サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【idology訳】インタビュー:CY8ER「アイドルはやり甲斐が全然違う」

【idology訳】インタビュー:CY8ER「アイドルはやり甲斐が全然違う」

ミミョウ

by on 2018/09/26

http://idology.kr/11316

 

今年9月16日、弘大ステイラウンジで日本のアイドルCY8ERが初の来韓単独ライブを行った。 CY8ERはBiS、アキシブprojectなどを経てきた苺りなはむを中心に小犬丸ぽち・まひろなどをメインとしている。現在、りなはむが代表を務める"いちごスタイル(Icigo Style)"所属。 2015年に前身のBPM15Qから始まり、future drum'n'baseを中心に強烈なEDMサウンドと夢想的で未来的なビジュアルを披露している。

 


16日の単独公演で、CY8ERはコメントもほとんどせず90分をひた走った。 緊張感を高めるビートと手ごわい感性の「ばいばい。」と「手と手」が最ものんびりとした時間だったといえるほど、絶え間なく猛烈なライブを続けてきた。 「CY8ERのステージ」の特徴といえば、ドロップに当たる部分はEDM的なグルーヴを誘導し、ボーカルパートではメンバーが観客に非常に近づいたりする点だった。 目と目をあわせる、手を握るなどの"ファンサービス"というより、観客を扇動して導くロッカーの態度に近かった。 長身のダイナミックさを生かすアンナ(藤城アンナ)と激情的な動作のやみい(病夢やみい)が最後に合流したメンバーという点も、CY8ERが演出しようとする舞台がどういうものかという意図をうかがわせる部分だった。


CY8ERは「世界を騒がすガチマジアイドル」というキャッチフレーズのように、驚くべき事件を起こす独特な存在だ。 ファンとの"ハグ会"に放射能防護服を着用し、大きな話題を呼んだこともある。 それが単なるノイズマーケティングとは思えないのは、彼らがチーム結成から全ての意思決定までメンバーの夢と意志で成り立っている一種の"インディーズアイドル"だからだ。


りなはむはこれを「人の言う通りにやる人が一人もいないグループ」と表現する。 「アイドル好きしか知らない感覚」を追いかけてアイドルをしているが、「大人の敷いたレールを走るアイドル」にはなりたくないというCY8ER横浜アリーナに立つという夢に向かい、全てのメンバーとスタッフが一緒に作ってきているという。 暗い面もあるアイドルの世界で自分たちの野望で動いているCY8ERに、16日のライブ直前に少しだけ会うことができた。 このユニークなグループが生きていく方法とアイドルの可能性について聞いてみた。


ミミョウ:昨日"チァンホラン(家の中の虎)祭り(イタフェス)"の合同ライブで初めて韓国のステージに立ちました。感想が気になります。


ましろ:すごく楽しかった。 熱かったです。


ぽち:韓国では初めてライブをしましたが、初めてとは思えないほど韓国の方々と日本のファンが一緒に楽しむ雰囲気だったのでよかった。

 

ましろ:近いところで香港や台湾からもたくさん訪ねてきてくれました。


ミミョウ:最近、プロデューサーの中田ヤスタカ氏とコラボしたりしましたが。


りなはむ:私のソロ活動で中田さんの作品にフィーチャリングしました。1番好きなトラックメーカーの1人とコラボ出来てすごく嬉しかった。 最近一緒にイベントに出演したりすることがあるのでとても楽しいです。多くの国のファンが知ってくださった点も嬉しい。


ミミョウ:りなはむ氏が所属事務所の代表をしていて、様々な決定を直接下すと聞いている。 所属事務所が別にある他のアイドルに比べて大変だったり特別に楽しいことがありますか?


りなはむ:最初は何もない状態でやっていくのは大変でしたが、「こういうことはやっちゃダメ」という制約がないので、メンバー5人で集まって悩んだり、面白い事をしてだんだん発展していけるのがとても楽しいです。


ミミョウ:「手と手」「はくちゅーむ」などを見ると、曲もよくコンセプトやビジュアルも独特です。こういう部分は全部代表が決めるんでしょうか。


りなはむ:歌詞は私が書いたんですが、白昼夢という夢を見た内容だった。 夢で韓国へ行ったので韓国に行ってみたいと思ったら実現しました。台湾は前回行ったから今度はシンガポールへ行きたい(笑)

[*注:「はくちゅーむ」には台湾・韓国・シンガポールを訪れるという内容が盛り込まれている。]


ミミョウ:他にも決定するべき事は多いですが、衣装は?


