サンダーエイジ

韓国のアイドルとか音楽についての自分が後で読み返ししたい記事のふんわり訳と覚書。

【お知らせ】Real SoundでBTSラッパーラインのミックステープに関する記事を書きました

前回のお知らせでも少し触れていましたが、Real SoundさんでBTSラッパーラインのミックステープに関する記事を書きました。

BTS(防弾少年団)の人気高めるブースターに? RM、SUGA、J−HOPEのミックステープ聴き比べ」という記事です。

 

 

短い中に3本分のアルバムレビューを入れるような作業だったので、自分的にアイドルラッパーの記事より少し苦労した感じです。字数制限があるので各メンバーのラッパーとしての履歴とかリファレンスとかはあまり入れませんでした。普段ぼーっと曲を聴いてる方なので、改めて歌詞の内容をチェックするのに時間がかかってしまい、リリックの解釈にもうちょい深度が欲しかったです(自分に対する発破)。

【お知らせ】Real SoundでWINNERの武道館ライブレポート記事を書きました

Real SoundさんでWINNERの武道館公演のライブレポートを書かせていただきました。「WINNERがファンと共に描いた“青春”のカタチ 万感の想いで迎えた日本武道館公演」というタイトルです。レポート執筆のお話を頂いた時すでに自分でチケットを取っていたという。

 

 

リテイクが出なければ今月中にもう1本、BTSのミックステープについての記事が載るかもしれません。

【idology訳】アイドルディープリスニング:Idol Back In The House

【idology訳】アイドルディープリスニング:Idol Back In The House

 
シムウンボ(GDB)

by on 2018/04/25

http://idology.kr/10482

 
idologyは、ミルク・ミュージックとともにアイドル音楽をもう少し掘り下げる「アイドルディープリスニング」シリーズを進行する。 プレイリストはギャラクシー専用サービスであるミルク・ミュージックで聞きながら楽しむことができる。 本稿は2017年12月に掲載された。

 
2017年の1年間、数多くのアイドルがハウスという大きなジャンルの下にある細部ジャンルをタイトル曲に押し出した。 数えきれないほど言及されたトロピカル・ハウスが代表的だ。 ハウスは1980年代にアメリカのシカゴのクラブで生まれ、ニューヨークではガレージ、デトロイトに渡るとデトロイトテクノに変貌した。

 
ハウスの最も大きな音楽的特徴はやはりリズムだ。 ドラムマシンを愛用し、反復的にFour on the Floorのリズムを使用し、オフビートハイハットシンセサイザーでベースラインを作る。 そのような点でディスコと似ていると言う事もできるだろうが、ディスコがパフォーマーの歌に重点を置くとするならハウスは全面的にリズムを重視してきた。


実際にKPOPの中でハウスを語るとき、どんな曲がどんなジャンルかと言うことを明確に言うことはできない。 ほとんどの曲が様々なジャンルから耳障りのいい部分のみを持ってきて作るためだ。 1997年に発売されたH.O.T.の「We Are The Future」は、イントロではシカゴ・ハウスのピアノのリズムをベースに取り入れ、UK Funkyの色を帯びている。 それでも、本格的なジャンルの色もやはり少しずつ見ることはできる。 例えば、SHINeeの「View」はディープハウスをKPOPに完璧に取り込んだ例だ。 f(x)の「4 Walls」はディープハウスを標榜したが、使用されているリズムはUKガレージに近い。 同様にSHINee の「SHIFT」もまたUKガレージ色がかなり感じられる曲だ。

 
今年の夏にKPOP界で最も熱かったジャンルは断然トロピカル・ハウスだ。 明るい雰囲気のメロディーと強いベース、涼しさを与えるマリンバにKPOP特有の溌剌さ、あるいは切なさが入った音楽は相当魅力的であり、その分たくさんの曲がリリースされた。流行に支えられ、ムーンバートンもまた大勢だったのも事実だ。そう言いながらもA.C.Eのように堂々とハードスタイルを追求する曲もあり、LUNAの「Free Somebody」やf(x)の「Rude Love」のようにシカゴ・ハウスの要素を借用した曲も見ることができる。

 
もちろん、約4~5年前に流行したエレクトロハウス、EDMスタイルもあふれている。 最も代表的でありながら、必ず挙げなければならない曲は2NE1の「I AM THE BEST」だ。 反復的なフォー・オン・ザ・フロアリズムと耳にすっぽり入ってくるシンセサイザーリードにオートチューンまで、エレクトロハウスが持つべき要素を全て持っている。 その他にもRED VELVETの「You Better Know」のように、デビッド・ゲッタを連想させる曲も存在する。


数曲を挙げたが、実際に「ハウスの要素を使用した音楽」であればもっと多くの曲を探すことができる。 ハウスというジャンルがダンス音楽の最も基本的な形態であるからだ。 ダンスが絶対に欠かせない韓国のアイドルグループたちが、ダンス音楽であるハウスを選択したのはともすれば当然のことだ。 ここに世界的にハウスの強気が目立つようになり、2018年にもハウスを使ったポップはさらに増えそうだ。

 

「アイドルディープリスニング:Idol Back In The House」49曲

 
HIGHLIGHT–Celebrate

f(x)–4 Walls

SHINee–Shift

SHINee–View

テヨン–Why

テヨン–Cover Up

RED VELVET–Zoo

RED VELVET–Some Love

ジョンヒョン–White T-Shirt

f(x)–Deja Vu

f(x)–Rude Love

f(x)–Papi

f(x)–Cash Me Out

f(x)–Step

f(x)–12時25分

f(x)–All Mine

LUNA–Free Somebody

GFRIEND–風の歌

テヨン–Fashion

RED VELVET–You Better Know

TWICE–I'm Gonna Be a Star

NCT 127–Switch

DIA–Good Night

EXO–Monster

スンリ–Gotta Talk To You

BIGBANG−Monster

BIGBANG–Fantastic Baby

2NE1–I Am The Best

2NE1–I Love You

G.soul− Clazy About Yon 

H.O.T.–We Are The Future

BIBANGー−HARUHARU

BIGBANG–最後の挨拶

BIGBANG–Tonight

BIGBANG−嘘

Brown Eyed Girls–L.O.V.E

Brown Eyed Girls−Sign

Brown Eyed Girls–Abracadabra

Berry Good– Don't Believe

WINNER–Really Really

悪童ミュージシャン–Dinosaur

The BOYZ –Boy

SEVENTEEN–Swimming Fool

EXO–Artificial Love

NCT 127–Summer 127

NCT DREAM–My Page

ユリxソヒョン–Secret

EXID–Alice

A.C.E–Callin'

