サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【askまとめ】④ 韓国アイドル全般について

使わなくなったaskのFAQまとめです。

長いものや繰り返しきかれがちなもの、資料的なもののみ抜粋しました。

 

◆韓国アイドル全般について


[増え続ける韓国アイドルグループデビューについて]

こんばんは!いつも泡沫さんの意見や翻訳記事に勉強になったりしている者です。 さて、質問というより意見みたいなものになってしまいますが、ここ数年、Kドルグループのデビュー数が異常に増えつつあります。K-POPというジャンルが世界的に浸透したので、流行りに乗った事務所もあるかもしれません。またKドル界では有名なジンクス(売れるのは最低何年までなど)もあり、このまま大量に増えていく大手以外の小さな事務所は色々と先行きが不安になります。解散も最近多いですし… 個人的に2010年前後辺りのデビュー数が丁度良いと思ってしまうぐらいです。泡沫さんは年々デビューするKドルグループの増加にどう思われますか?

(2016)


長くなっちゃったので簡潔に「どう思うか?」だけの答えは下まで飛ばして2行だけ読んで頂ければ...

確かにデビューするアイドルグループは毎年増えているみたいですね。韓国アイドル関係の文献を照らし合わせると2012年あたりからデビューするグループがどっと増えたようで、去年idolodyが発行した2015年のアイドルデータブックによると、2015年にデビューしたアイドルグループは全部で60組(女子37/男子23)だそうです。2010年は20組以下だったので、3倍以上ですね。

KPOPが世界的に輸出可能な「産業」としてある程度確立した事で、ビジネスとしてアイドル育成を始めようと思う人たちが増えたのかなと思います。また、かつてアイドルだったりアーティストとして活躍していた人が事務所を開いて育成する方に回るというパターンも最近増えてる気がします。そういえば3大事務所は全部このパターンなんですが。また、アイドルブームを見て育った世代がアイドルを目指す時代になってきていて、アイドルを目指す人口自体が増えてきている事。(これには他にも10%以上という若年層の高い失業率や「5放世代」と言われる社会環境など、色々な社会的背景も関係していそうですが) 逆に、韓国内で音楽そのものが売れなくなったり(売れても実入りが少ない)アイドルブーム以降に売れる音楽のジャンルが偏ってきている傾向にあって、音楽エンタメ業界を目指す若者がデビューする方法が限られてきてしまっている事(アイドルで売り出せば音楽だけでなく俳優やバラエティ、モデルなど仕事の選択肢が多い時代になったので一番手っ取り早いのかなと思います)もあり、今までアイドルデビューさせた事がなかったような芸能事務所がアイドルをデビューさせたりとか。アイドルグループが増えてるのにはいろんな事が原因にあるんだろうなと思います。日本も考えてみれば数年前に似たようなアイドルブームがあって(日本は諸事情あるせいか女子アイドルメインですが)今は地下アイドルブームにまで来ている感じでしょうか。もちろん国の状況や文化が違うので同じ流れではありませんが。

話は戻りますが、2015年にデビューしたアイドルで2017年にまだ活動が自分なりに確認できる人たちを数えてみたら17組でした。(April・CLC・Day6・DIA・GFRIEND・iKON・MonstaX・N.Flying・OH MY GIRL・SEVENTEEN・Snuper・TWICE・UP10tion・VAV・VX・MAP6・ROMEO)

もう解散してしまったグループも少なくなく、デビュー2年で1/3になってしまっている状態です。一方で2010年デビュー組で今活動が確認できるグループは6組(SISTAR・Girl'sDay・INFINITE・CNBLUE・TEENTOP・CODE-V/MISS AとZE:Aは微妙な状況なので除外しました)でやっぱり大体1/3くらいなんですね。

個人的にKPOP業界を見てきた結果、凄く売れる事ができるグループ(国内や日本でアリーナクラスの会場でライブが続けてできるくらいを目安として)はデビュー年ごとに男女それぞれ2組くらいなんじゃないかとずっと思っていまして、それは今でも概ねそうなんじゃないかなと思います。2015年デビュー組でも音楽番組で1位を取った事があるグループは男女それぞれ2組ですし。

