サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【ize訳】ガインとチョアが怒った理由

【ize訳】ガインとチョアが怒った理由

 

2017.07.03

http://m.ize.co.kr/view.html?no=2017070223017299376

 

去る6月4日、ガインはインスタグラムに短い文をひとつ掲載した。
「死ぬ覚悟をして、刑務所に行く覚悟をして、今から私が狂った理由を一つずつ申し上げます」
彼女は自分が精神的に非常にきつい状況であり、大麻を勧められたこともあると述べた。しばらくして彼女が付け加えたコメントは、さらに慢性的な社会的偏見を指摘した。
「なぜ、すべての女性芸能人たちが産婦人科に隠れて通わなければならないのか?」
しばらく後にAOAのメンバーであったチョアが自分の脱退説について口を開いた。
「私は妊娠もしていなかったし中絶もしておらず、結婚をするために脱退することもありません」
ガインとチョアが怒った理由は、最終的に一つの点に集約できる。なぜ女性アイドルにとって恋愛と結婚、妊娠が傷になるのかについての疑問だ。

 

最近放送されたKBS「鍋敷き」ではPRISTINのメンバーソンヨンがガールズグループとして苦しんでいる不快なポイントと関連して生理について言及したが、それすら「魔法」という隠語で置き換えられた。大韓民国の半分が女性であり、彼女たちが苦しむあまりにも当然の身体現象についても、大衆の気持ちを不快にする可能性があるという理由ではしてはならない話という扱いを受ける。いまだに韓国社会では、女性が自分の体の変化や性欲について言及することを恥ずべき事とする傾向が強い。昨年ある地域区議員が定例会で「『生理用ナプキン』という言葉が窮屈なので、他の表現(衛生帯)と呼ぼう」という発言をした事実が知られて非難を受けたが、重要なのはそのような発言が2016年に行われたという事実そのものだ。このような環境では、女性アイドルが自分の話を率直に打ち明ける事はさらに容易ではない。有名アイドルの所属事務所の関係者A氏は「新人開発チームではトレーニングの時に喋ってはいけない題材にについての注意を多く与える。それでデビューしてからも着実に状況を見て話をするようになる」と言う。異性や恋愛、政治に関する話は男女のグループに関係なく注意しなければならない素材だ。しかし、女性グループと男性グループは主なターゲットが異なるため、この部分において多少の違いがある。 A氏は「ボーイズグループがファンドムを対象とするとしたら、ガールズグループは大衆がターゲットである子達が多いのでその部分により気を使う。大衆が敏感に反応するような話は、さらに慎重にする傾向にある。妊娠や生理のような話題もそこに含まれる」と説明した。

 

すべての女性アイドルは大衆が決めたタブーに悩まされる。チョアの事例は、大衆がどのようにして女性アイドルの自主的な決定を拒否しているかを直接的に示している。チョアは精神的、身体的に力尽きてグループを脱退したいという意思を明らかにしたが、一部のネチズンたちは引き続き妊娠と結婚の噂を広めた。なんと6年もの間芸能界生活をして自分のキャリアを構築してきた彼女にも、自由な発言が許されていない。もちろん、男性アイドルも活動序盤には女性アイドルと同様の水準で発言に制約を受ける。しかし、男性アイドルはある程度キャリアが積もればふざけながらも恋愛や性についての話をすることができる。このような話を面白く話することができる能力がトーク上手として認められる事もある。一方、ほとんどの女性アイドルはキャリアを問わず性的なニュアンスが込められた言葉を話すと、様々なコミュニティで露骨な非難と嘲笑の対象になる。過去JTBC「魔女狩り」に出てきたガールズグループのメンバーが自分の性生活について数回話を取り出したことがあるが、これは男性MCが女性である彼女たちに、このような話を聞きたいのだろうと思わせるような雰囲気を誘導した点が大きい。一方、女性アイドルが芸能プログラムなどや男性の雰囲気的な誘導なしに性的なニュアンスの言葉や行動をすることは、多くの場合議論がされたりする。ガインとチョアの投稿記事には、「どうして女性アイドルがあんな言葉を言えるのか」と言うようなコメントが走っている。まだ韓国社会において、女性アイドルは主体的に自分の意思を明らかにすることを個人的には認められていない。

アイドルの所属事務所関係者B氏は、「個人的には、女性アイドルがちょっと気の毒に思う」と言う。一言を取り上げられる時にも、常に女性というアイデンティティが上回っている。この間で彼女たち一人ひとりが持つ長所や歴史は関心の外に押し出されている。 それゆえにチョアの一言は重要な意味を持つ。
「なぜ私の脱退が熱愛説と関連付けられているのかわからない」
この言葉は長い間熱心に活動してきた誠実なガールズグループメンバーの嘆きに近い。 男性と二人きりの写真が撮られたという理由でチョアは、一瞬のうちに自分のキャリアとグループを捨てた人になった。 意図してはいなくても、チョアの言葉は韓国社会では結婚や妊娠が女性の仕事を中断させるほどの重大な「引退」の要件であるという点を指摘する。 そしてガインはあるファッション誌とのインタビューでこのように話した。
「丈の短い服を着ているといやらしくて、まるで誰かを誘惑しているように見えるんでしょうか? 私はただこの服が着たくて着るんです。 そんなに気に入らなければ私が服を買ってあげましょうか」
これは単にチョアとガインだけがぶつかる問題ではないのだ。


文 パクヒア
校正 キム・ヨンジン