【ize訳】「BURN THE STAGE」防弾少年団とは何かと問われたら

【ize訳】「BURN THE STAGE」防弾少年団とは何かと問われたら

 
2018.04.23

http://m.ize.co.kr/view.html?no=2018042300277218003&pDepth1=i2301

 

防弾少年団の「WINGS」ツアードキュメンタリー「BURN THE STAGE」には、メンバーたちが各自のホテルの部屋で音楽作業を行うシーンが出てくる。 彼らの行動がせわしなく交差される演出は、メンバーのキャラクターを見せてくれる。 歌をずっと口ずんでいるV、ミックステープを作っている最中急にマイクが故障したのに明るいトーンを維持するJ−HOPE、鋭さに満ちた顔で「熱心に作業」するSUGAと作業途中でいきなり個人フィットネストレーニングを受けたジョングク。そしてこのすべての過程の間に何も行えず、コンセントと格闘しているRMの姿が交差される。 この場面は飛行機の中でパスポートをなくした残念なキャラクターのRMと、彼をめぐるメンバーたちのそれぞれ異なる反応と重なる。 故にジョングクが自分に対して「ヒョン達の性格が盛り込まれている人格体」と言うシーンは象徴的だ。 一般的なアイドルグループにおいてポジションを決定して説明する方式と異なり、彼らはお互いの関係を通じてステージまで続く自分たちの役割を示している。

 
「BURN THE STAGE」がそのつど共通点のある音楽をまとめて配置するのは、このような企画の延長のように見える。 ジョングクが「ヒョン達に一つ一つ満たされて今の自分になったんじゃないかと思う」と話している間、全国各地から集まったメンバー同士で自分の出自を生かして歌詞を書いた「どこから来たのか」が流れる。 公演中のパフォーマンスに対する見解に対立があったJIN・Vの問題が終わった瞬間に流れる音楽は「Whalien 52」だ。 「人里離れた島のような僕も輝くだろうか」と言い、定かでなかった練習生たちが「果てしない無線ひとついつか届くんだ」という切実な希望に統一されてピークに達した瞬間にも、お互い別の周波数のために苦労をする。 「BURN THE STAGE」を通じて防弾少年団は、従来からあったヒット曲に新しいストーリーを与えながら、防弾少年団がアルバムやプロモーションビデオなどで伝えてきたメンバー間のストーリーを現実にまで拡張する。 SNSYouTubeを通じて海外ファンドムを構築した彼らのドキュメンタリーが、YouTube REDを通じて流通されるのも同じ論理だ。 コンテンツの制作やこれを流通させる方式においても所属会社のBigHitエンターテインメントは防弾少年団というグループの特殊性を一貫して具現化する。

 
防弾少年団のツアー中のステージに対する姿勢は、このような防弾少年団が持った特性の核心だ。 ジミンは「最近は正直言って、自ら努力してステージでより良い姿に向けて投資する時間が、昔に比べてとても多くはないと思う。 あまり良い事じゃない」と言い、罪悪感を告白する。 JINとVが泣きながら争う姿を見たジョングクは、自分の練習生時代を回想しながら「あのヒョンたちが僕に教えてくれたのに。そうしちゃダメだよって」と語る。 彼らは最高の位置に上がった現在でもホテルの部屋で荷物を解いて音楽作業に没頭し、争ってでもステージ上の完成度を取得し、その過程でメンバー間の結束を確認する。 これは彼らが「1日の半分を作業に費やすDOPE」と言っていた歌「DOPE」と彼らの世界観が盛り込まれた「花様年華」に現れたメンバー間の関係が現実でもそのまま実装されていることを示している。 道徳書や自己啓発書のようなメッセージではあるが、これがチームの成功に関して核心的な要素となり、これを通じて防弾少年団が作られるというファンタジーであると同時に現実。これは、扱う対象の良い姿だけを表す一般的なアイドルのリアリティーショー、ステージの上の華麗な姿と舞台の下の個人的な生活と苦悩を取り扱ったりするミュージシャンドキュメンタリーとも違うアプローチだ。 「BURN THE STAGE」はアイドルグループがファンに与えたファンタジーが現実で、むしろより強力に具現化されているという約束のように見える。 JINとVが争った後にメンバーが集まった席で、SUGAが投げかける一言はこのグループの核心を一気に伝達する。 

「いいじゃん。ステージの為に喧嘩したんだし」

 
NETFLIXムービー「ジャスティン・ティンバーレイクテネシー・キッズ」は、2年間続いたスーパースター・ジャスティン・ティンバーレイクのツアー旅程を盛り込んでいる。 アイドルスターだった彼はいつの間に重厚な男性の姿を帯び始めたが、パフォーマンスを共に営む人たちに対して依然として次のような質問を投げかけている。 

「来週も一緒にやるんだよね?」

防弾少年団の未来が必ずしも彼と似るわけではないだろう。しかし今でも「BURN  THE STAGE」の中で防弾少年団のメンバーたちは、ジャスティン・ティンバーレイクチームスタッフたちにそうしたように、お互いに同じように尋ねている。 明日も、来週も、来年も音楽を作りながら一緒にやるのかと。 SUGAは「10年、20年後にこれを見ている自分の姿」が思い浮かぶと言ったが、その時まで防弾少年団というグループが維持されるかどうかはわからない。 ただ、もはや全世界の人たちに彼らの現在を、そして彼らの現在がどこからきたのかを見てもらえるようになった。 おそらく韓国の大衆音楽産業の歴史上、全世界で最も注目されている新しいアルバム発売を控え、彼らはドキュメンタリーを通じてグループの現在と起源を明らかにする。 つまり、防弾少年団が彼らの歌の中のある曲のタイトルに対する答えをついにやり遂げたという意味でもあるだろう。 「どこから来たのか」。

 


文 パクヒア

校正 キムヨンジン

 


