サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】「ジューシーフェイス(果汁顔)」の次は「ガシナ」メイク

【ize訳】「ジューシーフェイス(果汁顔)」の次は「ガシナ」メイク

 

2017.09.18
http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017091723527226088

 

美容ユーチューバー・イサべが去る4日に掲載した「ソンミガシナ風メイク」動画は1週間で照会数140万件を突破した。 アモーレ・パシフィックの代表ブランドであるHERAは去る1日に発売した「ルージュホリックシャイン no.338 ワンパーフェクト・レッド」に「ソンミカラー」という別称を付けて自社のオンラインモールで販売している。 ソンミが去る8日、ビューティー専門のYouTubeチャンネルdingoビューティーで紹介したHERAの「センシュアルティント:ダンシング・ローズ」は一部オンラインモールで一時的に品切れになった。 もちろん、このような人気の震源地は独特なメイクアップで話題になった「ガシナ」のミュージックビデオだ。

 

「ガシナ」プロモーションビデオの中のソンミのメイクは、一瞬でぱっと目につく。 二日酔いメイクの変形であるいわゆる「ジューシーフェイス(果汁顔)」一辺倒のこの頃だが、「果汁でパンパン」のようなタイトルがつく余地を完全に封鎖した。 彼女は大きく分けて3種類のメイクアップを披露したが、最初の顔は黄昏時に物憂げにカフェに座ってクリームをたっぷりのせたドリンクを飲む場面に登場する。 まぶたに咲くように塗ったレッドオレンジのアイシャドーと薄赤い頬は一見ジューシーフェイスを連想させるが、カモフラージュにすぎない。 このメイクアップの主人公はアイラインを描くようにはっきりと重ねて塗ったブルーグリーンのアイシャドーだ。 近頃では珍しい色の組み合わせは、パステルトーン上の奥ゆかしいグレア効果と調和して、独特な雰囲気を醸し出している。 2番目の顔は、メキシコの画家フリーダ・カーロに対するオマージュが明らかな場面に登場する。 断固として引いた一文字眉毛、彩度を相当引き下げた唇、頭に乗せた赤い薔薇、画面を埋め尽くす色あせた薔薇の花畑。身体的に不自由があったにもかかわらず芸術魂を燃やした女性芸術家のイメージは、「花のように暮らす/私らしく」という歌詞と結合し、「ガシナ」の語り手の内面を現す。「本当に狂ったんじゃないか」と去ってしまった恋人を恨めしく思いながらも各自が生き残るそれぞれの道を歩むことを宣言するしっかりした女性像を視覚的に表現したのだ。 3番目の顔はピンクオーガンジーのトップス、フラワープリントのスイムスーツなど、素早く多様な衣装を消化した後半部に配置された。 衣装によって微細に修正されたメーキャップを披露したこの顔は、一つの基調のもとで統一性を与えられる。 直でゴールドグリッターを大盛りにした目もとと唇を埋め尽くすように鮮明に表現したレッドリップだ。 唇の線に沿って誠実に色を満たす「フルリップ」方式は、ソンミの魅力を倍増させている。 果汁が自然に染み込んだり広がっているかのように表現するのがほとんどである状況では、目を奪われざるを得ないスタイルだ。

 

3つのメイクを全て可能にする原動力はもちろん、ソンミの顔でもある。 肌、フェイスライン、しばしば可愛く見えていた目の下の涙袋などいずれもメイクが似合う条件を備えている上、楕円形を描きながら降りた目尻とはっきりして豊かな唇の形なども持っている。 ソンミの目鼻立ちが引き続き取りざたされる理由だ。 「整ってはいるが退屈」ではなく、「個性のある美しさ」を持った顔だと言える。 ところで「個性のある美しさ」には必然的に多様性が付きまとう。 例えば、IUの「Pallet」プロモーションビデオの中のバーガンディ・メイクは目元を赤く染める挑発的なイメージに対する好奇心とともにまだ流行している。 女性たちは、カラーメイクが日常性と意外性の覇権争いなのだという点をよく知っている。 証明写真用、面接用メイクを一生懸命に真似をしながらも、全部使いこなすことも出来ない78色カラーパレットを買って集め、カラーメイクの無限の可能性を信じている。

 

しかし、市場は多様化した消費者の心理にきちんと応えていない。 業界は昨年から始まったジューシーフェイスへの偏重現象をあおるのに忙しい。 「カラートーン」という囮商品をスキンローション・エッセンス・クリームという高単価の「基礎」化粧品の売上に結び付かせようとする強迫観念の下、まるでジューシーというのが唯一の美の基準であるかのように「リンゴ味の唇」「果汁がこぼれ落ちそうな頬」のような宣伝文句を濫発する。 化粧品ブランドリリーバイ・レッドはMnet「プロデュース101シーズン2」出身のクォンヒョンビンを掲げた写真を通じて「ジューシーフェイス」の領域を男性アイドルに拡張したりもした。 ガールズグループ所属事務所のファッション・ビューティー公式もすでに「スクールルック+ジューシーフェイス」として定着したのではないかと疑われるほど似た印象が再生産されている。 そして「1つの印象に向かって全力疾走しなさい」というシグナルに飽きた女性たちはむしろ1990年代のメイクに目を向ける。 IUが去る8日に公開したアルバム「花しおり2」のティーザー写真も、去る12日に公開した「花しおり2」ティーザー映像の中のイメージもいずれも穏やかな反響を呼びおこした。 ドライフラワーの薔薇の花びらのような色で唇を埋め尽くしたが、少なくともピンク・オレンジ・レッドにまみれてはいなかった。 ソンミの「ガシナメイク」も1990年代のメイク・テクニックをいたるところに借用したのは同様だった。 BoAが去る6月「CAMO」ミュージックビデオで見せたように、顔を画用紙にしてCGで色調の饗宴を繰り広げることまでは望んではいない。 美しく装った女性の顔をあえて食べ物に比喩するような、画一化された色のメークが美の標準であるかのように提示される奇妙な時代が、早く終わってくれることを願うだけだ。


文 キムソンジュ(ライフスタイリスト)
校正 キムヨンジン


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과즙상=果汁顔。果汁のように爽やかな雰囲気の顔の事。

 

確かにガシナのメイクも花しおりビジュアルも、いわゆる最近の「KPOPっぽい典型メイク」とは違って日本の大人向けモード誌で紹介されていそうな色が引き算された落ち着いたメイクの印象です。とかく潤い感重視(ジューシーなティントとか水肌とか)で若干子供っぽいというか、フレッシュ感至上主義のメイク流行りのイメージから変わって行くのかな?
(ソンミの顔ならどんなメイクでも似合いそうだけど...)