サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】女性ソロ歌手│①BoA・IU・ソンミ

【ize訳】女性ソロ歌手│①BoA・IU・ソンミ

 

2018.02.06
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2018020523127279616

 

近来、今まで以上に女性ソロ歌手たちが活発に活動する現在、6人の女性ソロ歌手について「ize」記者パクヒア、音楽評論家キムユンハ、コラムニストファンヒョジンなど3人の女性が文章を書いた。


BoAのキーワード
ドキュメンタリー「Keyワード#BoA」はこれまでBoAが発表した曲の歌詞を選び、それに合う話をボアが聞かせるというやり方で行われる。 その中でも「Valenti」の中の「君が眺めた私の姿」という歌詞は20年に近い経歴を持つ女性ソロ歌手BoAの人生を集約した一行だ。 SHINeeのKeyと飲食店の話をしながら「個室がない店であまり食べたことがない。何か不便だよね」と言ったり「全てが完璧なので、私がミスをすれば大変なことになると思った」と日本活動の時の気持ちを話す彼女は他人の視線を気にせざるを得なかった人だった。 さらに、BoAは好きなゴルフについて「『ミスを減らすゲーム』だ。 精神的な部分や性格的な部分でも成熟しなければ上手くできないスポーツ」と説明する。 何もかもがスーパースターとしての人生に忠実な姿だ。

 

しかし、「Keyワード#BoA」は大衆の前で歌手兼30代の女性としてのBoAをすべて見せている。 幼い時から活動をしてお金を稼いだ彼女のことを「男性たちはあまり良く思わないようだ」や「男性のとって初めて見たときの姿が女性の一番きれいな姿」と自らの状況を男性の視線で眺めたりもする。 この姿を見たKeyは「Kiss My Lips」で活動していた時「出来るだけ大衆に女性らしさを示そうとすることに対する渇望があるのか(と思った)」と、暗に感じている強迫観念があるのか知りたがったりもした。 BoAほどの事を成し遂げた女性も、無意識に男性たちの視線を意識する。 その事実がBoAを含め、数多くの男性の連帯の間で生き残らなければならない30代のビジネスウーマンたちの現実を照らす。

 

そして新曲「NEGADOLA」が出た。 彼女はこの歌の中の男性に神経質に「子供ね」と呟き、カメラの前で印象づける。まるで私がする話にけちをつけるなと言うように。彼女はスターとして他人の視線を気にしているようだが、自分がしたいことを果敢に行動に移した。 すでに30代になったスターが女性として、ミュージシャンとしてやりたいことを始めた。 過ぎ去った時代にやってきたことと同様、これからもすることが増える事を願う。

 

文 パクヒア

 
IUの今
IUは早く大人になりたい少女だった。 「Good Day」ではオッパを愛する少女だったし、「You&I」では愛する人と共にいるために「時計をもっと早く進めて」「瞬きする間に大人になるよ」と歌った。 これは可愛くて愛らしい「国民の妹」としてのポジション、つまりいわゆる「おじさんファン」との距離を念頭に置いた企画のように見えた。 しかし、昨年4月に発表した正規4集「Palette」の最初の曲「この今」で未来から飛んできたというIUは言う。 「あそこも実際馬鹿たちだらけ 違う とても輝くのはむしろ Now now now」。ファンタジーの世界から、そして国民の妹のキャラクターから抜け出したIUは最早ミュージシャンであり、20代の女性で、現実を生きる人間として直接曲を書いて自分の感情と物語を聞かせてくれる。 25才の自分、愛に対する懐かしさ、別れの後に努めて淡々としていようとする心、酒に酔った時の混乱などのジャンルと同じくらいに多様な素材を盛り込んだ「Palette」の収録曲は、IUの今を構成しているわけでもある。

 

最近発表したリメイクアルバム「花しおり 2枚目」でIUは自分が好きな過去の歌たちを再び歌う。彼女は原曲の歌手たちの感情を模倣する代わりに、今自分が感じる通りに各曲をカバーする。 収録曲「早瀬」に対する説明でIUは「(チョンミチョ)先生が初めて歌われた昔の『早瀬』と、何十年後かに再び歌われた最近の『早瀬』は、その音声に盛り込まれた感情から物語まで確実に違うアプローチのように感じます。機会があれば私も長い時間の後にこの曲を必ずまた歌ってみたいです」と書いた。 時間の流れによって人は変わるもので、だとしたら重要なのは、今現在ここにいる自分がどんな人であり、どのような考えや感情を感じるかだ。 そして皮肉にも、IUがリアルな自分を露出すればするほど、見ている方は彼女がどんな人なのかをぼんやりと想像するだけで、一言で定義したり、完全には把握できないだろう。 考えてみれば当たり前なことだ。 コンセプトやキャラクターに閉じ込められない人間を、完璧に解釈するのは不可能だからだ。 私たちができるのは今現在、また後の日の進行形のIUが、自然に生きて変わっていく姿を見守ることだけだ。

 

文 ファンヒョジン(コラムニスト)


ソンミ、注目される女の子
いつでもどこでも注目される女の子。 2007年、グループWonder Girlsのメンバーとしてデビューして以来、ソンミの人生はこの一言で定義することができる。 デビュー当初、グループの中での適切なポジションを探すためにしばらくの間停滞した時期を除けば、ソンミは同年代を集めたグループの中でも、ソンミ個人でも、いつも華やかなスポットライトの中にあった。 信じられないほど長い手足や秘密めいた雰囲気を持ち合わせた、簡単には掴まえられそうにない人。

 

次のステップを絶えず気になるようにするソンミのこのようなキャラクターは、ただのイメージだけではなく実際のキャリアにもつながった。 「Tell Me」「So Hot」「Nobody」などの相次ぐヒットで盛んに人気街道を走っていたデビュー4年目に学業を理由に活動の中止を宣言したことも、同じ所属会社を通じてソロ歌手の姿で歌謡界に復帰したのも、5年ぶりに同じグループに再合流してベースを担いでステージの上に立ったのも、いずれもソンミだった。 2017年、この10年間身を寄せていたJYPを離れ、新しい巣から発表した「ガシナ」で再び歌謡界の頂点に登ったのは、ただすごいという他には表現できない結果だった。 1年、いや、わずか1カ月先も簡単に予測できない、時にはひとこと、時には表情ひとつのためにトップから奈落に落ちるのが常である韓国芸能界で、めったに見られないこのような強靭な生命力。ここに彼女の性別とアイドルという出身まで加えると、これはむしろ奇跡と呼んでもいい結果だ。

 

こうしたソンミの成功談がいずれも正攻法による結果という事実は、ソンミという女性ソロアーティストに対して今より高い評価が行われなければならないという当為性再確認させる。 デビューからこれまでソンミが歩んできた道は、一様に速く楽な道とは程遠いものだった。 自分だけのテンポに合わせて走ったり歩いたり休んで再び動き始めたソンミが、大衆に明確に残したひとつのイメージは、まさに「ステージ」だった。 優雅であり同時に危険な「FULL MOON」のステージが残した強烈さ、同業の歌手はもとより、一般人まで先を争ってコピーすることに忙しかった「24時間じゃ足りない」、「ガシナ」に向けられた熱い反応は、ソンミが舞台を通じて吹き荒らしたカリスマ性に対する誠実な反作用に違いなかった。 生まれつきの才能を友として、自分だけのスピードで自分だけのものを作る方法を知っている女の子。 彼女が10年を超える時の間、注目されざるを得ない理由だ。

 

文 キムユンハ(音楽評論家)