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「全米が萌えた」というフレーズが何故か浮かんだ。

【ize訳】niloの「About You」はマーケティングなのか買い占めなのか

【ize訳】niloの「About You」はマーケティングなのか買い占めなのか

 
2018.04.18

http://m.ize.co.kr/view.html?no=2018041723327217945

 
niloの「About You」は最近音楽産業の最も大きい論争の種だ。「About You」が今までの音源チャートの傾向から大きくはずれた姿で複数の音源チャートで1位を記録し、これによって音源の買い溜め議論が起こっており、niloの所属会社LIMEZエンターテインメントは買い占めを否定する過程で「About You」がFacebookなどSNSを活用したマーケティングを通じて音源チャート1位が可能だったと明らかにし、議論はより多様な方向に広がった。 そして「About You」に触発されたこの論争は今、今日の韓国音楽産業の諸相を含んでいる。 この問題についてFAQ形式で整理した。

 
Q. 「About You」と関連して何故音源の買い占め議論が起きたのか。

 
音源チャートmelon基準で「About You」は去る12日未明の1時から4時までの3時間で利用者数、すなわちこの曲を聞くmelon 会員数が万単位で増えた。 音楽を聞く人の人口が減少する未明の時間帯に利用者数が数万人も増加したのは異例のことだ。 LIMEZエンターテインメント側はこれに対し、「多くの実験を通じた、人々が接続する時間などに対するノウハウ(mydaily)」の結果だと明らかにしている。 「映像などのコンテンツを主に深夜の時間にアップロード」したことがチャート成績に反映されたという主張だ。

 
しかし、逆走行に関する様々な先例はLIMEZエンターテインメントの立場と異なる様相を帯びている。 逆走行の元祖であるガールズグループEXIDの「Up&Down」は、メンバーハニの「ファンカム」映像がYouTubeFacebookやを通じて話題となり逆走行が始まった。 「ファンカム」映像は2014年10月9日に登録され、「Up&Down」の順位は同年11月の第3週に音楽総合チャートであるGAONチャート基準で144位から34位に急上昇した。 その前の週には186位だった。 「Up&Down」の「ファンカム」のようにインターネットで大きなイシューになった映像ですら、「About You」のようにチャート順位をリアルタイムの水準で高めることはできなかった。 この順位もEXIDが逆走でしてマスコミの注目を受け、再びTV出演までした結果だ。 一方、「About You」は夜の時間帯にわずか2時間のあいだでmelon チャートのリアルタイム順位が211位から47位まで、GAONウィークリーチャートでは236位から60位まで瞬時に順位が上がった。 また、GAONチャートがホームページを通じて提示したように「About You」は「これといった問題もなく歴代最短時間で1位に上がった逆走行曲になるものと予想」されるだけでなく、「逆走を誘発するような直接的な事件やタイミングが見られない」のだ。 「About You」の音源の買い占め議論は、それほどに逆走行を記録した過去の曲と全く異なったチャート成績が出たために提起されたと言える。

 
Q.LIMEZエンターテインメントの「ノウハウ」は音源チャート順位を高めるのにどのような効果を発揮したのだろうか。

 
LIMEZエンターテインメントの主張どおりであるなら、彼らの「ノウハウ」が「About You」の音源チャート順位の上昇速度を以前の逆走行曲達とは異なるように急速に高めたと言える。 しかし去る11日、「About You」はmelon 基準で明け方には2位まで上がった反面、朝には25位まで下がった。 LIMEZエンターテインメントの説明どおりなら、彼らは①デビューしたばかりの新人の曲を②いくつかのFacebookのページが関連映像をのせたとたんに③大きなファンドムを持ったアイドルグループを上回るほど多くの利用者の即時的な反応を得るように作るノウハウがあるにもかかわらず、④朝の音源サービス利用者たちには反応を得られない現象を起こしたことになる。 夜に動画が掲載されると数万人が直ちにmelon 音源チャートで消費するほど話題になったが、この曲を聞いた利用者たちは同日の昼の時間にはこの曲について多く言及したり、拡大しなかったという意味だ。

 
このようなチャート反応は、人気アイドルグループと類似している。 人気アイドルグループは熱狂的なファンドムを持っており、彼らは深夜帯にも好きなグループの新曲をストリーミングする傾向が強いために利用者数が相対的に少ない時間帯にリアルタイムチャート成績が上がる。 niloとしてもそのようなファンドムを持ったのかもしれない。 ただし、そのファンドムは同じ時期にチャート競争をしたボーイズグループEXOのユニットCBXやガールズグループラのTWICE以上でなければならない。 「About You」が明け方の時間にむしろ利用者数が増えたということまで考慮すると、「About You」を聞く層は昼より夜のますます「About You」をもっと熱心に消費することまでしているといえる。 LIMEZエンターテインメントの「ノウハウ」はこのすべての現象を可能にする技術という意味だ。

 
Q. 「About You」の音源の買い占めがあるのかどうかを確認する方法はないのだろうか。

 
結論から言えば、「About You」の音源の買い占め議論はうやむやになるだろう。「About You」が示すチャートの流れは一般的な現象から大きく外れている。 しかし、リメジュエンターテインメントが特定の時間帯にのみ情熱的に「About You」と同じスタイルの曲を消費したがる消費者層を動かすことができると主張するなら、これに反論できる明確な証拠もない。 「About You」の順位が大幅に上がった音源サイトの関係者達も、も多方面の取材を通じて買い占めの可能性はないと主張している。 音源サイトの関係者達がサイトの信頼性を揺さぶる買い占め問題を対外的に認める可能性はないだろうが、買い占めしているという証拠もない状況で、特異な現象だけを根拠に買いだ占めと確定してはならない。 もしかしたらLIMEZエンターテイメントは本当に特殊な現象により悔しさを経験しているのかもしれない。

 
ただし、前2015年JTBC「ニュースルーム」が音源サイトの買い占め議論を報道した後、melon は各企画社に送った公文書を通じて「非正常的な試みが順位チャートの公正性と透明性を害しないように、非正常的な利用と判断されるデータはフィルタリングなどを通じてチャート集計の際除外」して、「会員加入、利用券購買時の異常なパターンなどが感知されたIDの場合、サービスの制限および強制脱退などの措置」を取ると公表したことがある。 そうであれば「About You」に対する疑惑だけでなく、音源サービスの信頼性のためにもここで言及されている「フィルタリング」「非正常的な試み」「異常なパターン」の意味と基準について詳しく説明した方がよさそうだ。 たとえば特定のアイドルグループがカムバックした時、彼らの熱烈なファンドムがストリーミングを繰り返すのは消費者の権利行使だ。 一方、特定の会社が多数のハンドルネームを確保し、24時間ずっと音源ダウンロードおよびストリーミングを繰り返すのは明らかな買い占め行為だ。 しかし、特定の音源を繰り返し再生するという点で両ケースは結果的に似た傾向を示すこともできる。 「About  You」の音源の買い占め論議が起こる理由でもある。