ただ、アイドルが増えた結果仕事の選択肢や現場数が世界的に増えたおかげで、「凄く売れる」じゃなくて「まあまあファンがついてる」という状態をキープし続けて長く生き残ってるアイドルグループも結構出てきているみたいですよね。これはいろんな韓国内のメディアでも見かける論調ですが、時代が「国民的アイドル」から「My Type」(iKONの曲タイトルがよく例えに出されている)スタイルに向かっているという事ではないでしょうか。以前は国民みんなが知っていてこその「人気アイドル」だったけど、今はみんなが同じアイドルを好きになる時代ではなく、知る人ぞ知る個人の好みに細かく合わせたアイドルがそれなりに人気が出るマニアの時代になりつつあるという事ではないかと。昔はひとつのパイを大手が2/3取って残りを中小が分けていたとしたら、今は大手の分け前が1/3に減った感じというか。なので逆に中小の事務所にもチャンスが増えた状況とも言えるんじゃないでしょうか。大手は昔より減った分け前を他で補填しなくちゃいけないでしょうし、中小事務所が増えた分、特に一度当てているような中規模事務所(FNC・DSP・CUBE・STARSHIP・Pledis・BigHit・Woolim・WM・TOPあたり)は今後のビジネスのやり方次第で浮き沈みがあるかもかもしれませんが...


グループが毎年増える事は仕方ないよなーとは思いますが、個人的には「もうグループ多すぎるしメンバーの人数も増えすぎて覚えられないなコレ」っていう感じです。


(注:その後解散などありまして、2018年8月現在活動が確認できる2010年デビュー組グループは5組(Girl'sDay・INFINITE・CNBLUE・TEENTOP・CODE-V)になりました。)

 

[少人数ボーイズグループが売れるには?]

少人数で統一感のあるボーイズグループが売れるには何が必要だと思われますか?最近大所帯グループが増え、グループ内で多様性が生まれたというか雰囲気に統一感がないグループが多くなってきた印象があります。wannaoneが何故あそこまで人気なのか納得できませんでしたが、調べてみると一般層が支持していることはもちろんのこと俳優ヲタがオンソンウを支持していたり韓国のジャニヲタがパクジフンを支持していたりと違うジャンルのヲタクが支持していてなるほどなと思いました。wannaoneは色々な意味で特例ではありますが、多様性がないと売れないのでしょうか。Kドルヲタからの支持だけでは売れるのは難しいと思いますか?

(2017)


2個の質問が入ってる?みたいなので分けて考えてみますね。

「多様性がある」というのと「統一感がない」というのは全く別の事なんじゃないかと思いますし、人数の多さと統一感もまた必ずしも関係ないかと思います。全体で統一感はあるけど個々は個性と多様性があるというのが一番いいんじゃないですかね?理想的なのは戦隊モノみたいなキャラの立ち方というか.....でもメンバーに個性があってもまとまりがあっても、技能が高かったりルックスの良いメンバーと良い曲とかっこいいダンスを組みあわせただけでは必ずしも売れないという現実もあるので、売れるセオリーなんてものがあるのかどうかも謎ですね。時代によっても変わるでしょうし。実際今現在、韓国のウェブ掲示板などで名前の上がるHOTなボーイズグループはWANNA ONE ・EXO・防弾少年団・WINNER・SEVENTEEN ・HIGHLIGHT・NU'EST Wあたりのようなので、大人数も少人数も中間も入ってますよね。

会社がメンバーをチョイスしてグループを作る場合は個々の技能や性格や人間関係をある程度客観的に判断してバランスを考慮して作る事が出来るんじゃないかと思いますが、個人の視聴者投票制サバイバル番組を通してグループを作るとなると、WINのようにあらかじめ固定で設定したグループ対決ではない限り、素人のファンが自分の好みだけでそれぞれのメンバーを選ぶことになる可能性が高くなるので必ずしもバランスのとれたメンバー構成になるとも限らず、しかも番組が終わってそんなに間もなくデビューした場合はメンバー間にケミストリーが生まれるのにはデビューしてから少し時間がかかるのかもしれないとは思います。その1番極端な例が単推しの集合体であるWANNA ONEなのかもしれませんが、あくまでも解散前提のグループなのでそういう人気の出方でもいいんじゃないかと思いますし、短期間でも集中して一緒にグループとして活動したり過ごしていれば自然とある程度は一体感や統一感が出てくるんじゃないかとも思います。

さてグループの多様性や統一感はともかくとして、現在WANNA ONE以外に売れてるEXOや防弾少年団のファンはほぼオタクですから、オタクの支持だけで売れることは当然可能だろうと思いますし、とりあえずの基本じゃないでしょうかね。まずオタクにある程度人気がないとまず始まらないというか。WANNA ONEは今までオタクではなかった層からの人気も得ているとは思いますが、普通にオタクのファンもいろんなグループのペンカを閉鎖させている程度にはたくさんいると思いますし、むしろ今までオタクにはなりづらかった一般層をオタク化させたという部分もあるんじゃないかと思います。それだけコンセプトや楽曲が複雑化しすぎる傾向にあった既存アイドルにはハマりにくかった層にとっても、入りやすい魅力があるという事じゃないかと思ってます。