サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【質問箱】防弾少年団の国内人気規模・韓国内での人気グループ・YouTubeでの再生回数について

長いご質問が来てツイッターでは収まりきらないくらい長い回答になったので、またこちらで回答してみます。

 

泡沫さん初めましてグクペンのarmyです
ずっと疑問に思っていたことがあるので質問させていただきます
BTS の国内人気というものはどの程度なのでしょうか
先日渡韓した際多くの広告を見たものの韓国国内では世界で騒がれているほどでもないのかなと正直思いました
(勿論人気の高いグループであることは重々理解しております)

国内よりも海外人気が高いのかなと感じたという事です
現地の大学生と話す機会もありましたが日本人の学生の方がarmyが多かった気がします
BTS はやはり国内人気というよりも海外人気の高いKドルアーティストなのでしょうか?

韓国国内の人気グループ(個人も含めてくださって大丈夫です)のナムジャグループヨジャグループのトップ3(順位をつけるのはあまりいいことではないかもしれませんが…)を教えていただきたいです

 

私の中の勝手な考察ではペン達(army)の団結力(良くも悪くもな部分ですが)が他グルのペンに比べて高いのが彼らが圧倒的な人気があるように見える原因の1つかなと思ってはいます…
(youtubeの24時間再生回数など)
youtubeの記録を塗り替えましたが(一位だったTaylor SwiftのLook What You Made Me Do)
総合的な再生回数でいうとやはり圧倒的に数字では負けているなと思いました
(単純にIDOLとLWYMMDを比較しているのではなくBTSの今までのPVとTaylor Swiftの今までのPVの再生回数です。勿論動画が公開された日時を考えてもということです)
何となく燃え尽き症候群のような感じの印象を抱きました
このままのペースで再生されてもIDOLのPVはTaylor SwiftのLWYMMDの一年間での再生回数を超えるとは思えないです…
(一年間としたのはわかりやすく比較するための期間の目安として例にあげただけです)


継続して再生されるTaylor SwiftのPVと燃え尽き症候群のような部分があるBTS のPVの違いは何なのでしょうか?
ファンの性格というか特性の違いでしょうか?

私自身armyであり10年来のSwiftiesでもあるので気になり質問させていただきました

 

https://odaibako.net/detail/request/9702b50cf99147db9975e7008a63ecf4

 

 

いくつかのご質問があるようなので、順番に整理させて頂きますね。


まず「韓国内での防弾の人気」なのですが、確実にわかっている事は、GAONチャートでの音盤(CD)販売数に関しては防弾が現状一番多いです。(LYS:結は193万枚超)ただ、GAONの販売数は出荷数から返品数を引いたものなので海外出荷分が含まれていますし、4種のバージョン違いなどもそのまま枚数に含まれていますので、実際の国内のファンの規模自体は今ひとつわかりにくいと思います。

(hanteo登録店での販売枚数がわかるhanteoチャートは現在は会員のみ公開になってしまったようです)

その中でもっともローカルな純粋なファンの数に近いものが反映されるのは音源ポータル、特に年間アワードがあり韓国内最大シェアであるmelonのリスナー数ではないでしょうか。

後からの逆走ヒット以外はほぼ24時間でリスナー数のピークに到達しますので、リリースしてから最初の24時間あたりの人数が一番参考になるかなと思います。

これを見ると防弾の今までの24時間あたりの固有リスナー数(ユニークリスナー数)ピークは69万人(Fake Love)で、男子アイドルグループの中で歴代ベスト20には入るけどベスト10には入らないくらいです。これはストリーミングが主流になってきたここ3〜4年前くらいからの記録なので、現在の指針としても有効だと思います。

 

しかしこれはいわゆるファンドム型(ガチオタ主導型)人気のグループの中では一番多い数ですので、アルバム販売数と音源のユニークリスナー数を合わせて考えると、現在の「ファンドム(ガチオタ)の多いグループ上位3組」は防弾少年団・EXO・WANNA ONEではないかと思います。


ただし、「人気がある」と一口で言っても色々な種類の人気がありますよね。上記の「ファンドム規模が大きいベスト3」がそのままイコールで「アイドルオタク以外の層からも認知度が高く一般的に人気がある」という事にはならないと思います。

というのも、ファンドム=ガチオタが買う音盤の販売量はこの3組よりも少ないけど、一般人も聴くであろう音源がこの3組よりも遥かに売れているボーイズグループがあって、それがBIGBANG・iKON・WINNERです。

(Block.bもファンドム規模より音源の方が売れるグループなのですが、ZICOの一般人気がとても高く彼のソロの方がグループよりも売れているという特殊例なので、ちょっと置いておきます)


BIGBANGはユニークリスナー数がピークで126万人でほぼ100万人以上、少ない時でも90万を超えていてボーイズグループの中では桁違いに一般リスナーに聴かれているようです。iKONもピークで84万人以上(my type)、今年リリースされたLove Scenarioはリリース時の24hユニークリスナーこそ62万人でしたが、その後ロングランヒットを記録して累積ユニークリスナー数は150万人を超えています。WINNERは昨年のReally Reallyがやはりロングヒットになり、最初の24hリスナーは63万人程度でしたが、ボーイズグループとしては初のストリーミング1億回越え・初の累積ユニークリスナー数200万人越えという記録を作りました。今年出たEVERYDAYの24hユニークリスナー数も77万人を超えていました。