 
それなら、ファンドムのストリーミングと買い占めを区別できる方法は何だろうか。 買い占め疑惑が提起された曲の最も疑わしい時間帯利用者を全数調査し、これらの音源消費パターンおよび音源サービス内の活動内容を確認するのも一つの方法となり得る。 本当に個別の利用者たちが「About You」をこれほど情熱的に消費したのであれば、ダウンロードまたはストリーミングパターンから「About You」についた評価やレビュー、又はその利用者が他の音源を消費した跡が残っているからだ。しかし、このようなやり方の全数調査は音源サイト事業の核心的な部分を公開するだけでなく、利用者の個人情報を公開することになりかねない。 結局、今現在としては音源サイトが買い占めと正常な音源消費をどのように区別できるのかどうかに対する立場を明らかにし、フィルタリングがどのような方式でどれほど精巧に行われているかについて説明するのがせめてものできることだと思われる。 これに加え、今後一般的な流れとは違うチャート成績を見せている音源について、どのように原因を究明するのかに対する対策も必要だ。 

 
Q. LIMEZエンターテインメントのSNSマーケティングは果たして問題があるのか。

 
「About You」の成績が音源の買い占めによる結果でなければ、残る議論はFacebookを中心としたSNSマーケティング方式だ。 LIMEZエンターテインメントは様々な音楽会社に1ヵ月数百万ウォン程度でFacebookをはじめとするSNSの人気チャンネルで該当音源を広報してくれという提案書を回した。 これは全く秘密な事ではなかったし、LIMEZエンターテインメントをだけがやっているわけではなかった。少しでも名前が知られている音源制作会社やマネージメント会社は殆どがこのようなやり方の提案書を受け取った事があると言っても過言ではない。 「About You」とは別のことだが、最近はTwitterトレンドやYouTubeの照会数を動かすことができるという会社がいるという噂まで広がっているほどだ。 

 
すでに多くのメディアの記事を通じて取り上げられたように、問題はLIMEZエンターテイメントが彼らが広報対象とするSNS利用者に、この事実を隠したという点だ。 端的に言えば、放送局は2000年代序盤まで芸能番組PDやラジオDJなどの不正問題で社会的議論になったりした。 影響力のあるPDやDJが金を受け取って特定の歌手の所属会社曲をかけたり、出演させてくれたという理由だ。 放送局のPPLの範囲を決定する上で、常に議論と討論、厳格な基準を提示する事が伴うのも、広告であることを知らせていない広告の危険性について社会的な合意があるからだ。 「マーケティング」や「ノウハウ」という言葉が付け加えられただけで、LIMEZエンターテインメントの行動は広告ということを明らかにしなかった広告だ。 さらに、彼らは「逆走」を掲げて所属歌手や広報する歌手を「音楽はいいが、まだ発掘されていない」ミュージシャンとして広報した。 逆走行という言葉自体が大衆の自然な選択を通じて曲を再発見することだが、マーケティングを通じて逆走行を人為的に起こしながらも、これを知らせなかった。 これを単にマーケティングであり、ノウハウとは言えない。 音源利用者がこの曲を選択した理由自体が根本から揺らぐからだ。

 
LIMEZエンターテインメントが複数の音源製作会社に送った提案書には、彼らが広報マーケティングのできる所有アカウントおよびページ、または提携会社が載っていた。 「いいね」80万を超えるFacebookの「君にだけ聞かせる音楽」もその一つだ。(ハンギョレ)同チャンネルは、この3月22日「知っている人たちだけが知っている歌の中の甲ガクブル はぁ...感性に本当に染み入るㅠㅠㅠ最近いけてる(涙)」という風に「About You」を紹介し始め、その次の日「当チャンネル掲載から2時間ぶりにniloが逆走行している......」再び24日には「所属会社が仕事ができなくて目立たないアーティスト。私たちが浮かせてみよう!!!」と「About You」を連続的に広報した。niloがLIMEZエンターテインメントと専属契約を結んでから1ヵ月後のことだ。「君だけに聞かせる音楽」は「About  You」の音源の買い占め問題が起きると、「About You」とTWICEの「What Is Love」を比べてどちらの曲が好きなのかというアンケート調査を進めたりもした。 この一連の広報活動が何の問題もないのであれば、SMエンターテインメントやCJ E&Mはなぜ人気Facebookアカウントを買って同じような仕事をしないのだろうか。逆走行、真正性、音楽性のような言葉をマーケティング手段にするには、それだけの責任もある。 広告であるという事実を明らかにしなかったマーケティングSNSを通じて大々的に行われたが、その結果で特定曲が逆走行で大衆の認定を受けたと主張することはつじつまが合わない。

 
Q. LIMEZエンターテインメントと同じSNSマーケティングが音楽市場に及ぼす影響は何か。 

 
昨年、米国音楽産業ではスウェーデンの「Epidemic Sound」による議論があった。 ミュージシャンの曲を購入して多様なプラットフォームやイベントに流通させるこの会社は、Sportifyにも同じサービスを提供した。 特に「運動する時」や「寝る時に」のような特定の雰囲気の音楽を続けて再生する曲を主にサービスとしたが、この曲は計数百万以上の再生数を記録した。 問題はこの過程で「Epidemic Sound」が偽のミュージシャンを作って登録したという点だ。 さらに、「Epidemic Sound」はSportifyと投資/持ち分関係があるという事実が明らかになった。 音源サービス利用者は大半が定額制でサービスを利用する。 「Epidemic Sound」が偽のアーティストを掲げてプレイリストにされた分、他のミュージシャンたちのストリーミング収益へ行くお金が減る。 法的にはどんな判決が出るかわからないが、Sportifyがミュージシャンの収益に悪影響を及ぼしたのは明らかだ。


