サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【京郷ニュース訳】[インタビュー]「セクシャルマイノリティの新人歌手Hollandです」

【京郷ニュース訳】[インタビュー]「セクシャルマイノリティの新人歌手Hollandです」

 

記事入力2018.02.04 09:27
最終的な修正2018.02.04 09:54
http://m.khan.co.kr/view.html?artid=201802040927001&code=940100&med_id=khan

 

中学生時代、自分のセクシャルアイデンティティ人とは少し違うと感じた。 社会が「規定した」枠組み通りなら、彼は異性愛者であるべきだった。 しかし、そうではなかった。 数十回、数百回悩んでも彼は同性愛者だった。 最も親しいと思った友達に悩みを打ち明けた。 もしかしたら、悩みを分かちあう事はできなくても理解してくれることができるのではないかと考えた。 彼の期待は間違っていた。彼は3年間、校内暴力の犠牲者として暮らさなければならなかった。 毎日何度もセクハラを受け、いわれのない暴力を受けた。

 

ランチタイムさえ自由ではなかった。 自分をいじめる同級生に会うことを恐れて、給食室にさえも行くことができなかった。 子供達は放課後ひとりで残っている彼のもとを訪れ、再び暴行した。 倒れた彼の首に縄跳びの紐を掛けて教室を何周も引きずり回した。友達は首を締められたまま紐に縛られて振り回される彼を笑って見ていた。彼らにとって彼は友人ではなく、ただの「奇妙な」おもちゃだった。 彼は自ら命を断ち切ろうとしたりもした。 しかし、彼に「君は間違ってない」と言ってくれる人がいた。 彼は再び生きてみることにした。 そして自分の物語が込められた歌を世に出した。 新人歌手Holland(コテソプ・22)のファーストアルバム「Neverland」だ。 彼はインタビューで「一人で悩んで苦しんでいるセクシャルマイノリティたちに、自分の存在自体だけでも希望になってほしいというのが唯一の願い」と話した。

新人歌手Hollandに最近、ソウル中区京郷新聞社の前のあるカフェでインタビューを行った。

 

ー歌のタイトルは「Neverland」です。 特別な理由がありますか。

「既成世代の視点から脱し、偏見なしで暮らせる場所はある意味ではピーターパンの中の『ネバーランド』なのではという考えからタイトルにしました」

 

ー「僕がおかしいのか、誰がおかしいのか。すべてが僕が思ったのとはかなり違っていた。でもそれは当り前なのかもしれない…(中略)...窓の外に出て虹を探して」という歌詞を見ると、ご本人の話を盛り込んだようです。

「すべて自分の経験から出た歌詞です。 作詞を専門的に習った事はないけれど、率直な思いを込めたかったんです。友達に秘密でしたカミングアウトが校内暴力につながり、僕は今もうつ病と対人忌避症や各種のトラウマを経験しています。 自分と似たような傷を持っているセクシャルマイノリティたち、校内暴力の被害者たちに『あなたも堂々と外に出て活動することができる、あなただけの声を出すことができる』という希望を伝えたかったんです。 『歌詞が恥ずかしくてムズムズする』というような反応もあったんですが...(笑)」

 

彼は現在ソウル芸大の写真科在学生だ。 校内暴力を受けていた時期、彼は自分の視線で見られる世の中をカメラに収めていた。 写真は彼の疎通のための窓口だった。 平凡な大学生として生きてみても、友達から受けた暴力は彼にとって依然として消えない傷だった。 傷に打ち勝ってこそこれから前に進むことができると思った。 校内暴力の加害者は、依然としてさり気無く世の中を生きていくのに、被害者たちが息を殺して苦痛を受けている現実を認めたくなかった。 加害者に、そして彼と似たような経験をした被害者たちに対して声をあげる方法は歌しかないと思った。 彼は、芸能事務所に曲を送って肯定的な回答を受けた。 2ヵ所では最終契約書にサインだけをしないで残しておいたりもした。 しかし、彼が「セクシャルマイノリティとしてのアイデンティティを明らかにして自分の信念を曲に表現したい」と言うと、皆が難色を示した。 未だ大韓民国の社会でセクシャルマイノリティにアルバムをリリースさせるところはないと。