つまり、ひとくちに「人気がある」と言ってもこの3組と前述の3組の「人気のタイプ」は全く違うと言う事です。前者は「グループにガチペンが沢山ついている」と言うことで後者は「純粋に楽曲がファン以外にも売れる・一般層に知られている」という事ではないでしょうか。

 

TV番組出身のWANNA ONEに関してはこの2つのハイブリッド的な部分があり、特定の楽曲や個人メンバーの知名度に関しては防弾やEXOよりも高いかもしれません。

ファン以外の幅広い層にアピールする必要がある広告などは一般層への認知度が高いグループの方が仕事が多い傾向があり、それは例えばソウルの街中で見かける頻度(ファンが出す広告は除く)などとは関係があるかもしれませんね。

ちなみに海外ファンドムも含めた世界的なファンドム規模としては、音盤売り上げから判断すると現在は防弾少年団が一番大きいのではないでしょうか。後で触れますが、YouTubeの視聴回数韓国内と全世界で差を見てもそうかなと思います。

 

女性グループに関しては、元々男性グループよりも音盤は売れない代わりに音源は男性グループよりも売れるし、ユニークリスナー数も多いです。楽曲がピンポイントで大ヒットするケースも出やすいため男性グループと同じ基準では比較できませんが、音源の売れ方と音盤の売れ方の両方を合わせると、2018年現在はTWICE・BLACKPINK・RED VELVETという事になるのではないかと思います。

 

音源だけを見るとBLACKPINKの「DDU−DU DDU−DU」は24hユニークリスナー数が女性アイドルグループでは初めて100万人を超え101万人を記録しまして、間違いなくこの3組の中では現在1曲あたりの音源が最も売れているグループではないかと思います。RED VELVETも「Power Up」のユニークリスナー数が98万人越えで、特にREDコンセプトの時はかなりの音源人気です。TWICEはユニークリスナー数はピークで89万人程度なのですが、とにかく女子グループの中ではダントツで音盤(CD)が売れています。海外も含めてですが30万枚以上売れるのは現状TWICEだけではないかと思います。ちなみにBLACKPINKは20万枚、RED VELVETは15万枚程度です。

(いずれもピーク枚数)

 

総合すると2018年9月現在、音源順位だと

BLACKPINK>RED VELVET>TWICE

(今現在の各音源ポータルでの楽曲の順位もほぼこの通り)

音盤だと

TWICE>BLACKPINK>RED VELVET

という事になるようです。


ここにもうひとつグループを加えるとしたら、おそらくユニークリスナー94万人の記録を持っているMAMAMOOかと思います。MOMOLANDの「BOOMBOOM」も楽曲単位だと今年かなりヒットなのですが、メンバー個々の知名度や楽曲の売り上げの安定感から見るとMAMAMOOの方かなと。

これはいずれも私個人が分かる範囲での数字を見た限りでの考えですので、ご参考までにという感じです。


次に、YouTubeでのMV再生回数についてですね。

 

IDOLが記録したのはYouTubeでのリリース時から24時間以内の再生数と1億回到達した速度でしたっけ?あとmelonでもリリース直後1時間のユニークリスナー数も記録を作っていたと思います。

これらの記録が表す事は、やはり防弾少年団はファンドム型の人気であり、なおかつ特に熱心で献身的なファンが多いという事ではないかと思います。何故なら曲のリリース直後に集中して聴くのは一般リスナーよりも「新曲を待ち構えて聴くファン」の方が多いだろうからです。


ほぼファンドム規模のみの争いとなっている音盤売り上げとは違い、ガチペン以外の一般リスナーの介入がある音源やYouTubeの視聴回数に関しては、公開から時間が経てば経つほど一般人気のある曲の方が有利になっていくのではないかと思います。それを踏まえると、一般人やゆるオタの視聴数がまだ少ないであろうリリース直後が最もファンドムが介入しやすい時間帯・期間という事ではないでしょうか。この時間帯に集中的に視聴する事で、少なくとも「リリース直後から限定された時間内」での視聴回数の記録に関してはファンドムの力である程度の記録は獲得できやすいのではないかと思います。ファンの意志で作りやすいが故に、防弾のファンもそこの部分を狙ってストリーミングを計画的に仕掛けている部分はあると思います。

(限定された期間の記録であっても、見出しでは「ユニークリスナー数新記録」とか「YouTube視聴回数新記録」とか書かれますし)

ストリーミング回数をラン競技に例えると、ファンドムが多いアーティストは短距離走に強いが一般リスナーが多いアーティストは長距離走に強いという事だと思います。


テイラー・スウィフトもswiftiesという名前がつくくらい熱心なファンがついていると思いますが、全体的な視聴回数を見ると純粋に楽曲のみを聴く一般リスナーもファン以外にも多くいるという事ではないでしょうか。防弾少年団のファンドムはスタートダッシュの速度的にテイラー・スウィフトのガチファンよりも勢いがあったという事だと思いますが、世界的に防弾にガチペン以外の一般リスナーがどの程度いるのか、他のKPOPグループと比べてどうなのかという事は現時点ではよくわからないと思います。

