サンダーエイジ

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【BBCコリア訳】f(x)アンバー インタビュー:ルックスに対する悪質な書き込みへの対処法

BBCコリア訳】f(x)アンバー インタビュー:ルックスに対する悪質な書き込みへの対処法

 

イ・ミンジ/チェ・ジョンミン
BBCコリア
2017年12月8日
https://www.bbc.com/korean/amp/news-42148031?__twitter_impression=true


f(x)のメンバーであるアンバーは、韓国内の歌謡界では珍しい存在だ。 「清純」または「セクシー」に二分される国内ガールズグループの地形において特有のボーイッシュなイメージで存在感を示してきた。

 

しかし、このような「相違」は不必要かつ不愉快な関心を伴う場合が多い。 典型的な女性アイドルとは少し違ったイメージのために、アンバーもここ数年間持続的にルックスに関連した悪質な書き込みを受けてきた。

 

アンバーは彼女だけのやり方で悪質コメントに対面した。 BBCコリアがその話を聞いてみた。

 

短いカットの髪型、入れ墨とパンツ。f(x)がデビューした2009年からアンバーが固守してきたスタイルだ。 競争が激しい芸能界で、他人とは異なった姿を見せてくれるのは負担ではなかったのだろうか。

 

「全く率直に言えば(大衆の期待に答えなければならないという)負担感がなかったわけではないです。今も感じます。 しかし、「悪ガキ」みたいな姿がコンセプトというわけではなく、私の姿そのままを見せているので大きな困難はありませんでした」

 

ありふれていないコンセプトであるため、別の姿を見せてみたくてもむしろ見せることができないんじゃないかと尋ねた。 アンバー本人も髪の毛を伸ばし、女性らしいコンセプトを試みたことがあると述べている。

 

SNLコリアに出演したことがあります。 この時、長い髪のかつらをかぶって声もわざと女性らしさを出してみました。これはコントだったけど、実際この時が初めてではないです。 何回かやってみました。 ところが、人々はただそれを受け入れることを望んでいないみたいでした。(女性らしく)しなさいと言うのでやってみたら、また以前の姿がいいと言われました」

 

「このように努力をしていて自分自身が不快だったのはもちろん、後々になって自分がとても嫌になったりしました」

しかし、アンバーはこのような経験を通じて、むしろ自分の姿をありのままに受け入れることが最も良いのだということを悟ったという。

 

「人々の期待に応えて特定の姿を見せなければならないというのは合わないみたいです。 疲れてしまう。他の人の認定を受けるために生きるというのは私にとっては意味がないんです。 自分がする仕事を誠実に上手くやって、自分自身の姿に率直かつ周囲にポジティブな雰囲気をつくることができたら、そのすべてのことで十分だと思います」

 

人気BJキムイブの被害事例で見られるように、女性芸能人は男性芸能人よりもセクハラや容姿関連についての悪質なコメントに苦しむケースが多い。

 

アンバーも例外ではなかった。 「入れ墨を入れてる女はどこかへ行け」「胸はどこへ行った」「AmberじゃなくてManber(英語で男性を意味するManとアンバーの名前を混合した単語)だろ」など数年間、ルックス関連の悪質なコメントに悩まされた。

 

しかし、アンバーはただ無視したり法的対応を選択するよりは、悪質な書き込み者たちに成熟した創意的な方法で向き合いたかった。 このようなメッセージを込めて作った映像が「Where's My Chest?(私の胸はどこに行ったの?)」だ。

 

「注:この映像では深刻な皮肉(sarcasm)が登場します。 そして瞼は虫に刺されて腫れてるので無視してください」という字幕で開始する映像でアンバーは「男友達」ブライスと胸を探しに行く。2人は隣人に胸について尋ねたりしながら、アンバーの映像についた悪質な書き込みに言及し、これに反論する。

 

「実は私が過去8〜9年間に浴びた悪質コメントはあまりにもワンパターンだと思います。 あまりにもワンパターンなので、『逆に他のテーマの悪質な書き込みもちょっとは書いてみてくれないかな?』と思ったりする事もあります。 とにかく、コンピュータースクリーンの後ろに隠れて何やかや吐き出すことは確かに誤っている事なので、それが間違っているということを悟らせたかったんです」