 

ー事務所に所属されていませんね。

「所属事務所を持たずに1から10まですべて自分1人で準備しました。 そのために曲の完成度の部分では惜しさがたくさん残っています。 しかし、これから一緒に意味を分かち合う事が出来る人々に出会って引き続き練習して努力していけば、僕がしたい話をもうちょっと完成度の高い曲に盛り込むことができるだろうと思っています」

 

ー 一部ではセクシャルマイノリティという事実を明らかにしたこと自体が「ノイズマーケティング」なのではないかという指摘もあります。

「歌唱力や曲の完成度のせいでそういう言葉は十分に出てくる可能性はあると思います。 周囲でも『君がセクシャルマイノリティだと明らかにすれば、一時的に関心はもらえるが多くの危険にさらされる可能性も大きい』と心配されたりしました。 しかし、僕は自分がセクシャルマイノリティであるという事実を隠したくなかったんです。 校内暴力を受けた経験も、さらに時間が経てば薄れていくこともあるでしょう。 しかし、今この話をしなければ自分自身が今後さらに一歩も進むことができい気がしました。校内暴力の加害者として名指された人たちも、アイドルや俳優として世に出て見事によく活動しています。 セクシャルマイノリティであり、校内暴力の被害者であるというのが歌手になれない理由にはならないと思います。 僕はセクシャルマイノリティたちに「あなたたちは何も間違っていない」というメッセージを伝えたいだけです。 カミングアウトに伴う責任感もあります。 セクシャルマイノリティであると明らかにした以上、行動ひとつひとつ、一言にも注意しながら活動しなければならないかもしれません。 しかし、最近はファンからより多くの慰労と力を受けています。 彼らから『ありがとう』というメッセージを受け取るたびに、自分の選択が間違っていないと思います」

 

ーこれからもセクシャルマイノリティがもっとたくさんメディアに露出されなければならないと思いますか。

「これが是非の問題ではないのだという点を知らせたいです。 親や周囲の大人たちがセクシャルアイデンティティに混乱を経験する子どもたちに『(セクシャルマイノリティである事は)悪い事なんだ、間違っているんだ、正すことができるんだ』と教育する場合が多いです。 悪いと思っている方たちはなぜ性同一性の『違い』を『悪』だと認識するのか、もう少し深く考えたらどうだろうと思います。 セクシャルマイノリティたちがもう少したくさんメディアに露出されれば、社会的に公論化される機会も多くなるでしょう。メディアに露出されるセクシャルマイノリティたちは性的な部分だけを強調されたり、逆に面白がられたりアブノーマルな恋愛をする存在と映っています。ただ一人のアイデンティティであるだけであって、他の異性愛者と変わりない平凡な人間なんだという概念がより受け入れられたらと思います」

 

ー曲への反応はどうでしょうか。 ミュージックビデオはわいせつ判定を受けました。

「南米、ブラジルiTunes Store全体のチャートで1位になった事もあります。 ある瞬間からかブラジルのファンたちが関心をたくさん持ち始めました。 オーストラリアでも良い成績を出しています。 韓国での反応は実はよくわかりません。 これからもずっと曲を出しながら活動しなければいけませんね。ミュージックビデオは…監督との最初のミーティング時に監督のお話で『韓国映像審議基準だと同性間のキスは19禁、異性間のキスは15禁』というのがあり、その話を聞いて必ずミュージックビデオの中にキスシーンを入れなければならないと思いました。 最初はキスシーンはありませんでした」

 

ーこれからの活動に残された課題がありますか。

「実はまだ両親に自分がセクシャルマイノリティであるという事実を話していません。 記事が報道される頃には両親に申し上げなければならないのではないでしょうか(笑)」

 

<文 リュインハ記者・写真ウチョルフン記者 acha@kyunghyang.com>