サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】女性ソロ歌手│②チョンハ・ヒョナ・スジ

【ize訳】女性ソロ歌手│②チョンハ・ヒョナ・スジ

 

2018.02.06
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2018020523157219163&pDepth1=i2101

 

近来、今まで以上に女性ソロ歌手たちが活発に活動する現在、6人の女性ソロ歌手について「ize」記者パクヒア、音楽評論家キムユンハ、コラムニストファンヒョジンなど3人の女性が文章を書いた。

 

 

チョンハ、踊る鯨の登場
チョンハはI.O.Iの「ドリームガールズ」ミュージックビデオで足首と手首の巻いていた包帯を放り投げてダンスを踊った。 これはチョンハがMnet「プロデュース101」ファーストシーズンで積み重ねたキャラクターでもあった。 彼女は最初からダンスが上手い事で注目を受け、アイドルであると同時にダンサーとして注目された。 I.O.Iの活動が終わった後、ソロとしての彼女の姿はこの延長線上にある。 新曲「ローラーコースター」で彼女はI.O.Iの時とは違って、大胆な蛍光色のマニキュアとスタイリングで自由奔放な雰囲気を出しながら、ダンスに特化した自分のキャラクターを思いきり見せている。 「Why Don't You Know」で手足を使い床を活用して体を動かしている姿は、近頃デビューするアイドルたちが見せる事が出来ない姿でもある。 また、一般的な音楽番組の舞台だけでなく振り付け映像と縦割のダンス映像などで絶えず自分の踊りを強調して、カメラも動きを追えないほどのディテールでスピーディーな動作を表現している。 それだけに彼女が舞台の上で踊るときには、カメラもクローズアップよりは彼女の体全体と動線を追ったりする。

 

チョンハが構築したキャラクターは、それ故に特別だ。 彼女は大衆に知られた瞬間からダンスによってキャラクターが作られ、その特徴を維持しながら自分だけのアイデンティティとして取り上げられるようにした。 自分が得意な領域を通じてイメージを構築し、最近では稀な新人ソロ歌手として確実に定着した。 彼女が「ローラーコースター」で軽いジェスチャーを取りながら「LOOK」と言う時に、自らが望むものをひとつずつやっていく20代の女性たちの姿がオーバーラップする。 ダンスひとつで十分だ。 そう語る事ができる新人のソロ歌手が登場した。

 

文 パクヒア


ヒョナ、ステージのナルシスト
「Lip&Hip」はタイトルからして明確だ。 唇とお尻、つまり誰かを誘惑することに最も多く使われる身体の部位2箇所を正確に見るように指している。これは、これまでヒョナが見せてきたステージの核心を要約したものでもある。 ミュージックビデオでも挑発的なイメージを盛り込んでいく。 ヒョナはさり気無く胸の谷間を見せ、カメラはしばしば非常に短いハーフパンツに隠された彼女のお尻をクローズアップする。 このプロモーションビデオは比較的おとなしい衣装を着てバックパックを背負ったヒョナが、お尻の部分が破れているジーンズを着て部屋を出る場面で終わる。 しかし、曲のメッセージを最も果敢に伝えるのはどうしてもステージの上のパフォーマンスだ。 ヒョナは目にホットピンクカラーのアイシャドーをし、カメラを見つめながら舌で手のひらをなめて両胸を手で支え、絶えず尻を振る。 いわばヒョナのセクシーパフォーマンスは、大衆的に適正に受け止められるラインを何でもないもののように超えてしまう。

 

ヒョナはいつもそうしてきた。 自分がきれいでセクシーだということを知らないふりをして見る人の視線を誘導するのではなく、私はまさにここがセクシーなんだと、だからよく見ろというように、脅威的であるほど自信にあふれるパフォーマンスをしてきた。 Wonder Girlsとして活動していた時代から今まで、一様に舞台の上で上品ぶることはなく、自ら「パルガヨ(赤いよ)」と宣言するかのように、唇とお尻を突き付けて胸を出す。 同時に彼女の歌は誰かに認められたいとか愛されたいとは話していない。 愛する人のせいでますますもっと子供になるみたいだと言っていた「BeBe」が、ディスコグラフィーの中でむしろ例外的であるほどだ。 「もう少しセクシーに マインドはさらに大胆に/私は私 今日はちょっと出来そう」という「Lip&Hip」の歌詞のように、私は私であるだけでセクシーで綺麗だし、自らもその事実を当然知っているというようなナルシシズム的な態度。 このようなヒョナに対して、刺激的だとか大変心配だと評価するのは、どれだけ野暮なことなのか? 大抵のミュージシャンが直接書いた曲で自分を表わすとするなら、ヒョナは同じコンセプトを固守する方式で、自らがどのような女性なのかを表現している。 そして、依然としてそれでもまだ「このような」アーティストはヒョナだけなのだ。

 

文 ファンヒョジン(コラムニスト)

 

スジ ー I、Me&Myself、SUZY
スジの2枚目のミニアルバム「Faces of Love」が残す印象は独特だ。 最大でもミディアム・テンポ以下で全般的に落ち着いてトーンダウンされた曲は大きな印象を残すことができず、指の隙間から流れていく間の瞬間瞬間がやけに輝く。 アルバムのタイトルに忠実に従って恋に対する変奏を多様に展開させた歌詞のせいか、すぐその光の源に目が届くようだ。 輝くものは、ほかならぬスジそのものだ。

 

それが何か大した事なのかと思うかもしれない。 私たちはすでに1枚のアルバムを掌握する、きらめいて美しい魂をあまりにもよく見てきたではないか。 ただ、今回の場合は事情が少し違う。 ややのっぺりした印象のアルバムは、そのアルバムのカバーを飾っているのが、その歌を歌っているのがスジであるという事で自らの存在価値を証明している。 厳しいトレーニングを経て齢16の年にガールズグループメンバーとして芸能界にデビューし、以後、スクリーン、ブラウン管、音楽放送を全方位に行き来している芸能界のブルーチップ。人々が言うとおりに国民の初恋にもなったが、「私は男がいなくてもよく生きる」と挑発的な表情でカメラを正面から見つめるような事もする、若くて眩しい青春スターのペ・スジ。 タイトル曲「Holiday」を通じて披露した米国LAロングビーチを背景に実際の休暇のようにゆったりと撮ったミュージックビデオも、ソファーひとつ気楽な雰囲気を演出したステージも、そのような流れで見ると十分に納得できる。歌の中で、舞台の上で、スジは敢えて苦労して仮想の何かを演技する必要がない。 大衆が最も望むのは、そしてスジ自身が最も輝くのは、他ならぬ今を生きている24才のペ・スジをそのまま表した時だ。

 

昨年、某ファッションマガジンとのインタビューでスジが最も多く使った単語は「自然に」だったという。 仕事も日常も、自分で逆らうことなくいずれも自然である事を望むという彼女に、歌手なのか演技者なのか、正確な所属を明らかにせよという質問ほど無用なこともないだろう。 一時代を代表する歌も、週末の映画館を熱く盛り上げる映画も、道を行く通行人の視線をふとストップさせる広告も、すべてスジだから可能なのだ。自らの青春と人気をありのまま肯定する自然さ。スジが歩く歩み。ひとつひとつに感じられる、最も強烈なエネルギーだ。

 

文 キムユンハ(音楽評論家)

 

ブルーチップ=優良株式銘柄のこと。