サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】ガールズグループのパフォーマンス①IZ*ONE「La vie en Rose」

【ize訳】ガールズグループのパフォーマンス①IZ*ONE「La vie en Rose」

 


2018.11.09

 http://m.ize.co.kr/view.html?no=2018110823507210556

 


ガールズグループIZONEのデビュー曲"ラヴィアンローズ"はステージの上でチャン・ウォニョンが真ん中に立つことから始まる。「センター」だからだ。 このグループのメンバーはMnet「プロデュース48」の視聴者投票で選ばれた。 「センター」は得票数1位に対する補償だ。 「プロデュース」シリーズ、またはオーディションプログラムによって結成されたグループの特徴である。番組放映当時に形成されたメンバーの人気、キャラクター、ストーリーなどがデビュー後のコンテンツにも影響を及ぼす。 楽曲・ミュージックビデオ・パフォーマンスの完成度は重要だが、デビュー前から形成されたファンたちが望むものを反映しなければならない。 「プロデュース101」のシーズン2でデビューしたWANNA ONEのデビュー曲"Energetic"ではセンターであるカン・ダニエルのパート分量の問題で、ファンたちが制作会社に抗議した。


"ラヴィアンローズ"のパフォーマンスは、新たな市場のニーズを満たしている。チャン・ウォニョンは始まりと終わりにセンターに立ち、歌の最初の小節を歌い、1節のサビで真っ先に立ち、ポイント振り付けを披露する。 クォン・ウンビとイ・チェヨンのように「プロデュース48」で実力を強調していたメンバーは、「より深まった眼差しの中で赤くなった」のように1節と2節で最も力強く全身をフルに動かすパートを消化する。 宮脇咲良のように韓国語に慣れていない日本人メンバーには、曲のハイライトが出る前に顔面に視線が集中するパートを任せ、長所である表情の演技を際立たせる。


IZONEのメンバーのキム・ミンジュは「プロデュース48」を放映した当時からいわゆる「ビジュアルピック」と呼ばれ、容姿が話題になった。 "ラヴィアンローズ"で彼女はイントロにおいてチャン・ウォンヨンの次に登場し、ファンがいわゆる「きれいな子の隣にいるきれいな子の隣にいるきれいな子」と呼ぶこのグループのルックスの持つ長所を浮き彫りにし、2節サビの中央に立って身体の比率を強調することができるポイントの振り付けを披露する。  "ラヴィアンローズ"はメンバーに対するファンの期待を反映しながらも、メンバーの実際の特徴を結合させ、各自にふさわしい場を探す。 第1節でクォン・ウンビとチョ・ユリはそれぞれ自分が踊りと歌に特化したメンバーであることを披露し、続いてチャン・ウォニョンが真ん中に立ってポイントの振り付けを披露する。 メンバーたちが自分のパートを消化するだけでもグループで果たすべき役割への説得力があり、その結果、デビューしたばかりのグループメンバーの全体的なバランスとシナジー効果を3分30秒あまりのパフォーマンスで具現化している。ガールズグループデビューアルバム初動(最初の週の販売量)の記録を2倍以上更新するほど大きなこのグループのファンドムが「プロデュース48」と以後デビュー前のコンテンツで想像していたメンバーの特性がステージの上で表現された。 「プデュアイドル」という小さなジャンルの誕生とも言えるだろう。 


しかし"ラヴィアンローズ"のパフォーマンスの興味深い点は、ファンドムの風を越える覇気にある。 曲のイントロ部分でチャン・ウォニョンがセンターに立っている間、メンバーたちは彼女を取り囲んで絶えず動く。 真ん中で円を描いていたメンバーたちは歌の展開に従って左右から1回ずつパートを交替させながらゆっくり横へ広がり、キム・チェウォンが「こんな感じはルビーよりももっと」と言うときに前に出てくるす。 メンバーたちのパフォーマンスは、ますますテレビ画面を徐々に満たすと同時に、前に出て立体感を与える。 "ラヴィアンローズ"のテーマがバラであることを考えれば、開花の過程をパフォーマンスに取り入れたという事で、イントロではステージ後方で小さく動いていたメンバーがサビではどんどん大きく、広く力強く動くドラマチックな展開でもある。 バラをテーマにしたパフォーマンスは明確な方向性を持ち、これによって12人のメンバーは、動作の統一性が維持されてこそ格好良く見える群舞を続けなければならないし、一つのグループに統合される。 センターを真ん中に置いて始まるパフォーマンスが左右前後をすべて活用する構成は、動線を汚さないようにしながらも、このグループのメンバーが12人である理由をステージの上でも説得する。


特に、2節のサビが終わった後メンバーがクォン・ウンビを中心にVサインをするパフォーマンスは、多人数のチームだけが披露できるものだというだけでなく、IZONEが一つのグループとしてエネルギーをどくらい放出できるのかを見せてくれる。 12人が集まれば、別々の時には想像することができなかった大きくて力強いパフォーマンスが可能だ。 キム・ミンジュと宮脇咲良を中心にして12人のメンバーが一斉に歩いて出てくる部分は、"ラヴィアンローズ"のパフォーマンスがIZONEに何を与えたのかを見せてくれる。 2ヵ月前に視聴者の投票で選ばれたメンバーが、むしろファンまたは大衆を圧倒する瞬間を作り出す。 視聴者の欲望によって作られたが、ただそれだけでは終わりそうにないエネルギー。 IZONEは"ラヴィアンローズ"を通じて、彼女たちに与えられたルール内でファンドムの外の世界にまで欲張りな基盤を築いたようだ。 コンテンツが産業の要求をどのように反映し、同時に超えるのかという点で、近年最も印象的なデビューパフォーマンスだ。 その度に、「プロデュース101」シーズン1のガールズグループI.O.Iの"ドリームガールズ"は一体なぜ...という疑問は浮かんでくるのだが。

 


文 カン・ミョンソク