サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【IZM訳】Splash of the year 2016

【IZM訳】Splash of the year 2016

DATE:2016/12

byホンウンソル

 

 http://izm.co.kr/contentRead.asp?idx=28024&bigcateidx=19&subcateidx=20&view_tp=1

 

年末になると人々は三々五々集まって、これまでできなかった話も打ち明けて、来るべき年に向かって約束するような席を持ったりする。 IZMではもう四回目だが、文章で解決する忘年会である「スプラッシュ」特集を進行している。 嬉しいニュースもあるが、来年には遭遇したくない話もある。 より良い明日のための記録、2016年の韓国大衆音楽界の満潮と干潮を集めてみた。

 

1. One and Only BewhY

 

<SHOW ME THE MONEY>の無限疾走、疑いの余地なく今年の人物はラッパーBewhYだ。 MNET<SHOW ME THE MONEY 5>の優勝者、多くの話題のシーンを生み出して見せた主人公に、当然その呼称が帰るだろう。 自分の信仰を音楽に溶け込ませた、いわゆる'神様swag'という明確なキャラクターを構築した彼は、個性のある声とそれに合致する実力で毎回完成度の高い舞台を披露し、堅固なファン層を構築していった。もちろん大衆の視野に入ってきたルーキーが他にいないわけではない。 ミョンドは2次予選でアンコールまで受けた「野望のにおい」をデジタルシングルで発売しており、キラグラムもまた、<SMTM5>以降に放映した<UNPRETTY RAPSTAR3>の特別公演で歌った「Birthday」に新しいビートを入れて出した。 その他にもG2、ウテウンなどが新曲を発表した。審査委員席に座っていたイリオネアレコードは新しいレーベル「エムビションミュージック」を創設し、注目度を高めた。 プログラム参加者のうちハッシュ・スワンとキムヒョウンを迎え入れてイリオネアとはまた違うカラーを予告しショーケースを開くなど、新人を支援している。 このように国内のヒップホップ業界は今、スター飽和状態だ。ただしその先頭に誰がいるかを論ずるなら、答えはたった一人だ。BewhYは「Forever」「Day Day」など新しい音源がアップデートされるたびに続々とチャート1位を占めていただけに、長年の友人で同じく優勝候補だったラッパーCjammと一緒に作業した新しいシングル「Puzzle」をこれといったマーケティングをしなくてもトップに押し上げた。 1993年うまれの「怪物」はその範囲をますます拡大している。

 


2. 乙の乙-善良な歌詞と悪い歌詞という区別があるのだろうか。 あるのだ!

 

メディアの華やかなスポットライトからは距離を置いて孤独な戦いを選んだ人もいた。 ラッパーのJelly Kは今年初め、正規アルバム「感情労働」を発表して「乙」の立場を代弁しており、ソーシャルメディアを通じて所信のある発言を続けた。 最近は政治的メッセージを盛り込んだ曲「HA-YA-HEY(下野して)」を公開して、大衆がヒップホップミュージシャンに望んでいた世相批判への渇望を解決してくれた。

 

しかし、その意図とは関係なく論争をもたらした「悪い歌」もあった。 大統領を狙撃する目的で「披露」されたラッパーSanEの「悪いX」とDJ DOCの「受取人は明らか」は女性嫌悪の疑いを受けて逆に批判の対象となった。 不当利益を取った権力者たちが石つぶてを受けるのは当然のことだが、事態の流れと無関係な要素を持ち出すことは足を引っ張りあうことにしかならない。 どうか「我々の核心的な目標は、『今年達成しなければならないのはこれだ』というものだとして精神を取り戻さなければならない」のだという事を忘れないで欲しい。さあ。

 

 

3. 『存在するだけで悪口を言われる女の子』(チェサム「Ya」)の反撃

 

