サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【idology 訳】アイドルメーカー:②ダンストレーナー兼コレオグラファー /イソルミ

【idology 訳】アイドルメーカー:②ダンストレーナーコレオグラファー /イソルミ

 

『構成もなく振り付けだけで踊るなら、何故あえて団体でダンスをするのか』

 

byパクヒア on 2016/12/23 
http://idology.kr/8135

 

(訳注:文中の太字部分はウェブ公開されてない部分から一部抜粋しています。部分抜粋ですので、全文が気になる方は「아이돌메이커」本誌をご参照ください)

 

華やかに輝くアイドル、その背後には自らの分野でこまめに働いてきたもう一人の主人公たちがいる。 彼らは、K-POPの熱風が吹いていた時期でもあった「韓流」という言葉が固有名詞として使われるずっと前から同じ場所にいた。 そして「アイドルメーカー」はもう少し詳しく違う見方や温度で、アイドル産業に入っている「人」の話を入れて見ようと企画された本だ。 7回にわたって本の内容の一部を抜粋して掲載する。 インタビューの全文は「アイドルメーカー」を通じて確認することができる。

 

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バクヒア:最近本当にお忙しいのではないかと思います。最近、OH MY GIRLコンサートのためにとても苦労されたと聞きました。全曲振り付けをされたんですよね?

 

イソルミ:はい、振り付けに関する演出はすべて私でした。実は個人的にはこのような作業をする時、他の方と一緒にする方が進行がむしろ難しいんですよ。一人で最初から最後までする方が楽です。でもとても大変でした。死ぬかと思いましたよ。母が、初めて私が公演振り付け演出を総括したと知って喜んでいました。胸がいっぱいになりました。

 

バクヒア:OH MY GIRLについてはすでに聞き及んでいましたが、ジェシカさんとどのように仕事をする事になられたのか気になるんですよ。

 

イソルミ:ジェシカと関係ができたきっかけですか?

 

バクヒア:はい、今回何かのきっかけや前からの縁があって連絡が来たのかと思いました。

 

イソルミ:OH MY GIRLのスタイリストであるギムジョンヨウン室長がジェシカのスタイリングを担当していたんです。偶然私の話をするようになって、私の振り付け映像もジェシカに紹介していただいたんです。それとともに「ああ、じゃあソルミオンニに一度連絡をして振付してもらってみます?」こう言うことになったんです。ジェシカとは(以前所属していた)SMエンターテイメントで私がレッスンをしていて、少女時代の振りつけを組んだ時に知り合った仲です。以前に少女時代の振付を担当しましたし、その前にジェシカの妹のf(x)クリスタルが練習生の時からレッスンを引き受けていました。

 

バクヒア:そのように一つ一つの縁が繋がったんですね、なるほど。仕事を受けてからすぐ取り掛かられたんですか?

 

イソルミ:はい、すぐに(振付を)組みましたがそれがすでに2015年9月です。ハハ、その時初めてだったら大変でしたが、既存のものをもう一度組み直しました。歌詞が来てから、再びより振付を絞って2016年にリリースされたんです。

 

バクヒア:昨年から今年にかけてアメリカに行く作業をしたわけですね。時間がかなり長くかかってから出ましたね。

 

イソルミ:はい、本当に長い期間準備したんです。他の人から見たらとても短期間に準備したと思われるかもしれないけど、ダンサー含めても2015年9月から準備して作った作品だと思います。

 

バクヒア:「Fly」のミュージックビデオの撮影も一緒にされたんでしょうか。

 

イソルミ:撮影もすべて一緒にして、アメリカに行った時は私が韓国の後輩一人だけ連れて行って現地のダンサーに振り付けを教えました。そんな感じで一緒に仕事をしたんです。

 

バクヒア:当時、現地ダンサーの方は会社側が準備したんですか?

 

イソルミ:私が連れてきました。曲の雰囲気上、あまりにも強いイメージは正直ちょっと似合わなかったんですよね。実際私の好きなダンサーがいましたが、強いイメージなんです。残念ながら彼は今回はパスして、音楽とよくあうダンサーを探して撮影したんです。
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#Oh、My Girls!

