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韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【melon mag訳】<アイドル探求生活>アイドルのアルバム収録曲を聴いてみる:ボーイズグループ編

【melon mag訳】<アイドル探求生活>アイドルのアルバム収録曲を聴いてみる:ボーイズグループ編

 

2017.09.26
http://m.app.melon.com/musicstory/detail.htm?mstorySeq=5536

 

ほとんどの消費者たちは、どのミュージシャンのどのアルバムでもタイトル曲から聞く。 タイトル曲を中心にミュージックビデオが製作されてプロモーションが行われるため、人々の関心が一方に偏るのは当然だ。 凝った作りのアルバムよりは比較的少ない努力が要求されるシングル、あるいはEP(ミニアルバム)の単位で市場が回っている現状では、「よく育てたタイトル曲1曲がアルバム収録曲10曲に勝る」という言葉が出るのも自然なことだ。

 

そのため、アルバムに収録されているその他のいい曲がタイトル曲の牙城に阻まれて日の目を見ることができない場合が多い。 ただ見過ごすにはあまりにも惜しい、アイドルのアルバムの収録曲。その中でもWINNER、PENTAGON、VIXXなど、グループのコンセプトやアイデンティティが盛り込まれている素敵な曲を紹介する。

 

#WINNERの変化

ナムテヒョンが脱退した後、WINNERは変わった。 YGエンターテインメント所属のボーイズグループとしては異例のデビューアルバムからリズミカルさと強いベースを除去した後、静的な色彩を強調した。 しかし、メインボーカルの不在はメンバーそれぞれの色彩をさらにはっきり見せる事で音楽的方向を開くきっかけとなり、おかげでボーカルパートにも新しい試みが行われた。

 

WINNERは他のアイドルグループに比べて相対的にメンバー数が少ないグループだ。 それだけ個々人が持つそれぞれ違うキャラクターが歌にもくっきりと浮き上がっている。 特にカンスンユンが曲前半に集中して主なメロディーラインを刻みつけるとするなら、サブボーカルキムジヌは清らかな声で短いパートに重厚な響きを乗せる。 タイトル曲だった「Really Really」と「Love Me Love Me」がすべてではない。 重くて鬱屈した「FOOL」でも、軽いサウンドの組み合わせが生き生きと迫ってくる「ISLAND」でも二人の緻密な挟撃が光る。

 

選曲リスト
「FOOL」WINNER
「ISLAND」WINNER


#PENTAGONの発見

PENTAGONは、デビューアルバムから変わりなく均等な完成度を見せてくれた数少ないボーイズグループだ。 ボーカルとラップ、作詞、作曲に至るまで主軸になる何人のメンバーたちが歌のバランスをとり、残りのメンバーたちがその間で柔軟な曲消化力を見せてくれる。 外国人メンバーたちの韓国語の発音がぎこちない部分もあるが、短所が浮き彫りされないように適切な歌詞に彼らのパートを配置しているのも根本的なセンスの良さだ。

 

メンバーたちの長所にうなずき、同時にPENTAGONのメンバーたちの優れた曲消化力を垣間見られるようなトラックがある。 「ちょっと耳を塞いでくれ」ではイドンの独特なボイスとコクのあるフロウがこのグループのシグネチャーになるしかないという事実を認めるようになる。 「ありがとう」は安定感のあるボーカリストジノとエレクトロニック・サウンドまでを難なく突破する劇的な直線形ボーカルフイが出会い、平凡なバラード曲にどのような特色を吹き込むのかを鑑賞することができる。 メンバーたちのセクシーな魅力を覗き見ることができる「It's Over」はおまけ。

 

選曲リスト
「귀 좀 막아줘(Organic Song)(ちょっと耳を塞いでくれ)」
PENTAGON(イドン・ユウト・ウソクwithフイ)
「고마워」(ありがとう)PENTAGON(ジノ・フイ)
「It`s Over」PENTAGON


#VIXXの一貫性

VIXXには多くの名曲がある。 しかし、その中でもこのグループだけの独特なコンセプトと結び付けられるほどの曲が、常にタイトル曲の存在感を裏付けている。 沈鬱で謹厳実直な視線が感じられるVIXXの舞台を見てから彼らの魅力をさらに感じたくなった時、聞きどころになってくれる曲がアルバムに1曲2曲は必ず入っているということだ。 まるで映画の続編を見に訪れる人に向けて準備された場所と言おうか。

 

清涼で未成熟なコンセプトのボーイズグループはたくさん出てくるが、差別化されている彼らだけの魅力はいつも有効である。 例えば「INTO THE VOID」のうす暗く陰惨な導入部と呪文を唱えているようなRAVIのラッピング、地面に消えていきそうなほどにトーンダウンされたボーカルはどうだろうか。 音楽的に非常に優れた成果を収めていると言うのは難しいかもしれない。 しかし、このグループだけの雰囲気がはっきり感じられる曲が多く、どのトラックをプレイしても一貫した情緒が感じられて興味深い。 定型のカテゴリから外れた曲としては、柔らかいボーカルが魅力的な「手の別れ」を推薦する。

 

