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【ize訳】niloの「About You」はマーケティングなのか買い占めなのか

【ize訳】niloの「About You」はマーケティングなのか買い占めなのか

 
2018.04.18

http://m.ize.co.kr/view.html?no=2018041723327217945

 
niloの「About You」は最近音楽産業の最も大きい論争の種だ。「About You」が今までの音源チャートの傾向から大きくはずれた姿で複数の音源チャートで1位を記録し、これによって音源の買い溜め議論が起こっており、niloの所属会社LIMEZエンターテインメントは買い占めを否定する過程で「About You」がFacebookなどSNSを活用したマーケティングを通じて音源チャート1位が可能だったと明らかにし、議論はより多様な方向に広がった。 そして「About You」に触発されたこの論争は今、今日の韓国音楽産業の諸相を含んでいる。 この問題についてFAQ形式で整理した。

 
Q. 「About You」と関連して何故音源の買い占め議論が起きたのか。

 
音源チャートmelon基準で「About You」は去る12日未明の1時から4時までの3時間で利用者数、すなわちこの曲を聞くmelon 会員数が万単位で増えた。 音楽を聞く人の人口が減少する未明の時間帯に利用者数が数万人も増加したのは異例のことだ。 LIMEZエンターテインメント側はこれに対し、「多くの実験を通じた、人々が接続する時間などに対するノウハウ(mydaily)」の結果だと明らかにしている。 「映像などのコンテンツを主に深夜の時間にアップロード」したことがチャート成績に反映されたという主張だ。

 
しかし、逆走行に関する様々な先例はLIMEZエンターテインメントの立場と異なる様相を帯びている。 逆走行の元祖であるガールズグループEXIDの「Up&Down」は、メンバーハニの「ファンカム」映像がYouTubeFacebookやを通じて話題となり逆走行が始まった。 「ファンカム」映像は2014年10月9日に登録され、「Up&Down」の順位は同年11月の第3週に音楽総合チャートであるGAONチャート基準で144位から34位に急上昇した。 その前の週には186位だった。 「Up&Down」の「ファンカム」のようにインターネットで大きなイシューになった映像ですら、「About You」のようにチャート順位をリアルタイムの水準で高めることはできなかった。 この順位もEXIDが逆走でしてマスコミの注目を受け、再びTV出演までした結果だ。 一方、「About You」は夜の時間帯にわずか2時間のあいだでmelon チャートのリアルタイム順位が211位から47位まで、GAONウィークリーチャートでは236位から60位まで瞬時に順位が上がった。 また、GAONチャートがホームページを通じて提示したように「About You」は「これといった問題もなく歴代最短時間で1位に上がった逆走行曲になるものと予想」されるだけでなく、「逆走を誘発するような直接的な事件やタイミングが見られない」のだ。 「About You」の音源の買い占め議論は、それほどに逆走行を記録した過去の曲と全く異なったチャート成績が出たために提起されたと言える。

 
Q.LIMEZエンターテインメントの「ノウハウ」は音源チャート順位を高めるのにどのような効果を発揮したのだろうか。

 
LIMEZエンターテインメントの主張どおりであるなら、彼らの「ノウハウ」が「About You」の音源チャート順位の上昇速度を以前の逆走行曲達とは異なるように急速に高めたと言える。 しかし去る11日、「About You」はmelon 基準で明け方には2位まで上がった反面、朝には25位まで下がった。 LIMEZエンターテインメントの説明どおりなら、彼らは①デビューしたばかりの新人の曲を②いくつかのFacebookのページが関連映像をのせたとたんに③大きなファンドムを持ったアイドルグループを上回るほど多くの利用者の即時的な反応を得るように作るノウハウがあるにもかかわらず、④朝の音源サービス利用者たちには反応を得られない現象を起こしたことになる。 夜に動画が掲載されると数万人が直ちにmelon 音源チャートで消費するほど話題になったが、この曲を聞いた利用者たちは同日の昼の時間にはこの曲について多く言及したり、拡大しなかったという意味だ。

 
このようなチャート反応は、人気アイドルグループと類似している。 人気アイドルグループは熱狂的なファンドムを持っており、彼らは深夜帯にも好きなグループの新曲をストリーミングする傾向が強いために利用者数が相対的に少ない時間帯にリアルタイムチャート成績が上がる。 niloとしてもそのようなファンドムを持ったのかもしれない。 ただし、そのファンドムは同じ時期にチャート競争をしたボーイズグループEXOのユニットCBXやガールズグループラのTWICE以上でなければならない。 「About You」が明け方の時間にむしろ利用者数が増えたということまで考慮すると、「About You」を聞く層は昼より夜のますます「About You」をもっと熱心に消費することまでしているといえる。 LIMEZエンターテインメントの「ノウハウ」はこのすべての現象を可能にする技術という意味だ。