 

『一回音楽を聞いてみてから、その子たちが感じたことについて尋ねる過程が重要です』

 

バクヒア:OH MY GIRLとは最初にどのようなきっかけで仕事をするようになったんでしょうか?

 

イソルミ:今、私はtKAA(the Key Artist Agency)に所属しているんですよ。 OH MY GIRLの総括プロデューサーであるチェジェヒョクPDが代表をしていらっしゃるところです。 その方とはほぼ10年近く前に知り合いました。 私がソンダムビの振り付けチームにいた時ですが、当時ジェヒョクPDがマネージャーだったんですね。 でもマネージャーの仕事だけではなくすべての事をしていたんです。 音楽に関連する事から始まり、全般的な業務を全部されていました。 その時その姿を見ながら「うわ、マジでたくさんのことができる方なんだ」と思いました。 そんなふうな縁があったんですが、2015年に突然連絡があったんです。 それがOH MY GIRLであるとも知らなかったんですが、「女の子のグループがあるんだけど、あなたが指導したら上手そうだから推薦した。曲を一度聞いてみないか?」こんな感じで。 WMエンターテインメントのイウォンミン代表が一度会ってみたらどうかと話したそうです。 そうしてOH MY GIRLを引き受けることになりました。

 

バクヒア:振り付けを組む時もメンバーたちと話をたくさん交わしてるじゃないですか。 主にどんな話をされているのか知りたいです。

 

イソルミ:私が曲をまだ聞いていない状態でメンバー達が先に聞いている場合、それぞれに感じた事がありますよね? まずそれを話してみなさいと言っています。 もしくはメンバー達より前に私が先に聴く場合もありますが。 そういう時は自分が聞いて感じたことは心に留めておいて、また彼女たちに聞いてみます。「あなたはどんな気持ちがした? どんな感じだった?」このようなやり方です。

 

#パート割をください

 

『構成がなく、単に振り付けだけで作品を作るつもりなら何故あえてグループでダンスをするのか』

 

パクヒア:過去のインタビューを見たことがあります。 歌のパートまでわかっていてこそ振り付けを構成できるのだとおっしゃっていました。 それが不思議でした。

 

イソルミ:もしその子がソロ歌手なら構成を相対的に簡単につかむことができるでしょう。 しかしソロではなくグループじゃないですか。 すでに私が振り付けをしぼって送った後でパートが全部変わったとしたらまたもう一度整理をしなければなりませんし、こんなに無駄なことはしないほうがいいと思います。 それで私はパート割を頂いた時に始めますという話を先にします。
(略)
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バクヒア:お話をたくさん伺っていると、普段から独自のアイデアやソルミさんならではのやり方をたくさんお持ちなんですね。何か特別な経験があるんでしょうか。

 

イソルミ:私にとっては見ること、つまり視覚刺激が本当に良いと思います。最近の音楽からインスピレーションを受けるかというと、正直わからないんです。それはない代わりに、私はとても大変な時やまたは振付が浮かばないときはアニメーションを見てます。オープニングタイトルを見ると、映像美を感じることができる場面がたくさんあるじゃないですか。例えば、私はいくつかのアニメーションを見る時に最初のOSTと映像が調和しているのが本当にカッコいいと感じるんです。ミュージックビデオみたいな感じ。その後、「ああ、あのミュージックビデオを撮ってほしいな。それで映像美がこんな風に出てきたら本当に良いだろうな」と頭の中で考えます。
(略)

 

バクヒア:「Liar Liar」の場合、発表された当時に伺った言葉を覚えています。全体の具体的な流れを大切にしているとおっしゃったんです。振り付けを組むとき起承転結を気にするように、これも又ストーリーを盛り込む作業でしょう?

