サンダーエイジ

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【ize訳】2016年のガールズグループ│②TWICEのコンセプトVS I.O.Iのコンセプト

2016年のガールズグループ│②TWICEのコンセプトVS I.O.Iのコンセプト
2016.05.10

 

http://m.ize.co.kr/view.html?pDepth1=i2101&no=2016050821127231952

 

 

サバイバルプログラムでデビューし、メンバーが多く、メンバーひとりひとりの個性がはっきりしている。何よりも知名度があるという武器を既に装着した状態だ。この渦中にTWICEとI.O.Iが切ったカードは「応援」というキーワードだ。果たして、両グループは同じキーワードで各自どのようなストーリーを見せてくれているのか。そしてその結果は、見る人々を説得することができるレベルなのか。TWICEの「CHEER UP」とI.O.Iの「DREAM GILRS」についてファンヒョジン記者と音楽評論家ソソンドクがそれぞれ話した。

 

TWICE、今最も知名度のあるガールズグループの顔

 

TWICEのコンセプトには、解釈が入り込む隙がない。 「CHEER UP」というタイトルで即座に連想されるのは誰かを応援する画像であり、TWICEのスポーティな舞台衣装はこれを忠実に反映したものである。実際には歌の内容はスポーツからは離れており、ただ自分が好きな相手により積極的に近づいてもらうように乞う内容だという点はそれほど重要ではない。それこそ「応援」というコスチュームを装着したコンセプトだ。それぞれ異なる美しさを持つTWICEのメンバーが野球ジャンパーとクロップドT、テニススカートなどを身に着けているシーンは、それ自体が健康感とセクシーさの明らかなメッセージでもある。

 

「CHEER UP」のミュージックビデオは、カメラフィルタと呼ばれる装置を介してすべてのものがコスプレに過ぎないことをそっくりそのまま露出する。映画「ティファニーで朝食を」を思わせるエレガントなドレス姿のチュウィ、セーラームーンのように変身スティックを振り回すサナや、清純な初恋のイメージを現すミナ、セクシーな戦士のように変身したモモまでTWICEの個性を浮き彫りにしているコスチュームはこれらのリファレンスをあえて心配しなくても良いようにわかりやすく直接的である。そして、「CHEER UP」のすべての要素には、ポイントを強調するために残りの部分をぼかして処理するように曖昧に作る戦略が適用されている。ほとんどのパーツはサナの「シャシャシャ(SHY SHY SHY)」とリフレインの「チョロプベビー(CHEER UP BABY)」のようなものを除けば、一度曲に入ってからはどのような歌詞なのかなかなか分かりづらいだけでなく、耳に明らかに残るようでもない。メロディーは地味に展開され、振り付けもロープ引く振りやおしべとめしべのように形作ったり、両腕を可愛く下げるなど、ステージ用パフォーマンスというよりも自らを自慢しているよう見えるほどだ。サビのセンターがジヒョとナヨンという点は何よりも重要である。すっきり伸びやかに広がるジヒョの高音、溌剌とした動作が最もよく似合うナヨンの姿は、トワイスがこの歌を介して表示したいすべてのものである。いわば「CHEER UP」は、TWICEへ最大多数の一般層が簡単にアクセスできるように誘導する曲というわけだ。

 

「CHEER UP」の主人公が相手のアプローチを待って「ミルダン(押して引くような恋の駆け引きのこと)」する女性であるという事実は、そのためにより意味を持っている。さらにミナはセーラー服を着て花びらが舞う街ではにかむようにカメラを見て「女の子だからわかってくれるよね」と歌う。 (訳注:これはミナではなくナヨンのパートかも?)「OOH-AHH」がきれいで高慢でエネルギーにあふれながらも接近の余地を残す程度にはオープンな女性の話だとしたら、「CHEER UP」は相変わらず美しく堂々としているが好きな人の前では大人しくなる、そしてその人だけを見つめる女性がテーマである。以前よりもさらに受動的な女性のキャラクターが、はるかに多くの人がアクセスしやすいコンセプトを介して具体化された。もちろん、それでも9人のメンバーは変わらずキラキラ生き生きと輝く。ミュージックビデオに埋め込んでおいたコスチュームプレイと呼ばれるデバイスは、TWICEがストーリーテリングのようなものに関係なくいつでもこのキャラクターから逃げ出すことができるというアリバイかもしれない。しかし現時点では、この退行があまり良好なシグナルには見えない。音源サイトでずっと1位を守るほど、今現在最も大衆的なガールズグループの顔であれば、なおさらだ。

 

ファンヒョジン

 

I.O.I、生まれながらの限界を克服する結束の強さ

 