2016年は韓半島の歴史の中で最初にフェミニズム論争が学問の側面を越え、一般にまで広まった年だった。 しかし、夜明け前が一番暗いと言ったのは誰だっただろうか。 今年の最も大きなイシューにはそんなに手放しで喜べないプログラムがあった。 依然としてPRETTYを「失わなかった」<UNPRETTY RAPSTAR 3>は、編集権を利用し絶えず外見の対決を助長して攻撃の水位を高め、女性らしさの低い女という「ひとつにつぎはぎされた偏見」を掲げて刺激的なキャットファイトシーンを演出した。<UNPRETTY RAPSTAR 2>に出演したラッパーKittiBは新曲「Nobody's perfect」で女性をめぐるフレームと真正面から対立した。 スリックは初のレギュラーアルバム「COLOSSUS」でフェミニズムの問題を歌詞に込め、またアルバムの質的な面でも好評を受けた。 昨年にMC METAとともにヒップホップ業界内の自浄作用と社会参加を促すラップ映像を製作したりもしたチェサムはEP「Suicide」で10代の頃に女性として経験した不当な待遇を淡々としながらもがっちりと告白した。 「音楽をする女」たちはもはやおとなしい「娘」になることを拒否する。

 

 

4. 8月は大人である、私たちの世界!

 

8月が熱いのは天気のためだけではない。 夏はフェスティバルの季節だ。 芝山ではレッドホットチリペッパーズ・JEDD・Disclosureたちがメインで雰囲気を盛り上げ、ペンタポートロックフェスティバルにはSUEDEWEEZER・パニックアットザディスコの登場で歓声が溢れた。ジサンは既存の名前にいくつかの単語を加えて「ジサンバレー・ロックミュージックアンドアーツフェスティバル」という長い名称へとジャンルの半径を拡張した。 ライブで進行するアーティストではなくDJをヘッドライナーとして立てた事については意見が分かれたが、その日の観客たちが皆楽しく遊んだということは否定できない。

 

ソウルミュージシャンに向けた最初のフェス、ソウルソウルフェスティバルもあった。 ペンタポートロックフェスティバルと日程が重なるという点や運営上の未熟な部分は惜しかったが、1日間隔で単独コンサート開催した「覇気」のMAXWELL、ミュージックソウルチャイルド、Gallantなど錚々たるラインナップでこれを克服した。

 


5. 街を彩る音律ー芸術家の叫び・ライブハウスの照明が一つ二つと消えていく。

 

2015年を皮切りに、すでに二枚目が発表された「ツバメ喫茶店のコンピレーション・2016」は、単にインディーズミュージシャンを宣伝するという概念を超え、実際の演奏が行われる場所に対する愛情とそこを守りぬくための訴えを込めるという目的を盛り込んでいる。 ファンギョンハ、ファンプハをはじめ、11人の音楽家は「ジェントリフィケーション」という名でコンピレーションアルバムを出した。 自立音楽生産組合が彼らを支援した。サックス奏者キムオキはIZMとのインタビューで「弘大を越えて最初に公演したパダビ、シクルラウドゥのような空間が今はなくなった。 このような場所がなくなれば結局、私の行くところがなくなる。 さらに、なくなっていく理由が正当なものだとも思えない」として、音楽をするために戦わなければならない現実について吐露した。 その時同時に言及した漢南洞の「Takeout Drawing」は結局、閉店した。

 

Ruailrock 花の香りだけ残っているが
私はどこに行くんだろう
花は散ってビルの森だけがたまって行くのに
私はどこに行くんだろう

* Crying Nut 「Ruailrock'」)「ツバメ喫茶店のコンピレーション・2016」)


https://youtu.be/trE0OGrNDBY

 

ミュージシャンたちはまた、弘大を脱出して光化門広場にも姿を現した。 政府の文化芸術界ブラックリストが明らかになったのが始まりだった。 大統領の退陣を叫ぶ「ハヤハロック」コンサートではHuckleberry fin 、MONOTONES、GALAXY EXPRESSなどが参加してアンプの電源を押し上げた。

 


6. 花道に落とされたいばらーアイドルが傷つく7年目シンドロームが怖い。

 