 

イソルミ:確かにそうです。
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バクヒア:「Liar Liar」のような曲の場合は歌詞に忠実な感じがとてもします。

 

イソルミ:そうなんです。 手の動作をみてください。 L字を作って"Liar"に合わせるじゃないですか。 実は最初はその動作がなかったんですよ。 この曲の場合は元々違う形で振り付けを組みましたが、それがメンバー達の顔を少し隠したんです。 それで理事と再び話をして、動作を何にするほうがいいのか悩みました。 もともと3つのバージョンの振り付けがあったんですが、その中にこれが出てきました。 人々が一番たくさん覚えてくれました。 歌詞を踊りで表現する方式が多少韓国的だと言えるでしょうか?そんなことをたくさん思いました。
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私はOH MY GIRLの子たちはダンスの実力で他のアーティストたちにひけをないと思うんですが...

 

バクヒア:OH MY GIRLを見て感じたことがあります。おっしゃったとおりで、ダンスも上手いですが、強弱調節が上手な感じでした。振り付けも曲に強さを与える時があるでしょう。とにかくガールズグループのような場合には、強さと繊細さの両方を表現しなければならない側面があり、それを考慮するのが振付師の立場としては非常に難しいようですね。

 

イソルミ:ハハ、はい、難しいです。(略)ところが見る人によってはOH MY GIRLの振付は簡単に見えると思います。よく言われます。でも良いこともあるんです。何故なら真似しやすそうに見えると関心も多く持たれますし、利点でもあります。

 

バクヒア:「Closer」は見ていて「ああ、ここで少しでも力が強すぎたら別の感じになってしまうな」とか、「ああ、ここは少し力が足りないだけでも別物になってしまうな」と思いましたよ。

 

イソルミ:だから練習を狂ったようにしました。私が練習させる以上に子供たちがとても熱心なんですよ。スンヒとミミが私がいないときに振付の整理を本当によくしてくれました。ヒョジョンもそうです。振り付けの過程を1から10としたとき、私はその中の4を修正しようと言いました。その後、再び初めからチェックしつつ合わない部分を先に練習していたんですね。すると「先生は4を直せと言ったけど、2も合わないみたいです。だから私たち1からもう1回しましょう」これをやっているんです。そこで終わりではない。 1からやり直してから4を修正し、また1から4まで練習するんです。
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バクヒア:長い間に多くのチームを経てきました。 レッスン経歴から見ると、また別のアイドルメンバーたちの授業も担当して来られたようですね。

 

イソルミ:SMエンターテインメントが面白かったと思います。 f(x)のクリスタルがいましたね。 SMルーキーズの中にもいます。 男の子たちの中では今EXOになったチャニョルの事を一番覚えています。 本当に幼い時から見ていたので。 最近見かけると「たくさん大きくなったなあ。 ああ、本当によく育ったな〜」と思います。ハハ。

 

バクヒア:チャニョル氏とのエピソードで特に覚えている事がありますか?

 

イソルミ:チャニョルはストレッチに本当に苦労してました。 ストレッチングだけしかしてないのに顔が真っ赤になって『先生、先生、死にそうです!』って感じでした。今はダンスが本当にたくさん上達しました。 偉いです。

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バクヒア:レッスンをするとき、ダンスを教えてくれることに加え、特に気を使う部分があるのですか?

 

イソルミ:特には....なぜなら子供によって性格の違いがありますからね。私の意図とは違う理解をしてる場合があります。だからまず最初に、ダンスを学ぼうとする意図と学ぼうとするダンスが何なのかきいて見るといいと思います。授業中の方向性についてたくさん考えた方がいいですね。とにかく、他の要素よりもダンス自体にまずフォーカスを合わせようとしています。
(略)

 

バクヒア:最初に振り付けを製作したのはいつですか?