LIMEZエンターテインメントの事例も似ている。 音源の買い占め議論が事実ではなくても、SNSマーケティングを通じて無名歌手の音源でも簡単に収益を確保することができる方法が提示された。 そしてその会社は企画会社を設立し、収益をさらに高めた。 もしこの方法に何の問題もなければ、音源サービス会社がこの方法を直接試みない理由がない。 いくらでも音源サービスと関係のないような系列会社を作り、人気のFacebookのページを買い上げ、Facebookページを通じて広報することができる。 にもかかわらず、その曲は広告ではなく、「Facebookでの人気」を通じた「逆走」として宣伝されている。

 
LIMEZエンターテインメントが主張するマーケティングは、資本と人脈がないミュージシャン達にとっては全く有利なわけではない。 むしろ人気のFacebookアカウントを買うことができたり、音源サービスと近い関係であればあるほどはるかに破壊力を発揮することができる。 LIMEZエンターテインメントは自分たちのマーケティングが市場に通じることを確認した後、ミュージシャンたちと直接契約した。 以降ジャンドクチョル、nilo等相次いで音源チャート1位を記録した。 マーケティングノウハウは結局、LIMEZエンターテインメント、あるいは彼らと事業関係にある会社のミュージシャンを支援することに集中される。 さらに、そのすべては「About You」のように話題にもならなければ大衆にも知られていないままに進められている。 これらの事業の中に入れないミュージシャンたちは、数百万ウォンでも出してマーケティングをするか、もしくは人気Facebookアカウントに曲が上がる機会すら差別を受けなければならない。 そして、このような現象を確認した他の資本も似たような方式で音源チャートに影響力を与えることができる。 これがマーケティングというのなら、公正でもなければ産業全般にとって得でもないマーケティングと言うしかない。

 
Q.「About You」をはじめとする音源チャートに関する様々な論議はどうすれば減らせるのだろうか。

 
音源チャートのリアルタイムチャートを無くさなければならない。 ある日の明け方3時にどのような曲が1位になったのかを覚えたり、記録する人はほとんどその時点にカムバックしたアイドルのファンだ。 彼らは好きなアイドルを1位にしたいという気持ちから音源のストリーミングを繰り返して、リアルタイムチャートを確認しているためだ。 「About You」音源の買い占め疑惑もやはりアイドルファンドムが中心となった多くのコミュニティで始まった。 melon は1時間を5分単位に分けて次の時間帯の1〜3位を予測するサービスまで作った。 アイドルファンドムの競争心がさらに刺激されたのは当然の結果だ。 現在、melon のように占有率が最も高い音源チャートのメインを占めるリアルタイムチャートはファンドムの熱心さを通して動いている。そうでなければ「About You」のように広告という事実を明らかにしなかったフェイスブックマーケティングが広報効果を出す為の良い対象だ。 利用者数が少ない時間にFacebookを通じてマーケティングをして順位を最大限高めたとして、その結果を根拠に該当曲を大衆の選択を受けた逆走行曲として宣伝する。


これは、デジタル音源チャートの意味について根本的な疑問を提起するようにさせる。現在、各放送局の音楽ランキングチャートやGAONチャートなどは音源チャート順位に最も大きな比重を置く。 大衆音楽産業であるだけに、最も多くの人が聞く音楽に最も多い比重を置いていると言える。しかし、今の音源チャートは特定の音源をどれほど多くの人が聴いているのかを除いては、何も反映していない。 もちろんそれ自体も重要だ。 しかし、Facebookマーケティングでも音源買い占めでも順位に簡単に影響を与えることができるリアルタイムチャートを、今現在の最も普遍的な選択だと信頼できるだろうか。 反対にアルバム販売量、SNS上での言及頻度、イベントおよびCF提案、ツアーの規模など実際の収益や話題性とより直接的に関連する結果をきちんと示すこともない。 まず特定の企業が運営する音源サービスのチャートが影響力が最も大きなチャートと受け止められること自体が問題だ。 そして、最も大衆的な反応を意味するチャートが最もマニア的性向が強いアイドルファンドムの情熱をどうにか引き出そうとする状況こそ、音源チャートの現在を見せてくれる。 つまり、毎年年末に開かれるmelon アワードは、どのような歌手たちよりも人気アイドルグループをもっとたくさん招待して、投票を通じてファンドム間の競争をさせる。彼らのサービスの本質と正反対に近い方法で人を集め、話題性を維持するわけだ。 そうだとすると、音楽産業の収益と需要をきちんと反映していないチャートが、多くの人が利用するという理由だけで大きな影響力を持つ事は果たして正しいことなのか。 音源チャートは多くの人が聞く音楽が何かを示して充実させるべきもので、より総合的な音楽産業の現在はビルボードと同様の総合的なチャートで見せるものだ。そしてその大衆性もよく見せるには、リアルタイムチャートのようにチャートと市場の乖離を大きくしかねない要因はなくならなければならない。 

 
文 カンミョンソク

校正 キムヨンジン

 

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確かにビルボードチャートは総合チャートですけど、無料のストリーミングサービスミもカウントしてたのですスミンの影響はモロに受けるし(2018から変わる様ですが)ポイント換算の基準が明らかになってない部分もあるしベストとも思えず...音楽を聴くスタイルは多様化したのに別々の次元で流行っていることをひとつにまとめようとするのが無理が出てきてる気がします。知ってる人は知ってるけど知らない人は全く知らない局地的ローカルスターの時代ですし...

【idology訳】音源の「記録」〜音源チャートの意味

【idology訳】音源の「記録」〜音源チャートの意味


2018/04/14 byチョ・ソンミン

http://idology.kr/10339


まず先に重要なうやむやにできない点がある。 筆者はアルバム/音源関連のチャートがなくならなければならないとは思わない。 ここには二つの理由がある。 一つは大衆文化史に意味のある史料としての記録物が必要で、その一つがチャートになることもあると見ているからだ。 時代を代表できる、時代が愛した音楽が何だったのか記録する作業は明らかに意味がある。 そしてその基準において「人々が多く消費した」音楽がどんなものかを整理しておく作業は必ず必要だ。 また、もう一つの理由は大衆とポピュラー音楽が離れないように関与の度合いを高める役割をする媒体が必要だからだ。 先の理由とも共通する文脈だが、チャートが存在することにより大衆音楽家は大衆の消費傾向を分析することができるし、大衆の個々人は各人の趣向の領域内でどのような音楽が広く共有されているか確認することができる。

