サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】プデュ2とプデュ4 ①ファンドムの世界に訪れた特異点「X」

プデュ2とプデュ4 ①ファンドムの世界に訪れた特異点「X」

2019.08.06

http://m.ize.co.kr/view.html?no=2019080506047264245&pDepth1=i2101


「速報で出たんですよ?顔がモザイク処理されてるのがイミフでした。私の『最愛の推し』は犯罪者でもないのに」

間一髪で脱落した練習生のうちの1人を応援していたファンAさんが高ぶった口調で話した。この7月26日、Mnet「プロデュースX 101」で最終メンバーを選ぶ最後の生放送が行われた。多くの人たちが知るように、最終的に選抜された11人の投票結果は偶然と呼ぶには奇妙なほど似たような票差が発見された。結局、7月31日ソウル地方警察庁サイバー捜査隊は、この番組を制作したCJ ENM事務室と文字投票データ保管業者などに対して家宅捜索を実施したと明らかにした。Aさんは周囲に投票を呼びかけたこの数週間の自分の姿について、非常に自嘲的な様子だった。

「なんで『プロデュース101シーズン2』を見ちゃったんだろう......全部自分の過ちです」


Aさんの不満は今、「プロデュースX 101」を視聴したどのような視聴者でも感じる感情でもある。「プロデュースX 101」と関連のあるDCインサイドギャラリーや、アイドルファンが積極的に活動するSNSプラットフォームであるツイッターでは、「プロデュースX 101」出演者のファン同士が互いに対立するケースを容易に目にする事ができる。ここで言う「互い」とは、操作を疑われている投票結果によって被害を受けたと主張する側と、操作があろうがなかろうが自分が応援していた練習生、つまりもうすぐデビュー予定の男子グループX1になった特定のメンバーの悪口を言わないで欲しいと主張する側を指す。この中にはX1のメンバーをすべて支持する「11人支持派」と一部メンバーを排斥する「n人支持派」、X1に入れず脱落した9人の練習生たちをまとめて「BY9」というグループを結成させようとするファンもいる。その中でも「私の推しをBY9に含めるな」というファンなど、彼らはいくつかに分かれて戦っている。


過熱したファンドムが作り出したことだと片付けることもできる。しかし、この全ての様相の責任は、根本的に「プロデュースX 101」を製作したMnetにある。Aさんは「プロデュース101」シーズン2について、「あの時のWANNA ONEファンドムは、メンバーたちのV liveとショコン(ショーケース)を待ちさえすればよかった」と話した。しかし、今シーズンで彼らが望むのは「本当の順位だけ」だ。投票結果自体を信じがたい状況で、デビューするグループに対して楽しい想像ばかりすることはできない。ただ単に投票しただけというファンではないならなおさらだ。「プロデュースX 101」が放送されている間、いくつか出演者のファンドムは支持する出演者に対する投票を督励し、「投票認証ショット」を残した人には抽選で賞品を与えるイベントまで行った。商品の中には上海ディズニーランドペア3泊4日の旅行券もあった。ただファンからすれば、「プロデュースX 101」の多くのファンドムは本当に多くの金と時間を費やした。彼らが同番組の投票操作論議に憤らざるをえない理由である。最初から投票でアイドルグループの練習生を選び、アイドルファンドムの性格を変化させる事に影響を与えたのも「プロデュース」シリーズだ。


「プロデュースX 101」で脱落した練習生のファンであるBさんは言う。「年末調整で控除にもならないお金を使う理由はひとつだけです。前に『国プ』たちが願う通りになっていたのを見ていたから」プロデュース101シーズン2を通して、彼らのファンドムは自分たちが応援する練習生の運命を変えることができるという経験をした。自分だけでなく、周りの人々に投票を促し、さらにお金をかけて選挙運動をした理由だ。シーズン2放送終了後にもMnetは、タイトル曲選定、ユニット曲の選定などで投票を活用した。ファンは「国民プロデューサー」という名でグループのメンバー構成、タイトル曲の選定などに参加でき、ファンドムは彼らの声を通す方法を学習した。「シルゴム실검(リアルタイム検索語)」と「シルト실트(リアルタイムトレンド)」に影響力を注ぎこみ、世論を形成すればTV局と出演者がその影響を受ける。「プロデュースX 101」放映期間中、実力が不足していた出演者のファンドムでは、その出演者に「잠죽자(「睡眠は死んでからしろ」の略語)」と、絶えず練習することを強要した。同時に彼らも「잠죽자」と叫んだ。投票を督励しなければならなかったためだ。