 
Q. 「About You」の音源の買い占めがあるのかどうかを確認する方法はないのだろうか。

 
結論から言えば、「About You」の音源の買い占め議論はうやむやになるだろう。「About You」が示すチャートの流れは一般的な現象から大きく外れている。 しかし、リメジュエンターテインメントが特定の時間帯にのみ情熱的に「About You」と同じスタイルの曲を消費したがる消費者層を動かすことができると主張するなら、これに反論できる明確な証拠もない。 「About You」の順位が大幅に上がった音源サイトの関係者達も、も多方面の取材を通じて買い占めの可能性はないと主張している。 音源サイトの関係者達がサイトの信頼性を揺さぶる買い占め問題を対外的に認める可能性はないだろうが、買い占めしているという証拠もない状況で、特異な現象だけを根拠に買いだ占めと確定してはならない。 もしかしたらLIMEZエンターテイメントは本当に特殊な現象により悔しさを経験しているのかもしれない。

 
ただし、前2015年JTBC「ニュースルーム」が音源サイトの買い占め議論を報道した後、melon は各企画社に送った公文書を通じて「非正常的な試みが順位チャートの公正性と透明性を害しないように、非正常的な利用と判断されるデータはフィルタリングなどを通じてチャート集計の際除外」して、「会員加入、利用券購買時の異常なパターンなどが感知されたIDの場合、サービスの制限および強制脱退などの措置」を取ると公表したことがある。 そうであれば「About You」に対する疑惑だけでなく、音源サービスの信頼性のためにもここで言及されている「フィルタリング」「非正常的な試み」「異常なパターン」の意味と基準について詳しく説明した方がよさそうだ。 たとえば特定のアイドルグループがカムバックした時、彼らの熱烈なファンドムがストリーミングを繰り返すのは消費者の権利行使だ。 一方、特定の会社が多数のハンドルネームを確保し、24時間ずっと音源ダウンロードおよびストリーミングを繰り返すのは明らかな買い占め行為だ。 しかし、特定の音源を繰り返し再生するという点で両ケースは結果的に似た傾向を示すこともできる。 「About  You」の音源の買い占め論議が起こる理由でもある。

 
それなら、ファンドムのストリーミングと買い占めを区別できる方法は何だろうか。 買い占め疑惑が提起された曲の最も疑わしい時間帯利用者を全数調査し、これらの音源消費パターンおよび音源サービス内の活動内容を確認するのも一つの方法となり得る。 本当に個別の利用者たちが「About You」をこれほど情熱的に消費したのであれば、ダウンロードまたはストリーミングパターンから「About You」についた評価やレビュー、又はその利用者が他の音源を消費した跡が残っているからだ。しかし、このようなやり方の全数調査は音源サイト事業の核心的な部分を公開するだけでなく、利用者の個人情報を公開することになりかねない。 結局、今現在としては音源サイトが買い占めと正常な音源消費をどのように区別できるのかどうかに対する立場を明らかにし、フィルタリングがどのような方式でどれほど精巧に行われているかについて説明するのがせめてものできることだと思われる。 これに加え、今後一般的な流れとは違うチャート成績を見せている音源について、どのように原因を究明するのかに対する対策も必要だ。 

 
Q. LIMEZエンターテインメントのSNSマーケティングは果たして問題があるのか。

 
「About You」の成績が音源の買い占めによる結果でなければ、残る議論はFacebookを中心としたSNSマーケティング方式だ。 LIMEZエンターテインメントは様々な音楽会社に1ヵ月数百万ウォン程度でFacebookをはじめとするSNSの人気チャンネルで該当音源を広報してくれという提案書を回した。 これは全く秘密な事ではなかったし、LIMEZエンターテインメントをだけがやっているわけではなかった。少しでも名前が知られている音源制作会社やマネージメント会社は殆どがこのようなやり方の提案書を受け取った事があると言っても過言ではない。 「About You」とは別のことだが、最近はTwitterトレンドやYouTubeの照会数を動かすことができるという会社がいるという噂まで広がっているほどだ。 