 
あらかじめ明らかにしておくが、この文は「音楽はスポーツではない」「どのようにして音楽を比べることができるのか」と主張する「チャート無用論」ではない。 むしろ逆に、厳格な基準を立てたチャートを保護しなければならないと話す予定だ。 音楽の評価基準を販売量チャートひとつに一本化する慣習は多くの間違いが盛り込まれる可能性があるが、大衆音楽を一つの完成された産業領域として認めるなら、「大衆の選択」を最も冷静に反映するチャートから絶対に目をそらしてはならないという意味だ。 従って、昨今の「LIMEZエンターテインメント(以下、LIMEZ)事態」も、まさにその「チャート絶対主義」にまい進している業界の雰囲気から生まれた弊害であるだけで、チャートが存在するということ自体から生じた問題ではない。 LIMEZ事態は「大衆の選択」という名目で大衆の本当の選択を無視し、自社のミュージシャンたちの音楽性も「チャート上位」というタイトルで保障できると信じた、まさに「チャートの罠」に陥った結果だ。

 
しかし、販売量チャートとして現存するすべてのチャートが必ず保護されなければならないわけではない。 冒頭に述べた通り、チャートは時代の記録だ。 遠い後日、特定の時期に多くの大衆がどのような音楽を共有したかどうかを語る時、ひとつの根拠として挙げられる、歴史性を持った存在でなければならない。 LIMEZ事態が初めて明らかになったリアルタイムチャートは、1時間に1回販売量を集計する。 LIMEZ事態の最も直接的な被害者とも言える、同じ時期に音源を発表したアイドルのファンドムはこのように主張する。 リアルタイムチャート、その中でも特に最上位圏の音源だけが公開される「5分チャート」のグラフが時間帯ごとに一定の販売量の推移を見せ、この推移は「大衆嗜好型」や「ファンドム集中型」などのいくつかに類型化されるということだ。 LIMEZ所属の歌手たちが「逆走」した音源がふたつのどんな類型にも該当しない、奇形的な動きを見せたために波紋の端緒を提供したわけだ。

 
「広く知られる」という意味で、Facebookなどで口コミでバイラルとなってチャート順位圏に入る歌手がありえないというわけではない。 「ファンカム神話」を作り出した「逆走」の元祖EXIDの「Up&Down」、様々なミュージシャンがカバーしながらバイラル効果を享受してきたユン・ジョンシンの「いいんだ」そしてKPOP STARを通じて知られた後、発表する曲が多くの愛を受けた赤い頬の思春期も代表的な「Facebookスター」だ。 「逆走神話」の根底にSNSバイラルがあることは、マーケッターなら分からない者はいない。 しかし、「LIMEZ事態」の核心は「バイラル」自体にあるものではない。 LIMEZの「Facebookスター」たちは「ゆっくり大衆のピックを受けた」という典型的な逆走行の誓詞を持っているが、前述した「口コミに先に乗った後」多くの人たちに知られてから音源の成績が上がっているケースとは違い、まるで初めから有名だったかのように発売と同時にチャート最上位圏にランクされた。 チャート順位操作の名分に「バイラル」を掲げたと見たほうが合理的な状況であるということだ。

 
YouTube「ユン・ジョンシン」検索

ユン・ジョンシンの「いいんだ」を検索すると、多くのカバー関連の言葉が関連検索語で表示される。 SNSバイラルの効果を体感できる一番最近の事例である]

 
ここで注目すべき点は、リアルタイムチャートが時間帯を基準に一定のサイクルをえがくという点だ。 そしてこのサイクルの根拠は、通常一般大衆の生活パターンを反映した、恒常性を持っているものだ。 「明け方には音源再生をつけておくアイドルファンドムのストリーミング回数が集計され、アイドルの順位が上がる」だとか「人が起きている時間には再び大衆性の高い歌手たちの音源がリアルタイムチャートに上がっている」という証言などがこれを代表する。 そうだとしたら、長期的にリアルタイムチャートが時代を代弁して歴史性を備えると言えるのだろうか。一定の流行の流れを反映して変化する日刊、週刊、月刊チャートに比べ、リアルタイムチャートが特別に大きな時代的な意味を含んでいると考えることは難しい。 多くの大衆の日常的な習慣によって毎日繰り返される現象を見せることが果たして1年後、10年後、100年後にどのような意味を持つようになるのだろうか?端的に言えば、我々が今この時点で「1994年5月28日の明け方4時に人気のあった歌」について強いて知るべき必要が果たしてあるのだろうか?

 
そうなると、リアルタイムチャートは何を根拠に存在するのだろうか?リアルタイムチャートがどのように認識されているかを見れば分かる。 発売と同時に発表される順位と、トップ3の音源に限って1時間も待たずに5分単位で更新される「5分チャート」、そして新たに建てられる記録を中継する各種媒体と、そのような「絵」を作り出すために仕方なく「スミン(ストリーミングの略語)」と「トルダ(ダウンロード回数の重みづけをするために、脱退とダウンロードを繰り返す行為)」にこだわるアイドルファンドムを見ればいい。ここに音楽を「聴く」人はいない。 実際このようなファンは「チャート進入順位に向けて、落ち着いた感想は一旦ランクインした後にしなければならない」と頑なに言ったりもする。 音源流通会社はファンのこのような「スミン」を防止するために音源公開時間を0時から午後6時に先送りするとしたが、逆に発売時間が変わった後の方がリアルタイムチャート成績に向けた競争はさらに熾烈になったというのが、関係者とファンドムを含めた利用者たちの大半の見方だ。 


このような過熱様相によってチャートが維持されているということを、該当DB情報をすべて持っている流通会社側が知らないわけがないことは確かだろう。 しかし、リアルタイムチャートの悪用に対する対策はまだされたことはない。 過熱のおかげで利用料を持っていくのは結局、流通会社だからだ。 もっと誘導すれば誘導するほど、絶対に放棄できなくなるという立場だと解釈しても差し支えないだろう。このような雰囲気の中で「SNSの口コミを通じての逆走」というタイトルでチャートの上位圏に安着した歌手が存在するという事実は、流通会社にとっても「言い訳」を作ってくれる。 リアルタイムチャートが「アイドルファンドムスミンチャート」であるという汚名を晴らす根拠として作用する余地が十分なものだ。 チャート最上位圏にアイドルの最新曲が布陣しているのは容認できないが、「大衆たちが多く聴いている」という噂は、たとえその実体がないとしてもなんとなく容易に納得できそうな根拠となるのだろうか。