(スミンされすぎててそこがよくわからなくなってる感じですが、逆に他のアイドルより飛び抜けてスミンされていることが見てわかるレベルになってしまっているという)


というのも、テイラー・スウィフトの記録以前にIDOLの前にリリースされたFAKE LOVEの視聴者数を見ると、FAKE LOVEより1ヶ月後にリリースされたBLACKPINKのDDU−DU〜に視聴回数を越されているからです。3億回にはDDU−DU〜方が先に到達しており、今現在の回数も3.8億回と3.3億回なのでおそらく4億回に到達するのもBLACKPINKの方が早いのではないかと思います。この事があるので、防弾のファンドム自体もBLACKPINKに記録的に勝つ(?)見込みが薄いFAKE LOVEよりも、今のところ直近に強いライバル曲のリリースがないIDOLの視聴回数をメインにストリーミングを仕掛けている部分もあるのではないかと思います。BLACKPINKも人気グループではありますが、女子グループという事もあり音盤売り上げから見てもスミンを必死で頑張るようなファンドム規模は防弾ほどは大きくないでしょう。でも逆にガチペン以外も見るでしょうし、なんなら防弾のファンも見てるのではないかと思います。女性アイドルの曲の方がガチガチのファンドムがつきにくい分、逆に国や年齢層やジェンダー問わず視聴されやすい傾向は世界的にあるようです。


FAKE LOVEの方がDDU−DU〜よりも曲が長いから視聴回数に差があるという理屈を言ってくる人がいたのですが、まさにこれこそが「特定の期間に何回回せるか」というスミン(海外ではzombie streamingという名前がついたようです)を前提としている人の考え方で、そういうもののターゲットになっている時点ですでにYouTubeの視聴回数が「どのくらい多くの人に見られているか」という指針には厳密にはなり得ない事がよく分かると思います。melonと違って固有の視聴者数は出ませんし、アカウント自体もいくらでも作れますから言い方は悪いですがスミンし放題です。YouTube側もそれ故に過去には度々カウントの方法を変えたりもしていましたが...

(melonはアカウント作成に国民番号等のIDが必要になったため、複数アカウントを作る事は現在は簡単ではないようです)

YouTubeもmelonも同時に何人でも視聴可能ですから、「同じ人がずっと繰り返し何回も見る」という本来の目的から外れた前提がなければ単純に24時間をMVの分数で割った回数しか見られないという事ではありませんし、「どれだけ多くの人が視聴するのか」という観点から見れば曲の長さは視聴回数にはそこまで大きな影響はないはずではないかと思います。FAKE LOVEの方が1ヶ月も早くリリースされていますしね。

ご質問者の方が燃え尽き症候群のように感じたのも、「色んな人が見たいから見る」というよりも「ファンドムが視聴回数をあげる事を目的に回している」という方が現状では強いからではないでしょうか。

ファンドム主導型の人気でここまでの回数見られている事自体が凄いですが、逆に言えば結局はその限界もファンドム規模にそのまま依存するという事ではないかと思います。そして、例えリリース直後24時間の視聴数で競ったとしても、根本的にテイラー・スウィフトとは「MVの見られ方」そのものが異なっているという事だと思います。

 

ちなみに昨年一年間YouTubeで見られたMVランキング見ると、韓国内と全世界ではかなり違うのがわかると思います。

 

【2017韓国内 YouTube人気MV TOP10】

http://www.youtube.com/playlist?list=PLvaeCFvGpjsPSGqohBM3kz08kjgF-Z05a


1.TWICE「KNOCK KNOCK」(2月)

2.TWICE「SIGNAL」(5月)

3.IU「Palette(feat.G-Dragon)(4月)

4.PSY「I LUV IT」(5月)

5.PSY「NEW FACE」(5月)

6.REDVELVET「Red Flavor」(7月)

7.Ed Sheelan「Shape Of You」(1月)

8.BLACKPINK「最後のように」(6月)

9.IU「夜の手紙」(3月)

10.AKMU「Last Goodbye」(1月)

 


【2017 全世界YouTube人気KPOPMV TOP10】

http://m.newsinside.kr/news/articleView.html?idxno=480933#04yr


1.BLACKPINK「最後のように」(6月)

2.防弾少年団「DNA」(9月)

3.防弾少年団「NOT TODAY」(2月)

4.TWICE「KNOCK KNOCK」(2月)

5.防弾少年団「春の日」(2月)

6.TWICE「SIGNAL」(5月)

7.BIGBANG「FXXK IT」(16.12月)

8.チャニョル&PUNCH「Stay With Me」(16.12月)

9.EXO「Ko Ko Bop」(9月)

10.PSY「NEW FACE」(5月)


両方でトップ10に入ってるのはTWICEとBLACKPINKとPSYのみですね。これを見ると防弾少年団は国内よりも更に海外のファンの方が多そうです。