男子グループJBJは「プロデュースX 101」で起こることの前兆だった。JBJは「プロデュース101」シーズン2の一部脱落者のファンの要求によって結成された。ファンドムが集まって声を出せば実現するのだ。ファンドムが、投票する「国民」だけにとどまりたくなくなったのは当然だ。彼らは「プロデューサー」になりたくなった。X1結成直後、最終投票の脱落者たちのファンドムは、仮想のグループ「BY9」を通じてグループ結成することを要求した。彼らはこのグループの活動のための具体的な企画案を作り、広報のために自ら動いた。JBJを応援していたファンCさんは「BY9を作りたいというファンのために、自分たちがどういうことをしたのか教えたりもした」と話した。Cさんは「JBJのファンが派生グループの結成を要求した時、どこへどのような資料を送ったのか、どのようなやり方でオンラインで広報をしたのかなど、沢山の事を教えてあげた」と説明した。また、投票捏造の議論が起こり、BY9のファンドムの一部は真相究明を求める委員会を作った。真っ当な投票結果を公開せよという300人の嘆願書を受け、放送会社を告訴し「広報の文法に沿ってみよう」と、合井駅や狎鷗亭駅のような若い流動人口の多い場所にBY9結成のための広告ボードを設置する。イメージメイキング・広報・マーケティング・法律代理・公文書作成など、もはやファンは「できないことがない人々」になった。「プロデュース101」シーズン2以降のボーイズグループファンドムは、Bさんのこの一言で要約できそうだ。「今やファンは、知っていることがあまりにも多すぎる」。


しかし、JBJはメンバーのうちいくつかの所属会社が活動の延長に反対し、現在はデュオJBJ95として活動中だ。Cさんは「(メンバーの脱退を)防ぐことはできなかった」と語る。ファンドムはグループ結成の票、お金、ひいてはプロデューシングの領域の一部にまで貢献する。それだけグループへの影響力が高まることを希望し、ある程度希望通りにできることもある。しかし当然のことながら、所属会社と練習生の契約関係に関与することはできない。これは好きなアイドルに関して、ファンと所属事務所の間でファンが持つ生まれもっての限界だ。「プロデュース101」は投票を通じ、ファンにより大きな影響力を与えられたように見えた。しかし、理由が何であれ、どこまでが真実であれ、その投票結果が実際とは異なって公表された。投票をどうしようとも、テレビ局がその気になれば数字を変えることができる。ファンドムは自分たちの声に力が加わると信じ、その希望が大きくなるほどに自分達の持ち物を消耗している。しかし、投票操作をめぐる議論は、決定権が依然としてTV局と出演者の所属会社にあることを示している。この番組はファンドムがより懸命に動かなければならない理由を示すようだったが、根本的にはアイドルのファンになることに対する、いわゆる「オタクになる障壁」を更に高くした。TV局と制作会社は、まるでファンにすべてを任せたかのように金・時間・広報・企画力を要求した。しかし、彼らはファンに何も与えなかった。その間、好きなアイドルを成功させるために「死んでから眠ればいい」という気持ちで働かなければならない。疲労は続く。ところが望みは思い通りにならない。だとしたら、ファンは一体どうして「プロデューサー」にならなければならないのか。


記事パク・ヒア

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そもそもなんでも「プロデューサー」の思う通りになるわけじゃない(そうあるべき)というシンプルな前提を今一度思い出すべきなのでは...という...

実力の足りない推しに対してファンが「死んでからいくらでも寝れるんだから寝ないで練習しろ」って要求するのすごいですな。しかもそこに「私らもあなたのデビューのために寝ないで頑張ってる」が重なってくると、それもうアイドルとファンの関係じゃなくて子供のお受験の時の親子のようだ。

(しかも健全とは言い難い)

しかし番組がファンに色々要求したみたいな書き方ですが、韓国のドルオタ界隈を外から見てると「ファンが勝手に一生懸命やっている」ことがファン活動のすべてで、「オタクが自分のためにやってる事にそもそも見返りを期待するべきではない」という「韓国のドルオタ格言集」みたいなものによくある内容は、結局まるっきり守られてないという事を体現しているのが一連の「プデュまわり」という感じが。「やれとは言ってない」で済まされてしまう...

(真実のはずだけど実際には出来ない・実現しづらいという部分が格言とか訓示たる所以なのかもしれませんけど)

 

日本でもEBiDANとかジュノンボーイとかファンの投票がメンバーの将来に関わるやり方してるところはあるようですが、投票結果にまつわるあれこれとファンのそれに対する反応もまた、日本と韓国の感性の違いみたいなものを表している感じがしました。