サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】SuperM「ビルボード200」1位、その次が気になる

【ize訳】SuperM「ビルボード200」1位、その次が気になる

2019.10.18

http://m.ize.co.kr/view.html?no=2019101806227286651

 

この13日に公開された、10月19日付「ビルボード200」1位はSuperMの「SuperM:The 1st Mini Album」だ。SHINee、EXO、NCT127、WayVはそれぞれ「ビルボード200」で成績を出してはいる。しかし、「NCT#127 We Are Superhuman:The4th Mini Album」が11位まで上がってきたことを考慮すると、いわゆる「スーパーグループ」を生み出した価値はある。アルバム発売につながる活動やシングルを公開したことがない状態で「ビルボード200」1位に上がったこと自体が珍記録だ。K-POPの特異な市場状況と近年の「ビルボード200」戦略が統合され、面白いことが可能だった。

 

成績をもっと詳しく見てみよう。「ビルボード200」はアルバム販売チャートで、アルバムだけでなく、ストリーミングと音源の販売成績も換算して反映する。「SuperM:The 1st Mini Album」の成績は16万8000枚単位であり、その中の実物アルバム販売量は11万3000枚、デジタル音源は5万1000枚だ。ストリーミングの成績はアルバム単位で4000枚、約500万回程度になる。SuperMのアルバムは米国市場以外には発売されず、韓国を含む米国以外の地域のファンは米国で直接購入をするしかなかった。アマゾンなどのショッピングモールから韓国に直接配送されるとチャートの成績に反映されるかどうかは定かではない。(訳注:buzzfeedなどの記事によると、海外からの直接購入分はビルボードチャートには入らないようになってるとの事です)とにかく多くの人が直接配送ではなく、配送代行を利用していた。


アルバムはメンバー別7つのバージョンと「united」バージョン、計8つのバージョンで発売された。公式サイトでは60種以上のMD、公演チケットバンドル(訳注:グッズや公演のチケットとアルバム音源DL権の抱き合わせ販売)を販売した。米国市場でMDや公演チケットをアルバムと合わせて売るのはよくあることだ。特に、アルバム/コンサートバンドルは、ここ数年間特別な最新ヒット曲がない有名アーティストの名前を維持するために「ビルボード200」を攻略したり、最近の人気アーティストでもアルバム発売初週の成績を確実に確保するための戦略として人気が高かった。確実なフィジカルアルバム購買層を攻略するためにパッケージを多様化することも、もはやおなじみである。テイラー・スウィフトは最近、アルバム「Lover」のデラックスバージョンを4種類作った。先日、カムバックした伝説的なバンドTOOLは、アルバム/コンサートバンドルはせず、独占動画が再生される4インチ画面がついた45ドルのアルバムパッケージを売って「ビルボード200」1位に上がった。程度の差はあれ、問いただすほどの商法ではない。


要するに、SuperMの戦略に疑問を持つ必要はない。SuperMは米国市場に成功裏にデビューし、所属会社のSMエンターテイメントは米国市場で歴代最大の成果をあげた。ただし、他の質問をしてみよう。SMエンターテイメントは今やアメリカ市場で通じるようなメジャーグループを持つようになったのか? 質問をもっと具体的に変えれば、SuperMは固定的なKPOP需要層を超えて、大衆的な基盤を持つようになるのだろうか。K-POPグループが「ビルボード200」1位になることも注目すべき成果だ。しかし、それが今のSMエンターテイメント、または全世界でスタジアムツアーを行う防弾少年団を除いたK-POPアーティストが、一般的にアメリカ及び西欧圏で持つ市場のパイを超える成功を約束する証となりうるのか?「ビルボード200」1位は「スーパーグループ」を証明する結果なのか、そうでなければそうなるために必要な過程だったのだろうか?


これは、K-POPにおける「スーパーグループ」とは何かを問う質問になるだろう。言い換えれば、SuperMをK-POPの「アベンジャーズ」と呼ぶのは理にかなっているのだろうか?「アベンジャーズ」は個別のキャラクターの叙事と性格を一堂に集めて衝突とシナジーを楽しむものだ。その中で文脈はさらに豊かになり、各キャラクターは鮮明になる。しかし、SuperMの全てのメンバーはそれぞれのチームの中で既に数年間、その仕事をしてきた。彼らは「文字通り」各自のユニバースを作っていっているところだ。この疑問に対して「SuperMは既存グループのファンを失望させることはないし、一種のクロスオーバーだし、メンバーでさえ流動的なのだ」と答えるとしたら、最初の質問に戻ろう。SMエンターテイメントは今やアメリカ市場で通じるメジャーグループを持つようになったのか? もしくは、できるすべてを動員して「ビルボード200」1位のアルバムをひとつ持つようになったという事なのだろうか?


文/ソソンドク(大衆音楽評論家)

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SuperMのアルバム売り上げ、TEAが1000くらいだったのでMDとチケットバンドルの分もその程度かと思っていましたが、実際は5万1000枚(DL)分がMD&チケットバンドルだったみたいですね。

(最初このデータがビルボードの記事になかったんですが、ニューヨークタイムズにNielsenのデータとして載ってたのでこちらが正しいと思います)

色々言われてはいますが、バンドルがあるにしてもBTSが初めてビルボード200で1位をとった「LYS:Tear」(4バージョン販売)のポイントよりも多いし(13万ポイントくらいだった)フィジカルの枚数もSuperM11万枚とBTS10万枚で、Tearの時はアマゾンのトラブルがあったらしいにしろそこまで大差があったわけでもないようです。つまりBTSの「最初」も似たようなポイント内訳ではありました。BTSの場合はファンがスミン(ストリーミングの空回し)も同時に長期に渡って仕掛けていたという背景もありますので、今回とは少し異なってきますが。チケットバンドルについてはBTSも「LYS:Answer」の時のキャパ4万5千のシティフィールド公演はバンドルチケット(チケットを買うとアルバム1枚分購入になる抱き合わせチケット)でしたし、これで2回1位とってたと思います。

NCT127のアルバムもあのくらいの活動期間で11位までいってた(しかもNCT127はBTSほどアメリカ外のファンの規模も大きくない)という下地を考えると、作戦がどうであれ「アメリカ国内で」お金を出したファンがこれだけいるのは事実なのでそれがチャートに反映されたに過ぎないということでしょう。

だからこの文章のように今回の成績には文句のつけようがないはずで、むしろこの先これをたたき台にしてどうやって欧米圏でもより大衆的にメジャー化していくのかという方に目を向ける方が建設的じゃないかと思います。そっちの方が重要。