 

イソルミ:EXIDの「I Feel Good」をしました。ああ、あれは初めてじゃないんだった。 そういえばf(x)「Hot Summer」をやったんですが、これは私が振り付けをしたのか微妙です。日本の振付師の仲宗根梨乃さんが送ってくれた試案を私が覚えて、少し修正を加えて教えました。テティソTTSの「Twinkle」は振り付け製作に私も参加しましたし、それ以外に少女時代が撮影したピザのCFの振付を組んだんです。そうするうちにEXIDの振付依頼が本格的に入ってきました。

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#試案費

 

『まだ全ての会社が全部持ってくれるわけではないです』

 

バクヒア:振り付け試案費のようなものはどのようになっていますか。

 

イソルミ:正直、試案費というものを受け始めたのは最近です。 以前は試案費を最初からもらっていませんでした。 まだ全ての会社が全部持ってはくれないです。 そういう場合には振付師が自己負担でダンサー達にペイしているんです。 現在、試案費として受け取るお金は…たとえばあるグループが5人だとして、それなら試案をなくしてほしいと頼まれました。 この場合ダンサーも5人必要でしょう。 この人たちへのペイを抜いた残りが私の振り付けに対するギャラなんです。 ところが本当にみんなひどいのが、そのような部分は考えてもいなくてそのまま試案を送るのが当然だと思っているんですよ。 そして当然試案費には振り付け費用を含んでいると考えているんです。
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最近試案費用を受けるために会社に連絡をしました。本当に有名な会社でした。誰もが多分したがるような企画でした。依頼が来たので撮影して送ったところ、次から連絡がないんです。電話もメールもしましたが答えがありませんでした。電話に出続けないのでとても腹が立ちましたよ。(略)
申し訳ないが今試案費用を出すことができないようだ。少し待って欲しい...そんな風にメールでもくれればいいのに、何の連絡もないんです。(略)ようやく連絡が来たんですが、レポートを間違えて違う人が見ていたと言うんです。呆れ返りました。(略)私がダンサーらのペイを支給しなければならない義務を持っていると言いました。すべてを私が整理しなくてはならない状況なのに、連絡を無責任にも受けない状況だから私もそういう話をするしかなかったんです。すると電話が来て今日送りますから口座番号を送れと言われました。その後も数日もらえませんでした。本当に酷くないですか?(略)担当者を間違えていたという連絡までしておきながら、その日電話が来て実はタイトル曲が変わったと言うんです。今会社での会議中でタイトル曲が変わるのか変わらないのかまだわからないので、少し待ってくれと事前にいえばいい話ですよね。連絡をむやみに避けるのは失礼ですよ。

 

バクヒア:こんなことを経験してみると、所属事務所に入って専属振付師として働きたいという考えも出るのではと思います。

 

イソルミ:以前はそういう考えをたくさんしました。でも、専属振付師兼トレーナーになったら会社の仕事以外に他の事はできなくなるので、その部分が惜しいんですよ。私もあちこちからたくさんオファーは受けましたが、このような理由だけはどうにもならなかったです。

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#ひたすら人

 

『あちこちでちょこちょこ見かけて頂いて、頻繁に呼んでいただけたらいいですね』

 

バクヒア:振付に対してどのような評価があったら嬉しいですか?

 

イソルミ:「Closer」のおかげで最も多く頂いた賞賛の中でいちばん多かったのが「動線がきれい」というものです。 次が「歌とよく合っている」そして「他の振り付けとは違う」でした。 この三つの中で一番嬉しかったのはやっぱり他とは違うという言葉だったようです。 「他の振り付けと違ってよかった。でも、本当にあなたらしいものだった」この賞賛が本当に幸せでした。 ずっとそんな言葉が聞きたいです。

 

バクヒア:少なくとも踊りを踊る時、私たちが考えるような「専攻」は重要でないようですね。

 

イソルミ:確かにそうです。 ただし基本技をどのように、どの程度きちんと習ったのが重要だと思います。

 


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上から見ると星座に見えるCloserの振付はロマンティックで個人的にとても好きでした。静かな曲は簡単そうに見えても、抑制して見せなければいけない分力のコントロールが重要で難しいんですね。

おまごるやSM以外だとヒョナやヒョリンなども担当されたとか。イソルミさんは女性アイドルやシンガーの振付が多いそうですが、ダンサーを目指したきっかけはソテジで踊るヤンヒョンソク(ヤンサ...)を見て「こんな風に踊れるんだ!」と思ったからだそうです。