5月4日にI.O.Iのデビューミニアルバム「CHRYSALIS」が公開され、最初の週末が過ぎていった。 MNET 「プロデュース101」最終回以来、約1ヶ月ぶりだ。その間少女たちは2部作リアリティショー「スタンバイI.O.I」でデビューの準備のストーリーを公開した。 JTBCの「シュガーマン」は、音源のリリース要求があるほど話題になった「お尻」のパフォーマンス(https://youtu.be/5fXAI5iTcbg)

があった。デビュー週末にはKBSの「オソオプSHOW」、TVNの「SNL KOREA」「コメディビッグリーグ」JTBCの「知っているお兄さん」があった。その他の広告は約5件、写真集の撮影は完全体で登場しただけで3つ以上である。そして、すぐに放送される録画分が数個あり、当然ショーケースのステージとケーブル音楽放送、そして様々なイベントがあった。過去1ヶ月間I.O.Iは本当に忙しく過ごしているが、来年2月に予定される活動終了期間までこの傾向が続くことができるかは分からない。

 

ほとんどのアイドルの活動期間が同じように短い期間に本当に忙しいという事もある。 しかし、過去の1週間を見聞きしてからひとつの疑問が始めている。この前代未聞の時限つきガールグループは、一体何のためのものなのだろうか? 「スタンバイI.O.I」第2回でデビューコンセプトを説明する場面を介して明示的に示したように、「DREAM GIRLS」は、今大変な状況に置かれた彼女たちへの応援を盛りこんでいる。それぞれのメンバーはいくつかの種類の文字を与えられ、その中でフラストレーションと克服を示す。団体群舞がグラウンドを背景にして一種のチアリーダーのように見えるのは当然、その延長線にある。

 

このコンセプト自体に問題があるわけではない。最終的な11人のデビューが他の少女たちや応援が必要な人たちに声をかけることで始まった場合、これは「簡単な選択」よりも「当然の選択」に近い。 「プロデュース101」の競争とサバイバル叙事詩を今になって突然なかったことのようにするのは、ここではむしろおかしい事だ。残念なのはその具現化の仕方である。ダンス・バレエ・新体操・ロッククライミング・フェンシング・テニス・ジョギング(もしかして陸上だろうか?)など、悩みの痕跡もなく芸体験能の選手たちが一覧表示されるのを見ていると、応援というよりも少々無視されているような感じすらある。歌の方は大丈夫だよと自分を慰めたりできたりするようなものだったら本当に良かっただろうが、想像力不足は歌自体も似たようなものだ。 「PICK ME」がかつてそうであったように、ガールズグループの歌づくりを本に学んだような旧態依然さが残念だ。一ヶ月は短すぎる期間だったのか?

 

それにもかかわらず、このデビューは見守られているものになる。ほとんどのファンは「プロデュース101」時代からのメンバーと感情的な共感を維持してきており、その絆はたった今デビューした新人が目立つというようなものとは異なる次元のものである。要するにI.O.Iは、サバイバル番組であらかじめ強力に感情的な連帯をデビューの根底に敷いてあるので、「類似恋愛」のような関係の構築に時間を投資することなくすぐに熱く消費される。だからデビューした週末に「SNL KOREA」のホストとなるというのは、彼女たちがCJ E&Mの『金のスプーン』であるからというよりも、それだけ早く消費されなければならないからである。いくつかの環境上無理数に近いこの試みは、のっけからシン・ドンヨプとユ・セユンをガードする冗談で「あなたが心配していることを私たちも心配している」というような合図からスタートした。しかし、そこまでしなければならないのかという質問には答えを聞くのは難しいだろう。

 

一言でいえば、現在I.O.Iは常識的なコンセプトに基づいてはいるが丁寧さは不足している音楽とビジュアルでデビューし、議論が起こる可能性を冒しつつもすべてのチャンネルを総動員して活動している。質問はこうだ。不足している準備期間と期限付きという生まれながらの限界が、サバイバルショーで鍛えられた感情的な資産をもとにしてこのような形にならざるを得ないのだろうか?それともこういう風にさせられているだけなのだろうか?

 

ソソンドク(音楽評論家)

 


記事|ファンヒョジン、ソソンドク(音楽評論家)
校正|キム・ヨンジン

 

 

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I.O.Iの「ノムノムノム」、聴けば聴くほど「Gee」に似てるというか曲の展開の仕方がほぼ同じではと思っていたら結構マッシュアップがあったので、みんなそう思ってるんだなと思いました。

(JYP作詞作曲ですが...)

ところで「シュガーマン」でI.O.Iがカバーした「お尻」ですが、原曲はSJソンミンの奥さんがいたバナナガールズだったなぁ(キムサウンが加入したのはグループ末期だったので「お尻」の時期ではないですが)