サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【melon/weiv訳】アイドル、ペンを取るー作詞するアイドル(下)

アイドル、ペンを取るー作詞するアイドル(下)


2018.08.10

https://m.app.melon.com/musicstory/detail.htm?mstorySeq=6744


前回で扱った3人の作詞するアイドルは、主にソロ活動が目立ったアーティストたちだった。 今回の話では逆にグループの歌詞を主に担当する、そしてそうやってグループの色を作り出すメンバーのうちで注目に値する3人のアーティストを選んだ。 3人とも作詞だけでなく、ソングライティングとプロデューシングの領域でも光を放つ多才多能なメンバーだ。 今回の特集の作成に大きな参考になったインタビュー集「IDOL's STUDIO」そして著者のパクヒア氏に感謝の言葉を伝える。


文 チョン・グウォン(ウェブジンWeiv編集長)


# WOOZIー清涼感は躍動感から


"感嘆させるような 硬度が

作り出す 素晴らしいこの調和 "

「Shining Diamond」


SEVENTEENの初作品 "17 Carat" の第1のトラック "Shining Diamond" で上記の表現に初めて接した時、自信にあふれる抱負を実に良い言葉で表現した気がした。 それは誤った印象ではなく、その中心にはやはりSEVENTEENの音楽の中核を担うメンバーWOOZIがいる。 K-POPシーンで最も多い方に属するメンバー数を基盤に多様な姿を披露しながら、爽やかさと少年美をいつもその姿の中に収めているからだ。


それは彼の書いた歌詞からも変わりなく現れる。"MANSAE (バンザイ)" や "PRETTY U (綺麗だ)"、"VERY NICE (超ナイス)" での恋に落ちてどうすることもできない少年や、"Don't Wanna cry (泣きたくない)" "Without You (帽子を深くかぶって)" "Don't

listen In Secret (知らないことは聞かないで)" などでは喪失と悲しみを悟ったり、"Still Lonely (こいつの人気)" ブソクスンの "Just Do It (ためらわずに)" のような笑いがこみ上げるswagなど、複数の視点の話者を行き来させて一列に繋げるWOOZIの歌詞は、他のアイドルグループの歌詞では見られないユニークかつ細かく美しい表現である。 "キムスハンム 亀と鶴/三千甲子 東方朔」(「CLAP(拍手)」)のような奇抜な表現や "ちょいとお嬢さん" (「MANSAE(バンザイ)」)"おぬしはどうじゃ" (「Oh My!(どうしよう)」)のような古めかしい言葉遣いの要素が、アイドルソングの歌詞に登場すると誰が予想しただろうか。


しかしWOOZIは、それを単に歌詞に入れる程度ではなくそれぞれの曲をリスナーの脳内に刻みつける「キリングパート」として作り上げる事に成功している。SEVENTEENを称する時によく使われる表現の「清涼感」が生命力を得るのは、専門の作詞家やプロデューサーの作詞とは差別化された感性を与えるWOOZI特有の生き生きとした表現によるところが大きい。 そしてその歌詞は、「おい、なんでもいいからあれこれ言ってみろ!」とメンバーからアイデアを引き出すことから誕生する例も多いというのだから、ただ感心するしかないあきれたシナジーだと言わざるを得ない。


[選曲リスト]

Shining Diamond/SEVENTEEN

MANSAE/SEVENTEEN

ADORE U/SEVENTEEN

PRETTY U/SEVENTEEN

Oh My!/SEVENTEEN


#LEー隠れた率直さ


"今誰かが必要なんだと思う"

こんな時間に起きている人だよ"

「Boy」


グループのメインソングライターで作詞家であるLEが主に担当するEXIDの歌詞は、よく「率直だ」と言われるが、その話の次元はセクシーなコンセプトを主に掲げるグループの戦略と混ざり合う。 しかし、LEの歌詞を単なる率直な歌詞だと単純に判断して見過ごすのは、彼女が歌詞に込めたエネルギーに気付かずにやり過ごしているのではないか。 彼女の歌詞はガールズグループシーンでは珍しく、直接的なセクシュアルさを隠さずに表現しているからだ。


"あんたは生まれちゃいけなかった" (「L.I.E」)のようなストレートな悪口から "震える瞳 ドドドドル/ちょっと頭を回す音出ないようにして"(「DDD(ドゥルドゥルドゥル)」)のような噛み吐くようなラップに至るまで、LEの歌詞は攻撃的で限りなく記憶に突き刺さるパンチラインを自由に駆使する。その一方で誘惑を投げるときは、 "くるくる(ビングルビングル)" 回さずに "ハラハラ(アスルアスル)しよう" という刺激的だがきれいな言葉の選択や、"昼よりは夜に/明日また来てね 真っ暗な夜ほどいいの" と雰囲気がありながらも遠回しには言わないセクシーさが目立つ。