りなはむ:今回の衣装はBalmungというブランドで作られていますが、各自の好きな部分やリクエストを受けて個々人の意見を込めてそれぞれ違う姿で制作しました。


ミミョウ:Yunomiというプロデューサーとずっと一緒に仕事をされていますが、きっかけはなんでしょうか。


りなはむCY8ERの前身であるBPM15Qというユニット時代に一緒に活動したメンバーが、以前から音楽作業を行っていたプロデューサーでした。BPM15Qを私たちで作ろうとしたときに一緒にやろうと言って(今まで続いてきた)。


「ただヤバい事をやってやろう」


ミミョウ:聞いてもいいかどうか分からないんですが、武道館で大変なことがあったと聞きました。どこからそんな発想をしたんでしょう?


*注:様々なアイドルが出演する〈武道館アイドル博 2017〉イベントでCY8ERは「ハグ会」を開催した。 この時、CY8ERは綿をいっぱいに詰めた放射能防護服と防毒マスクを着用して登場した。


アンナ:「大変なこと」と言うとものすごく聞こえるね(笑)


りなはむ:思いつきが全てです。武道館でライブをするんだと思ってたんですけど、(ライブとは)違うというので、「どうしよう?」ってなって、何か面白いことをしようと思った。 以前から防護服ハグ会をしてみたいと話していた事があって、「これ本当にやれるんじゃない?」って。


ましろ:どうせ特典会しかできないんなら、びっくりするような特典会の方が楽しいだろうと思って。実際(ファンたちの)反応としては何度も来てくれました(笑)武道館を一周するほど並んで何回も...


りなはむ:熱気がすごかった。


ミミョウ:もしかして、武道館でライブが出来ると思っていたのができなかったから腹が立ってそうなったとか?(笑)

 

アンナ:怒ってはいないです(笑)


りなはむ:ただ「ヤバい事をやってやろう」っていう。


ましろ:お祭りみたいに面白いことをしようとしてみたんです。


ミミョウ:人を驚かせてハプニングを起こすことに興味がありますか。


ましろ:あります。渋谷の街中で何かをするとか、ゲリラ的なことが好きですね。


りなはむ:ファンたちも(私たちがが)何か騒ぎを起こして、それを一緒に楽しむことができることを期待していると思います。それでいつも何をやれば皆で楽しめるかな、CY8ERを知ってもらえるかなと(思って)。


ミミョウ:ファンとの相性が良いようですね。そんな感じがキャッチフレーズにも込められているようですが、「世界を騒がす」の次の「サイバーテロアイドル」という表現が、最近「ガチマジアイドル」に変わりましたね。変えた理由がありますか?


ましろ:「サイバーテロ」を私たちはかなり明るい意味でつけたつもりですが、メディアなどに出るときは語感が悪い方に受け取られる事がありました。そういう意図ではなく「世の中を騒がせる」「世界を揺さぶる」といった楽しい感じで使おうとしたんですが。だから変えようということになりました。


ミミョウ:もしかしてK-POPにも興味ありますか?好きなアーティストとか。


ましろ:好きです。BTSとかBLACKPINKとか。


アンナ:私はREDVELVETが好きです。あと「新少年(セソニョン)」というバンドも好きです。KPOPではないけど(笑)もともとロックが好きで日本で日本のバンドを見に行ったんですけど、(セソニョンが)出ていたのでファンになりました。


CY8ERに入って良かったと思うことばかりです」


ミミョウ:りなはむ氏の過去のインタビューで「大人に敷かれたレールを走るアイドルになりたくない」という言葉を見た。 もう少し具体的にどのような意味なのか気になります。


りなはむ:「自分たちでやりたいことをやるグループをやろう」というか。 人の言いなりになる人が一人もいないグループだし、普通はオーディションを受けに来たメンバー達が初めて会ってグループに入るケースが多いけど、CY8ERはすべてのメンバーが互いに縁があって一緒にやりたいメンバーたちと始めたんです。ちょっとバンドみたいな?


ましろ:確かにバンドみたいなところはあるね。


アンナ:大人がお金を出すから、それに従わなくちゃいけないというのがあるんですよね。(反面自分たちは)りなはむが最初から自分でやって来たから、私たちだけでやっていける。 日本にはそういう事で悪事を働く人たちもいます。幼い女の子をだまして変なことするとか。 そんなことは絶対に駄目だって事です。


ミミョウ:ちょっと重なるのは、最初にアイドルになりたかったのはミニモニ。に憧れたからだと聞きました。今考えると、ミニモニ。も「大人の敷いたレールの上のアイドル」とはかなり違っているようだ。 どうやって違うところを作って行きたいんでしょうか。