 
チャートの細分化が必要ならば、その基準は「時間」ではなく「ジャンル」になる方がもっと理にかなっている。 実際、権威のあるチャートは通常それなりの基準で同時期公開タイトルを横に分類して販売量を集計する。多くはアルバム発売形態を基準にしたアルバム/シングルチャートであり、ジャンルや歌手のスタイルを基準に分けたチャートも多数存在する。 授賞式で与えられる賞は部門別に千差万別だが、果たしてその基準となるべきチャートは単純な販売量ただひとつに一本化されているのどうかという疑いを持ってもおかしくはない。たとえば、ほとんどの表彰式で欠かさない「新人賞」はたいていグループ、ソロや男性、女性に分けて行われる。 ところがこの基準が顕在化するのは「ネチズン人気投票」などをする時ぐらいであり、それさえも普通は部門を分けずに集計した後、受賞者選定時点において「口裏を合わせて」おいてグループを指定する方式だ。 したがって、それほど詳細に集計しファンが気をもんでいたチャート記録は、授賞式の投票をする時でなければ普段は流通会社DBの中に眠っている情報であるだけだ。 受賞の対象ではない音源の資料は余剰な情報に過ぎなくなる。


「記録」にはふたつの意味がある。 ひとつは「後日に残す目的で書いた文」を指し、もうひとつは「試合で立てた成績や結果」を指す。チャートが志向すべき「記録」がどちらに近づかなければならないのかは、きっと皆がわかっているはずだ。 大衆文化が産業の形を取ることには無視できない部分もある。 しかし、今の問題を作っているのは結局、目指しているところの問題だ。 チャートが有意義な「記録」を資料として残し、無意味な競争の「記録」を勧めないように、産業レベルで歯止めをかけなければならない。

  

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niloの件やそれに対する反応を見ると、チャートに対する権威主義と同時に、それによってチャート競争に執着し過ぎて起こる諸々の雑音要素によるチャートそのものへの不信という、ふたつの大きな矛盾によってかなりこじれてるのを感じました。互いの尻尾を飲み込むウロボロスの様です。

「販売量」ってそもそもはもっともシンプルかつ嘘をつかない・バイアスの少ないデータのはずなのに、何故そうなったのかという。

 
文中で「 授賞式で与えられる賞は部門別に千差万別だが、果たしてその基準となるべきチャートは単純な販売量ただひとつに一本化されているのどうかという疑いを持ってもおかしくはない」とありますけど、逆まさにmelon みたいな音源ポータルが賞の候補者を投票っていう販売量以外の要素で選んでる事自体が大分おかしい事のはずで...音源が強くない男性アイドルの受賞が客寄せや注目度には不可欠なんだろうとは思いますが、そこで根本がブレてるからどんどんねじれて行くし信頼がないんだろうなって気がします。リアルタイムチャートには文化的には意味がないのに無駄に競争を煽っているというのは本当にそう思いますし...。

【スポーツソウル訳】LIMEZ イ・シウ代表「変化する音楽消費パターンはまた別のジャンドクチョルを期待している」

【スポーツソウル訳】LIMEZ イ・シウ代表「変化する音楽消費パターンはまた別のジャンドクチョルを期待している」

 
2018.02.01

http://m.sportsseoul.com/news/read/596196?adtbrdg=e#_adtReady

[スポーツソウル ホンスンハン記者]

 
わずか数週間前まで、ボーカルグループジャンドクチョルを知っている大衆はそれほど多くなかった。 しかし、昨年11月に発表した「あの日のように」がSNSを通じて口コミに乗り音源チャートのトップまで上がり、ジャンドクチョルは2018年歌謡界の異変の主人公になった。 

 

事実、ジャンドクチョルの成功は昨年大人気を得たユンジョンシンの「いいの」やメロマンス「プレゼント」などと同じ延長線上にある。 過去にCD、DVDのようなアルバムを通じて消費されていた音楽はストリーミングに基盤する音源サイトに移行され、今はYouTubeソーシャルメディアでの消費パターンが変化している。 特に、Facebookのようなソーシャルメディアで話題を集めた音楽や動画は再び音源チャートに影響を与え、「逆走」という現象を起こしている。 

 
中古新人だったジャンドクチョルを発掘してソーシャルメディアを通じて紹介させた張本人は、まさにLIMEZのイシウ代表(28)だ。 イシウ代表が率いるLIMEZはクリエイティブアーティストエージェンシーだ。 まだ大衆には耳慣れない会社だが、業界ではLOEN、genie、ソニーミュージックユニバーサルミュージック、インターパークなど数多くの企画会社と既にさまざまな作業を行ってきた。 

 
「私たちは企画会社とは役割が違う。 企画会社はコンテンツをうまく作る会社であり、我々はソーシャルメディアとメディアに合わせてコンテンツを再加工する役割を果たしている。 会社の究極的な目標も、アーティストをAからZまで作ってあげるのではなく、上手く多くの人が見られるようにしてあげるというのがエージェンシーの概念だ。 チャートを見ると、今はシンガーソングライターの割合が多い。 本人たちの音楽的な力量に会社が最小限の支援をする。韓国の企画会社システムよりは、米国のエージェンシーやレーベルシステムのように細分化されている」

 
20代という若い年齢だが、イシウ代表はすでに大学時代からソーシャル・エンターテインメントという事業計画書を持ち、政府の起業支援金を受けてビジネスを開始した。 ソーシャルメディアに適したマーケティングを考えて誕生させたのがFacebookの「一般人の身の毛がよだつようなライブ(イソラ)」であり、以降ジュースTVなども一緒に製作して昨年LIMEZを創業した。 イ代表は「当時、社会的にオーディション番組がヒットしていた。一般人が歌うのに熱狂するという事について考えてみると、周辺に歌が上手いのにチャンスがないという人が多かった。 放送から始まるのではなく、大衆に人気を得てから放送に出るというのをやってみたいと思った。 『イソラ』は作るごとに大ヒットを記録した」と微笑んだ。


ジャンドクチョルの成功により、イシウ代表は2013年に書いていた事業計画書を現実として成し遂げた。 「とても満足しています。5年前に事業計画書にジャンドクチョルようなグループを作ると書いたが、自分の人生でそれを検証できた。これは偶然ではなく、過去にも40やイジュンホ・Banhanaなどが逆走をした。 これからもこのような事例を作って行き、私たちが考えている市場を検証する機会が設けられた」