CUBEはヒョナを除いた4MINUTESのすべてのメンバーと再契約を進行しておらず、結局グループは解体された。 同様に2009年にデビューした2NE1はミンジの脱退とボムの再契約不発によって「ヤンヒョンソクの宝石箱」を去った。 しかし、DSPの「併殺打」は先の両社を軽く越えた。KARAに続きRAINBOWの解体、APRILのメンバーの相次ぐ脱退まで。 ファンはDSPのずさんな管理や戦略不足を指摘しながら激怒している。

 

今年の健康赤信号を最も多く受けたアイドルグループはOHMYGIRLである。 メンバーのうちビニは失神寸前の危険な瞬間を経験しており、スンヒは音楽放送録画後に過呼吸症候群で応急室に運ばれ、ジニは摂食障害で今までも休憩を取っている。パニック障害として活動を中断していたWINNERのナムテヒョンは結局チームを脱退し、YGとの専属契約も解約した。 GFRIENDのオムジは筋肉の異常の症状で休んでいたが、最近復帰した。 REDVELVETのジョイもまた、公演途中に知ることのできない理由で倒れてファンを驚かせた。 防弾少年団のジンとVIXXのレオは悪名高い番組「アイドル陸上大会」で試合の途中にけがを負った。このような危機的状況が発生したということ自体だけでも所属会社は批判を受けなければならないが、それ以上に不備のあるフォローと態度で失望がさらに大きい。 今エンターテイメント会社が1番に価値あるものと考えて優先しているのが「人」であるとは言えない。 アイドルに対する配慮と覚醒が求められる。

 

 

7. 最近何聴いてる?

 

オクサンダルピッや10cmに代表されるレーベル、マジックストロベリーサウンドは混声デュオCheezeというライジング・スターを生み、すでにスウェーデンランドリー(스웨덴세탁소라)という女性デュオの成功的な先例を残したSHOFAR MUSICは新しい家族「赤い頬の思春期」がメジャー市場でも人気を得てチャートで巡航中だ。 一時はマイナー感性と呼べるような比較的難解、時には奇怪な感じまでするような韓スタイルがインディー・レーベルにずらっと並んでいたが、今は柔らかなポップミュージックが大勢だ。 長所と短所があるが、大衆との接点を作ったという点で意味を獲得したのは確かだ。

 

* 2016/12 ホンウンソル

 

乙の立場:労働契約などで書類上雇う側が「甲」雇われる側が「乙」と記載される事から「弱者」の意味。

 

今年達成しなければならないのは〜:2015年5月12日の閣議で朴槿恵大統領が言ったフレーズ。朴槿恵的な話法としてネットでよくネタになるらしい。

 

롸일락(ruailrock):弘大にあるロックミュージックパブ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

JPOPやJROCKなどの国外ミュージシャンを含む様々なジャンルの音楽情報ウェブマガジンIZMの2016まとめ記事でした。

こうして全体を振り返ると、2016の韓国はフェミニズムの年であり、国内ヒップホップはすっかり大衆化して代わりに国内ロックの居場所はますます少なくなり、身も心もすり減るほどに忙しく働く稼ぎ頭のアイドル達の過酷な状況が一層明らかになった年だったのでしょうか。

2016のインディーズスターと呼べるBolbbalgan4(赤い頬の思春期)が所属するSHOFARミュージックは他にも幻想的なイメージの女性デュオ・スウェーデンランドリーや男女デュオのヴァニラアコースティックなど素敵なアコースティック系のミュージシャンが多く在籍しているレーベルで、そういう音楽が好きな方にはおすすめのレーベルです。

https://youtu.be/QLN-T9Bc_X8


10cmやオクダルは昨年日本でも定期的にライブを開催してくれて楽しませてもらったので、SHOFARのアーティストのライブもいつか生で聴けたらいいなと思っています。
(インディーズ系のアーティストのライブは開催日が突発的に発表されることが多くドルコンのように計画して渡韓しにくかったりするので、日本在住者にとっては日本で見られるのはとてもありがたい...)