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サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【idology訳】アイドルメーカー:⑤ デザイナー チャンソンウン

【idology訳】アイドルメーカー:⑤ デザイナー チャンソンウン

 

『すでに人々によく知られているものを、自分の視点を通して新しいものにするんです』

 

byバクヒアon 2017/01/25

http://idology.kr/8358

 

《華やかに輝くアイドル、その背後には自らの分野でこまめに働いてきたもう一人の主人公たちがいる。 彼らは、K-POPの熱風が吹いていた時期でもあった「韓流」という言葉が固有名詞として使われるずっと前から同じ場所にいた。 そして「アイドルメーカー」はもう少し詳しく違う見方や温度で、アイドル産業に入っている「人」の話を入れて見ようと企画された本だ。 7回にわたって本の内容の一部を抜粋して掲載する。 インタビューの全文は「アイドルメーカー」を通じて確認することができる。》


#YG X チャンソンウン

 

『ここは単純に自分の夢を叶えるためだけの場所ではないのだということを悟りました』

 

バクヒア:YGエンターテインメント(以下、YG)には本格的にエンターテインメント会社で働いてみたいというお考えで入社したんですか?

 

チャンソンウン:いいえ。 それは全然なかったんです。 それに、会社に入って働く気も全然なかったんです。 会社生活そのものが嫌いということではなく、自由に働きたいという欲求がありました。 誰もが夢見るロマンじゃないですか。 しかし、人生が計画通りに行かない方が合ってるみたいです。 ロシアに行くつもりでしたけど、それも事情で行けなくなったし。

 

バクヒア:それでは、エンターテインメント会社に入社して新たに悟るようになった点や特別に感じた点があったんじゃないでしょうか。 これまでは外部で作業していた事が、今度は業界の内部状況を近くで見て適応しなければならない状況だったでしょうから。

 

チャンソンウン:実際にYGの中に入って見てみたら、芸能人1人の影響力が私が思っていたよりもはるかに大きいのです。 外でデザインし、コンセプトを作っている時は自分の仕事にだけ焦点をおいていたからそれがどんな事なのかよく分からなかったんですよ。 あまり考えが至っていなかった。 ところが、YGに入ってからは何か感じるものがありました。 ファンたちは雨が降ろうが雪が降ろうがブランケットをかぶって自分が好きなアイドルを待っていて、すべての一挙手一投足を追ってアイドル達の人生を真似したりもしています。 ここは単純に私の夢を叶えるためだけの場所ではないのだと悟りました。 使命感を持って仕事をする人が必要だと思いました。

 

バクヒア:YGでの会社生活そのものはどうでしたか?

 

チャンソンウン:私にとってはYGはとても楽な所でした。 すべてのことを認められて入社しましたし、それだけ待遇もよくしてくださいました。 実際に何よりも一番よかったのは、YGが放牧型会社だったという点でした。 私が自分で内容を認識して仕事ができるようにそのまま任せてくれました。 おかげで任された部分は責任を持って納得いくまでやり遂げる事が出来ました。 そのためか、会社づとめだったにもかかわらずある程度は自由だったと思います。 会社に泊まることもできたし、ご飯もタダだし、運動もできたし…これも良かった事ですね。 ハハ。
すべての条件がよかったのは確かです。 それに、ヤンヒョンソク代表が私がフリーランスの時に受けていた仕事を続けてもいいとおっしゃってくださったんですよ。 もちろん勤務時間内には外部作業はしませんでしたが、一応そうおっしゃってくださったこと自体がありがたかったです。 「うちの仕事をきちんとよくやってくれさえすれば良い」とおっしゃったんです。

 

#パッケージ作業

 

『たくさん歩き回って、見て、聞いてみなくてはいけません』

 

バクヒア:それでは素材や材料はどのように決定しますか。 あまりにも一般的ではないものをたくさん使われましたよね。

 

チャンソンウン:デザインをしていく過程で自然に素材の候補たちが浮かびます。 例えばRainのアルバムを製作した時は、私は「雨」に関連したすべての要素を全部使ってみたかったんです。 雨粒、虹などたくさんありますよね。 だからとてもたくさんの事を考慮しました。 絵で雨のしずくを描くのか、さもなければ本当に水を入れるのか、写真に撮って使うか、印刷効果や構造を通じて表現するかなど…。色々な方法の中でベストを選ぶんです。 この過程を経て完成されたプロトタイプのいくつかを会社と交わして最終案を決定します。

 

バクヒア:結局、デザイナーも現場経験が本当に重要な職業ということですね。

チャンソンウン:はい。 デザイナーが持っていなければならないのはアイデアだけではないです。 AからZまですべてのプロセスを経験してみなければなりません。 現場で印刷担当の方達の話を聞いてみると、足を動かさないで机の上だけで作業するデザイナーたちがとても多いと言っていました。 足で走るなんてアナログ式だというのはその通りです。 でも、人が体で覚えたことは一生記憶していると言うじゃないですか。 デザインも同じです。 若い時、足を使って走り回って材料も直接報告して印刷される過程を見守りながら、自分が画面上で作業したのものが実際にはどうなるのかもチェックしてみなければなりません。

(中略)

 

#アーティストキーワード

 

『YGが持っている全体的なブランドイメージはあります』

 

バクヒア:製作したパッケージでも分かるように、YGはあまりにも個性の強いミュージシャンたちが集まっている場所じゃないですか。 彼らと作業をしながらその個性を一つ一つを生かすために特別に考慮したことがありましたか?