 
イ代表はソーシャルメディアマーケティングにおけるコンテンツの重要性について何度も言及した。 彼は「私たちが持っていつチャンネルもあり、提携を結ぶチャンネルもあるが、コンテンツに何よりも集中する。 よく作られたコンテンツは購読者が0人から始まっても100万人が見る事もある。 人々が反応できるコンテンツが重要だ。 また、広告動画が100万アクセス数あったとしても商品購買につながることが重要であるように、音楽のような場合は自然と音源サイトと音源チャートに反映されなければならない。 私たちは流入率を高めるためのノウハウを開発している」と明らかにした。 

 
現在LIMEZをはじめ、多くの会社が変化するメディア環境に適したコンテンツの制作に力を傾けている。 トレンドを早く読み、又はトレンドを作る警戒地点に立っている会社のうち、LIMEZは目立って頭角を現している。 イ代表は「私たちが何かプロジェクトを進行すると、周辺の会社も似たような考えをしている。 双方向コミュニケーションの窓口であるソーシャルメディアが徐々に高まる時代的な流れはあるが、継続性のある市場性とビジネスをするということが重要だ。私たちは周囲の会社を通じて教訓を多く得た。 多様な事例を触覚を傾けてみている。 良かった点もあるし試行錯誤もあるが、我々は最大限リスク負担を減らしている」と伝えた。


ソーシャルメディアを通じたマーケティングと、現在大衆歌謡の一軸を担っているアイドル市場との結合は可能だろうか。 彼は「ビューティー製品もFacebookで消費されて実際の売り上げに増えた。 現在もカテゴリーは増えているが、フォーマットの問題だ。 バラードは一定部分調査し、パフォーマンス型の歌手も確かに疎通する方法があると考えて複数のデータを作っている。 大衆的に疎通できるアイドルをマーケティングする方式は作っている最中ですが、ファンドム市場ではソーシャルメディアが効率的かどうかについては悩んでいる」と話した。

 
現在、ソーシャルメディアを一番旨く活用している代表的なアイドル防弾少年団に対しては「防弾少年団は世界的に莫大な歌手に成長した。 誰よりも先にソーシャルメディアが持つ本質である、コミュニケーションの窓口をうまく活用した良いケースだ。 (コンテンツを見ると)真剣さが感じられる。 現在、IT業界でも製品とマーケティングの境界が次第になくなっているが、アーティスト本人たちがSNSの基本的な機能や意味を認知して知らなければならない。 自らが先に動画や他のコンテンツを作っていかなければならない」と説明した。

 
大衆音楽の消費パターンがスピーディーに変化する中で、音楽消費者のリアルな関心を音源チャートと繋げているリメジュの動きと、SNSマーケティングに対する関心が高まっている。 反面、一部ではこのような方式に対する否定的な視線も存在しており、未だSNSを通じて人気を集めたコンテンツやアーティストが継続性を見せられなかったのも事実だ。

 
李代表は「ジャンドクチョルの場合Facebookで近道をしたと言われたりするが、音楽市場だけでなくメディアが変わってきている時期であり、このような現象はさらに多くなるだろう。放送局も同様にマネージャーが仕事をうまくすれば様々な芸能に出られるのと同じで、私たちもメディアがSNSに最適化された方式は以前と同じだと思う」「人が最も重要だ。 私たちもこれを一つ作ってヒットをしたからとまた縮小するのではなく、才能のある人を集めて一緒に地道に良くなっていくのが会社の長期的な力量だ」と強調した。


LIMEZが行こうとしている方向と目標地点は何だろうか。 イ代表は「究極的にはクリリティブアーティストエージェンシーと書いてあるが、海外の事例でCAA(クリエーティブアーティストエージェンシー=米国最大手エンターテインメント&スポーツエージェンシー)というマネジメント会社がある。 膨大なタイプのスターが所属しており、ペプシコーラの広告もしたり等多様な領域で活躍している。 私たちもコンテンツとさらに良い価値を作っていくシステムを備え、多様な分野で力量を繰り広げていく計画だ。 一次的にはより多くの成功事例を作るのが目標だが、単に規模を育てることよりも充実してコンテンツの付加価値を高める会社になることを願っている」と期待した。

 


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「一般人の身の毛がよだつライブ(일반인의 소름돋는 라이브)」(일솔라=イソラ)

https://www.youtube.com/channel/UCAbd8xHBGObktNG6F4GeChA

 
2018年初頭にFacebookのクチコミでジャンドクチョルというボーカルトリオがブレイクして音源チャートの1位になるという事があったのですが、4月に入って再びniloという歌手が同様の行程で主要音源チャートの上位に入り、両方のミュージシャンが同じ会社に所属しているということでネットではステルスマーケティングや買い占めが疑われているそうです。

ジャンドクチョルの時は騒がれず何故今回は問題になったかというと、恐らく同じ時期に人気アイドルであるTWICEが新曲をリリースし、当然今回も音源を総ナメにすると思われていたのがチャートによっては突然現れた(ように見える)アーティストが1位になってしまった為に、主にファンを中心に騒がれているようです。しかし同時に韓国ではファン活動という名目でスミンという音源チャートの正当性を損なう行為を行っているのがアイドルファンという認識も世間的には浸透しており、それに対するバックラッシュも起こっているようです。

 
会社代表のインタビューを読むと、結局注目を浴びさせる手法はともかく、特に音楽の場合はコンテンツの中身が良くなければ生き残ってはいけないというのは確かだと思います。インタビュー見出しの「変化する音楽消費パターンはまた別のジャンドクチョルを期待している」はniloのヒットによりたしかにそういう消費層がいるのかもという証明を一歩確実にしたようです。

 
既存のアイドルが人気を獲得してきた手法とは別の形で人気を得た「プデュ」現象も同様かもしれませんが、韓国音楽チャート界をこの10年ほど支配してきた「人気アイドルという既得権益」を脅かす新しい存在が出てきたという事なのかもしれません。当然、「既得権益側」(韓国では主にファンでしょうが)からの反発もあるでしょうが、ざっくり分けるとアイドル・TV番組絡みのヒット・hiphop or R&B系メジャーアーティスト・その他インディーズミュージシャンというおおよそ4パターンに分かれていると言っても過言ではない韓国音楽チャートに一石を投じた事例というのは確かではないかと思いました。