 
すでに多くのメディアの記事を通じて取り上げられたように、問題はLIMEZエンターテイメントが彼らが広報対象とするSNS利用者に、この事実を隠したという点だ。 端的に言えば、放送局は2000年代序盤まで芸能番組PDやラジオDJなどの不正問題で社会的議論になったりした。 影響力のあるPDやDJが金を受け取って特定の歌手の所属会社曲をかけたり、出演させてくれたという理由だ。 放送局のPPLの範囲を決定する上で、常に議論と討論、厳格な基準を提示する事が伴うのも、広告であることを知らせていない広告の危険性について社会的な合意があるからだ。 「マーケティング」や「ノウハウ」という言葉が付け加えられただけで、LIMEZエンターテインメントの行動は広告ということを明らかにしなかった広告だ。 さらに、彼らは「逆走」を掲げて所属歌手や広報する歌手を「音楽はいいが、まだ発掘されていない」ミュージシャンとして広報した。 逆走行という言葉自体が大衆の自然な選択を通じて曲を再発見することだが、マーケティングを通じて逆走行を人為的に起こしながらも、これを知らせなかった。 これを単にマーケティングであり、ノウハウとは言えない。 音源利用者がこの曲を選択した理由自体が根本から揺らぐからだ。

 
LIMEZエンターテインメントが複数の音源製作会社に送った提案書には、彼らが広報マーケティングのできる所有アカウントおよびページ、または提携会社が載っていた。 「いいね」80万を超えるFacebookの「君にだけ聞かせる音楽」もその一つだ。(ハンギョレ)同チャンネルは、この3月22日「知っている人たちだけが知っている歌の中の甲ガクブル はぁ...感性に本当に染み入るㅠㅠㅠ最近いけてる(涙)」という風に「About You」を紹介し始め、その次の日「当チャンネル掲載から2時間ぶりにniloが逆走行している......」再び24日には「所属会社が仕事ができなくて目立たないアーティスト。私たちが浮かせてみよう!!!」と「About You」を連続的に広報した。niloがLIMEZエンターテインメントと専属契約を結んでから1ヵ月後のことだ。「君だけに聞かせる音楽」は「About  You」の音源の買い占め問題が起きると、「About You」とTWICEの「What Is Love」を比べてどちらの曲が好きなのかというアンケート調査を進めたりもした。 この一連の広報活動が何の問題もないのであれば、SMエンターテインメントやCJ E&Mはなぜ人気Facebookアカウントを買って同じような仕事をしないのだろうか。逆走行、真正性、音楽性のような言葉をマーケティング手段にするには、それだけの責任もある。 広告であるという事実を明らかにしなかったマーケティングSNSを通じて大々的に行われたが、その結果で特定曲が逆走行で大衆の認定を受けたと主張することはつじつまが合わない。

 
Q. LIMEZエンターテインメントと同じSNSマーケティングが音楽市場に及ぼす影響は何か。 

 
昨年、米国音楽産業ではスウェーデンの「Epidemic Sound」による議論があった。 ミュージシャンの曲を購入して多様なプラットフォームやイベントに流通させるこの会社は、Sportifyにも同じサービスを提供した。 特に「運動する時」や「寝る時に」のような特定の雰囲気の音楽を続けて再生する曲を主にサービスとしたが、この曲は計数百万以上の再生数を記録した。 問題はこの過程で「Epidemic Sound」が偽のミュージシャンを作って登録したという点だ。 さらに、「Epidemic Sound」はSportifyと投資/持ち分関係があるという事実が明らかになった。 音源サービス利用者は大半が定額制でサービスを利用する。 「Epidemic Sound」が偽のアーティストを掲げてプレイリストにされた分、他のミュージシャンたちのストリーミング収益へ行くお金が減る。 法的にはどんな判決が出るかわからないが、Sportifyがミュージシャンの収益に悪影響を及ぼしたのは明らかだ。


LIMEZエンターテインメントの事例も似ている。 音源の買い占め議論が事実ではなくても、SNSマーケティングを通じて無名歌手の音源でも簡単に収益を確保することができる方法が提示された。 そしてその会社は企画会社を設立し、収益をさらに高めた。 もしこの方法に何の問題もなければ、音源サービス会社がこの方法を直接試みない理由がない。 いくらでも音源サービスと関係のないような系列会社を作り、人気のFacebookのページを買い上げ、Facebookページを通じて広報することができる。 にもかかわらず、その曲は広告ではなく、「Facebookでの人気」を通じた「逆走」として宣伝されている。