 ファム・ファタル的な誘惑から怒りに満ちた顔、揺れる関係に痛む心まで、温度差の大きな複数の語り手をあちこち行き来していながらそのすべての物語の中でセクシュアルな要素が抜けずに登場するにも関わらず、それが右往左往して解離したり不快な印象で残らないのは、LEが描き出す話し手がいつも「自分」の感情に忠実であることを明確に認識することができるからだ。だから "誰が何と言おうと私は全部大丈夫なのに"(「Will You Take Me?(送ってちょうだい)」)と歌う約束や、"今誰かが必要なんだと思う"(「Boy」)というような浮つきに期待よりも大きな面白みを感じるのは不思議なことではない。 LEが書く歌詞が率直になる地点は、自分自身が感じるものを明確に表現する人だけが作り出すことができる瞬間だからだ。

 

[選曲リスト]

DDD/EXID

Up&Down/EXID

昼よりも夜/EXID

Boy/EXID

Will You Take Me?/EXID


#RAVIー鎖に漂う香り


"静寂のうちに閉じ込められたまま

この静けさの周りを彷徨きながら

君を待つのだ"

「Silence」


RAVIの創作欲は旺盛だ。 今まで彼が出したソロレコーディングだけでも、ミニアルバム1集にミックステープ3本だ。 "まだ俺の/残る夢があまりにも多くて/自分でもとても眠ってる場合じゃない" (「Where should I go」)と荒い息を吐くRAVIの姿は、一つの仮定を想起させる。 彼はもしかしたら、VIXXという「鎖」に満足できないのではないか。 アイドルグループのメンバーとしては試みられない領域が確かに存在することを考慮すれば、そうした仮定が浮かぶのも無理はないだろう。


しかし、「VIXXの音楽ではラップが目立ってはいけないと思う」「必ずしも自分だけのカラーを見せなければならないというよりは、僕自身が考えるVIXXというものを解析して表現するのが正しいと思う」と言ったことからも分かるように、RAVIはVIXXでの自分の役割を明確に把握しており、チームという価値を優先させることができるメンバーだ。そして彼のそのような態度は "僕は君のための玩具/命はいつもギリギリ"(「On And On(傷つく準備は出来ている)」) "君は僕の愛で独裁者/刑務所でparadise" (「Chained Up(鎖)」)などの印象的な表現から見てもわかるように、多くはない分量の中でも効果的に表れている。


RAVIのラップメイキングや作詞は、極端なやり方で弱い語り手を描く「VIXX」というグループのキャラクター性を一層活かす役割に忠実に服務する。 実際、そうした歌詞を耳で伝える彼の声さえもがそうだ。 アイドルグループのラッパーメンバーの中でも誰よりも強烈で認識されやすいトーンを持ちながら、それをありのまま攻撃的に表すのはソロ作業でしか見ることが出来ないだけで、VIXXの中ではいつもひとすじの傷をラップに盛りこむのが彼だ。 それをプロフェッショナルな姿と見ることもできるだろう。 しかし、それよりは、VIXXという香りを作り出す最も重要な花びらのひとつが彼の歌詞なのだと言いたい。


[選曲リスト]

傷つく準備は出来ている(On and On)/VIXX

VooDoo/VIXX

Silence/VIXX

Chained Up/VIXX

桃源境/VIXX

 

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Shining Diamondの단단함이はニュアンス的には強さという感じだと思いますが、SEVENTEENの象徴とも言えるダイアモンドの「硬度」そのものを表しているのではないかと思ったので、そのまま訳しました。

韓国にも日本の落語「寿限無」とほぼ同じ「金寿限無(キムスハンム)」という噺がありまして、つまり「キムスハンム亀と鶴~」というのは「寿限無寿限無五劫の擦り切れ~」と同じという事のようで、ドラマのシークレットガーデンでもこれを唱えるシーンが出てきたりしたので有名みたいです。ちなみにマリオシリーズに出てくるジュゲムも韓国ではキムスハンムという名前だそうです笑


あと、なんとなくVIXXの歌詞にはV系的な美学を感じるので耽美的な言い回しで訳したいなと思いました。

(出来てるかは置いておく)


ここで取り上げられた3人に関する元ネタはパクヒア氏の自作ドルへのインタビューを集めた著書「IDOL'S STUDIO」に登場するのですが、いずれもファンや外部というよりは自分たちの所属するグループの事を一番真剣に見つめていて、それにふさわしい歌詞はどのようなものか、自分が表現したい事とグループのイメージとのバランスを最も考えて作業しているように感じられるところが、ただ単純に自分で歌詞を書いているとか自分の考えを歌詞に盛り込んでいるとかいう次元を超えた曲のクリエイターとしてかつアイドルメンバーとしてのプロフェッショナリズムとか創作者としての姿勢のようなものを感じます。