選曲リスト
「INTO THE VOID」VIXX
「Desperate」VIXX
「Hot Enough」VIXX
「손의 이별(手の別れ)」VIXX


#EXOの別の顔

「MAMA」から「Growl」を経て、「OVERDOSE」と「Call Me Baby」に至るまで、すでにEXOはあまりにも多様な顔を見せてくれた。 SMエンターテイメントが作る社会批判的な歌詞と強力なベース、壮大なコーラスが調和したダンス曲から明るくて洗練されたプロポーズソングまで、やっていないコンセプトがないのが事実だ。

 

しかし、唯一放送舞台では簡単に見られなかったEXOの姿があるとするなら?言葉そのままに「堂々と」ねっとりするようなグルーヴィなボーカルとダンスパフォーマンスであろう。 しかし、骨盤を積極的に活用する果敢なパフォーマンスでコンサートでファンからは大きな反響を得た「Playboy」と「Artificial Love」は、最小限の空間感でセクシーさを作り出すという点だけでも十分に聞く楽しさがある。 「Thunder」はEXOのメンバーCHENの超能力の一つである雷という素材で愛に陷った男の心を表現するという点で、緻密な世界観の延長に感嘆させられる。

 

選曲リスト
PLAYBOY」EXO
「Artificial Love」EXO
「Thunder」EXO


#WANNA ONEとNU'ESTの歴史

Mnet「プロデュース101シーズン2」以降、ボーイズグループ市場には多くの変化が起きた。 その変化の中心にある両グループを選ぶとすれば、必ずWANNA ONEとNU'ESTについて述べなければならない。 WANNA ONEの「Wanna Be」は短い時間の間に彼らがおさめた成就を祝うような明るいトラックだ。 番組当時11人のメンバーが持っていたキャラクターや流行語を一つの曲にすべて入れたという点で、ひとつのグループの短い歴史を凝縮している曲と見てもいい。

 

NU'ESTはグループが本格的に注目される前にも、優れたアルバム完成度のおかげで音楽関係者の間では何度も名前があがっていた。 そのうち「ONEKIS2」はタイトルのように柔らかくてロマンチックな歌だ。 童話のような歌詞と90年代後半のアイドルバラードの定石を伴う構成で、メンバーたちのボーカルとラップがじっくりと響き渡る。 「Daybreak」はメンバーミンヒョンとJRのデュエット曲で、鋭いながらも裏面に叙情性が感じられるミンヒョンのボーカルと、粗いボイスで存在感を誇示するJRのラップがよく似合うトラックだ。

 

選曲リスト
「Wanna Be(My Baby)」WANNA ONE
「ONEKIS2」NU'EST
「Daybreak」NU'EST(ミンヒョン&JR)


#防弾少年団の成長

デビュー5年目になった防弾少年団はアルバム販売量やファンクラブ会員数など様々な指標から見られるように、かなり点々としたステップで成長してきたボーイズグループだ。 様々な紆余曲折が多かったグループであるため、毎アルバムごとに音楽スタイルの変化も劇的で、歌詞にも彼らの歴史がよく表れている。

 

「Whalien 52」は防弾少年団が人気の頂点を取る直前に発売した「花様年華」シリーズの収録曲だ。 広大な海の景色とクジラの音を連想させる導入が独特で、未来を見極める少年の悩みが書かれた比喩的歌詞により平凡な素材を創意的に活用する機智が目立つ。

 

「Lost」は防弾少年団ボーカルラインのメンバーたちの成長が目立つ、洗練されたトラックだった。 最近発表したアルバムでは、以前までラッパーラインのメンバーたちが主軸になりがちだった防弾少年団で初めてボーカルであるジミンがIntroを務めた。 神秘的なサウンドが包むジミンの空虚なボーカルが見知らぬ新世界を連想させる繊細なストーリーと調和をなす。 The Chainsmokersと一緒に作業した「Best Of Me」は聴きなれた欧米流行の作法を韓国語の歌詞で聞く楽しさを与えるが、ここで防弾少年団が今後進むべき道がどこなのかはっきり見えるように思う。

 

選曲リスト
「Whalien 52」防弾少年団
「Lost」防弾少年団
「Intro:Serendipity防弾少年団
「Best Of Me」防弾少年団

 

文 パクヒア(ウェブマガジンWEIV・エディター)


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WINNERはメインボーカルクラスが2人いたので、1人いなくなった事でスンユンの場合は今までグループバランス的に抑えていた部分を解放できたし、ジヌもよりメインのフックに近いパートを担当するようになった事で控えめだった個性を際立たせられるようになった(そこまでやらざるを得なかった)のが逆によかったのかな?と思いました。個人的にPENTAGONはアルバム収録曲もタイトルに劣らない良さがあると思うし、VIXXは流行のテイストを入れても独自のスタイルが確立されていてアルバム曲の選択に自分たちの事わかってるなあというセンスを感じるし、防弾少年団の「Whalien 52」は個人的2015アイドルタイトル曲以外ベスト10に入れてた曲だったりしました。

 

しかしやっぱり、基本的には前書きにある通りファン以外はほとんどタイトル曲しか聴かないようなので、アルバム曲はほぼファンやドルオタしか聴かないんだったらやっぱりタイトル曲でグループの良さとかアイデンティティを見せないとそれ以外の層には届かないのかなという感じもしました...