 
LIMEZエンターテインメントが主張するマーケティングは、資本と人脈がないミュージシャン達にとっては全く有利なわけではない。 むしろ人気のFacebookアカウントを買うことができたり、音源サービスと近い関係であればあるほどはるかに破壊力を発揮することができる。 LIMEZエンターテインメントは自分たちのマーケティングが市場に通じることを確認した後、ミュージシャンたちと直接契約した。 以降ジャンドクチョル、nilo等相次いで音源チャート1位を記録した。 マーケティングノウハウは結局、LIMEZエンターテインメント、あるいは彼らと事業関係にある会社のミュージシャンを支援することに集中される。 さらに、そのすべては「About You」のように話題にもならなければ大衆にも知られていないままに進められている。 これらの事業の中に入れないミュージシャンたちは、数百万ウォンでも出してマーケティングをするか、もしくは人気Facebookアカウントに曲が上がる機会すら差別を受けなければならない。 そして、このような現象を確認した他の資本も似たような方式で音源チャートに影響力を与えることができる。 これがマーケティングというのなら、公正でもなければ産業全般にとって得でもないマーケティングと言うしかない。

 
Q.「About You」をはじめとする音源チャートに関する様々な論議はどうすれば減らせるのだろうか。

 
音源チャートのリアルタイムチャートを無くさなければならない。 ある日の明け方3時にどのような曲が1位になったのかを覚えたり、記録する人はほとんどその時点にカムバックしたアイドルのファンだ。 彼らは好きなアイドルを1位にしたいという気持ちから音源のストリーミングを繰り返して、リアルタイムチャートを確認しているためだ。 「About You」音源の買い占め疑惑もやはりアイドルファンドムが中心となった多くのコミュニティで始まった。 melon は1時間を5分単位に分けて次の時間帯の1〜3位を予測するサービスまで作った。 アイドルファンドムの競争心がさらに刺激されたのは当然の結果だ。 現在、melon のように占有率が最も高い音源チャートのメインを占めるリアルタイムチャートはファンドムの熱心さを通して動いている。そうでなければ「About You」のように広告という事実を明らかにしなかったフェイスブックマーケティングが広報効果を出す為の良い対象だ。 利用者数が少ない時間にFacebookを通じてマーケティングをして順位を最大限高めたとして、その結果を根拠に該当曲を大衆の選択を受けた逆走行曲として宣伝する。


これは、デジタル音源チャートの意味について根本的な疑問を提起するようにさせる。現在、各放送局の音楽ランキングチャートやGAONチャートなどは音源チャート順位に最も大きな比重を置く。 大衆音楽産業であるだけに、最も多くの人が聞く音楽に最も多い比重を置いていると言える。しかし、今の音源チャートは特定の音源をどれほど多くの人が聴いているのかを除いては、何も反映していない。 もちろんそれ自体も重要だ。 しかし、Facebookマーケティングでも音源買い占めでも順位に簡単に影響を与えることができるリアルタイムチャートを、今現在の最も普遍的な選択だと信頼できるだろうか。 反対にアルバム販売量、SNS上での言及頻度、イベントおよびCF提案、ツアーの規模など実際の収益や話題性とより直接的に関連する結果をきちんと示すこともない。 まず特定の企業が運営する音源サービスのチャートが影響力が最も大きなチャートと受け止められること自体が問題だ。 そして、最も大衆的な反応を意味するチャートが最もマニア的性向が強いアイドルファンドムの情熱をどうにか引き出そうとする状況こそ、音源チャートの現在を見せてくれる。 つまり、毎年年末に開かれるmelon アワードは、どのような歌手たちよりも人気アイドルグループをもっとたくさん招待して、投票を通じてファンドム間の競争をさせる。彼らのサービスの本質と正反対に近い方法で人を集め、話題性を維持するわけだ。 そうだとすると、音楽産業の収益と需要をきちんと反映していないチャートが、多くの人が利用するという理由だけで大きな影響力を持つ事は果たして正しいことなのか。 音源チャートは多くの人が聞く音楽が何かを示して充実させるべきもので、より総合的な音楽産業の現在はビルボードと同様の総合的なチャートで見せるものだ。そしてその大衆性もよく見せるには、リアルタイムチャートのようにチャートと市場の乖離を大きくしかねない要因はなくならなければならない。 

 
文 カンミョンソク

校正 キムヨンジン

 

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確かにビルボードチャートは総合チャートですけど、無料のストリーミングサービスミもカウントしてたのですスミンの影響はモロに受けるし(2018から変わる様ですが)ポイント換算の基準が明らかになってない部分もあるしベストとも思えず...音楽を聴くスタイルは多様化したのに別々の次元で流行っていることをひとつにまとめようとするのが無理が出てきてる気がします。知ってる人は知ってるけど知らない人は全く知らない局地的ローカルスターの時代ですし...