りなはむ:幼稚園のときの夢でしたね。「ミニモニになりたい!」大きくなってその夢は忘れたりしましたが、もう一度アイドルになろうとしたときはBiSに入ることになりました。 その後いろいろなアイドルを経ながら、気がついたらこんな感じのアイドルになってて(笑)他にはアイドル自身も、なんて言うか、何か... 何ていうのかな?難しいな(笑)ダンスが上手だったり歌が上手だったりすることも大切だけど、そういう事じゃなくて、なんていうか... アイドルを好きな人にしかわからない感覚というのかな? そういうところがアイドルの一番好きな部分で。言葉では説明しにくいんだけど、CY8ERではそれをきちんと表現したいと思ってます。


ミミョウCY8ERに入る前は他のアイドルグループにいたメンバーが多いですよね。CY8ERに入ってよかったと感じた最も満足できる点は?


ましろ:逆に、CY8ERに来てよかったという点ばかりですね。普通のアイドルはとはまず、スタッフとアイドルの関係から違います。私たちの場合はスタッフも「一つのグループ」で、「皆がメンバー」というか。 何と言ったらいいかな?


りなはむ:チームみたいな感じ。


ましろ:本当に皆が一緒に考えて一緒に作っていく。 仕事の仕方が全く違うんです。これまでなら、たとえばセンターになるために握手をたくさんしたりチェキ(注:ファンと一緒に撮ったりするポラロイド写真)を多く撮ると「この子をセンターにしましょう」みたいな感じが多かった。歌のパート分けもそうだし、マイクをもらうのかどうかも最初から決まってます。(CY8ERは)そういう感じではなく、りなはむと歌詞の配分を考える時も「この子はここが似合うから」という風に決めます。よりうまくいくためにも普通はメンバーの間で競争をさせたりするんですが。私たちは...


りなはむ:あまり競争したくはない。


ましろ:そうなんです。力を合わせて相乗効果を作っていこうというのが私たちだと思う。 圧倒的な団結力というか、絆が本当に違うと思う。


りなはむ:みんな、夢が一つしかないです。横浜アリーナでライブをするという夢です。「それ一つだけ!」と言って一緒に頑張るようになります。


ミミョウ:昨年5月に合流したアンナさんとやみいさんは後からの合流に負担を感じなかったですか。


アンナ:負担というより、元々のメンバーたちは外見や声が可愛い方だとしたら私は「かっこいい」系じゃないかと思ってました。それで一つのグループとしてイメージが描けるのか不安だった。 でも、一回ライブをしてみたらきっと大丈夫だと思って。(不安より)楽しさの方がずっと大きくて、自分の居場所を見つけたという気がしました。


やみい:不安はいっぱいでした(笑)アイドルグループに所属するのは初めてなので、ダンスも最初から始めなきゃならなかったし。足を引っ張らないように絶えず合わせて努力するのが大変だった。 個人練習もかなりやりました。


ミミョウ:りなはむ氏とぽち氏はDJとしても活動していると伺ってます。CY8ER以外にもDJとして韓国のパーティーに来たりする意向はないでしょうか。


ぽち:行きたいですね。韓国はBLACKPINKみたいに素敵な曲が多くて、踊ったり音楽が好きな人もとても多いみたいなので。私のDJ−ingもダンスミュージックが中心で、普通にクラブでも使える方なので挑戦してみたい。


ミミョウ:日本国内でもDJとして遠征する事はよくあるんでしょうか。


ぽち:日本内ではあります。名古屋・北海道・大阪とか色んな所に行ったことがあります。


ミミョウ:もっと聞きたいことは多いんですが、時間の関係で仕上げをしなければならない。 最後に韓国のファンに一言伝えるとしたら?


全員:...


アンナ:「一言」というのは難しいですね。伝えたいことが多くて(笑)


りなはむ:今日のライブもとても楽しみですけど、多分今日は仕事で来られなかったりする方たちもいそうですよね。だからって日本に遠征に来るのも簡単ではなさそうですし。でも、CY8ER横浜アリーナの夢が実現する日にはぜひ来てほしいです(笑)


アンナ:そうだね。


インタビュー:ミミョウ


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韓国のアイドルメディアidologyによる日本の独立系アイドルCY8ERのインタビュー記事でした。

普段は韓国のアイドルメインに評論やレビューをされているメディアなので珍しいと思い、前から訳そうと思っていた記事ですが、色々タイミング的な事もあり今訳してみました。日本のアイドルの多分日本語でのインタビューが韓国語に訳されたものを、また日本語に訳すという笑


りなはむさんの言う「アイドル好きな人にしかわからない感覚」という表現がなんだかわかるなあと思いました。