チャンソンウン:YGだけがそうだとは思いません。 もちろん、YGが持っている全体的なブランドイメージはあります。 既存の一緒に仕事をした他の会社と確実に違いがあることはあります。 YGはアイドルやヒップホップでよく知られた会社ですから。 私もYGではそのようなユニークなアイデンティティをデザインに盛り込もうとしました。 また、アイドルとそうでないアーティストたちの間に存在する年齢差があり、そこから始まったイメージの差もあります。 また、デザイナー1人と10年間一緒に働きながら一貫したブランドイメージを構築したという点も特徴です。 でもどこの会社と仕事をしても、作業するときはアーティストごとに持っている固有の雰囲気、会社やアーティストとのつながりを探そうと努力します。 だから実際の作業過程においては全てのアーティストが似たような話なのです。

 

バクヒア:MDの中で一番気に入っているものは何ですか。

 

チャンソンウン:2NE1の…

 

バクヒア:2NE1に愛情が多いようですね。

 

チャンソンウン:アハハ、そういうわけではないです。 MDが特に気に入っているんです。 一つはノートです。 方眼ノートなんですが、よく見ると中にO・Xがあります。 友達を待ったりしていて特にすることがない時なんかに、Oを全部塗ってみるんです。 そうすると2NE1のメンバーのうち1人の顔が完成します。 ドット作品を作る感覚で構想しました。 この方法を活用すれば、どんな歌手の顔でも表現することができます。 ノート系のプラットフォームを作成する必要があると思い、それなりに野心的に作りました。他だと2NE1のトランプです。 これは社員たちみんなで非常に苦労をしました。 いちいち全部手描きで作ったので。

 

#デザインというもの

 

『すでに人々によく知られているものを、自分の視点を通して新しいものにするんです』

バクヒア:先ほど寛大な性格が長所だとおっしゃったでしょう。 ところが、デザインであれ音楽であれ、いわゆる「私はアートをしているの!」という感じの人たちには繊細な部分が多いようで、社会的にそのような固定観念が少しありますが…

 

チャンソンウン:この仕事をしていてこんな考えをしたことがあります。 「音楽をする人たちやデザインする人たちは、大衆の目と耳を楽しませる尊い人たちだ。でも、なんでそんなに敏感なんでしょ?」ハハ。でも自分が経験してみると鋭敏にならざるを得ない理由があったんですね。 一般的な見方で物事を見ることが100と表現するなら、デザイナーはこれを6400倍に拡大して見るんですよ。 人々が見ることもない部分が目に見えるんです。あえて事物をそんな風に見るわけです。 これが両刃の剣です。 ところがそんな過程を毎日繰り返してみるとずっと目が整えられてきて、細密になって、少し綿密になっていきます。 最初は見えなかった間や行間、全体的なバランスなどが見えてくるんです。 別の表現をすると、さわるんです。 それで私は作業をする度に現実で中心を忘れないように、と、常に誓います。 それがデザイナーの人生であると思われます 

 

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チャンソンウンさんは今はYGから独立してMA+CHというデザイン会社を経営されています。
元々はCDジャケットデザインを受けていたデザイン会社の社員でそこからフリーランスになり、ヘッドハンティングされてデザイン室長に就任して時期的に2NE1やBIGBANGメンバーのソロアルバム、PSYなどをイメージコンセプトから担当していたそうです。
アイドルのビジュアルデザイン関係だとKPOPファンの間ではSMのミンヒジンさん(今は理事になられたそうで)が有名かと思いますが、おそらく最初にアイドルのジャケットデザインにアート感覚というか、変わった形や素材のパッケージだったり表ジャケットにメンバーがはっきりわかるような写真をあえて使わないというような今ではおなじみのスタイルをとりいれたのは、2006年前後(BIGBANGデビュー前後)のYGが最初だったのではないかと思います。それゆえにデザイン界では有名な方で海外のデザイン賞も受けられています。

 

去年デザイン関係のインタビュー記事(https://univ20.com/37228)を読みましたが、「デザイナーの仕事はクライアントの証明を第一にする事で、作品の中に自分を残してはいけないと思う。アーティストにはその人だけのシグネチャーがあり、それがアーティストとの違い。でも最近はアーティストとデザイナーの境界は曖昧になってきているし、そこにとらわれないで自由にやっていいと思う」というような事を言っていたのが印象的でした。あくまでアーティストを立ててデザインの中に「我」が出過ぎないようにするタイプのデザイナーさんのようですが、確かにYGはそれぞれの個性が強いアーティストが多いのでそういう方があっているのかもしれません。