 

アンバーは、この映像を通じて女性アイドルまたは芸能人に対する誤った先入観も破りたかったという。

 

「人々は『女性の胸のサイズはどの程度あるべきだ』『ヘアスタイルは長い髪が良い』こんなふうに話したりします。そんな偏見を壊したくて映像を企画した時、沢山悩みました」

 

6ヵ月にわたって製作したこの画像は(8日基準)のクリック件数170万を越えた。 1万件を超える書き込みも走った。 悪質な書き込みも依然としてあるが、面白いとか、ありがとうとか、共感するという反応がはるかに多い。

 

映像を作って変わった点は何だろうか。

 

「実際、悪質な書き込みを見るのは依然として辛いです。普段からあまり見ない方です。 映像を作る過程で悪質な書き込みを一つ一つ読むのはまるで自らの墓穴を掘るようでした。 知らない人たちが私の事を不細工とか異常だと言っている書き込みが数千個も書かれているんだから大変です。だから後で友達に代わりに読んでほしいと言いました」

 

しかし、アンバーは「連帯」の経験が大事な資産として残っていると言う。

 

「映像に書き込まれたコメント中に『自分も胸が小さいです』『アンバー、あなたが私の胸を探してくれました』などがありました。 このようなコメントを見ながら本当に胸が一杯でした。 私が企画して言おうとしていたところがよく伝わったようです。 私が提起した問題は多くの人が経験する問題であり、その問題を経験する人たちが一人ではないということ、このような雰囲気を造成することができたというのがとても良いと思います」

 

彼女はオンラインだけでなく、実生活での「共同体」の必要性も強調した。

 

「両親が私をいつも愛してくれたというのが結局、いちばん大きな力になりそうです。 アイデアを出してくれるお姉さんもそうですし。 お互いをよく知って支持してくれる友達たちのグループとファンも力になっています。依然として大変な点はありますけど、彼らを通して力を得て問題解決に向けて努力するようになれました」

 

実際2016年3月に発表したアンバーのシングル「Borders」には、移民でありモデル出身だった母親の話が出てくる。

 

「Cause mom said I'd be crossing borders (母は言った限界を超えるとき)

Never be afraid even when you're cornered (窮地に立たされても絶対に怖がらないでと)

Stand up straight、fight your way (だからまっすぐに立って君の道に向かって戦って)」

 

今回の映像を作った経験がアンバーの夢にどんな影響を与えたかも知りたくなった。

 

「国は関係なく、人間は基本的に互いに残酷です。 外見やその他持っていない他のことを基準に、人間を絶えず判断してそれを要求します。 これはあまりにも間違っているんじゃないでしょうか。お互いの違いを認めてお互いを助け、激励して、批判するにしても建設的にしなければならないと思います」

 

「そして自ら自分を閉じ込めている限界(border)から脱しようと努力しなくちゃいけません。『自分はどこの出身だからだめだ』『自分は女だからだめだ』『自分は男だからだめだ』『自分はある皮膚の色をしているからだめだ』など、見えないこのような限界にとらわれず、突破しようと努力しなくちゃいけません」

 

「もちろん、これが決して簡単なことではないです。 確かなことは自らをよく知って、恐れず、勇気を持って自分が正しいと思うことを実践すること、それは私と皆さんが悩んで行動に移さなければならないのだということです。 今後自分がするすべての事を通じて、このようなメッセージを伝達していきたいです」

 

Through the borders (限界/境界を超えて)

Fight your way, fight your way (君の道に向かって戦って 君の道に向かって戦って)

Stand up、fall down、up again (立ち上がって倒れて また立ち上がって)

Up against the pressure I am in (自分へのこの抑圧に対抗して立ち上がって)

Slowly but surely I begin (ゆっくりでも確実に)

Jumping trains'cause I know I can win (私は大胆な挑戦を始める 自分が勝てるということを知っているから)

 

ー「Borders」歌詞より。