンの方がしっくりきている曲もあるのでは?という珍しいパターンかもしれません。この曲は作詞作曲ともに日本の作家さんなんですが、GFRIENDのタイトル曲を並べて聴いてみた時にも馴染みそうだし、後で韓国アルバムに収録された韓国語バージョンも違和感なく収まってる感じがします。 GFRIENDは日本の作家さんの作った日本オリジナル曲を後で韓国版アルバムにも収録するパターンが多いみたいなんですが、2019年に出た日本オリジナルアルバムのタイトル曲Fallin' LightはMemoriaを作ったCarlos.K氏と韓国のタイトル曲を手がけているイギヨンベ(イギ&ソ・ヨンベ)との共作で、日韓のクリエイションがフュージョンという理想的な一曲と言えるかもしれません。

(2019年の曲なので今回入れてませんが)


Stop The Rain/DAY6

作詞:Young K/Sungjin/Jae/Wonpil

作曲:Shinichi Ubukata/Young K/Sungjin/Jae/Wonpil

https://youtu.be/64DtWBXjU2Y


バンド文化は日本の方が定着してジャンル的にメジャーというのもあるのか、バンド系のグループは日本に武者修行的に来たり韓国よりも「バンドっぽい」独自活動をする事が多いですが、DAY6もまさにそうで、メンバーが日本語オリジナル楽曲でも日本語・英語で作詞に参加していて、作り手の能力次第では海外活動でもこのくらいの深度で制作に関わることが出来るという例だと思いました。他のバンド系グループもそうですが、韓国ではもっとバラードやポップス寄りの曲をやってるグループが「ロックっぽい」曲をやる事も多く、特にこの曲はELLEGARDENとNothing's Carved In Stoneのギタリストである生方真一氏がプロデュースというのもあるのか、いわゆるJ-ROCKぽさが際立っている感じがします。先輩バンドのメンバーが後輩バンドのプロデュースをするというのも韓国のメジャーシーンではまだあまり見られないので、日本などのバンド文化が盛んな国でだから出来る事かもしれません。実際DAY6の日本オリジナル曲は韓国のファンからも人気があるようですよね。「If」や「Live Your Life」はもともと韓国で発表するために書いた曲だったそうですが、結局コンペで落ちたりだったのが日本側では評価が高くてそっちでリリースする事になったとか。

Unlock

Unlock


それでは、2018年の個人的日本オリジナル楽曲ベスト1の発表です!

(淡々ときたし、一昨年の事なので今年も特に盛り上がらない)

 

CALL!CALL!CALL!/SEVENTEEN

作詞:WOOZI・BUMZU・下地悠

作曲:WOOZI・BUMZU・PARK KITAE

https://youtu.be/BgR_HJ7aGDY


韓国のアイドルが日本活動をやる際に、特に「メンバーが楽曲制作に関わっている」という事を前面に出して売りにしているグループの場合は、日本の楽曲にもどの程度関わっているのか?という点で活動への真摯度が計られてしまいがちな部分もありますが、その点でもSEVENTEENのこの楽曲は本国のタイトル曲と同じウジとBUMZUの作詞作曲、同じくらいの気合を感じるパフォーマンス密度とMVの出来。加えてちゃんと「日本ならではの日本っぽい楽曲とは何か」をきちんと考えた結果のこの仕上がりなんだろうというのが聴けばわかるという事で、文句なしに2018の日本語オリジナル楽曲大賞ではないかと思いました。


2016年とほぼ同じシメになりそうですが、「日本で日本語の楽曲でパフォーマンスする」と言っても今は本当に色々なやり方がありますね。ある程度韓国で人気のあるグループの場合は日本でデビューする事が多くなっているようですが、2019にはThe BOYZのように日本オリジナルアルバムだけどほとんど韓国語か英語詞しかないアルバムをリリースするグループが出てきたりもしましたし。日本で活動すると言ってもどのくらいの人気があるのかとか(地上波のTVに出られるのかどうかとか)どの程度の深度でビジネスをするのか・出来るのかにもよるのかもしれませんが。

 

個人的には実際何語でもあんまり気にしない(日本語だったらコンサートやカラオケで歌いやすいからいいな位の感じ)ので、この先どうなっていくのか川の流れを観察する感じで日本語オリジナル楽曲をウォッチングしていきたいと思っております。